人生は地獄よりも地獄的である。
芥川龍之介 地獄の2コマ名言集
ペズル、aqinasu
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刊行日 2024/07/16 | 掲載終了日 未設定
ハッシュタグ:#人生は地獄よりも地獄的である #NetGalleyJP
内容紹介
この本では、人生を悩み抜いた天才小説家・芥川龍之介が作品の中に残した名言を、動物たちの2コマ漫画とともに紹介します。名言は読みやすいように現代かなづかいに改めています。また、漢字をひらがなにしたり、現在よく使われる感じに置き換えたりしています。
【紹介する名言の一部】
◯阿呆(あほう)はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている。 『河童』
◯我々の行為を決するものは善でもなければ悪でもない。ただ我々の好悪(こうお)である。あるいは我々の快不快である。 『侏儒の言葉』
◯後で考えて、ばかばかしいと思うことは、たいてい酔った時にしたことばかりである。 『ひょっとこ』
◯罰せられぬことほど苦しい罰はない。 『侏儒の言葉(遺稿)』
◯どちらがほんとうの「正義の敵」だか、滅多に判然したためしはない。 『侏儒の言葉』
◯互いに愛し合うものは苦しめ合う 『或阿呆の一生』
◯人間は、時として、みたされるかみたされないか、わからない欲望のために、一生を捧げてしまう。 『芋粥』
◯人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのはばかばかしい。重大に扱わなければ危険である。 『侏儒の言葉』
◯もし憎み切れるとすれば、もっとしあわせになっているでしょう。 『二人小町』
◯僕は屈辱を受けた時、なぜか急には不快にはならぬ。が、かれこれ一時間ほどすると、だんだん不快になるのを常としている。 『僕は』
◯我々は我々自身のあてにならないことを、痛切に知っておく必要がある。実際それを知っているもののみが、幾分でもあてになるのだ。 『首が落ちた話』
◯天才の悲劇は「小ぢんまりした、居心(いごころ)の好い名声」を与えられることである。 『侏儒の言葉』
◯量的向上はたいてい質的低下である。 『文芸的な、あまりに文芸的な』
◯輿論(よろん)は常に私刑であり、私刑はまた常に娯楽である。 『侏儒の言葉』
◯天国は「しないことの後悔」に充ち満ちている。ちょうど地獄は炎の中に「したことの後悔」を広げているように。 『文芸的な、余りに文芸的な』
◯ばかがるのが一番ばかだね。 『早春』
など
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784833425414 |
本体価格 | ¥1,200 (JPY) |
ページ数 | 192 |
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NetGalley会員レビュー
作家の名言を収録した書籍は数多あるが、こんなに毒々しいものばかりを集めた名言集というのは珍しいのではないか。芥川は代表的な作品しか読んだことがないが、「僕はこういう彼らの不幸に残酷な悪意に充ち満ちた歓びを感じずにはいられなかった。(『歯車』)」という一文に魅入られた高校生の頃を思い出し、『羅生門』を音読した学生時代に心がタイムスリップしていくようだった。
漫画で読めるとっつきやすさと、芥川の文章の刺々しさ・含蓄が妙にアンマッチでいい味を出している。
名言集としてだけでなく、『ひょっとこ』『文章』など、読みたい作品が見つかる書籍案内としても優れている。
芥川賞の元になった小説家である短編の名手芥川龍之介の残した名言をpickupしたのが本書であり、さすが芥川という鋭い言葉があった。少し思考がネガティブなのかもしれないと感じた。
どちらがほんとうの正義の敵だか、滅多に判然したためしはない。
この言葉が妙に刺さった。
ちょうど兵庫県の知事選が終わったばかりであり、それとダブった。
芥川龍之介が公私で残した名言を、動物たちの2コマでわかりやすく描き、今の価値観と照らし合わせた説明を加えた、ちょっと哲学的な名言集。
親しみを感じる可愛いイラストが、すべてを憂えたような芥川の闇をシュールに演出していて面白かった。穿ちすぎたり、一周回って無になってみたり、少ない言葉の中から芥川の抱える苦悩が感じ取れ、この一冊でなんとなく距離が近付いたような錯覚すら覚えた。チョイスする名言も種類が豊富で、幅広い層に刺さる内容。言葉は少し難しいが、2コマの部分だけでも楽しめるので、小学生(中学年〜くらい)にもオススメ。
芥川の純文学へ対する美学が覗ける、『侏儒の言葉』と『芸術その他』からの言葉が特に印象的。芥川龍之介に惹かれるキッカケにもなる一冊。
顎に手を添え流し目で決めるいけすかない感じ、35歳で自死した男、漢字多めの著作品。
彼の名は、芥川龍之介。
本書は、それでもそろそろ芥川の作品でも読もうかと、
重い腰をあげようとする人への恰好の芥川入門書。
構成はいたって今。
短いタイトル、象徴する1ページずつのマンガ。そして彼の言葉。
令和の時代にこんなにも溶け込むなんて。芥川龍之介は未来預言者か。
「あしたやろうの日々」
「誰もわかってくれない」
極めつけは
「天国は「しないことへの後悔」に満ちている。地獄は「したことの後悔」を広げている」。
芥川賞の芥川龍之介は、令和を生きる私たちと何ら変わらぬ悩みを抱えていたと、解釈させていただいてもよろしいでしょうか…
超親近感。
読めばわかる。龍ちゃんは少年時代からぶっとんでいたこと。
歴史好きの愛されキャラだったこと。
幼馴染に宛てた「生」という文字が何度も登場する手紙が、本の最後を添える。