キーウで見たロシア・ウクライナ戦争 戦争のある日常を生きる
平野高志
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刊行日 2024/11/25 | 掲載終了日 2024/12/06
ハッシュタグ:#キーウで見たロシアウクライナ戦争 #NetGalleyJP
内容紹介
「自爆ドローンが飛んでくる日にだって、生活は続く。
食事をして営業ノルマに追われ、恋愛をする。そこに爆弾が降ってくる」
――― 小泉悠氏(東京大学准教授)推薦!
空襲、戦争疲れ、娯楽、徴兵、覚悟、希望……ウクライナ在住16年の日本人記者が語る戦争下のリアルな生活。
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ロシア・ウクライナ戦争に関して、あまり注目されなかった事実がある。ウクライナ国民が戦争下で どのように生活し、何を感じているかである。
そんな「戦争のある日常」について、2008年から現地 に暮らすウクライナ国営通信日本版の編集者が包み隠さず語ったのが本書である。
過大評価でも過小 評価でもない、生活の中にある等身大の戦争を知り、考えるための必読書。
■ 著者より ■
私は、現下の戦争において、ひょっとしたら最も人々の注目が集まらない部分、報道であまり取り上げられない部分かもしれない、「戦争のある日常を生きる」ということに焦点を当てて語ってみようと思う。侵略の中を生きることなど決して望んだことはなかったが、その中を生きることになった以上、私は、戦時下のウクライナに暮らす一人の人間としても、一専門家としても、日本の人達にできるだけ十全な形でこの戦争の姿を伝えなければいけないという、いくらか使命感に似た思いを抱いている。
■ 本書の主な内容 ■
・ロシアの全面侵攻前後、学校や会社、役所や街の様子
・空襲をどうやり過ごすか
・戦争が始まってから「死」を感じた瞬間は
・停電のある生活
・やっておくべきだった戦争の備え
・戒厳令・夜間外出禁止令とは
・政治への信頼感
・戦争のつらさを特に感じる瞬間
・占領地からの避難者の生活
・ウクライナの人が考える「戦争の終わり」
・国民は「戦争疲れ」を感じているのか
・キーウと他地域で、ウクライナ国内での温度感の違い
・全面侵攻の前、ロシアの脅威をどれくらい感じていたか
・戦争を巡る日本の報道と欧米の報道の違い
・外国からの支援で特に効果を上げているもの
・戦後復興に必要なもの
・戦時下ウクライナで見た日本文化
・・・・・・etc
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著者/平野高志(ひらの・たかし)
ウクライナ国営通信『ウクルインフォルム』日本語版編集者。鳥取県出身。2004年、東京外国語大学外国語学部ロシア・東欧課程ロシア語専攻卒業。2013年、リヴィウ国立大学修士課程修了(国際関係学)。2014年から在ウクライナ日本国大使館専門調査員、2018年より現職。ウクライナのキーウ在住。著書に『ウクライナ・ファンブック』(パブリブ、2020年)、監修書に『美しきウクライナ 愛しき人々・うるわしの文化・大いなる自然』(日経ナショナルジオグラフィック、2023年)がある。
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NetGalley会員レビュー
この作品の内容紹介を読んで、リクエストしようかとても悩みました。
私はロシア・ウクライナ戦争が始まり、あまりにも悲惨な映像を見るのが辛く目を背けてしまうこともありました。そんな私が読んでもいいのかと自問自答していましたが、著者の平野さんのXを遡り、10月20日の「軽度の睡眠障害」であることの投稿を読み、空襲警報などで睡眠障害が続く状況下でこの本を執筆されたのだと知りウクライナの今を知りたくてリクエストしました。
第1章 戦時下の生活
第2章 ウクライナで考えるロシアの全面侵略戦争
第3章 戦時下エッセイ
第1章と第2章はQ&A形式、第3章はエッセイとしてまとめられています。
戦時下の生活では全面侵略当初と今との違い、地域による違いなども書かれていてキーウでの日常が綴られています。コンサートやイベントなども開かれ一見すると平和な日常にも思えるのに、攻撃を受けると一変する日々が続いている様子が伝わってきます。
66p Q生活の中で外国からの人道支援を感じることはありますか?
この問いのなかで1500万人以上のウクライナ人が人道支援を必要としていること、人道支援よりも裨益を実感しているであろう支援についてのことに、立場が変ったらどうなのだろうと思うと答えが見つからずにいます。
また92pの今年の冬に向けた準備について、この冬大きな困難が生じることが予想されていることで世論がどうなっていくのか、ニュースとともに平野さんのXでの発信も注視していきたいと思います。
第2章の冒頭のQウクライナの人が考える「戦争の終わり」とは何ですか?の中で戦争が長引く中でウクライナ人が思う「戦争の終わり」についての苦悩を知りました。
多くの犠牲が出ているこの戦争についても、Qウクライナ国内でこの戦争はどう呼ばれていますか?のなかでクリミア編入という言葉は適切ではなく、この10年侵略が続いているのだという認識に私も改めました。
今の日本にいる私に出来ることはいったい何なのか?と読みながら考えていました。募金以外にも日本にいてもできることも綴られていて調べてみたいと思います。
この戦争が始まった当初は目を背けてしまいましたが、これからはウクライナの現状を知り、関心を持ち続けることの大切さを改めて思いました。平野さんの身の安全も祈りつつ、この本をまとめて下さったことに心から感謝します。ありがとうございました。
ウクライナの生活を伝える、とても大事な本だと思う。日本の報道を見ていてもきっと出てこない情報。なんとなく震災とかの被災地にも通じるけど「早く日常を取り戻せるように」と言いながら、意外と普通に暮らしている様子を受け入れない気がする。「キーウで音楽フェスが開かれました」ってテレビで伝えたらなんか苦情出す人とかいそうだし。なんでこの時代に戦争なんてするのか本当に分からないけど、少しでもウクライナの人たちが普通に暮らせていて、警報に怯えなくて良い日が戻ることを願う。
ウクライナ在住16年でウクライナ国営通信日本版の編集者である著者が、現地で暮らしていて感じる事や現地の人たちの生活、戦争が始まってからの人々の変化などを質問に答える形で書かれている。戦争と聞くとどうしてもテレビや映画などで描かれる日本の戦時中のイメージがあったのだけど、意外にも思ったより普通の日常を送ることができている様で少しホッとしました。もちろん、大切な人が亡くなっていたり住む所を変えざるをえなかったり様々な苦悩はあるだろう。一日も早く戦争が終結する事を願う。ニュースなどで知るウクライナとは違う現地の状況を知ることができたのは良かった。
ウクライナに住む日本人の記者が戦時下のウクライナの人たちの生活を、詳しく描いた本書は、とても新鮮な驚きだった。ニュースでは知ることの出来ない事柄を丁寧に何度も何度も、それでも生活はつづくという事実を、繰り返し描いている。ウクライナとロシアはずっと兄弟みたいな存在だったとは聞いていたが、戦争前は当たり前のようにロシアの大学に行っていたり、普段はロシア語を話していることが多いが皆ウクライナ語も話せ、今ではウクライナ語だけを意識的に使う人が増えたものの、ロシア語を聞かない日はないという。そういう所はなかなか島国の日本にいる私たちには不思議な感覚である。徴兵もあるし、戦死した人も多い。今も戦っている人たちがいるおかげで本書も安全に書けたという。戦争が、生まれてこのかたない国にいる私にとっては、読んでみないと分からない部分は多かった。軍人の中には日本のアニメのファンも多いという。日本のアニメの登場人物の名を、軍隊でのニックネームにしているとは。同じ時代に生きて、こんなにも違うのか。戦争のある日常は、娯楽や生活はあっても、常に死と隣り合わせだ。私が生きている内には戦争が終わってほしい。そんな思いを強くした。
戦争が日常になるというのがどういうことなのかを伝えてくれる本。
戦後何十年もたってから生まれるた私からすると、
第二次大戦中はおろか日中戦争の間だって戦時下であって、
「戦時下らしい」くらしをしているような、
勝手なイメージを抱いてしまいがちではあるけれど、
その中でも日々の営みは続いていた。
だからいまは「戦時下ではない」と思っていても、
地続きで「戦中」にだってなりうると、
この本を読んで日本を見回すと恐ろしさも覚える。
とはいえ、ご本人も何度もくりかえして本文中で、
「キーウでは」とか「知る限りでは」と「見た」範囲を制限していたけれど、
場所によってはもっと異なる日常を送っている人もいるのでしょう。
この本はあくまで「キーウで見た」であることも忘れてはいけないと思う。
ウクライナ、キーウで10年以上にわたり生活してきた著者の、渾身の一冊。
何か本書をして特別なものとならしてめているか〜それは、著者自身の体験をもとにした、まさに「日常」を伝えるべく編まれた書であるということであろう。歴史学のうちでも、日常史、という分野がある、ということを思い出させる筆致であった。
この戦争をめぐる報道、著作物は限りなく存在し、私たちの予想を超えて長期化していることも相まって、私たちは情報の海にのみこまれ、もはや何を信じたらいいのかわからなくなることも多い、絶望を感じることも少なくない。
この本から得られるものは、著者が現地での生活の中で体感したことをそのまま伝えたいという思いの強さだろう。
冒頭から、著者の謙虚な姿勢は明らかで好感が持てる。沢山の専門家によってこれまでに編まれた著作物への敬意、各分野での専門家たちの見識や分析へのリスペクト。そんな現場の中で著者ができることは何か(語弊を恐れずに言えば)下手に分析したり物事に意味を与えようとせず、ひたすら体験したものをそこにいない私たちに伝える、という態度に徹底したこと、ではないだろうか。
分析などできない、大きな文脈に当てはめることなどできない、そこにある日常、というものの、(時には矛盾に満ちたりしているかもしれない)日常、を伝えること、の大切さ、そんな思いが残る本であった。
筆致は淡々ととしていて人間味を感じるけれど、そこにある(意外と普通な)日常、が感じられるけれど、それでもやはり長く続く戦争を生きる国の人々の痛みはいかほどか、は想像をこえるものがあり、胸が痛む。