ミセス・ハリス、モスクワへ行く
ポール・ギャリコ 著、遠藤みえ子/亀山龍樹 訳
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刊行日 2024/11/25 | 掲載終了日 2024/11/23
ハッシュタグ:#ミセスハリスモスクワへ行く #NetGalleyJP
内容紹介
アラカン(60歳すぎ)の家政婦さん、ロシアでスパイ容疑をかけられる!?
KGB相手におばさん二人でどう戦う?(@@;)
何歳(ルビ:いくつ)になっても夢をあきらめない、奇跡と勇気の物語! シリーズ完結編!!
米ソ冷戦時代のロンドン。家政婦のハリスおばさんは、モスクワ旅行の富くじを当てる。ロシアなんて危険な国に行くの!? と嫌がる親友バターフィルドを力技で同伴させ、いざ出発! 実は、おばさんには秘密の計画があった。ある手紙をロシア人女性に渡すのだ。それは、国の違いに引きさかれた、若い恋人たちのロマンスのためだった。なのに、なぜかKGBにスパイ容疑をかけられ、とんでもないことに!
涙と笑いの大人気シリーズ完結編!
※本書は、1982年11月に刊行された『ハリスおばさんモスクワへ行く』(講談社文庫)を、現代向けに加筆修正し、角川文庫化したものです。
原題:MRS HARRIS GOES TO MOSCOW
【絶賛の声】
「ミセス・ハリスはフィクションの偉大な創造物のひとつであり、彼女と知り合いだと感じるほどリアルで、本当に不思議な存在だ。彼女の魅力は尽きない」(ジュスティーヌ・ピカルディ)
「ギャリコの魔法に屈しないことはほとんど不可能だ」(タイムズ・リテラリー・サプリメント)
(目次)
ミセス・ハリス、モスクワへ行く
訳者解説 遠藤みえ子
(著者紹介)
ポール・ギャリコ
1897年、ニューヨーク生まれ。コロンビア大学卒。デイリー・ニューズ社でスポーツ編集者、コラムニスト、編集長補佐として活躍。退社後、英デボンシャーのサルコムの丘で家を買い、グレートデーン犬と23匹の猫と暮らす。1941年に第二次世界大戦を題材とした『スノーグース』が世界的なベストセラーとなる。1944年にアメリカ遠征軍の従軍記者に。その後モナコで暮らし、海釣りを愛した。生涯40冊以上の本を書いたが、そのうち4冊がミセス・ハリスの物語だった。1976年没。
遠藤みえ子
作家。東京女子大学卒。『あじさい寮物語』他著書多数。第5回小川未明文学賞、第72回小学館児童出版文化賞受賞。
亀山龍樹
1922年佐賀県生まれ。東京帝国大学文学部印度哲学科卒業。戦後、英米児童文学の翻訳や創作を多数発表。訳書に、スターリング・ノース『はるかなるわがラスカル』、ポール・ギャリコ「ミセス・ハリス」シリーズ、R・スチーブンソン『宝島』他。著書に、『宇宙海ぞくパブ船長』『ぞうのなみだ』『インド・インカ古代史考』『古代文字のひみつ』『世界の文化遺産 1 インド編』他。1980年没。
※お読みいただく原稿は発売前の(つまり、修正前の)ものです。発売時のものとは一部内容が異なりますので、ご了承の上、お読みいただけますと幸いです。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
出版社からの備考・コメント
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出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784041142882 |
本体価格 | ¥1,200 (JPY) |
ページ数 | 336 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
ハリスおばさんシリーズの完結編ということだが、実は初めて読んだ。1970年代に書かれた本の再翻訳の本書。アラ還のハリスおばさんって、今の私とほぼ同年代。おばさんであって、おばあさんではない。でも度胸と、とっさの機転はあるし、愛嬌もある。そんな主人公の家政婦のハリスおばさんは、テレビが欲しいと言い、親友のバターフィールドさんは毛皮のコートを長年欲しがってる。そんな二人がひょんなんことからモスクワ旅行のツアーに当選。雇い主の男性と、モスクワにいる恋人とを、何とか引き合わせようと、実現不可能とも思われるもくろみを胸に、当時のソ連へと旅立つ。そこまでのいきさつも、マンガみたいな展開で、息も切らさず話は進んでいく。
ソ連に行ったら行ったで、思いがけない行き違いから、KGBに目をつけられ監視され、行動も制限されてしまうのだ。そんなピンチも、様々な偶然と機転によって、めげずに乗り越えて、本望を達成する以上のハッピーエンド。ハラハラドキドキ、わくわくが、止まらない面白さだった。全く古さを感じさせないのは、翻訳しなおしたというのも大きいのかもしれない。是非このシリーズの他の作品も読んでみたいと思う。
ミセス ハリスシリーズの1作品。
情景が浮かぶ描写で、家政婦として働く姿、お友達とお茶する姿、モスクワへ旅行し、願いを叶えていく姿、どれも目に浮かぶよう。人のために動き、願いを叶えていくハリスおばさんの活躍、目が離せません。
生まれるより前の作品だなんて信じられないぐらい生き生きした姿が浮かび、引き込まれます。
ミセス・ハリスは「パリへ行く」を映像作品で見たことがあるのみですが、とても好みでした。
今回新作が翻訳されるということでわくわくしながら読みました。
自分が経験したことない時代の、ロシアがソ連だったころの話は、こんな大変な世の中があったのかと勉強になりました。
さすがにあの時代ではハリスおばさんでも活躍するのは難しいのでは?と思いましたが、さすがはハリスおばさん。
華麗な大活躍でした。
ハリスおばさんに元気をもらいました!
もぉー、控えめに言えないくらい大好きで面白い作品でした。
初めて読む作家さんでしたが、話のテンポが良くスラスラ読むことが出来ました。1つ残念だったのは他のシリーズ作品を読んでおけばもっと楽しめたんだろうと思いました。なので個人的に前作のシリーズ全て読んでから再度今作を再読する事を決めました。
作品は、アガサ・クリスティのミス・マープルのような雰囲気を感じながら読みました。いい意味で古めかしい言い方のところがあり、そこが私は好きでした。もしかしたら海外小説苦手な方は少し読みずらく感じるかもしれませんが、、、。私は大好きです。
テンポよく話が進み、おもしろくて途中で声をだして笑いながら一気に読んでしまった。
この作品のすごいところは、文章から自然に映像が浮かび上がってくるところだ。
映画をみているように自分の中で映像がみえてくる。リズミカルな文体と緻密な描写がそうするのかもしれない。
ハリスおばさんの正直さ、ひたむきさ、愛情たっぷりなところはモスクワでも発揮されており、
読んだあと心にほわっと温かい気持ちが広がった。
この作品を知ってからシリーズ全て読破してしまいました。海外文学の中で上位で好きです。
かなり古い作品なのに色あせないのは素晴らしい作品の証拠です。
憎めないおばさまたちの見事な解決作。楽しませていただきました。
ハリスおばさん、相変わらずの行動力!でも悩んだりしながらの行動なのでとても親近感が湧きます。そして今回のモスクワ旅行。色々あっても魅力的で私も行きたくなりました。今回のバターフィルドおばさんも、とてもいい味を出していて、このコンビのやり取りが最高で、ずっと続いて欲しかったです。続編も是非このコンビで!
意外なことからポール・ギャリコ作品を読むことができた。氏の名前は半世紀前から知っている。当時「雪のひとひら」の翻訳が出て評判になった。だが私は氏の作品を読んだ覚えがないのだ。買ったことはあるように思うのだが(だから読んでいるというのが普通だが積読になってしまった本が結構多いのだ)。だから当然ハリスシリーズのことは知っていたがこの作品は記憶にない。講談社文庫版刊行は1982年だという。私の職歴中、唯一、出版情報がほぼない時期に当たったせいだろう。そこでてっきり初翻訳だと思って読んだのだった。さすがギャリコ作品、さらに1974年の原著という、ここでもちょうど半世紀前というのは感慨深い。なにしろソ連時代のモスクワが舞台なのだから。・・・ユーモア小説です、でも恋愛小説でも政治小説でも、さらに私の好きな家政婦もの(どちらかというと召使ものの方が好きだが、近いジャンルは家庭教師もの)・・・まあ最後のがハリスシリーズの説明には一番ふさわしいのだろうが。
こどもの頃に読んで忘れられなかったハリスおばさんの話をまた読めて感無量です。長いあいだ手に入れられなかったのですが、昨年の映画化のおかげでしょうか。昔読んだときの雰囲気が活かされているのも嬉しかったです。当時の社会情勢など子供の頃はよくわかっていなかったので、このモスクワ行きの巻はパリ行きの巻よりも印象がおぼろげだったのですが、大人になって読んでみるとソ連についてバイオレットおばさんが不安に思っている様子やトイレットペーパーのくだりに日本が出てくるところなど、当時は子どもだけではなく大人が読んでも楽しかったのではないかと思います。最後の毛皮のコートの部分も伏線回収というかきれいにおさまり、本当に楽しかったです。また、現在だとコンプライアンス的に…という部分についての断り書きも全くそのとおりだと常々思っているので、新訳にあたって変えられてなくてよかったです。以前の挿絵がないのは残念でした。ハリスおばさんといえばわたしの中ではあの姿しか思い浮かばないので…でもシリーズそろえられるうちに大人買いしようと思っています。
シリーズ四冊ともにゲラ読みに提供されていたようなのだが(なんという贅沢!)、気づいた時には公開期間が終了していて、この、ロシア編のみを拝読。ハリスおばさん・・・・というタイトルを聞いただけで、懐かしい思いがした。どんな話だったか詳細までは思い出せないものの、確かにそこにあるはずの、物語の面白さ、華やかさ、確か映画化もされたのではないか・・・・(パリ編!)。
あとがきまで読んでみて、このロシア編がシリーズでまだ訳されていなかったものの新訳だということを知り、1970年代に出たこの名作シリーズの、まだ日本の読者の目に触れることのなかった作品であることの意味を思う。
数々の冒険をしてきたハリスおばさんの今回降り立つのは、なんとロシア。モスクワ。
読みながら、この作品が描かれた時代、流れた月日、そして現在について思うと複雑な気持ちになる。
描かれた作品は永遠を生きるけれど、読み手のわたしたちは、わたしたちが生きるこの時代に閉じ込められているような、奇妙な複雑な思いだ。
今の私たちにとってロシアという国はどういうふうに映るだろうか。
そして、鉄のカーテンの向こうにあったはずの、当時のソ連は西側の人々にとってどんな国だったのだろうか。
この本が出た時に、ワクワクドキドキしながら手にとった少年少女たち、大人たちは、どんな気持ちで読んだのだろうか。そんなことを想像しながら、この冒険譚を読むのはとても貴重な体験だった。
貴重なゲラを提供してくださり、ありがとうございました。