小説
野﨑まど
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刊行日 2024/11/18 | 掲載終了日 2024/11/20
ハッシュタグ:#小説 #NetGalleyJP
内容紹介
なぜ人は小説を読むのか。小説とは何か。物語を愛した日々を経て、物語に裏切られた少年たちの果てしない物語。
小説を愛する人。
小説を愛した人。
すべての人に贈る、
小説の、小説による存在証明。
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◆読者を唖然とさせる飛躍とどんでん返しが待っていて、「小説」の意味を痛切に問い直す。――小川哲(作家)
◆何もかも投げ出して小説に没頭するうしろめたさを知るすべての人に捧げたい傑作だ。――大森望(書評家)
◆小説を愛するすべての人に届くべき作品だ。――けんご(小説紹介クリエイター)
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―あらすじ―
5歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。12歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会う。2人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は2人の小説世界をさらに豊かにしていく。しかし、その屋敷にはある秘密があった。
小説を書くことで失われる世界の均衡、読むことで広がる無限の心。
宇宙最高の愉悦のすべてが、今明らかになる。
#野﨑まど #野崎まど #まど小説
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著者/野﨑まど(のざき・まど)
2009年『[映] アムリタ』で、「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者となりデビュー。 2013年に刊行された『know』(早川書房)は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた。2017年テレビアニメーション『正解するカド』でシリーズ構成と脚本を、また2019年公開の劇場アニメーション『HELLO WORLD』でも脚本を務める。講談社タイガより刊行されている「バビロン」シリーズは、2019年よりアニメが放送された。他の著書に『タイタン』など。
出版社からの備考・コメント
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おすすめコメント
奇才か鬼才か天才か―― 野﨑まど最新作は期待度∞?危険度∞?
◆ 担当編集者より ◆
本書は一度でも小説に時間を奪われ、あるいは小説に心を動かされ、乱されたことのある人には読んでいただきたい一冊です。
小説を開き、その世界に救われたことや、その世界に呪われたことがある方にこそ、この本が届いてほしいと願っています。
少なくとも、私はこの本を担当することで世界の見方、見え方が変わりました。小説を読んでいていいんだと、心から思わされる一冊です。
販促プラン
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★★★
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★★
出版情報
ISBN | 9784065373262 |
本体価格 | ¥1,950 (JPY) |
ページ数 | 224 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
圧倒的な筆致と知識量で語られる幻想と現実の境目のような曖昧模糊とした世界に迷い込んでしまった。心地の良い酩酊感。子どものときから小説が好きで、もう何十年も読んでいる。ただひたすら読んでいる。それが何かになるかと問われたら明確な答えはないように思う。好きだから、集中できるから、趣味だからとしか言いようがない。しかし『小説』を読んで、小説を読み続けることは自然の摂理にかなっているのだと妙に安心した。このままひたすらに小説を読んでいいんだと。世界は秒ごと変化し続けているが、人類が存在する限り小説はあり続けるし、いつかなくなるとしても最後まで読者でありたいと思う。
それと、カバーが最高にかっこいいです。売り場でとても目立ちそうです。
髭先生に導かれ本が大好きになった小学生の集司と真は、読み手と書き手となる。突然失踪した真を探す旅路の果てに、集司は「小説」が存在する訳と対面する。
この世の理を超えてまで我々の存在を支えるのが「小説」。その驚愕を体験して欲しい。
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髭先生と出会うことで更に小説にのめり込んでいく、小学生の集司と真。2人は成人し共に暮らしながら、「小説を読む側」の集司と「小説を書く側」の真となる。そして、真の突然の失踪。
丁寧に丁寧に2人の心情を追い続けてきたストーリーがここで一変するとは。真を探す集司の苦行としての探索行が始まる事になるとは。その急展開と登場する存在達に目を見張った。
そして、その展開のあまりにも大きなスケールと、「小説」という〝存在〟が今まさにおこなっている意味に、その存在がこの世の理に対してまでして行なっている行為に驚愕しかなかった。更に、〝円環〟で追い討ちをかけられてしまった。
書く側と読む側に分ける必要はない。小説を「書く事」も「読む事」も、全存在に向けてのあまりにも偉大な行為に共に参加しているのだから。
さて、「小説」を読むとしようか。
入力しかしていない後ろめたさを抱えていない小説読みはいない。書けるんなら書いている。読書感想文すらろくに書けないのに、ひたすらインプットし続けるこの後ろめたさ。そこをまさか全肯定してもらえることになるとは思わなかった。
この物語は、私のための物語だ。
そう思える人がたくさんいるだろう。読めてよかった。ありがとうございます。
本が大好きでたくさん読んでいるのに、うまく感想を伝えられないと悩む人にすすめたい本です。実はわたしも同じことを悩んでいました。正直、不思議な物語だなと思いながら読んでいましたが、「小説を読むとは」の答えを得るためには必要な伏線でした。「小説を読む」ことの答えを知れば、本への向き合い方が変わるかもしれません。読了したいま、今後本を読むわたしの中に主人公 内海がいてくれるような気がします。
内海集司の読書との関わりと、ともに読書に耽溺する仲間である外崎真との出会い、モジャ屋敷に住む小説家の髭先生との交流。読書好きには夢のようなシチュエーションでした。内海集司は、なかなか客観的に物事を見られる人物に成長していて、外崎のサポートも外崎の良さを最大限活かせるように心を砕いていたことが印象に残りました。終盤で失踪した外崎の行方を追った先で、自分の中にある苦しみから救われる結末が良かった。そこにある仕掛けにも大変驚かされました。「孫」の内海集司を快く思っていなさそうな態度の理由が意外と微笑ましいです。
この小説が刊行されたときにどう周りにおすすめしようか、読み終えたあとはそのことばかり考えていました。小説が大好きな私の琴線に触れる、"嘘たち"。どう表現すれば、この『小説』の素晴らしさが伝わるのか、今でも自分にとっての正解は見つかりませんが、見つからなくてもいいのかも、とも思います。なぜなら一度読んでしまえば、その読者には必ず伝わると確信しているから。自分の不足した語彙や表現力でこの『小説』の評価を少しでも小さなものにしてはいけない、と恐れる程、私はこの作品が好きなのです。私の本棚に『小説』が並ぶのを心待ちにしております。ありがとうございました!
小説ってなんなのか、小説の存在意義、小説を読む私たちとはなんなのか、読む意味とは。そんな答えのなさそうな疑問に答えてしまう恐ろしい小説でした。凄まじくて恐ろしいが、何かわかった気がして安心しました、すごい小説。
小説を読むのに理由なんてない。欲するのだ。心が、脳が、身体が。
そんな小説と共に生きる者の、言語化出来ない複雑な感情を、ギュッとハグして包み込んでくれる『小説』は、私達の代弁者だ。いや、救世主であり相棒である!
美しい表現の世界に酔いしれて、登場人物達と同じ目線で物語の中を旅する。
私の精神は読み終えた今も『小説』の中に在り続けている。物語は読み手の中で続いていく。ずっと生き続ける。
前よりもっと、顔を上げて生きていける強さを手に入れた。
小説ってすごい。わたしの好きなもの。本当にすごくて、嬉しい。…なんてじんわり感動を噛みしめていたら、別の感動でぶん殴られた。そして、「小説ってすごい、読めて嬉しい」と、また感動新たに本を閉じた。明日また書店(職場)へ行って書棚の間に立ち、小説に囲まれるのが楽しみだ。
こんなに心が震える小説に出会えることは、人生に数度しかないと思う。
「小説」というある種不遜なタイトルと神秘的な色合いの表紙に違わぬ、期待を遥かに上回る小説に圧倒された。読めてよかった。出会えてよかった。
小説に出会い、ひたすらに読む幼少期を送る内海集司と、唯一の友人・外崎真。ふたりが忍び込むモジャ屋敷。有名な作家らしい髭先生。ここまででグングンと世界に引き込まれていく。鬱蒼とした森のような中に佇む、作家の屋敷なんて、そんなのロマンじゃないですか。
秘密主義で作家名も本名も教えてくれない、けれど小説の話をすると饒舌な髭先生との交流、文章の才を発揮する外崎、小説を読み続ける内海。モジャ屋敷に二度目に行ったとき、ふたりが髭先生に怯えて隠れた書棚で「ホビットの冒険」を読み始めて夜が更けてしまう場面が最高に好き。外崎の小論文を読んだ髭先生のコメントを聞く、内海の心の動きも。小説読みあるあるがふんだんに詰め込まれている書でもあり、小説書きの隣で「小説を読み続ける」人間の苦悩がひしひしと伝わってくる本でもある。
そして外崎が書いた小説が世界を動かそうというそのとき、内海の内面にも大きな波が訪れ、それは世界の真理に触れる「問い」を連れてくる。
小説を読むことのよろこびを、没頭して、没入して、本の中以外にはなにもなくて、世界がそれだけになる、その感覚を思い出させてくれる一冊だった。絶対にまた読む。折に触れて、読み返す一冊になる。そんな予感がする。
5歳で読書に目醒めた少年が、12歳で本を通して友を得て、知らない小説家の家に入り浸っては、より深く沈んでいく。「小説」に魅せられ、囚われ、共に生きてきたすべての読書家に放たれた、自分と世界の繋がりを教えてくれる「小説」の小説。
国語の知識だけですべてを補おうとする所など、読書好きには堪らない内海の設定に共感だらけ。「小説」と初めて出会った時のあの目映い煌めきと、他の事が手につかなくなり空気のようにひたすら吸収し続ける集中モードと、一種の麻薬のような作用を発する「小説」の真髄に迫った作品。
少年たちと不思議な小説家との交流だけで満点の心躍る内容だが、そこに哲学的要素も加わり意外な所に帰結するのもまた面白かった。
難しい事はよくわからないが、とにかく自分は今後も一生「小説」を読み続けるだろうと確信した。
子供の頃から本の虫である主人公と友人。友人は書く才能を開花させていく。主人公はただひたすらに本を読む。そんな二人の友情が描かれた作品であると思っていたら、終盤で一気に世界観が変わった。
あまりの急展開に戸惑いながら、どうなるのか気になってどんどん読み進めた。根っこにあるのは深い友情であることに変わりないが、そんな秘密が隠されていたとは……とそれまでの展開が一気に頭を駆け巡った。
私自身が書店員ということもあり、主人公に深く感情移入することが出来た。読み終えた後、小説という存在がより大きなものになった。
本書を読んで、小説の魅力を特異な視点で考える良い機会になりました。子どもの頃、初めて小説を読んだ時の感動が蘇り、さらに小説について新たな発見がまだまだあることに気づきました。いつのまにか不思議な世界に引き込まれる読み応えのある作品です。
最初は父親が喜ぶ姿を見るために背伸びして読み始めて、最初は孤独なものだった読書が、外崎と運命の出会いを果たし、小説家が住んでいるモジャ屋敷に一緒に潜り込んで、好きなだけ読書する日々を送るという本好きになってゆく過程がなかなかルアルで、けれど読書することしか出来ないと思っていた外崎の類稀なる文才に気づいてしまい、何者にもなれない自分を突きつけられる葛藤、自分が好きな本を読むだけで生きていくことも難しくて、彼の切なる問い掛けにはなかなか来るものがありましたけど、その熱量のある密度の濃い物語とその結末には凄いものを読んだ感しかありませんでした。