死んだ木村を上演

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刊行日 2024/11/11 | 掲載終了日 2024/11/12

ハッシュタグ:#死んだ木村を上演 #NetGalleyJP


内容紹介

  
誰が木村を殺したのか?

 真実を知りたいなら演じなければならない、
あの時の台本を。

--------------------------------------
啓栄大学演劇研究会卒業生の元に届いた脅迫状。
『誰が木村を殺したのか、八年前の真実を知りたければ、2024年1月9日14時、雛月温泉の宿・極楽へ来い』
集まったのは、庭田、咲本、羽鳥、井波の4人。
木村が死んだあの日の夜、劇研4年生だった皆は、それぞれ秘密にしていることがあった――。

『死んだ山田と教室』『死んだ石井の大群』で生きることの難しさ、尊さを描いた金子玲介が送る、あなたのための舞台が開演します。

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著者/金子玲介(かねこ・れいすけ)
1993年神奈川県生まれ。慶応義塾大学卒業。『死んだ山田と教室』で第65回メフィスト賞受賞。

  
誰が木村を殺したのか?

 真実を知りたいなら演じなければならない、
あの時の台本を。

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啓栄大学演劇研究会卒業生の元に届いた脅迫状。
『誰が木村を殺したのか、八年前の真実を知りたければ、2024年1月9日14時、雛月温泉の宿・極楽へ来い』
集まったのは、庭田、咲本、羽鳥、井波の4人。
木村が死んだあの日の夜、劇研4年生だった皆は、そ...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

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読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューをご投稿ください!
著者・担当編集ともに楽しみにお待ちしております。

※発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなどNetGalley以外の外部書評サイトやSNS等で発売前にレビューを投稿することはお控えください。

ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 出版営業部>まで直接お問合せをお願いいたします。

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出版情報

ISBN 9784065376201
本体価格 ¥1,750 (JPY)
ページ数 288

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NetGalley会員レビュー

今回もがっつりやられました…!自分の人生を生きろ!というメッセージをガンガンにぶつけられながら、観劇させられました。お見事です…(拍手喝采
ネタバレが怖くて詳しく書けませんが、台本を挟みながら読む読書も楽しかったですし、まさかの◯の◯だったことにも驚かされました。
終盤の4人の激しいバトルも、そこまで言っちゃうの〜!?それは痛い!!と、なぜか私まで痛くなってしまいました。
人生のなかで、どんなことがあっても逃げちゃいけない。生きていくしかない。生きよう。
「生」への語りかけがすごかったです。
これで三部作が終わってしまうのが寂しいです。
でもどの作品も強烈な生のインパクトを放っていて、ずっと私の心の中に存在しています。
素晴らしい作品をありがとうございました!

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八年前に死んだ木村の身に、何が起きたのか。
 脅迫状に導かれてやってくる咲本、庭田、羽鳥、井波。
 彼らのやり取りには、ユーモアやラフな雰囲気があるのだけれど、ふとした瞬間に隙間風のような冷たさを感じることがあった。
 読みながら凄いと思ったのは、物語の八割を(それこそ演劇を題材にしているから)台本のような形式で綴っており、登場人物の心情や見た目がほとんどわからないにも関わらず、発話者の感情や身なりが次第に脳裏に形作られていくことだった。
 これは『演劇』の題材だけに立脚したスタイルなのかもしれないが、もう一つ、物語のテーマ『他者理解に根ざす主体と客観』にも重きを置いたが故の構成なのだろう。
 “木村の死”に対して彼らが各人残してきてしまったのは、他人に知られることを恐れて秘密を抱えるという点で主観だ。
 それから八年後、再びあの日をやり直すことで細部を思い出し、秘密を暴くことで、客観性を取り戻し真実へ迫っていくことになるわけだ。
 全編を通して描かれる、演劇という他者理解の芸術ならではの筆致に舌を巻いた。
 なぜ、木村は死ななければならなかったのか。
 演技としてのペルソナ、人間としての虚飾。
 “上演”の正体が判明した暁に待つ言葉と言葉の応酬が、己を見直す主観へと収斂させる役割を担っていた。
 誰しもが生きる上で後悔を抱えることはあるのだろう。だけどひょっとしたら、それは主観の問題なだけで客観的に眺めれば些末なことなのかもしれない。
 木村の死で身も心もボロボロになりながらも、それでも止めなかった“上演”の末、彼らが辿り着いた“人間としてあるべき真実の姿”に、私は密やかな拍手を贈っていた。
 十人十色の考えがあるように、読者は彼らの“上演”に自分だけの主観を持ち、他の読者の感想によって客観を植え付けることで、物語にさらなる深みを持つことになる。のかもしれない。

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「死んだ〇〇」第3弾。
第1弾、第2弾と読んできたが、まずこんな短い期間においてこれほど心を揺さぶられる作品たちを生み出してくださった金子先生に感謝したい。
生と死とは誰もが通る道だ。死を通して今生きていることについての意味を、今生きていることが奇跡の時間であるということをこのシリーズは改めて感じさせてくれた。

大学の劇研4年生のときに死んだ木村の死の真実を知るために、木村の台本を4人が演じることに。木村が死んだ夜いったい何があったのか、誰が木村を殺したのか?4人は8年前に木村が死んでから心に背負ってきたものを少しずつ吐露していく。
幕間もなくテンポよくすすむ物語は、まさに私だけのための舞台を見ているようだった。その舞台が終わってしばらく呆然としてしまった。
押し寄せてくる感情を味わいながら、心からの拍手を送りたい。
素敵な作品をありがとうございました。

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8年前、大学の演劇研究会の合宿中に自殺した木村。
その死に疑問を呈し合宿参加メンバーが集められ、当時を再現することに。

くすっと笑っちゃう、ちょっとしたやりとりの素の感じ。
誰のセリフかちゃんとわかる、後半の畳みかけるような独白の応酬。
この作家さんは、会話での表現がすごく上手い。

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最初は激情。次は癒し。そして今度の〈死〉は……
8年前の合宿での木村の自死の真相を教えると集められた関係者4人。彼らは、8年前の〝演劇の練習とその間のやり取り〟を演じ始める。8年前と今の境界がぼやけ、現実が混濁する先に待つは?

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〝8年前〟に行った読み合わせなどの演劇の練習や雑談。それを〝今〟、見事としか言いようのない演技で再現していく。〝8年前〟の5人の思いと、〝今〟の4人の思い。合図となる〝手をたたく音〟によって、それが行き来し交差する。その中で現れてくる、それぞれの人柄や本音、演劇に対する想い。それは幻惑的なものとさえなっていく。でも、木村の死の原因だけは全く見えてこない。読みながら、読み解こうとしながら、それでもできない。

でも、〝8年前〟に感じた些細な齟齬に加え、〝今〟だから語る事ができる本音の中に、すれ違いが現れてくる。そして、この迷宮から脱するために、真実を口にするために、璃佳が提案した方法をよんで、目を疑った。それは、更に演じていくること。

演じるとは真実ではなく、真似ることではないのか?しかし、演技の開始を示す〝手をたたく音〟がギロチンのように響く。なんと恐ろしい音。そして誤魔化すための演技は、他の者に即座に見抜かれていく。真実しか演じられない演技となっていく。本音しか言えなくなっていく。劇に命をかけていた4人が堕ちた究極の罠。それに、心底ぞっとした。いや、そこへと導いてきた璃佳に、恐怖しか感じられなかった。

そして、 再開された〝8年前〟と〝今〟との行き来は、4人を引き離し、その心を壊していく。段落による区切りなどない10ページもの応酬に、吐き気さえ覚えた。

そして、とうとう自らだけでなく、死んだ木村さえをも演じる。そう、身も心も顔さえも木村となった時、真相が明らかになる。

これは「客観的な推理による解決=ミステリ」ではない。「主観的な演技による解決」。これをなんと呼べばよい? カテゴライズ不可能な、唯一無二の作品? いや、これこそが「芸術」なのか?

そして、再び手が鳴る。万雷の。
〈死んだ◯◯〉第3部を読み終わり、3度目の呆然に浸った。

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死んだ山田と教室の圧倒的なインパクトのタイトルと、そのタイトルに負けない摩訶不思議な内容で今年1番印象になっている作者さんの新作ということで、非常に楽しみにしていました。


過去二作に比べると、オーソドックスな序章に感じましたが、登場人物の軽快な会話が今作でも非常にリズムよく、読みやすかったです。

徐々に明かされる個人の秘密は一見地味ですが、その後十数ページに渡る怒涛の口論のシーンの迫力を際立たせており、初めて感じる読書体験でした。そこからのラストも金子先生だからこそ本当に河童が存在するのでは……。と思わせられてしまいました。

怒涛の口論シーンの興奮が冷めやまないうちに綺麗なラストに移り、いろいろな感情の余韻がありました。


まだ3作ですが、変わった設定や会話のリズムが既に金子玲介ならではの特徴的な書き味を出しており、今後も期待しております。

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過去を演じる事で木村の死の真相に迫る、一見すると非合理にも見えるスタイルの中に潜んだ合理性が、それぞれの葛藤を炙り出していく。死後にスピーカーに宿った山田、石井の大群のデスゲーム、と奇抜な設定が炸裂した「死んだ◯◯」シリーズ第3弾。

静と動、場の空気がひしひしと伝わってきて、まるで目の前で上演されているような臨場感を味わった。シリーズの中では唯一のリアルな設定で、少し色が違うと感じながらも導かれるまま良い客で居ると、今回もまた、それはそれは華麗なる驚愕をお見舞いされた。無防備の所を何発もやられたが、裏切られた、真相を当てたかった、などの悔しさは一切なく、寧ろ清々しささえある読後感。
設定の独創性、それを邪魔しないキャラの凡庸さ、その凡庸さを活かすコミカルな科白、すべてがマッチして創り出された最高のステージにスタンディングオベーション。

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ますます磨きのかかった、ポップでパンクな文章。ドロドロとした各人の心のハラワタを掻き出し、さらけ出し、醜いままの「私」を肯定する。そして他2作と同様、死者にも生者にも等しくエールを送ってくれる。もし明日、うっかり死んでしまったとしても、私は生き続けられる。死んでしまった人も遠くない、きっと近くに存在するはず、と信じられた。

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「演劇は、他者理解の芸術だから。私はこれから、木村くんのためじゃない、私のための演劇を作る。自分を理解して、あなたを理解して、私の人生を始め直す」

2016年のサークル合宿中に亡くなった木村。
それから八年、合宿をともにした同期四人は木村の死の真相を改めて探るため再び集まることに。

本人不在の劇として、ゴトーを待ちながらや桐島、部活やめるってよの系譜に連なる作品。
エンタメとして間違いなくオススメできる一作。

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こんな特殊設定で、引き込まれる文章が書けるのがほんとにすごい!
そんなに派手な事件が起こるわけでもないのに、会話やふとしたシーンが面白くて、あの日の上演をついつい追ってしまう。
少しずつ吐き出される鬱憤やあの日のできごと。
そして今回もまた、思わぬところからのどんでん返しが…!
面白かったです!
これで「死んだ」三部作すべて拝読しましたが、やっぱり全部、「生きる」ことを書いたお話なんだなと思いました。

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講談社メフィスト賞でデビューした金子さんの三冊目。演劇が使われていますが、作者の金子さんは学生時代に演劇部に所属していたとききました。
『死んだ山田と教室』、『死んだ石井の大群』とはタイトルは似ていますが、全く違う舞台の物語です。

作者の力を感じました。『死んだ山田~』のラストがさらにパワーアップしたような、人間の生の魂の叫び。『死んだ石井~』のような、ストーリーの舞台の仕掛けには、引き付けられっぱなしでした。

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誰かのためにとか誰かの代わりになんて独りよがりでおこがましい。
「自分の人生でしょ、人のせいにするな。自分のために生きろ」と
喝を入れられるようなそんな作品でした。

3部作を通して感じたこと。
生きることと同じように死ぬことも難しい。

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とっても面白かった!

大学の演劇サークルの合宿中に木村が事故死してから8年後、合宿で一緒だった同期4人の元に脅迫状が届き、事故が起きた宿に全員が集められる。
いったい誰が木村を殺した?
「話せないなら、演じろ」と、当時の会話を再現しながら真相を探っていくストーリーに惹き込まれ、浮かび上がってくる4人の隠し事とドロドロな本音の言い合いに、最後はみんな落ちつこう!とおもわず笑ってしまった。

でもタイトルを綺麗に回収したエンディングはとっても力強く胸に沁みてきて、みんなの明るい未来を願いたくなる終わり方でした。
青春を共に過ごした仲間たちっていいですね。

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わからない、でもわかりたい。そんな人間の根源的な欲求に肉薄する仕掛けがそこかしこになされている。著者の企みに翻弄され、濁流のような台詞に(本来、小説に台詞はないが、この小説には『台詞がある』)引っ張られ、気づけば登場人物たちが目の前にいる。わたしたちは刮目して、その会話劇を見ていればいい。さしずめ、演劇のように。

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八年前、ここで何ががあったのか。
4人全員が何かを隠していて、どことなく怪しい。木村はなぜ死んでしまったのか。自殺なら何が理由だったのか。
何があったのかが明らかになっても、死んだ木村は戻ってこない。それでも、この先を生きていくために彼らは真実を知る必要があったのだと思う。
小説だからこそできる仕掛けがあっておもしろかった。

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読み進めるたびタイトルの意味はこれか!とやっと気が付いたぞと思ってもいい意味で裏切られました。
何重にも意味のあるタイトルに読み終わったあとは脱力しました。
後半の口論はキャラたちの息遣いが聞こえてきそうなほど。
みんながみんな自分のせいって思ってる感情がすごく伝わってきました。
登場人物たちの不快なところも描き方が上手で面白かったです。

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『死んだ山田と教室』から2作目となる金子玲介さんの本。金子さん独特の文体のリズム、会話文の勢いが癖になります。8年前、木村が死んだのかを探るミステリー仕立ての展開。終盤に差し掛かり、何か匂うぞ、くるぞくるぞ、と構えていましたがそう来たか、と嬉しい驚き。いろいろ気づかずにスルーしていたところを読み返したくなり再読です。まだ読んでいない『死んだ石井の大群』も楽しみです。

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怒涛の会話劇でした。ほぼずっと台詞なのに、特に違和感も読みづらさもなく、上手いなと思う。それぞれの抱えていたものは、それぞれが背負っていただくとして。リカちゃんのくだりが一番怖かった。咲本のエキセントリックさが際立っている。もうちょっと木村パートが読みたかったな。

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『死んだ山田と教室』『死んだ石井の大群』に続く金子玲介さんの3作品目。
脅迫状が届き、かつての合宿場所にあつまった大学演劇研究会卒業生4人。
木村は自殺したはず、いや、誰かが殺していたのか?誰が木村を殺したのか・・・、
木村の妹は、8年前の再現を求める
登場人物が庭田、咲本、羽鳥、井波と木村の妹の5人のみ、今までの中で最も少人数、ほぼクローズドサークルに近い温泉旅館での物語。
学生時代の妬みや嫉み、それぞれが秘密にしていた過去が徐々に見えてくる。
そしてラストに解る、木村の死の真相、山田と教室の時に感じた作者の優しさが感じられ、良かったです。
エピローグのシーンもよかったです。
さて 死んだ〇〇シリーズも3作、次は違うテイストのものを考えていらっしゃるのでしょうか?次の作品も楽しみにさせていただきます。

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シリーズ3。8年前、劇研の卒業公演のための合宿中に死んだ木村の死の真相を、当時のメンバー4人が追求する。終盤まで彼らを集めた人物設定に目眩まされ、おっ⁉︎と息を呑んでからの怒涛の衝撃的展開は、まるで溺れるかのような息もつけない読書体験だった。あの夜なにがあったのか?4人ともが心の滓として抱えていたしこりを曝け出すことで、見えてくるものがあった。木村の死を通して、自らが掴んだものを4人で再認識していく、当時の再現を緻密に重ねることで、更に理解が及ぶところがあった。「演劇は、他者理解の芸術」、これを如実に見せてくれたすばらしい物語だった。

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死んだシリーズ3作目も良かったです。
30歳でそれぞれ崖っぷちだったりしてそれが露呈して爆発するシーンはこのシリーズならではの面白さでした。
ずっといろんな想いを抱えていて、でも結局みんなこの演劇研究会と、木村が好きで、さいごはやっぱり感動しました。

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「死んだ」シリーズの3作目。第1作では死んで教室のスピーカーになる話、第2作では閉じ込められた同性の333人のデスゲームと、割とトリッキーな設定が特徴の作家と感じていたが、今回は演劇部の卒業生が亡くなった仲間の死の謎を明らかにするという至極真っ当なストーリー。
前2作ほど唖然とさせられることはないが、その分、小説としても読みやすく、納得感もある。
さすが展開も上手く、こんなにもテイストの違う3作を次々と発表していく筆力に驚嘆する。メフィスト賞受賞作家の本物率はなかなか高い。

さて次作はどんな舞台を用意してくれるのか、今から楽しみ。

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金子作品第3弾。確実にパワーアップし突き抜けている!大学4年時、劇研のメンバー5人での合宿中に、作・演出担当の木村が川で自殺したとされる真相を探るため、8年後に再び同じ場所で当時を再現(上演)する。後半各人が、木村の死の原因は自分のせいだ、と突如始まる息をもつかせぬ大興奮"バトル"、カギ括弧が一向に閉じる気配の無い、追っ被せまくる会話の応戦が、それはもう凄かった!が、その後意外な展開を経てやはりしてやられた!のラスト。人の弱さや思い込みをこれでもかと曝け出す中に、演劇の真髄が窺え、ジワる読後感が圧巻!

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このテンポ感、もしや?と脚本を読む時みたいな呼吸で読んだら、納得した。小説でありながら台本でもあるようなこの絶妙なリズムを絶対に世界中に届けたい。
いつからか自分の中で他人への後悔と自分への責任逃れが混じり合って原型が掴めなくなったもの、噴出する感情、舞台の上での慟哭。濁流のように押し寄せる「会話」の中にあるものの正体は、多分きっと私たち全てが叫びたい自己嫌悪なんだ。
なんだろう、本を読んだだけなのに、読み終わった後に自分の奥に巣くう自分への怒りが凪いだ気がした。
「自意識過剰だよ」って、自分に対してこそデリカシーのない言葉で、本当のことを言って救ってあげたいって思わせてくれる強くて優しい小説

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大学の演劇研究会に所属していた庭田、咲本、井波、羽島の4人は大学卒業して8年ぶりに集まる事になる。「8年前の真実を知りたければ…」という脅迫状により。

金子玲介さんは初読みの作家さんでしたが、話のテンポもよくさくさくと読み進めれました。

ラスト付近の4人のセリフが重なる部分は読みづらさを感じましたが、実際の会話ってこんな感じになってるんだろうなと。(試みとしては新鮮だけどやっぱり読みにくい)

木村の死の真相がこの通りだとしたら演劇に限らずモノを作り出す人には同じような感覚があるのかもと思ったり。

ラストの大団円はよくある感じだけどそうなるとは全く予想してなかったので、あら、そういう事だったのねと。

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8年前、合宿中に木村が死んだ。誰が木村を殺したのか。合宿参加者の庭田、咲本、羽鳥、井波が再び集められる。
山田、石井に続いて木村。今回、木村はちゃんと死んでるし舞台となる場所も普通の温泉宿。でもやはり一筋縄ではいかない予想外の結末だった。

木村の妹に兄の死の真相を知りたいと懇願され、その日を忠実に再現する4人。それぞれが抱える秘密や本音が出始めると不穏なムードに。
大学卒業後8年もすれば人は変わる。横並びだった人生も違いが出てくるし、自分の選んだ道は正しかったのか疑問に思うこともある。
終盤、思いの丈をぶつけあうシーンは息をするのを忘れる程の緊迫感と悲壮感に飲み込まれそうになる。どんな結末かと嫌な想像ばかり膨らむ。ラストで全てが明らかになり、座って読んでいたのに膝から崩れ落ちる感覚だった。ものすごく疲れたけど面白かった!

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『死んだ山田と教室』と同じく、会話文が非常に多い。今回は上演ということでセリフとなっている所を含めると半分以上が会話文だったように感じる。
それがまた読みやすく、イメージが浮かびやすい。ハラハラさせる展開が続くので一気読みできた。
山田の時とはノリが違うが、ギャグとシリアスのバランス感覚が良い作家と感じる。

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「死んだ」シリーズ3作目。
登場人物は「木村」の同期4人。ほとんどがモノローグと台詞でできた文体。
後半、4人が揉めにもめて怒鳴りあったりするところも、ほぼ文字起こしのような、切れ目のない(どうかすると被り気味な)台詞で話が進む。

木村の死因について各自が秘めていたことが徐々にあきらかになって
ああ、こういう落ちだったのね、とタイトルも含めての伏線回収はさすが。

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山田から石井、そして木村。
こうも刊行が続くと次は清水とか中島とか?
そんな楽しみ方も勝手にさせていただきつつ
前作の石井が割とぶっ飛んだ設定な分、落ち着きがあって山田の時みたいな舞台劇のプロットを読んでいるような感覚が強かった。いつのまにか役に呑まれて落ちていく演者というラストの描写はそうなっている演者自身の視点ではなく、あえて多面的に捉えられるような描写をして読み手はあくまで観客であるように据え置きされてる感が読んでいてとても面白いと感じた。
もっと青春色が出てくるかとも思いきやさほど濃くはなく、作風の広がりもあってこれまた次回作に期待したいところ。

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前の2作品は未読です。

タイトルの上演の通り上演でしたが騙されました。
後半のたたみかける感じが面白かったです。

タイトルが死んだ〜って続いてるような感じでしたが何かで別に読んでなくてもとあったので読みましたが、読んでなくても楽しめました。

すごく読みやすい本でした。
前の2作品も早く読まねばって思いました!!

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