迷い沼の娘たち
ルーシー・ストレンジ 作
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刊行日 2024/11/21 | 掲載終了日 2024/11/21
ハッシュタグ:#迷い沼の娘たち #NetGalleyJP
内容紹介
さなくば六番目の娘 親の骸をうめるだろうーー「六人娘の呪い」と飲んだくれの父親におびえながら、湿地にかこまれた村の農場でくらす姉妹。いつやってくるかわからない、不思議なサーカスを見にいったつぎの朝、長女は忽然とすがたを消したーー古い呪いにしばられた六人娘の運命は?(装画・挿絵:佐竹美保)
さなくば六番目の娘 親の骸をうめるだろうーー「六人娘の呪い」と飲んだくれの父親におびえながら、湿地にかこまれた村の農場でくらす姉妹。いつやってくるかわからない、不思議なサーカスを見にいったつぎの朝、長女は忽然とすがたを消したーー古い呪いにしばられた六人娘の運命は?(装画・挿絵:佐竹美保)
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784863897755 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
ページ数 | 336 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
「迷い沼」の村では本を読むことが禁じられている。六人の娘たちは字が読めることが秘密。六人の娘たちと父、祖母の一家には、「呪い」がかけられている。その呪縛と望まぬ結婚から逃れて長女のグレースはサーカスに行った夜姿を消した。三番目の娘ウィラはサーカス団満月座を探して白馬グレースとともに旅に出るのだが…。
娘たちを取り巻く多くの謎、自らの意思で突き進む女の子の姿と家族の愛の物語は大人にとっても読み応えのある作品だ。
佐竹美保さんの挿絵が物語の魅力を高めているのはさすがで、その世界観に確かなイメージを与えてくれる。佐竹さんが挿画を担当してらっしゃると「面白そう!読んでみよう」という気持ちになります
季節を活写した短い詩句が冒頭と中途とに置かれている。詩句の著者は主人公たちの母親。
「迷い沼」とよばれる泥炭が採れる湿地帯のなかの「沼のはざまの村」に住む、六人姉妹と、飲んだくれの父親と、祖母。三女のウィラの名前の由来は「意思」、十二歳。知識を持つことが悪とされる村で、ひそかに本を読み、想像力をはたらかせることができる彼女の冒険譚。
不思議な言い伝えや物語と絡みあった話の運びに魅せられた。太陽の光や、月や、植物、動物らが、いきいきと話を彩る。
おばあちゃんのキャラクターがとても魅力的。私も、子どもの頃にこんなおとなが身近に欲しかったな。
自分の意思を持つことのたいせつさに、あらためて気づかせてくれた一冊である。
卒業生による翻訳だったのでリクエスト。
正統派の外国のファンタジーで、
現実の地続きに魔法や不思議が存在する世界。
その世界観にどっぷりつかって読むと、
よりたのしく味わえる世界観だなと思います。
偏見や虐待など現実的な問題ももりこんでいるけれど、
ファンタジーの世界のこととして読めば構えなく読めて、
後から現実との近さについて気付けそうなので、
重たい話は苦手、と思っている子にもすすめやすそうです。
佐竹美保さんの表紙に惹かれ、読みました。佐竹美保さんといえば、児童向けファンタジーの女王!と、私は勝手に思っています。表紙の絵も素晴らしいですが、物語中の挿絵も素敵でした。物語に引きこまれました。
海外翻訳小説は、訳が合わないと読みづらいときもありますが、本書はなめらかな日本語で書かれていて、とても読みやすかったです。ところどころに登場する詩も美しく、訳書と感じさせないほどでした。
この物語には六人の娘が登場します。最初はやかましさで全員覚えられるか心配でしたが、すぐに個性的な姉妹のそれぞれの魅力が伝わってきました。私はファンタジーの女王ことダイアナ・ウィン・ジョーンズの物語が大好きで、彼女の書いたような物語をもっと読みたいと思っていました。ルーシー・ストレンジの物語を読むのは初めてでしたが、とてもおもしろかったです。
文字の読み書きや、地図を読むことができる人は魔女と恐れられた時代。人々は、不運や不幸なできごとを魔女のせいにすることで、自分の心のなかに巣食う恐怖と戦わずに過ごしていました。父親から乱暴に扱われる主人公の少女が、賢いおばあちゃんの教えを守って強く立ち向かうさまに心が震えました。家族や村の人たちとの上下関係や差別意識、未知のものに対峙したときの恐怖、人間の弱さや女性の自立など、さまざまなテーマを扱った作品です。流浪の民と定住民など、今起きている世の中のできごとともリンクしていると感じました。
最高のシスターフッド小説でした。