逃亡犯とゆびきり
櫛木理宇
ログインするとリクエスト可能か確認できます。 ログインまたは今すぐ登録
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2024/12/11 | 掲載終了日 2024/12/12
ハッシュタグ:#逃亡犯とゆびきり #NetGalleyJP
内容紹介
「親友が、シリアルキラーになった」
未解決事件を追うフリーライターと、4人を殺害して指名手配中の女。かつて二人は親友だった。
フリーライターの世良未散のもとに「女子中学生墜落死事件」の執筆依頼が入った。エロやお笑い記事を書きながら、いずれは社会派のルポをと願っていた未散には願ってもない仕事だ。
ビルから転落死した15歳の少女、清水萌香について取材すると、死亡時スマートフォンを所持しておらず、「あたしは──七人に殺された」という遺書を残していたことが判明する。周囲の人間の、萌香に対する評価もさまざまだ。深まる謎に翻弄されながら書いた記事の「前編」が掲載された雑誌の発売日、未散に1本の電話が入る。それは、高校時代の同級生、古沢福子からだった。「記事、読んだぞ」「2-Aの神崎を思い出したよ」とだけ告げて電話は切れてしまう。しかしそのヒントは、萌香の抱えていた闇を明らかにするものだった。
事件の真相に迫る「後編」の記事は評判を呼び、未散はライターとしての知名度を上げる。しかし、それを福子に告げることは叶わない。なぜなら、福子は4人の男女を殺害した容疑で指名手配中の身だからだ。次第に、未散は福子からの電話を心待ちにするようになる。福子があるたくらみをしていることを知らずに……。
※書影は仮のものです
写真:葵/モデル:育実・小椋明/装丁:大原由衣
櫛木理宇(くしき・りう)……1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞。映像化された『死刑にいたる病』『鵜頭川村事件』のほか「依存症」シリーズ、『少年籠城』『氷の致死量』『骨と肉』など著書多数。
おすすめコメント
「依存症」シリーズ、『死刑にいたる病』など、話題作を手掛ける櫛木理宇さん。最新作は、シリアルキラーと、なぜか彼ら・彼女らに惹かれてしまう人間の心理に迫ります。
捜査の手から逃げ続けるかつての親友・福子と、その言動にどうしても抗えない未散。
少し歪んだシスターフッドが読みどころです。
「依存症」シリーズ、『死刑にいたる病』など、話題作を手掛ける櫛木理宇さん。最新作は、シリアルキラーと、なぜか彼ら・彼女らに惹かれてしまう人間の心理に迫ります。
捜査の手から逃げ続けるかつての親友・福子と、その言動にどうしても抗えない未散。
少し歪んだシスターフッドが読みどころです。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784090000000 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
ページ数 | 336 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
先日、FAXにて感想、初回注文数、ミニサイン色紙希望の注文をお送りしました。
この度はゲラ読みに参加させていただき、誠にありがとうございました!
福子が這い上がる過程での殺人は、個人的にとても応援してしまいました。
ダメなことではありますが、福子が正しく感じてしまいました。
また、女子高生の飛び降りなど、少し前に耳にした事件とリンクして本物のルポを読んでいる気になりました。
未散と福子が話す時の口調が、まるで私と高校生のときからの親友とそっくりで
リアリティありすぎでびっくりしました。
これは30代40代にぶっ刺さりますね!
本当に面白かったです!
ありがとうございました!
心のザワザワ、速まる鼓動、溢れる涙、込み上げる、なぜ?なぜ?なぜ?!こんなにも次のページが恋しいと思ったことはない。
女性の歪だけど固い友情。会わずして時が経っても揺るがない信頼。
わかる。理解できるからこそ、胸が締めつけられて、自問自答が止まらない。
未散が取材する事件、福子の過去、仕組まれた騒動が重なって腑に落ちる瞬間、震えた。その震えが、恐怖なのか興奮なのか感動なのか、その答えを知りたくて、何度も読み返した。
読んだ人と語り合いたい。読んでない人に薦めたい。とにかく共有したくなる作品だ。
事件ルポを書きたいと望みながらも下世話な記事に甘んじていたフリーライターが、高校時代の親友であり指名手配中の連続殺人鬼からの電話を機に、事件の中に潜む秘密を暴いていくノンストップサスペンス。
今までと違う。纏わりつく恐怖を植え付けるホラーやミステリが印象的だったが、その作品たちの裏側を見せられたような感覚。出来上がったものを全く別の視点から解体していく、どこか悪戯心をくすぐる妙な昂揚感があった。
親友が犯した事件の真相という最大の謎を抱えながら、各話さまざまな事件と向き合う。繋がりのないそれぞれの事件の中に、親友の、そして自分や周りの人間の影を見る。渦中にいる時は気付く事が出来ない、人の脆弱さや狡猾さを、静かに突き付けてくる。
依存なのか、共存なのか、共依存なのか。幅広い表現であらゆるケースに触れる事で、今の自分の認知の歪みも確認出来る、恐ろしい作品。予測不能なラストまでの伏線もとてもキレイ。
逃亡犯とゆびきり
同じ国に生きていても、同じ法律のもと生きていても、法律が及ぶ人間でありながら法律すらも守ってくれない命があるという哀しい現実が、章を追うごとに迫ってくる。
親子という名目の手錠なのか、親子という名前の愛なのか。
自己愛、無関心、利用。
話が進むにつれて、ミステリーは意外とミステリーなんかじゃなくて、想像が及ばない現実の集合体だったりするんだということが嫌というほど読み手の真髄に染み込んできて、今まで名前すら知らない相手の地球の裏側、いや宇宙の片隅、もしくはフィクションの世界の出来事だったストーリーがノンフィクションとして胸の中に食い込んでくる。
テンポよく謎と答えの提示を繰り返しながら一番難しい問いに挑むのは、数学のテストと似ている。きっと大学を出ているだけの私と違って、どんな数学の問題だって福子は容易く解いたんだろうなと思ったら、自然と自分にできることを探し始めていた。人のために、そして自分のために。
恵まれていることを忘れないために、そして苦しんでいる命が自分で立ち上がれるところまで手を差し伸べるために。