禁忌の子

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刊行日 2024/10/10 | 掲載終了日 2024/11/20

ハッシュタグ:#禁忌の子 #NetGalleyJP


内容紹介

救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第三十四回鮎川哲也賞受賞作。

救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第三十四...


出版社からの備考・コメント

【ネットギャリーをご利用の方へ大切なお願い】
・多くのレビューをお待ちしておりますが、物語の核心をつくような、所謂「ネタバレ」はお控えください。
・ネタバレ行為はネットギャリーのみならず、読書メーター、ブクログ、Twitter 等の多くの方が目にする場でも同様にお控えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
・本作は校了前の大切なゲラデータを著訳者よりご提供いただいた上で公開をしています。本作の刊行を楽しみにお待ちいただいている、多くの読者のためにも、ご理解、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

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NetGalley会員レビュー

救命センターに運び込まれた溺死体は、当直医者武田と瓜二つだった。
希望をもたらす不妊治療。ただそれが不信や不幸をもたらすこともある。そんな武田達の心情を鋭く抉る重厚なミステリ。でも「禁忌の子」に罪はない。「We are born」であっても、赤子は祝福のもとに生まれる。

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不妊治療は悩む夫婦に光明を与える。ただ、それによって生まれた子ども達が、運命のいたずらに振り回され、不信に囚われ、不幸に突き落とされたら? その親達をも巻き込んで。
武田をはじめとする、自らは何の罪もない人々が渦中に巻き込まれていく様、さらに一歩先さえ見えない闇の中を進もうとしていく彼らの心情が、鋭く抉るように描かれていく様子が、読んでいてつらい。

そして、ラストで城崎によって様々なことが一気に繋がり、予想もしなかった事実と直面することになるとは。「禁忌の子」の意味がこの時になって明らかになるとは。
でも、「禁忌の子」には罪も何もない。だから、祝福される中、生まれてくる。そして、幸せに成長していくだろう。必ず。それが、全ての子ども本来のさだめ。それを歪めてしまうのは親。そしてこの子の両親は、それを一番よく知っているから、絶対に大丈夫。

また、このミステリは城崎の物語でもあった。情感に乏しく、分析的な視点から人を見る事しかできない彼だから、この事件を解決することができた。でも、人の持つ感情を知りたいがために、現実(彼曰く「リアルワールド」)で、相手との関係を損なったり危険な状況に陥るように、自分から仕向けていく様子は、まさに感情を知ることへの欲求に駆られるアレキシサイミアだった。そんな彼が「優しい人」と言われるのは、そのように思われるように分析して振る舞っているから。それは、中学時代に相手の感情を捉え損ねて悲劇を止められなかった自分に課した、生涯をかけて背負う贖罪の十字架なのだろう。でも、優しさとは分析と振りだけでは絶対にできないと信じる。彼の心の一番奥底の本質に、それがあるからだと信じる。
だからこそ、そんな城崎の、これからを知りたいと思う。

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運び込まれた自分と瓜二つの溺死体に、薄気味悪さを覚える救急医の武田。旧友であり医師仲間でもある城崎を頼り調査を進めるも、更なる闇へと迷い込んでいく、禁断の本格医療ミステリ。

似てる、を超えた自分そのもののような人を見た時、人はどういう感情を抱くのか。ジワジワと変化していく武田の心理に共鳴して膨れ上がる不安。謎解きの前に、その切迫した緊張感にやられそうになった。冷静沈着な城崎という存在がまた、いいタイミングで空気を支配してくるのも面白い。
謎の死体、風変わりな城崎、これだけでもう前のめりになっている所に、複雑な人間のルーツまで絡み合ってくる。どこまでも壮大なテーマだが、一つ一つが無理なく繋がれていき、曖昧に広がりすぎない事で現実味を帯びる、まさに完璧なミステリ。

人間が求めていいものの上限はどこまでなのか?生きていく上でぶち当たる、あらゆる「ガチャ」を突き付けられたような、激しい衝撃を受けた。

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第34回鮎川哲也賞受賞作。本格医療推理小説。救急医・武田のもとに自分と瓜二つの溺死体が搬送されてきた…序盤だけでワクワク。中盤辺りまでは予想内な感じでしたがその後怒涛の展開が。色んな意味で倫理観が問われる作品。一片の疑いも抱かせない愛を知っている武田ならきっと大丈夫。タイトルはそっちだったのか。

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自分の出自を疑問に思う時、それはどんな時だろう。

救急医、武田が遭遇した、救急搬送されてきた溺死体は自分とうり二つだった。
それをきっかけに、周りは急に不穏な空気に包まれ、更なる事件が起こる。

少子化が叫ばれる昨今だが、
生涯かけて愛する存在が欲しいと思う親が、どんな不妊治療を受けても、その願いは叶わないと知った時、
進化する医療が差し伸べる手を、それがどんなものであっても掴みたいと思ってしまう。

「禁忌の子」になるかどうか、
それは、その家族、周りの視線によって決まってしまうのかもしれない。

それにしても、またクセのある探偵が誕生した。
読むほどに中毒性を帯びてきそうだ。
だって、城崎、武田コンビの続編が読みたいと思うから。

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身元不明の遺体の謎を調べていくうちに浮かび上がる産婦人科クリニックの存在。しかし鍵を握っていると思われる人物に会おうとした矢先に、その相手が密室内で死体となって発見されてしまう展開で、自分のルーツを探ることにもなる真相の究明が、思わぬところに波及して繋がっていきましたけど、探偵役となる城崎も掴みどころのない少し変わったこだわりを見せるタイプで、何よりそのタイトルの意味を突きつけられる業の深い結末が、鮮烈な印象を残す物語になっていました。

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最後の最後までとても面白かった。
最初の人物紹介の時点でなんとなくの展開は読めていたのですが、伏線回収の仕方も見事だったし読後感まで素晴らしかった。そしてタイトルの伏線回収されたのがまたゾクっとして本当によかった。素晴らしい!

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冒頭から引きこまれていく設定。現役のお医者様だけあって医療関連の描写はとてもリアリティがあって、知識のない自分にもとてもわかりやすかった。わかりやすいからこそ物語の世界に入り込みやすく、あっという間に読了。
倫理観を問われる作品ではあるけれど、人の優しさというものが物語の鍵になっていかな、と思った。
読み終わってからわかるタイトルの意味。衝撃というよりは感心してしまった。話題になるのも納得です。

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救急医武田の元に搬送されてきた一体の溺死体。それは武田に瓜二つだった。全くの他人とは考えられない、と旧友の医者城崎と調査を始めるが。それは自分と家族の秘密を探ることになるのだった。
過去になにがあったのか、身元不明の遺体はどういう関係なのか?

自分の出生の秘密が徐々に明らかになっているく様子はハラハラするし、かなり重いテーマでした。
ミステリですが、あー面白かった!で終わらない、ずしんとくる物語だと思います。

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出だしにかなり引き込まれ、一気読みしました。
SFではないミステリーなので、同じ顔の死体というとすぐに一卵性双生児が思い浮かぶミステリー好きは多いと思うので、オチとしてはそこまで意外性はありませんでした。
しかし、知念実希人さんを彷彿させる医療ミステリー、揺すられる倫理観がこれでもかと詰め込まれていて面白かったです!
タイトルが秀逸ですね!
ゲラ読みさせて頂き、ありがとうございました。
今、品切れ中で再入荷を待っているところですが
入荷したら店頭の一番いいところに積ませていただきます!

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うわ、すごいの読んじゃった……

いや、あんたら、ええんか、それで。
それって、こーゆーことやで。

そう、ズバンと斬り込んでくる本だ。

生殖医療がグイグイと進んでいる。
倫理的な問題だの宗教的な問題だの競争力的な問題だの実利的な問題だの、何しろ生物の根幹にある欲求なので、軽々と国境を越える。出来るようになった技術は野火どころではなく広がる。
そこに、置き去りにされがちなものがある。
一番大切なはずなのに。
根なし草という言葉のかなしさを知る国に住んでいるのに。
出来る限りたくさんの人に読んでほしい。

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自分にそっくりな溺死体。どう考えても他人とは思えないこの男は一体誰なのか。
なぜこの描写が必要なのかなと思った部分が、重要な役割を果たしていたことが最後の方でわかって驚いた。
それを望んだ大人と、何も知らなないまま運命に翻弄された子供。残酷な真実。「禁忌の子」というタイトルに納得。

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馴染みのない医療用語が多く出てきますが、そこにつまずかずスラスラ読めましたし、先が気になってあっという間に読めました。
一作目とは思えない面白さでした。
予想外の結末に驚きました。
何気ない夫婦のやりとりも伏線になっていて、しっかり計算されていました。

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あらすじとタイトルに惹かれました!自分と瓜二つの死体がきっかけで、同じ病院に勤める城崎と共に、真相を求めて奔走する航。次から次へと現れる謎に立ち向かう航と城崎。まさかの真相!ラストはもう涙が止まらないです!自分ならどうしただろうか。深く考えさせられました。

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タイトルも装丁も導入も好みすぎた。
どんなに切り刻まれたり、車に押しつぶされたりした遺体より、自分にそっくりな遺体見てしまったら当分眠れないだろうな。しかも殺されたのかもしれない状態で。クローン?生き別れの双子?自分が病気になった時のための臓器スペア?色々な映画が頭をよぎる。
真実を明らかにするための細い糸。それさえもぷっつり切れてしまった時の彼らのショックたるや。
わりと重要な人物がたいてい死んでしまっているから、彼らの話をもっと聞きたいと思った。亡くなっているからこそこの物語が存在するのだけど、京子先生の想いや親たちの決意を。キュウキュウ十二の言い分を。結末が変わらなくても。
ある人の過去は読んでいて辛すぎた。でも、ない話ではないんだよなぁ。自作も楽しみ。

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自分のそっくりさん!ドッペルゲンガーと出会うと死んじゃうんじゃなかったっけ?ってそんな俗説をチラリと考えてしまいました。とてもシリアスで考えさせられる物語でした。ラストは…わたしはいいと思います。何が正しいかは自分たちで決めてそれが間違っていないと証明する生き方をするのが大事なんだと思います。

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