人魚が逃げた

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刊行日 2024/11/14 | 掲載終了日 2025/01/10

ハッシュタグ:#人魚が逃げた #NetGalleyJP


内容紹介

本屋大賞4年連続ノミネート!
今最注目の著者が踏み出す、新たなる一歩とは――。
幸福度最高値の傑作小説!

<STORY>
ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始め――。

その「人魚騒動」の裏では、5人の男女が「人生の節目」を迎えていた。12歳年上の女性と交際中の元タレントの会社員、娘と買い物中の主婦、絵の蒐集にのめり込みすぎるあまり妻に離婚されたコレクター、文学賞の選考結果を待つ作家、高級クラブでママとして働くホステス。銀座を訪れた5人を待ち受ける意外な運命とは。そして「王子」は人魚と再会できるのか。

そもそも人魚はいるのか、いないのか……。

本屋大賞4年連続ノミネート!
今最注目の著者が踏み出す、新たなる一歩とは――。
幸福度最高値の傑作小説!

<STORY>
ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始め――。

その「人魚騒動」の裏...


おすすめコメント

僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ、この場所に――。
本屋大賞4年連続ノミネート! 話題の著者が紡ぐ、新たな代表作。

僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ、この場所に――。
本屋大賞4年連続ノミネート! 話題の著者が紡ぐ、新たな代表作。


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784569857947
本体価格 ¥1,600 (JPY)
ページ数 240

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NetGalley会員レビュー

逃げた人魚を探し、銀座を彷徨う王子。
 現実に突如として訪れたファンタジーはやがて、孤独な心を抱えた悩める者たちを取り巻いて、その飢えた大地に一つ一つ綺麗な花を咲かせていく。
 連作短編形式で読みやすく、各話、『人魚姫』の物語に絡めた素敵なドラマが待ち受けている。
 それらを吸収するたびに私は、「自分の心がまだこんなにも温かくくすぐられることがあるんだ」と驚いていた。し、自分を物語の主人公に据えることで見えてくる未来への希望にも打ち震えた。
 著者はいったい、どれだけ頭の中に『優しさ』と『愛情』の引き出しを持っているのだろうか?
 この世に、また新たに心の居場所が誕生したといっても過言ではない。一冊で、過去の私が何人ぶんも救われ報われたような気持ちになった。
 愛に悩むなら、自分の人生に戸惑うなら、大切な人がいるなら、物語を愛しているならば、是非とも読んでほしい。
 読後、私は大切で愛する人に本作を『マイ/ユア・プレゼント』として贈りたくなりました。

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人生の節目にこそ、手に取ってほしい物語がある。それが、青山美智子さんの紡ぐ物語だ。

幸せはきっと求めるものではなくて、与えあえるものだと教えてくれる。かつて読んだ『人魚姫』を、ふたたび読み返したくなった。

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楽しみにしていた青山さんの新作。いつもより早く起きて、家事もメイクも済ませて出勤前に一気読み。マスカラが落ちても、丸めたティシューが散乱しても、至福の時間でした。

物語の舞台は銀座。そこには逃げてしまった人魚姫を探す王子様!
えっ?どういうこと?という世間を置いてけぼりにして、お話の幕はあがります。
王子様を通して少しずつ重なりあう5人の登場人物たちの“銀座での午後のひととき”は観客=読者だからはっきり認識出来る状況と関係性が本当に巧みに散りばめられていて、彼らが霧のなかを爆走している姿にやきもきしたり、後から気づきそうな予感がチラっとみえて嬉しくなったり。読んでいる間ずーっと青山マジックにかかってました。一般的に失敗と受け取られがちな事ですら、前へ歩み続けるための糧だと思わせてくれる魔法に溢れていて、『幸福度最高値の傑作小説!』のあおりに嘘偽りなし。今まで読んだ青山さんの作品の中で1番が更新されました!
ひと足早く読ませていただき、ありがとうございました。

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青山 美智子さんの新作の舞台は銀座。
銀座の歩行者天国に王子が現れる、王子が探すのは人魚姫。
銀座と王子と人魚姫、このありえない組み合わせなのに不思議な世界観に引き込まれていくのが青山さんの魅力。
ちょっとクラシックな雰囲気もある銀座を舞台に今時のSNSを組み合わせる展開も巧い。
1章は元タレントの青年、2章はニューヨークにだ旅立つ母と娘、3章熟年離婚された男性、4章作家、そして5章は1章の青年の相手、12歳年上の女性。
彼の一方的な想いかと思われたのが、実は彼女のほうが彼を先に見つけていたとは・・・
こういう構成がまた本当にお上手。
2章のお嬢さんも素敵、きちんとお母さんが育てたんだなぁ、と嬉しくなりました。
あちこちにちりばめられた伏線が楽しく木村屋のあんぱんを食べていたあの兄弟が・・・と最後のエピソードまで楽しませていただきました。

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アンデルセンの人魚姫を使った群像劇というのか、短編集というのか、そういう感じです。人魚姫を探しているという王子様の発言がSNSでバズっている。彼に関わった複数の人たちの人生がそこには凝縮されていて、とてもポジティブになれる物語だ。とくに、役者を辞めた男と、その恋人の手タレの女性の話しの二つが良かった。彼女の気持ち、彼の気持ちがよくわかり、最後にはそうだつたんだと納得できる。王子の謎も面白い。感動したというほどではないが、青山さんらしい作品だとは思います。

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表紙は、見立てのミニチュア作家田中達也さんが作りあげた銀座4丁目交差点の様子。
この銀座を舞台に物語は繰り広げられる。
よく目を凝らして見ないとミニチュア作品の細かな部分を見逃してしまうように、この物語もよく気をつけていないと、銀座の人混みに紛れた登場人物たちを見逃してしまう。
「最後までわからないものですよ、物語というものはね。」
青山美智子さんらしい温かな物語に、遊び心も加わったお茶目なお話だった。

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ある土曜日の銀座に現れた謎の王子。彼は人魚姫を探していると言う―そんな王子と同じ時と場所をほんの少し共有した人たちのお話です。

どの話も優しくて、切なくて、心に残るものでしたが、特に最初と最後のお話は視点が変わるとこんなにも見えてくるものが違ってくるのかと感じるお話でした。エピローグまで読んだら、もう一度ページをめくって読み直したくなると思います。

表紙も好きです!

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悪く考えてはダメ。
しっかり相手を見るの。

言葉にならない気持ちさえ
くみ取れるように・・・

そんなメッセージを
物語から受け止めました。

これまでの作品にくらべ
恋色が強めですね。

主要キャラの関係性は
恋人や夫婦、あるいは親子など。

それぞれにままならない思いを
抱える主人公たちが、
銀座の人魚騒動にかかわるなかで
何ものにもかえがたい気づきを
手にしていきます。

思わぬ背景が明かされて
物語が縦横無尽に躍動する
5章の魅力が凄い!

1章の伏線がババババッと
回収される妙技に息をのみましたよ。

なんて素敵すぎる奇跡。
とろけるような巡り合わせ。

夢が現実になっていく浮遊感が
脳へダイレクトに響きわたりました。

恋愛や家族愛が柱となる作品ですが
それだけで終わらないところもいいですね。

この作品がくれるひらめきは
人生のあらゆるシーンで活きると
感じ入りました。

とくに刺さったのは、
独りよがりではいけないという
単純なようで深いテーマ。

二章では、いま手の中にある
しあわせの種を見落とさず
大切に育んでいきたいという
気持ちになれましたよ。

どちらを選んでも正解という
三章には心が軽くなり
四章では、悩める小説家の姿が
好奇心をそそりました。

そして、エピローグでは
銀座を縦断した人魚騒ぎの
意外な真相にビックリ仰天。

そ、そうきたか~。
気持ちよ~く騙されちゃいましたよ。

過去の著作とのさりげな~い
リンクにも心が浮き立ちましたね。

湯水のように力が湧いてくる一冊。

きっと、たくさんの読者の人生を
ほんのり上向きにしてくれることでしょう。

(対象年齢は13歳以上かな?)

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青山美智子さんの新作との事でワクワクしながら読み始めました。銀座の歩行者天国で人魚姫が逃げたという自称「王子」。ファンタジーの世界から紛れ込んだのか何かの演技なのか??

歳上の女性に対し年の差と住環境の差に怖気付いて自分の本当の姿を偽る元タレントの青年が最初に描かれ、ラストの章では逆に歳上の女性側からの視点で。「ティファニーで朝食を」はタイトルは昔から知ってるものの内容は観たことなくこれは観なければならぬという神のお告げかな。

2章の母娘。こんな関係いいよね。言われずともやる事が本当に好きな事。そして娘さんが王子に対して人魚姫の覚悟と決意を語るところがまたよくて。

3章は熟年離婚した男性と妻から貰った腕時計の話。元妻に言われた「うるさいって一言が夫婦の終了ゴング」という台詞。そしてラストで思い出す自分だけの値打ち。腕時計つけなくなって久しいけどこんなん読むとクラシックな腕時計いいなってなる。

4章の作家はいまいち響かず。

でもやっぱり安定の青山さん。満足度高く読了しました。

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銀座の街にあらわれた王子が『人魚が逃げた』と言った。
5人、それぞれに節目にいて、いろいろな事情をかかえた人々。
アンデルセン童話の人魚姫の王子様を中心として、まじわっていく。
なんで、そう思っちゃうのーってもどかしいところも、あったり。
青山美智子さん、連作、本当に素晴らしい。
連作って、繋がったとき、納得できる。
今回の作品、新しい感じがして、おもしろかった。
メルヘンのようで、銀座という現実感もあり、融合が楽しく引き込まれました☺️✨
アンデルセン童話の人魚姫、うる覚えだから、読み返してみたくなりました。

読ませていただき、ありがとうございました。

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通じない思い、独りよがりの思い込み、すれ違い。『人魚姫』のエッセンスを銀座の恋人たちにふりかけ、愛の形を描く。文体は軽めで、やっぱりただの恋愛小説っすかぁと、オレの読むものではなかったなあと思ってたが、最後まで読むと夢と驚きが溢れる。そして人との向き合い方を考えさせられる話だったのが分かる。

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銀座の街を舞台にした優しい優しいおとぎ話。場面の描き込みはとってもリアルなのに、ストーリーの内容は現実なの?フィクションなの?とちょっとした謎かけのようになっているのも楽しめます。そして青山美智子さんならではのもう一つのお楽しみは登場人物が色々なところでリンクしていること。今作はお話同士だけではなくて、もしかしてあの人のこと!?という実在の方々まで。きっと青山さんご自身が楽しんで書かれているのだろうなと感じます。青山ワールドへの期待を裏切らない多幸感に満ちた物語です。

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さすが青山さん、安定の連作短編集です。
今作では「人魚姫」のストーリーが軸になっていて、とてもうまく構成されています。
読者によってツボは違うかと思いますが、いろいろな立場の人のモヤモヤにそっと手当てをしてくれるような作品だと思います。
読後、改めて「人魚姫」を読み返したくなります。

(校正で直ると思いますが、p.61の後ろから4行目冒頭「ニ十分ほど過ぎたころ」の「ニ」が漢数字でなくカタカナになっているようです。)

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青山先生の新作楽しみにしていました。

「王子」と名乗る青年が「人魚が逃げた」と言い銀座の街をさまよいます。
なぜ人魚は逃げたのか?アンデルセンの人魚姫を思い出しながら読みました。
声を失う代わりに地上に立つために足を選んだ人魚のように、何かを手に入れるには何かを失わなければならないのでしょうか。
人魚騒動の謎と、章ごとに人生に悩む5人の物語に胸が締め付けられたり、優しい気持ちになったりして章ごとに涙しながら読みました。

連作短編なので人それぞれ好きな章があるでしょう。
私はこの作品で青山先生の言葉に触れながら会話をし、ときめいたり、切なさを感じたり、気付きを得ることが出来るのだと思えた第四章が一番好きです。
青山先生が紡いでくれる作品と会話をしたい読者の一人として、これからも作品を読んでいきたいと思います。
素敵な作品をありがとうございました。

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「銀座に人魚が逃げた」という出来事から、五人それぞれの想いを繊細に描く作品でした。
これから先の展開はどうなっていくんだろう、次の語り手は誰なんだろう、そして王子様の正体は何なんだろう、こういった疑問を持って読んでいました。
各章の登場人物の意外な繋がりや思いがけぬ真相はミステリっぽく思えて、全てが明らかになった時、温かい雰囲気に包まれるようで心が癒されたのです。
小説、ドラマ、歌舞伎といったフィクションとは何なのか。新しい情報が満ち溢れている今の時代で地道に小説を書き続ける意味は何なのか。作家としてさらに人間としてあるべき姿についてもいろいろ考えさせられました。
物語の素晴らしき構成と短編集にしてはとてつもない完成度に脱帽しました。作家志望者としても大変勉強になりました。
二度読み必至の作品でオススメです。

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一周目も青山さんが得意とする温かな人間模様を描いた物語として充分に読み応えがありましたが、タイトルに隠されていた秘密を知ると、その上で何度も読み返したくなる魔法のような感動も味わえました。童話を彷彿とさせるロマンティックなエピソードが多く、読んでいて何度も胸がときめきました。この物語は、忘れかけていた心のきらめきを取り戻してくれます。舞台となっていた銀座という街も程よく非現実に近く描かれていて、物語のロマンティックな雰囲気に似合っていると思いました。

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「#人魚が逃げた」というインパクトある情報が錯綜し、銀座という舞台で話は進んでいく。
アンデルセンの人魚姫を皆が思い出し、王子の姿や言動が歩行者天国にいた人たちのエピソードと絡み合い、それぞれの短編が色づいていく。
エピローグで明かされる事実に驚くばかり。

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青山 美智子さんの作品は全て読んでいます。
今回の新作の舞台は銀座。そして王子が出てきて
これだけ聞くとファンタジーですが
青山美智子さんワールド!

不思議な世界観に引き込まれてってしまい
青山美智子さんの魅力全開!

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誰もが知っているアンデルセンの人魚姫。現代にその王子が紛れてきた?そんなバカなことがあるか?それが小説です。銀座の歩行者天国の時間内に登場人物に接する。あなたは誰ですか?王子です。人魚が逃げてしまって。登場人物はなんらかの関係やら接触する。そんな日常と王子が物語になる。読み手は人魚が逃げたというタイトルにまずは食いつくだろう。ああ、おもしろかった。これに勝る感想はない。

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人魚…ファンタジー?新しいジャンル?と思っていたけど、田中達也さんのミニチュア表紙と優しい世界の繋がりはやっぱりいつもの青山さん!
安心でから展開で、ずっと最後まで穏やかな気持ちで読めます。
いつも行く銀座の街が細かく描写されていて、これから銀座を歩くたびに王子を探してしまうなーなんて思いました。笑

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銀座の歩行者天国に現れる王子。ありえない設定だが、今の空気感も丁寧に描いているせいか違和感なく受け入れられます。
この現実とファンタジーとの境目の合わせ目のようなものがうまく描き出されていきます。
優しい世界が広がる1冊です。

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「王子が逃げた」から始まる短編集。
どれも相手と向き合うことの大切さを痛感します。
日常の幸せを見逃さず、大切なことは口に出していきたいです。
心が満たされました。
2話目?の親子の会話も良かったです。
3話目?の「経験の掛け算」も素敵な表現でした。

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なんと斬新な展開!
ちょっとやり過ぎじゃないですか?!青山先生の脳内が暴走していて面白い!
そして、豊かな描写。極限の想像力。目まぐるしく揺さぶられる感情。
さすがです。
終盤、真相が明らかになって、泣いた。自分の想像力の無さに泣いた。この物語を、ファンタジーだと決めつけてはいけないと感じた。
やさしさだけではない、怒りにも似た強い祈りを感じる、新たな青山文学を受け取った。

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SNSを賑わす、人魚を探して銀座の街に現れた王子様。人生の転機を迎えた5人の男女が、異様な存在から『人魚姫』に思いを馳せる事で自らを俯瞰していく、幻想的でロマンティックで、それでいて等身大の物語。

またしてもとんでもない想像と創造の力が青山美智子から迸った、と終始ニヤけが止まらなかった。
「王子」が何者なのか?「人魚」は何処なのか?それだけで十分に心奪われるのもさることながら、各章に割り当てられた主役の心の行方からも目が離せない。いっぱい詰め込まれているが、なぜか時間の流れは緩やかに感じ、あれ?私もそっちに連れて行かれたかな?と錯覚するような夢心地でどっぷり堪能した。

自分にしかわからない自分の事と、自分だからこそわからない自分の事を、他人に重ねて紐解いていく。色んなところが少しずつ引き継がれて繋がっていく構成が魅力的な作品。
どの章もユーモアと気付きがあり、それぞれに見合った説得力を感じた。小説家にスポットを当てた4章は職業柄か言葉選びが頭一つ抜けていて、2章の娘はアーティストなだけあって創造に対する感性が光っていた。細部までこだわり抜いた設定が愛しく、駆け出したくなるような恋がしたくなった。

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短編だけど繋がっているというスタイルをずっと続けているのか、私が読んだ青山美智子さんなら作品は全てそんな感じでした。長編も読んでみたいと思います。
ファンタジーのようでファンタジーではなく、現実でないようで現実で不思議な読後。最後は少しわからなかったです。

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タイトルとあらすじに惹かれて読ませていただきました。
それぞれのお話の主人公が大切なことに気付いたり、前を向いて再出発をする様子を見守りながら、この王子は何者なんだろう?と思いつつ読み進め、第5話でそういうことだったのか!と納得した矢先にまさかのエピローグ。「どんでん返し」という表現が適切かはわかりませんが、驚きのラストでした。
作中で何度か語られる人魚姫のお話や王子のキャラクター性もあり、全体的におとぎ話のような、穏やかな気持ちで読み進められる物語でした。

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青山美智子さんの作品特性の連作短編集が、今回も冴え渡っていました。「人魚が逃げた」こんな不思議な言葉が、こんなふうに展開するなんて。あーあれが、これが、こんなふうに繋がって行くんだな。それもそれぞれにとってのハッピーエンド。わたし達は、こんな風に見えないところで、繋がっているんだな。夢中で読み終えました。

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人魚は王子だけでなく、5人の人生を救ったのではないかと思います。
5人とも自分に自信がないことで悪い方に物事を考えてしまう。だから上手くいくこともさえもうまくいかない。
そんな5人の前に現れた人魚を探す王子様。
人魚を探す王子様に会うことによって、自身が持てなかった人たちが自信を持ち、自分に素直になることで周りの人の事を
素直に受け入れることが出来、自分もそれを心から納得できる。

誰しも人魚を探す王子様のように自分の事を責めてしまうことがあると思う。
そんなに自分を責める必要はないんだと思う。
相手に対して素直に自分の気持ちを伝え、相手の考えを受け入れる、それが大事なんだと感じた。

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銀座を舞台にした連作集です。
ある街頭インタビューで「王子」と名乗る少年の「僕の人魚が逃げた」発言からSNSでバズって世間にあっという間にひろがっていき、その王子と出会った人たちは、それぞれ人生の岐路に立っていた。主の物語ではない王子と登場人物たちがどう王子とかかわり、展開していくのか?
人は、自分の見たものから考え、動いてしまう。他の人の目線に立って考えているつもりでも、見えてない部分があり、自分目線から見えたもので判断してしまう。そして、それが「すれ違い」とか「誤解」をうんでしまうのかもしれない。私たちは言葉があるけど、それでもそういう「すれ違い」をうんでしまうけれど、自分だけの中で考え完結せず、言葉をつくし、心を尽くすことが優しさや愛なのではないかな?と思える、とても素敵な物語でした。

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今回の舞台は銀座。
銀座に現れたのは、人魚をさがしている王子。
王子と出会う人々には何かしらのすれ違いが生じていて、読者としてはもどかしい。
1章から順に読み進めると、次の章の主人公は誰なのか楽しみになります。
そしてエピローグでは、え!あの人がとの驚き。
最後には青山さんはいいなとまた思ってしまう。
銀座にはしばらく行っていないけれど、銀座を思い浮かべながら思いをはせていました。

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銀座を舞台にした短編連作。
アンデルセンの『人魚姫』の王子様が突如銀座に現れた。
本物の王子なのか、それともただのコスプレか?

それぞれの話の登場人物が、皆ちょっと頭でっかちで自己完結してしまっているのだけれど、王子と出会うことによって、自分と違う価値観に触れるからか、新しい風が吹くのか、ちょっと物の見方が変わって、優しい光がさしてくる。

他の青山作品と同様、読後はほんわかした気分になれた。

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人はそれぞれの人生を生き、必ずその節目に向き合う。
そんな時、この現代の新宿でアンデルセンの童話の王子と出会ったら?人魚姫を求めて彷徨う王子に手を貸したら?彼らの人生をどう変えていく?そんな不思議な物語。
ラストに涙した。

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人はそれぞれの人生を生きている。そして、その生き方の節目に直面することになる。自分の力だけではどうしようもない、と思ってしまう壁と向き合う。
そんな時、予想もしない人物と出会ったらどうなるだろう? 例えば、アンデルセンが書いた童話『人形姫』に出てくる王子に。ここ新宿で。

王子様は皆の心の代弁者だったのではないだろうか。他者とは違うことを願い、でも群れから孤立することを恐れる心。自らの運命を作者(神)に責任転嫁し、被害妄想で他人を見る心。叶わぬと半ば信じるものの、望みを捨てられない心。真実の愛を抱きながら、それを嘘でかき消さなければならない心。そんな、清濁混合の心のシンボライズが王子様。

そんな彼に自らの意志で手を差し出す事は、自分の清い心をえらぶこと。幸せな未来へと向かおうとすること。
みんな、これから明るい道を歩いていく。だからこそ、王子様もいつかはきっと。だってこれは、互いの応援歌なんだから。

ラストの一言、泣いてしまった。

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銀座を舞台にした、青山美智子さんの新作です。逃げた人魚を探す、王子様を中心とした連作短編集になります。
王子様と出会う登場人物たちが、自分自身や大切な人との関係を見つめ直し、新たな一歩を踏み出す様子が描かれています。ファンタジーやおとぎの話要素を含みつつも、現代的なテーマや人間ドラマが織り交ぜられており、最後まで穏やかで温かい気持ちで読めます。青山美智子さんの本はいくつか読んだことがありますが、今回の作品もお気に入りの一冊になりました。ひと足早く読ませていただき、ありがとうございました。

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今回も素敵なお話でした。人魚姫の物語をこういった形で構成し、そして最後の最後にどんとひっくり返し、ああそういうことかと素直に納得させ、また読み直すことになるというまさに職人技のお話でした。もっともっと読みたいと思いました。

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銀座を舞台に人魚姫を探す王子様設定。これはリアルなのか?ファンタジーなのか?それともパラレルワールドなのか? そんな妄想を最後まで読み手に持たせながらも物語がどんどん進んでいく、短編/群像劇でありながら登場人物各々が王子様を起点に巧みに絡み合っていき、文章も綺麗で構成がとてもすばらしい作品です。登場人物たちの悩みや迷いそんなものも王子様が導いてくれる。最後はスッキリ&幸せ気持ちにさせてくれました。

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優しくほっこりする読後感。
みんなどこか、人知れず関わりあって生きている。
齟齬が起きそうな、誤解によって招かれる不幸を回避するためにやってきたような王子。

王子の哀しみを受け入れて
王子によって幸せな人生へ背中を押されたような私たち。

物語の世界からやってきて私達を幸せに導く存在は意外に近くにいるのかもしれない。

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一つの面から見るだけならば、物語をラベリングすることは簡単だ。
これは正直者が報われるお話。
これは強欲な者が没落するお話。
これは努力は報われるというお話。

ところが『めでたし、めでたし』で終わる物語にも、本当はその後がある。物語はそこで終わっていても、作中人物の人生は本の向こう側でまだまだ続くのだ。
王子様との結婚式の13年後も、たくさんの褒美を得た30年後も。

『人魚が逃げた』は主題のストーリーと周辺のストーリーが絡み合い、触発しあう。読者は読み進めながら、分類したラベルを剥がして貼り替え、また剥がして思案することを繰り返す。

人生の一部を切り取るだけならば、そこにテーマを見つけやすい。意味を与えることさえ容易だ。
しかしその意味は異なる角度とタイミングで見た時、全く別のものになってしまう。
それを知ってなお真実を求めてしまう私たちに、途中で読む手を休ませるなんてことは不可能だ。

この物語は、私たちの体中に、人生に、思考に入り込み、空気を変え、ゆっくりと化学変化を起こす。
私たちに囁きかけ、慰撫しながら覚悟を求めてくる。
物語の終わりは本当の終わりなんかじゃないことを、そして異なる角度から見つめる無限の物語が広がっていることを、読者は思い知らされるだろう。
私たちはそれでも出来事を通して、自分だけの意味を見つける。それが、生きるということなのだと私はこの本に教わった。

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胸が……ほんと、もう幸せでいっぱいだ。ひとは幸福度が増すと、泣けるらしい。あらためて「小説」は素晴らしい!やはり、人生に「フィクション」はマストだ。
一言一句見逃さない様に、再読。青山さんの遊び心と仕掛けに気づけなかったのが、ちょっと悔しい。何事においても視野は広くありたい。
ストーリーは全部暗記していて、何回も読んでボロボロにしてしまった絵本の様に、これからも定期的に読み返す大切な物語になりそうな予感がする。そういえば、わたしは、そんな物語の終わりの続きを想像するのが大好きだった。この物語にも、そんな読者のための余白が残されている。読後も胸が高鳴り続けているのは、そんな理由に違いない。本を大好きになった始まりに戻れる一冊だ。

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土曜の午後、銀座の歩行者天国をにぎわせたのは異国の王子様と彼が発した「人魚が逃げた」という言葉でした。
彼の正体はいったい・・・? 逃げた人魚は見つかるのか・・・?
ハートフルストーリーですが、ミステリというかファンタジーというか、そういう要素も兼ね備えた、心温まる短編集です。

全5章の登場人物が少しずつリンクして、彼ら彼女らが現状から一歩前に進む様子が描かれていますが、個人的に特に印象に残ったのは、3章の主人公・日下部の叔母が彼に放った言葉と、5章の主人公・理世に対してクラブのママ・あや子が諭すように言った言葉です。
どの言葉か、どのような内容なのかは、ぜひご自身で読んで確かめてください。同じ言葉が胸に刺さる読者がひとりでも多くいらっしゃいますように・・・。

読後に、もう一度よく装画を見てみて下さい。この人は〇〇で、こっちは〇〇で・・・と考えるとなんだか楽しくなると思います。建物の上もお見逃しなく。
また、銀座4丁目に行くのが楽しみになるのは間違いありませんね。貴方は、私は、「誰」に遭えるでしょうか。

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アンデルセンの童話『人魚姫』の王子が銀座に現れた!?
王子と出会うことで、それぞれが気付きを得て前向きに進んでいく連作短編集。

『人魚姫』の王子様にも絵本では描かれなかった自分だけの物語があるように
誰だって主人公。
一生をかけて自分だけの物語を紡いでいく。
人生の岐路にたった時、思わぬ出来事や人物にそっと背中を押してもらったり、
寄りかかれる。
青山さんの作品にはそんな不思議な”柔らかさ”があって、本作も優しい気持ちになれました。
何気ないセリフがいつも心に沁みてくる。

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「#人魚が逃げた」がトレンド入り🤳😳

王子が、人魚を、探している?

この謎の王子の出現から始まる、
悩める5人の物語。舞台は銀座✨

今回は、遊び心が半端ない!!

青山作品を初めて読まれる方も、
もちろん楽しめる作品なんだけれども、
青山作品を読んだことのある、ファンには
たまらない仕掛けが!!

読みながら、思わず声が出てしまった🤣
ファンサービスがすごい。

それでいて、物語はしっかりとハートフル。

仕事とか、人間関係とか、恋愛とか、
うまくいってない、って思う時ってある。
でも、それは自分が思い込んでるだけなのかも?
見方を変えれば、本当はうまくいってるのかも?
いつの間にかそう思わせる、青山マジック🪄︎︎が
あちこち散りばめられている。

白いワンピースの見え方が、がらりと変わる
ところは本当に素敵で泣けた🥹


私は4章の「夢は静か」が好きでした。
小説家が主人公で、もしかしたら
青山美智子さんの頭の中も、こんな風になっているのかな。
作品を完成させていく考え方が、とても共感できた。



銀座にも、久しぶりに足を運びたくなる。
発売日が来たら、銀座の教文館まで行って
この本を買おうと決めた😆

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銀座に人魚が逃げた、というファンタジーっぽい空気感とリアルな銀座の描写がまさに表紙の田中達也さんの作品のようで、とても楽しい。そんな銀座に居合わせた五人はそれぞれに悩みを抱えていて。すれ違いや後悔や、うまくいかないあれこれを運命と呼んで諦めてしまえば、その方が楽かもしれない。でも、現在を変えることができるのは、いつだって自分だけ。大がかりなことではなくとも、ひたむきにやってきたことはきちんと残る、だからきっと大丈夫。そんなあたたかなエールが伝わってくるよう。そして青山さんお得意の「あの人がこんなところに」今回はびっくりするくらい、いろいろな人がいろいろなところにいました(笑)そんな遊び心もまた楽しく、明るい気持ちで読了。

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「人魚が逃げた」を元に紡ぎ出されるストーリーにのめりこんでしまう

銀座の歩行所天国で、突如現れた王子。
キーワードは、「人魚が逃げた」

「人魚が逃げた」を元に紡ぎ出されるストーリー
章が進むごとに、のめり込んでしまう。

歌舞伎役者の言葉
「芝居はね、観客席からが一番よく見えるものだよ。
 舞台に立っている我々演者には、まったく見えないことばかりだ」 
ところどころに、はっと気づかされる言葉が刺さる。

再読したくなる一作です。

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一つひとつの短編がしっかり成立しているからか物語が繋がった時の感動たるや!
特に99ページの「しかし最後までわからないものですよ、物語というのはね」にドキッとした。
個人的に1章と5章のカップルの同じ出来事なのに見え方が全く異なるところに衝撃を受けた。

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エピローグを読んで「え、これは最初から読み返さなきゃ!」と思わずにいられませんでした。

読み返すと、一度通った道に何気なく落ちていた石ころが、実は輝くような宝石だったのだと気づかされるような感覚でした。

安定の青山節であったと思います。心暖まるストーリー。今回は「王子」を軸として、悩みを抱えた何人もの人物たちが次のステップに進む様子。そして今回は張り巡らされた伏線がいつも以上に衝撃でした。

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読み進めるたびに王子の人間味がわかってくると同時に、各章『人魚姫』がうまく関わって話が進んでいきます。
どの章の人物の人生も身近ではなかったのですが、それでも感情移入できるのが青山先生の文才かと思います。
リアルで生活している人も長年愛されている物語同様、様々な物語があることを実感できました。
全体的に穏やかな気持ちになれる読後でした。
途中出てくるモブキャラももしかして?と思いきや、エピローグで全て回収され脱帽です。
銀座の歩行者天国に行ったら素敵なキャラクターと出会えるのかななんて妄想してしまいます。

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登場人物が少しずつ繋がる青山さんお得意の連作短編集。『人魚が逃げた』とインタビューに答えた謎めいた王子と大切な人を失うかもしれないと怯える登場人物たち、安定のクオリティと思いながら読み進め1章と5章が綺麗に繋がって、王子と人魚ってそういうこと?!って驚いた後のエピローグで更に驚きが。うんうん、銀座の和光の時計塔にはそんな不思議が似合うかも。ちょっとだけ出てきてた彼、彼女、そういうことだったの?!気付かなかったよ『赤と青のエスキース』に出てきた画家や青山作品でおなじみの田中達也さんも登場し、まさに青山さんの集大成と言ってもいい作品になっていると思います。

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素敵でオシャレな良い話。先に読んだ人から、銀座が舞台だから当然だけどみんなある程度余裕があって、そこが今の時代には少し珍しい、と聞いていた。確かに。一番若い彼にしても背伸びはしているけどすごく苦しいわけではなくて、まあハッピーエンドにも向かっているから、やっぱりみんな余裕があって幸せに向かえている。全くもって辛い話を読みたいわけではないから良いけど、珍しい。

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アンデルセンの童話「人魚姫」に絡めた連作短編集。
今回の作品も、あ!こことここが繋がった!と伏線回収たっぷりで
読み進めるのが楽しかったです。
また、それぞれの短編も、もっと続きが読みたい!というところで
うまく終わりまた次へと繋がっていくので、あっという間に読み終わってしまいました。

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王子にとっての人魚、つまり大事な人との関係を悩むのは、その人のことをとても好きだから。でも、このままではダメだと思ってしまうのは、自分に自信がないから?

王子はただのコスプレ? それとも、まさか本物? よくわからないけど、でも確かにいたの、銀座のど真ん中に。そして、彼の悲しみは本物だったの。なのに、人魚には伝わっていなかったなんて。その姿を見ているうちに、そんな気持ちがわたしの中にもあることに気づいたの。

アンデルセンが書いた人魚姫の物語は、本当はああいう結末じゃなかったなんて知らなかった。だから、諦めちゃダメだって思ったの。だって、わたしにも違う結末が待っているかもしれないんだもの。

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銀座に逃げた人魚を探す王子と、同じ時刻その周辺の人たちとの連作短篇。
インパクトのあるタイトルから予想もしなかった温かく切ないお話に胸がギュッとなる。
タイトル回収もお見事で「人魚姫」を読みたくなった。

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田中達也さんの心はずむミニチュアの表紙、しかも自分が一番お気に入りの街 銀座、
そこへタイトルが「人魚が逃げた」とくれば絶対に手に取らずにはいられないシチュエーション。
しかも静かに勢いのある作家青山美智子さんの新作となれば、面白くないはずがないだろうと。
そのとおり、読み始めたら一気に半日で読み終えました。
まさか本当にアンデルセンの童話の人魚姫に絡むお話ということに驚き、
しかも各章の主人公たちが人魚姫に教訓を得る思考に至るとは。
恐るべし青山さん! さらりと読めて人をポジティブ思考に向かわせる偉大な筆力。
何回でも読み直したいお話でした。

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人魚?
王子様?
誰もが知っている昔話だけれど、まさかね・・と思いつつ
読み進めずにはいられない。
やっぱりちがったのか・・でも・・・あれ・・ほんと?
作者にひっぱられてしまうのだ。
あっちにも、こっちにも。
さんざん連れていかれた後に暖かい光のようなものが心に残った。
お伽話のようなお話だった。

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人魚が逃げた、というタイトルに惹かれて読みました。王子様の登場に銀座は騒然。5章に渡って話が進んで行くなか登場人物同士の絡みもあってついつい戻って読み直したりするのも楽しかったです。それぞれの心情に王子様が関わることでどうなっていくのか。
特に最後の5章は思わぬ展開が続きが気になり一気に読んでしまいました。とても良かったです。

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アンデルセンの寓話と現代社会に生きる私たちの悩みを重ねる。愛のために何を差し出し、犠牲にするのか。うなずいたり首をかしげたりしながら、それぞれの愛の形を見つける。
エスキースのジャック・ジャクソンが出てきたり青山ワールドが楽しかった。

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幻想とかファンタジーとか、ジャンルに拘るのが筋違いだ。

言わなきゃ、と100%思っているのに言えないことってある。
あのときはそれでいいと思っていた。けれど其処に自分はいたかと訝しみ後悔している。
ひとこと、で変えてしまった人生がある。
3分で読める文章が3分で読めなくなってしまった。

「ネタバレ」とか「伏せん回収」などの安直な単語でまとめられない、
ひとつひとつ読み進めなければ至らぬ境地の頂き。
失敗だと、自分に×をつけたことがあるひと!

~逃げるとは悪い兆しから背を向け、良い兆しの方へと足を運んでいくことなのかもしれない~
これきっといつか、必ず思い出す。

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人魚が逃げた!えっ王子様?どんな物語が待ち受けているのか想像もできず、ちょっぴり不思議なプロローグに引き込まれながらも、不思議さは最後まで残り続けました。でも、エピローグで納得!最後の最後のとっておきの素敵な種明かしにも心が躍りました。相手をどんなに想っていても、さまざまなことを言葉にしたり聞いたりしないと伝わらない時があり、不安で確信が持てなくて、自信のなさが勝手な想像を膨らませてしまうこともあります。大切なものを失わないように、伝えることがとても重要なのだと気づかせてくれました。悩める人々の背中をそっと押してくれるちょっぴり不思議でとっても素敵な物語。

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今作もとても良かったです!
読むと元気になれます。
いろんなすれ違いが交錯しますが、やがてパズルがはまっていくようにおさまっていくのが気持ちよくすっきりしました。
最後の最後まで感動が続き、余す所なくしっかり味わっていただきたい1冊でした。

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人魚が逃げた/青山美智子 PHP研究所

助けたことを隠して、一途に想いながらも消えていく人魚姫
助けられたことに気付かず、助けた人魚姫を可愛く想うも失う王子

人のことは良く見えるのに、自分のことは見えていない主人公が
王子と人魚を通じて、自分自身の大切なものに気付いていく幸せの物語。

お昼時のバラエティ番組で
童話から出てきた王子様のような姿の若者が生放送インタビューされた。
その若者は、自ら王子と名乗ると一言
「僕の人魚が、いなくなった、逃げたんだ。タイムリミットは5時まで・・・」
またたくまに「#人魚が逃げた」でSNSは大バズり、銀座の街は大騒ぎ
そんな中、人生に悩みを抱えた様々な主人公たちが銀座で不思議な出会いをする

ああ、あのラストシーンが素敵すぎ、映像で浮かんでくる。
エピローグの種明かしにもほっこりした。

うわぁ~、青山先生の連作短編の中でも、これはひときわ良かった。
素敵な物語をありがとうございます。

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銀座に現れた謎の王子。
逃げた人魚姫を探している…と、不思議な始まりで心を惹き込まれました!
一話一話が切なくてもどかしい想い…それが繋がっていくことでより深く物語に入り込む、そんな作品です。
ファンタジーと現実がほどよく絡み合った温かい物語で、また最初から読みたくなりました!

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銀座の歩行者天国に突如現れた、人魚を探す王子様。
アンデルセンの世界と現代の世界が交錯し、不思議な雰囲気の中に温かさを感じられる作品でした。
作中でU-kuさんや田中達也さんの作品も登場するなど、現実の世界と登場人物が関わっているのも楽しいです。
他にも、赤と青のエスキースに登場したジャック・ジャクソンの絵が出てきたり、ギャラリー渦の佇まいが鎌倉うずまき案内所と似ているような気がしたり、今回の作品も青山さんの世界をたっぷり堪能できて大満足です。
3章の叔母さんが語る「バツじゃなくて掛けるって読めばいい」という考え方が素敵です。「経験の掛け算」覚えておこうと思います。

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銀座の街に人魚が逃げた。王子が探している。

あまりファンタジーすぎる設定はちょっと苦手なんだよな・・・。
と思いながら読みだすも、そこはやはり青山美智子作品、得意の連作短編形式であっとゆうまに読み終えてしまいました。

どんな読者にも読みやすく、優しさにあふれた物語。
青山作品を読み続けている読者には、あ!この人物は⁉という仕掛けもあります。

くさくさした気持ちになりそうなときに手に取りたい癒やし本です。

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人生に迷いを感じる人々と銀座の街に迷い込んだおとぎ話の王子との出会い。心に響くメッセージに溢れ、温かな読後感。

『恋は愚か』『君は確か』
向かうべきは、自分ではなく相手。相手がいなければできない恋愛という土俵にあって独り相撲していないか。自分を貶めているものは、自分自身の価値観かもしれない。
でも。独り相撲していたのは、お互い様、だったのね。
『街は豊か』
平凡な日々を愛しみ、積み上げていくこと、繰り返すことの大切さと難しさ。その地味さゆえに、本人さえも気が付かない価値をちゃんと理解する娘に育てあげたことは、母親として、何よりの偉業ではなかろうか。
『嘘は遥か』
禍福はあざなえる縄のごとし。幸福からも、不幸からも何かが生まれて繋がって人生は続いていく。

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初めて読んだ筆者の連作短編「赤と青とエスキース」に比べると
どうしても衝撃度が薄れてはしまうのですが、
今作でも作品ごとのつながり、通読して初めて見えてくる事情など、
筆者の技量が冴えわたっていました。
王子の正体に思いをはせながら、一気読みすることをお勧めします。
次に銀座に行ったとき、町の見え方がちょっと変わりそう。

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さすがは青山さんです。良かった!連作短編で主人公が変わって行くけれど、それによって見える世界が違ってきます。王子様の格好をした人が街頭インタビューを受け、「人魚が逃げた」と言ったことでSNSは大盛り上がり!各章で出てくる王子は何なのか?と思いながら読んでいたけど、最後まで読んで分かった時は何だか嬉しくなってまた読み直してしまいました。大満足の作品でした!

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楽しくてワクワクして、ちょっと切なく、そしてあたたかな読後感。5つの連作短編は、アンデルセンの『人魚姫』の童話から、突如現代に飛び出してきたような「王子」が、愛する"人魚姫"を銀座で捜している、という設定。そんな王子と出会った人たちが、王子を励ましながら、自分自身を振り返り、気づきと前向きな勇気をもらっていく物語。実在の場所やモノや人などが随所に散りばめられ、青山作品にゆかりのあるあの方まで登場して、臨場感とファンタジーのベストマッチ!上手くいかない現状も、きっかけひとつで気持ちを好転できる、これぞまさに物語の力!とても良かった!

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大好きな青山美智子さんの連作短編集。
タイトルを見たときから、ファンタジックな「人魚」というワードに、一体どんなストーリーなのか早くもワクワクしていました。

年齢も職業もさまざまな人たちが登場しますが、みんな何かしら胸に迷いや不安の種を持っている。だけど、自分の中にあるそのモヤモヤを何とかやり過ごしながら日々を送っているのが現実で…。

子どもから大人まで、誰しも経験があること。
登場人物の心情に自分を重ね合わせ、親近感を感じて応援せずにはいられませんでした。
「同じ体験をしていても、見えているものが違う」というのは誰にでもある。それは別人であっても、自分であっても。
…そんなことを思いました。

読みながら若い頃の淡い気持ちを思い出して、ちょっと懐かしい気持ちに。
あちこちに思わず笑顔になるポイントがあって嬉しくなりました。
キュンとして、可愛くて、夢のあるストーリー。

青山さんの作品は、どれも独自の世界観があって楽しい!
それに、一歩を踏み出せずにいる人や人生の迷子になっている人に優しく寄り添ってくれるような、励ましと温もりを感じます。
温かく幸せな余韻を感じられる素敵な物語でした。

また、青山さんの作品と言えば、表紙を飾る田中達也さんのミニチュアの世界も毎回楽しみにしているので、その点も二重に嬉しい。

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銀座の歩行者天国に現れた謎の王子様。テレビのインタビューで彼は、人魚がいなくなってしまったと話す。またたく間にSNSで話題になる王子様。その王子様と銀座で行き合い言葉を交わす男女の連作短編集。読んでいて、気持ちがあたたかくなるお話だった。登場人物が皆それぞれ抱えていた不満や不安について、王子と出会ったことをきっかけに考え、そして自分の持っている大切なものに気づいていく。銀座の街並みや実際にあるお店が描かれていることもあり「こんなこともあるかも?」とファンタジーの世界を楽しめた。これから銀座の街ではいろんな空想をしてしまいそう。

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青山先生らしさが全開という感じで、銀座の歩行者天国に数時間居合わせた人々の、偶然とも言えないような少しだけ重なった世界を辿って生きながら、日常の幸せに気付かせてくれる優しい連作。それぞれの短編の主人公の気付きがそのまま我が身の在り方を顧みさせてくれて、ささやかでも明日は大きく繋がる一歩を示してくれているようでした。
それにしても銀座のあの時間は本当に誰がいても不思議じゃなくて、物語の登場人物が紛れていることもありそうだなと思いました。

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ある3月の週末、SNS上で
「人魚が逃げた」という言葉が
バズっていた


王子のかっこうをした美しい男性が
銀座をさ迷い歩き
「ぼくの人魚がいなくなった」と
言っているらしい


そして騒動の中、5人の男女が
人生の大切な時を迎えていた


12歳年上の美しい女性とつきあうが
彼女にふさわしくないと悩む男性


留学直前の娘と買い物をしている
専業主婦


絵画の収集にのめりこんでとうとう
妻に離婚された男


文学賞の選考結果を待つ作家


高級クラブのママ


銀座を訪れた男女5人を待っている
決断、結果、悟り、気付き、恋とは
5人がたどりついた場所とは


王子は人魚を見つけられるのか
それぞれがお話の最後に見たものは...
心あたたまる5つの物語

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人は、物語と共にある。自分という物語を生きながら、他者やあらゆる事柄に物語を見出し、フィクションという物語さえも紡ぎ出す。物語の受け取り方も千差万別で、それゆえ世界には無数の物語が存在する。

 これまでたくさんの物語で読者に感動を与えてきてくれた青山美智子さんが、物語(フィクション)をテーマに書かれたのが本作です。人と物語の、切っても切れない関係。その不思議さと豊かさが、この作品には満ち溢れています。時に笑って、時に涙して、時には思いがけない展開に胸を躍らせて。子供の頃おとぎの国の物語に夢中になった人も、大人になって現実という物語に行き詰まりを感じている人も、きっとこの作品に心動かされることでしょう。
 だから、物語を読むのはやめられません。

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1話ごとに結び目が少しずつほどけていくような感覚。最後はするりと一本のリボンに戻ったような読後感でした。青山さんの作品、好きです。出てくる登場人物も優しくて、魅力的。
作品中に出てくる色々な方の名前が気になり、読んだ後つい検索してしまいたくなります。
東京に行ったら、銀座の歩行者天国を歩いてみたい、と思ってしまいました。
友人へのプレゼントにもいい、一冊です。

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銀座に人魚が逃げた!??
この物語はいったいどんなふうに着地するのだろう!?

想像もつかないまま読み始めたけれど、結果、「全部好き!」な、いいお話の連作短編集でした!
一人ひとりのお話がとっても素敵で、【王子】とのやりとりにその人らしさが感じられて、すごく共感するものがあったり、ハッとさせられたり。そしてあそこでぶつかったあの人が次の話の主役になったり、はじめに出てきたあの彼女が終盤で語るその心の内がこちらまで嬉しくなることだったり。
青山さん、一気に大ファンになりました!

アンデルセンの童話の人魚姫のお話も実はこんなに様々な見方ができるのですね。そして表紙の田中達也さんの作品が、作中でも触れられていて、それもファンにとってはウキウキポイント。

とっても楽しく読ませていただきたさました!

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期待を裏切らない温かな連作の物語でした。道行く人たち、それぞれにドラマも思いもあるんだよな…と思い出すけど、そこを深掘りしてカタチにして読ませてくれるのは、作家さんという仕事人のなせる業です。日下部さんは青山さんなのかな。フットサルをするヨミの鋭い多恵さんがいい味を出していました。

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「人魚が逃げた」と真顔で答える王子。なんなの?メルヘンなの?実はミステリーなの?と読み進めていくうちに、心の中を優しくかき回される感覚で読みふけりました。青山美智子のさんの言葉の数々は優しく響きます。第2章が一番好きかもと読み進めているうちに、やっぱり第3章かもと進めば進むほど、ストーリーの虜になってしまい…。結局、「この小説、好きだ」てことで落ち着きました。気にもとめないような、些細な人と人とのつながりが私たちをつくっている。私も誰かの一歩に少しだけでも関われたらいいなと思いました。

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銀座の歩行者天国で人魚姫を探す王子様。
王子はテレビで取り上げられSNSでは「#人魚が逃げた」がトレンド入り。
王子はただのなりきりのコスプレなのか?本物なのか?
初めはファンタジーが入り混じった展開になんだか置いてけぼりを食らったようなホワホワした気持ちで読んでいたけれど、進んでいく連作短編集にだんだんとのめり込み、第五章で伏線回収されたと思ったらあれよあれよと遠ざかっていき、さらに驚きが待っていた。
驚きだけじゃない。
読み終わると温かい気持ちになる。そっと背中を押してくれる、そんな物語だ。
青山さん作品のほんのりとしたつながりも見え、そんなところも楽しい仕掛け。
今後銀座に行くたび思い出しそうです。

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土曜日の銀座で人魚姫を探し回る王子様。
悩みを抱えた人たちが、王子と共に過ごすことで自分の心に向き合い前へ歩み出す、そんな青山さんらしいお話でした。
気持ちを素直に言葉にできず、勝手に思い込んですれ違う心にちょっと焦ったくなるけど、最後はスッキリと。
今回も温かな気持ちになれました。
田中達也さんのミニチュア写真の表紙も素敵。

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銀座が舞台になった連作短編集。
アンデルセンの人魚姫と王子がこんな形で物語に絡んでくるんだ!とわくわくしながら読みました。ちょっと不思議な設定でくすっと笑える場面があるところも、物語が優しさに溢れているところも青山さんらしくて大好きです。登場人物たちが悩みを抱えながらも、一歩踏み出す勇気や気づき、前を向くきっかけを得る度に心から応援したくなりました。
過去作品の赤と青とエスキースとのリンクがあったり、青山さんの作品が好きな方にはお馴染みのある方々のお名前が出てくるのもうれしかったです。

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「一度生まれた物語は、永遠の魂を持ちます」
銀座の街に突如現れた王子。彼は人魚を探しているという。
人生の岐路に差し掛かった人々を描いた連作短編。

「嘘と、ニセモノは違う。私たちは嘘に助けられながら、遥かなる虚構を生きている。嘘の本当というものがあるんです」

物語を読むという営みについての青山さんのまなざしが描かれた新境地。
本を愛するすべてのひとに届くであろう一作。

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すてき。思っていた以上にたくさんの仕掛けが物語の中にあったことが最後にわかり、すぐに読み返したくなりました。案外、一番身近な存在である自分のことが一番見えていないのかも知れないのだなと考えさせられました。そのことで誤解があり、そのまま…ということも現実や他の物語ではあるけれど、青山美智子さんの物語は優しく、きっとうまくいくんだろうなと希望をもてる終わり方がとてもよかったです。

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5編の短編連作集。 最初の1編と最後の1編が完全にリンクしてるので読み終わってほのぼのとする構成が好き。 途中のお話の中でも所々で最初の章であったことが繋がってて、一つ一つの話は違うけれど心地良く物語の世界に入り込めた。 この時期に読めて心温まりました。

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銀座に王子が出現っ!どうやら人魚を探しているらしい。そんな王子と奇跡的に出会う悩みを抱える人達の物語。恋人や親子、夫婦など関係は様々だが、思い込みや誤解、すれ違いで心を痛めているそれぞれの物語の主人公達。過去を思い返したり、自分の気持ちを見つめ直したり、思い切って言葉にしたりして前へ進もうとする姿に読者である私も幸せな気持ちになる。物語の中に何気なく登場するあの人達や、銀座に実在するお店、実在する画家や絵画など隅から隅まで思う存分楽しめる至福の1冊。読了後に思わず『上手いっ!』と感嘆の声をあげてしまった。

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逃げた人魚は誰なのか。現実なのか虚構なのか。人魚を探す王子とすれ違う人々の物語でした。人々にはそれぞれの物語があり、人魚と王子に影響を受けて見方が変わっていく。つながっているような、いないような。短編連作のやさしい物語です。田中達也さんの作品展に行ったばかりだったのですが表紙も作品に合っていてステキでした。

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タイトルだけでは、どんな展開になるのか予想がつかず。そんな中で、人魚姫を探す王子が登場。どの話にも出てきて、脇役ではあるのに、重要な示唆を与えていく。さすが王子。
各エピソードの主人公はそれぞれ悩みを抱えながら、王子に出会うことで前向きになるきっかけをもらっていて、人生って素敵なものなんだなと思わせてくれる。この本のおかげで、日々どのように時間を潰そうかと思っている私ですら自分と自分の生き方について考え直そうと思えました。

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歩行者天国で賑わう銀座の街中に、自らを「王子」と名乗る青年が現れる。まさに“王子ルック”で身を固めた彼は、逃げた人魚を探しているという……。王子と人魚をキーワードにした5篇とプロローグ、エピローグからなる連作短篇集。
いつもの青山作品同様に各章の登場人物は微妙につながっており、誰がどこに関係しているのか想像しながら読み進めた。全体はアンデルセンへのオマージュだし、あの歌詞やら、あの画家さんの作品が登場したりと、遊び心に満ちている。
5章まで読み終えてエピローグへ。ここでの種明かしでようやく、これまでの時間が無駄じゃなかったと感じられた。愉しんで書かれているのはわかるが、ちょっとぼくにはついていけなかった。

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とても温かな気持ちになれる作品でした。

「王子」と名乗る冠をかぶり王子の姿をした謎の青年が
「僕の人魚が逃げた」と言いながら、
銀座の街を彷徨う。
この人魚騒動の起きた日に、
銀座で「人生の節目」を迎えた5人の男女。
王子と関わることで
人生の節目について新たな着眼点に気がつく。

素敵な構成で、
それぞれが大きく、小さく関わっていて、
2回読んでしまいました。

青山美智子さんファンなら嬉しい
登場人物たちも。

5人の男女の成り行きにドキドキしながらも、
時々現れる王子の真相を推理するお楽しみもあり、
更に、銀座の街にも行きたくなりました。

1回目を読んでる途中で銀座へ行くチャンスがあったので、
大切な舞台の一つでる
「和光の時計塔」
しっかり鐘の音も聴いてきました。
でも、時間帯をちょっと間違えてしまいました。
これは、リベンジせねば。
他にも巡りたい場所をチェックしたので、
次に銀座へ行く機会の楽しみが出来ました。

アンデルセンが初めは歌劇俳優を目指していた事を
初めて知りました。
そのアンデルセンが描いた『人魚姫』
多分誰でも、大体のSTORYは知っていると思いますが、
そこに考察が加わって興味深い。
しかも、人魚姫ではなく、王子様に光を当てたところが
とても面白いです。
正直なところ、王子様にあまり思い入れはなく、
「可哀想な人魚姫」というイメージだけが
残っていますが、
この作品を読む事で、王子様がより身近になり、
今『人魚姫』を読み直したら、
違う王子様像が見えてくるかも。

もうすぐアメリカのヘアメイク事務所で働く
奈緒ちゃんがカッコよかった。
彼女の自由でサッパリした考え方、好きです。

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連作短編集を得意とされる青山さん。今回もその繋がりが見事で、それぞれの人間ドラマに胸を打たれつつ、全編を通して登場する王子の謎が気になり一気に読み進めました。そういうことだったのかぁと思った直後の急展開を是非味わっていただきたいです。どのエピソードも魅力的でしたが「毎日を、毎日作ってくれた」という言葉が特に響きました。

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連作短編集。
逃げた人魚を探す王子が登場、アンデルセンの「人魚姫」をモチーフとした作品で恋人、親子、夫婦のいろいろな思いが描かれている。
相手の思いなんてわかるわけがないのに勝手に想像して、思い込んで悶々としてしまう…
これってきっと誰もが感じたことのある気持ちだと思う。
でも悶々としているだけではなんの解決にもならなくて…
悩んでばかりいても仕方ないよ、と背中を押してくれるような心温まる物語だった。
年の差恋愛のカップルの思い、巣立つ娘を送り出す母の思いと巣立つ娘の思いが特に印象深かった。

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王子が冒頭に出てきた時はどういう話になるんだろうと困惑しましたが、王子に出会った人たちの切なくもどかしくあたたかいストーリーでした。
思い込みからおこるすれ違い、相手と話すことの大切さを感じました。

田中達也さんの表紙が素敵なのはもちろんですが、作中にもアーティストとして登場しているのがファンとして悶えました。田中さんが毎日SNSでアップされていることを紹介しつつ、娘が母親に「毎日を、毎日作ってくれたよ」という言葉にはっとし、胸に留めておきたい言葉となりました。少し手をかけた家事を「毎日を作る」との表現が素敵だなと思いました。家事を前向きに思うことができそうです。

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人魚姫の話に絡んでいく展開は神業としか言いようがありません。こんなにもアンデルセンが身近に感じたことはありません!

「言葉なしで相手の気持ちを理解するなんて、とても難しいことです」
本当にそう。
「毎日を、毎日作ってくれたよ」
私も言ってもらいたい(笑)
「嘘と、ニセモノは違うのです。私たちは、嘘に助けられながら、遥かなる虚構を生きている。嘘の本当というものがあるんです」
なんと深い……

平和なストーリーの中にしっかりした物があって、存分に楽しませて頂きました。

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