旅立つ君におくる物語
藤山素心
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刊行日 2024/10/09 | 掲載終了日 未設定
ハッシュタグ:#旅立つ君におくる物語 #NetGalleyJP
内容紹介
ここは「最期の願い」を叶えてくれる楽園
どうか自分にとって大切な人にとって最高の看送りを
現役医師が送る感動のヒューマンドラマ!
【あらすじ】
老人ホームで介護士として働く稲夏陽。理想を抱いて就いたはずの介護職だったが、勤務十年目を前に、現実とのギャップに心を折られそうになっていた。そんなとき、元担当入居者からの手紙をきかっけに、終末医療や看取りの介護を余儀なくされた患者たちの最期の願いを叶える特殊リゾート施設「楽園クロッシング」に転職することに。夏陽は理想の「看送り」を探して成長しながら、介護士としての自分を取り戻していく。自分らしく生きて、死ぬこととは――。心を揺さぶる感動のヒューマンドラマ!
【著者プロフィール】
広島県出身。東京都在住。医師。2017年にホビージャパン主催のHJ文庫大賞(現:HJ小説大賞)で金賞を受賞。〈はい、総務部クリニック課です。〉シリーズ(光文社文庫)、〈おいしい診療所の魔法の処方箋〉シリーズ(双葉文庫)、『呪ワレ者』(マイクロマガジン社)など、一般小説から児童書まで幅広く執筆している。
出版社からの備考・コメント
※書影は仮のものです。
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出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784575528015 |
本体価格 | ¥760 (JPY) |
ページ数 | 336 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
看護士の夏陽が働くことになった「楽園クロッシング」は、入所者の「最後の願い」を必ず叶えて看取る施設。
彼女はそれを理想とし、一緒に笑って泣いて、そして別れを告げていく。見送る辛さの中で「自分らしく生きる」とは何かを見出しながら。
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『楽園の十字路』
夏陽が働くことになったのは、現実とは思えないほどの理念とそれを実現させる施設を持つ「楽園クロッシング」。しかし、資金源などは不明。
でも、10年間、看護士として失意に埋もれながら働いてきた彼女の理念そのもの。だから夏陽にとっては、選択する必要さえなかったのだろう。
彼女の人生の十字路でのこの決断が、不幸への道へ向かうことにならないことを願った。
『仮初のボールルーム』
「楽園クロッシング」の先端システムで実務的な負担は少ないが、心のケアは人にしかできない。特に「最後の願い」を叶えるために来るのだから尚更。だからこそ、夏陽が呼ばれ、ここにいる。相手の辛さから目をそらさず、それを受け入れてあげるために。なんと言う仕事。いや、仕事の領域を超えた、心そのもので担う範疇へと夏陽は正面から向かい合うのか。最後まで裏方に徹し、一つ終わるごとに心がボロボロになっても。
『六歳の夢』
更に今回の碧志の願いは「学校に行く」こと。その難題をめぐり、「楽園クロッシング」のスタッフ達の過去や抱える闇が見えてくる。皆、本気だった。いや本気過ぎてしまったのだ。だから、ここにしかいられない。ある意味ここは彼らの「最後の願い」をかなえる場所でもあったのか。
入所者の真の「最後の願い」は別にある。死にゆくにもかかわらず、周りを気遣って。それに気づいていく、夏陽と永木ペアの鋭さに舌を巻いた。
6歳の子どもの「最後の願い」から、それは「どう生きるか」と言う事なのだと胸にズシンと落ちてきた。
『消えゆくあなたへの物語』
介護とは「気を使うこと」ではなく、家族の「いい部分」の関係を築くこと。それが夏陽の理念でありやり続けてきたこと。
だから、永木との3か月のやり取りにこの急展開が割り込んだ時、夏陽はそれについていけなかった。夏陽だけではない。読み手もだった。何かがプツンと切れた音を感じた。
『カンファランス』
永木の「最後の願い」は、確かに医学でも技術でも金や人脈でも実現不可能なことだった。だからこの方法しかなかった。でもこれは、気持ちでは絶対に割り切れない方法だった。
最後に、夏陽は3択のうちのどれをとるのだろうか?どうかそれが、永木からの手紙に潜む彼女の願いに沿ったものでありますように。
読書中、半分以上の時間は泣いていました。声を出して泣くほどの号泣です。途中、何度もこれ以上読めない!となりましたが、なんとか最後まで読ませていただきました。
「楽園クロッシング」、本当の楽園ですね。
死に向かうことが幸せなわけではないけれど、とても幸せな場所でした。
入居者にとって願いを叶えることと同じくらい大切なことは、どう生きるか。
「どう生きるか」を自分自身で決めることができるのが、どんなに幸せなことか…!
私が泣いたのは、亡くなったことが悲しいだけじゃありません。最期の願いを叶えて、幸せな気持ちで旅立てたであろうことが嬉しくもあったのです。
夏陽さんと永木さんの関係性もすごくよかったです。夏陽さんの仕事に対する姿勢や考えがあってこその、家族みたいな友達という関係。お金やコネでなんとかなるものじゃありません。
こんなことをここに書くべきではないかもしれませんが、私も子供の頃に碧志くんと同じ病気で弟を亡くしました。(碧志くんの話は本当に読むのが苦しかったです…)
なので碧志くんのお話を読んで、あぁ、本当にこんな場所があったらなぁ…!!と、思わずにはいられません。
めちゃくちゃ泣いた読後は、あらためて夢のような物語だったなぁと、幸せな気持ちでいっぱいです。私も楽園にいたようです。
看取り、終末医療ときくと、どことなく寂しい気持ちになりますが、この物語の中では希望を感じました。
この作品は、まさに心のこもった夢。素敵な作品をありがとうございました!