さやかの寿司
森沢明夫
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刊行日 2024/09/25 | 掲載終了日 2024/09/16
ハッシュタグ:#さやかの寿司 #NetGalleyJP
内容紹介
●タイトル :『さやかの寿司』
著者名 :森沢明夫
●ヒューマンドラマの名手が贈る、
配給松竹にて映画化決定の『おいしくて泣くとき』、大好評『キッチン風見鶏』に続く最高に美味しくて癒される、ハートフルな物語
「お客さんの心を夕凪(ゆうなぎ)みたいに穏やかにする、心の安全基地でありたいの」――大将・さやかが願いを込めて握る寿司は極上の味わい。
店の居心地も最高です!
●内容紹介
母の納骨を終えた作田まひろ(22)は、「別れ」を受け入れようと、幼い日に母と一度だけ訪れた寿司店にやってきた。海辺の町の鄙びた商店街にある「江戸前夕凪寿司」という小さなお店。意を決して暖簾をくぐるも、ランチ営業はちょうど終わったところだった。がっかりしたまひろだったが「ちょっと、お客さぁん」と綿飴みたいな若い女性の声に呼び止められ、まかないの海鮮丼を500円でいただくことに。
「さやかさん」と呼ばれる声の主は、ふんわりした見た目とは裏腹に、丁寧な「仕事」をする凄腕の寿司職人で……。
常連客も訳アリ客も、心を込めておもてなし。感涙の物語。
●著者略歴
森沢 明夫(もりさわ・あきお)
1969年、千葉県生まれ。早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『キッチン風見鶏』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 0784758414722 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
「別れ」と「自由」を受け入れる儀式として訪れたのは夕凪寿司。
一度目は離婚した母とそして二度目の今回はその母を47歳の若さで喪ったあとひとりで。
店の大将は22歳のわたしと同じくらいの年齢に見える若い女性さやかさん。
「人生でいちばん大事なのは『いつも自由でいること』」
それぞれに普段は見せない裏側がある。
社長のエピソードも良かった。売れると友達がいなくなったり切なかったけど、無事にジジ馬鹿にもなれてハッピーエンド。
「人は出会うべき人と出会えれば変わる」という部分が非常に勇気づけられました。
女寿司職人も味で黙らせるためにストイックに寿司と向き合い、辛い思いをした分誰にでも優しくて、ほんわかした中にも凛とした佇まい。誰からも好かれるのがわかります。
ふわっとしてて、あったけぇ…!すんごくよかったです!江戸前夕凪寿司に集まる人達の、優しさを分け合って、癒し癒される関係性が素敵すぎました!
人を傷付ける人がいても、その傷を癒してくれる人がいる。そう思えるだけで、なんだか私まで勇気をもらえます。
そして、ふわっとしたさやかさんに癒されて、まひろと未來ちゃんの友情に、胸が熱くなりました!
特にお互いのお守りを触り合うところなんてもう!!
2人の出会いからは考えられないほどでした。気付けばお互いがお互いにとっての、かけがえのない大切な人になっていたんだなぁと、ジーンときてしまいました。2人とも本当によかった!
素敵な登場人物ばかりで、もっともっと他の人のエピソードも読みたい!と欲張りなことも考えてしまいました。
本当に本当に素敵な作品でした!
亡くなった母との「別れ」を受け入れるため、思い出の場所を訪れたまひろ。柔く温かい女大将が営む寿司店を舞台に、いついかなる時も紡がれていく人の絆を描いた、心も満ちるおいしい物語。
どんな時でも自分の心には嘘を吐かない「自由」な生き方を貫くかっこいい登場人物たちに魅了された。
面と向かって言い合ったり、一緒に食卓を囲んだり、それでもダメで時の流れに頼ったり、いつでも心は全力で誰かを求めている。傷付くのが怖くてバリアを張ったり、動けなくなってる人の背中をそっと押してくれる作品。
お寿司に纏わる豊富な豆知識も学べて、楽しさ鮨詰め。
もしこの先、私が今の仕事を辞めるとしたら。この本のせいだ。決意させる力があった。現状打破と背中を押す。
絶対不可避な家族の理不尽]
大好きを持ち去った非情の事故
令和にあって男女の職業意識のエベレストより高い壁
わかりにくくてって自己表現が苦手な頑固な輩がよりによって出会ってしまった
本当はね、手には500円硬貨握っていた
だれよりも努力していた
ずっとずっと言いたいのに言えなかった
ツンデレもキャバ嬢も地方の建築会社のシャチョーもその同級生の下請け社長も
めっちゃくちゃ旨いカレーを作るサーファーも
若いのに別荘持ちのトレーダーも
キャバ嬢も
みんな何かを抱えていた。誰もみていないところで空を仰いでいた。
~わたしたちって、ずっと強風のなかにいるよね~
やさしいみんなに握り寿司と冷酒を!
格好の人生賛歌小説です。
大好きな森沢明夫さんの新刊。
待ってました~!
森沢明夫ワールド全開でした。
お寿司なので、お魚もいろいろできて、おいしい食べ方があったり。
個性豊かな人たち、じんわり感動できて、前向きになれる素敵な言葉がたくさん、元気をもらえました。
海の見えるところでおいしいカレー、お寿司食べたくなる~‼️
いつもの風鈴の音色もありました。
どんな表紙になるのかも、楽しみ。
読ませていただき、ありがとうございました‼️
森沢明夫さんは以前からずうーと気になっていた作家で、やっと作品を読むことができました。最近、言葉をぞんざいに扱う作家さんも少なくない中で、森沢さんの文章は一見平易なんだけど、とてもキレイで美しい佇まいを感じさせてくれます。それもああり、勿論作品もとても楽しく一気に読ませていただきました。主人公のさやかさんもとてもステキなキャラですが、個人的には未來さんの存在がとても輝いて好きです。尊敬する先輩の【must】を捨てるというエピソードもちょっといいですよね。ここでグッとつかまれる読者も少なくないのではないでしょうか。またこれまでの作品も読んでみたくなりました。
町場の寿司屋、でもちょっと一癖のある人たちが集う寿司屋を舞台に繰り広げられる人情劇。
普通の人たちの普通の生活を描くのが一番難しい。
たいていの人の人生にはそんなにしょっちゅうすごいことは起こらない。凪のように淡々と毎日が過ぎていき、たまにちょっとした事件で日々が乱されていく。この「ちょっとした事件」こそがキモだ。
この小説ではさりげなく「ちょっとした事件」が起こる。そのさりげなさがいい。
縁あって知り合った人が、なくしてしまったお守りの「ハンバーグの石」を一緒に探してくれる。なかなか見つからない。やっと見つけてくれたのは「ハンバーグの石」よりもちょっと小ぶりの別の石。でも「うん。ハンバーグの石です」とあえて言う。そして心の中で名付ける「ツンデレの石」。このさりげなさがいい。
ドラマティックな事件も起きる。寿司屋での仲間内の集まりに迷い入ってしまった成金オヤジとハデな年増ギャル。イヤな感じ満載の成金オヤジをギャフンと言わせるエピソードはちょいとハデで気持ちいい。台風一過、スッキリ夏の空だ。
誰にもいろいろな事情はある。でも毎日を生きていかなければならない。だから小さな、そして時にはちょっと大きな事件は起きる。そこを物語にしているこの連作小説、なんだか愛らしくて気持ちがいい。
人には見せられない裏の面も含めて全部抱きしめてくれるような作品。おじいちゃんの「いつも自由でいること」という言葉、素敵だなと思うのと同時に、そういう気持ちでいれば腹が立つ成金社長のような人間にも落ち着いて対応できるのかなと。美味しそうな料理の描写も最高でした。
べらぼうにグッときた!
人情味が濃いわ~。
家族愛も、とびきりの美味。
「万人に口当たりの良い作品」
なんて言ったら言い過ぎ?
描かれているのは
腕利きの女大将がいる寿司屋で
繰り広げられる人間模様。
ゆる~い空気を纏うけど、
仕事にこだわりがある二代目が、
あったかい仲間たちとともに
幸せとおいしさを届けてくれます。
“訪れる人の心を穏やかに”
そんな想いを込めて日々精進する
大将の生き方に憧れますね。
新しいものをどんどん学び
取り入れてゆく探求心にも
惹かれましたよ。
どこかとぼけた先代店主の
孫娘を見守る姿勢には
このうえないぬくもりを感じました。
こんな素敵な店があったら
ぜひ行ってみたい!
心安らぐ空間で、全身が粟立つような
旬の味覚を堪能したい!
そんな気持ちが抑えられません!
盛りだくさんなネタの数々。
ブルーな女性客のホワイトな嘘。
底抜け勘違いオヤジの爆笑噺。
家族と別れた男の魂の再生。
迷える同居人の尽きない葛藤。
とりわけ家族とは何か?しみじみと
考えさせられる最終章が良かったです。
みんなの幸せな感じがジワ~って
伝わる後味が最高すぎて。
ごちそうさまでした!
そうそう、脇役ながら柔道先輩は
言動の全てに魅力が溢れていましたよ。
「人生の中からなるべくMUSTをなくすといい」
覚えておきますね。
(対象年齢は13歳以上かな?)
森沢さんらしさ溢れるお話で、いち読者の私までホロリとさせられるラストでした。
大事なものを、過度に口出しせずにそっと見守るのって簡単そうで難しいけどとても大切なことだなと思いました。
さやかさんのお寿司をみんなの仲間になってカウンターでワイワイ言いながら食べたみたいな〜
最後の方で明かされた未來ちゃんの秘密も、人がいい社長さんの秘密も、明かされてみれば、「それはあなたが悪いわけじゃない」ってことなのに、そういうことを誰にも言えずに苦しんでいる事って多い。
身近に何でも話せる人がいるってとても大事なことなのに、そういう関係を拒んでしまうのは、そういうものを信じられなくなるくらいツライ過去があるからなのかなぁ。
こんなこと話して、どんな風に思われるんだろう?なんて悩む必要なんかないって。心の中の黒いものを吐き出したら、誰かに聞いてもらったら、それだけでホントに楽になるんだから。
森沢さんらしい、ハートウォーミングなお話でした。