多頭獣の話

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刊行日 2024/08/20 | 掲載終了日 2024/08/19

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内容紹介

5年前、全ての動画を削除して姿を消したトップYouTuber。
かつて会社の後輩だった彼は、なぜ再び僕の前にあらわれたのか。

謎めいた「神話」が

IT企業を舞台によみがえる──

現代のカフカ的傑作!

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そのYouTuberは「予言」する。
世界の危機を回避し、人類が進むべき方向を指し示すために。
かつて存在した「完璧な文章」を取り戻すために。

「この世界は、生きるに値するのだろうか?」

会社員からトップYouTuberに転身した元後輩の桜井君。またの名を、「YouTuberロボット」。
IT企業の幹部としてプロジェクトに忙殺される日々を送る「僕」の前に、再び彼が現れた──。

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著者/上田岳弘(うえだ・たかひろ)
1979年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。2013年「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞し、デビュー。2015年「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞を受賞。2016年「GRANTA」誌のBest of Young Japanese Novelistsに選出。2018年『塔と重力』で第68回芸術選奨新人賞を受賞。2019年「ニムロッド」で第160回芥川龍之介賞を受賞。2022年「旅のない」で第46回川端康成文学賞を受賞。著書に『太陽・惑星』『私の恋人』『異郷の友人』『塔と重力』『ニムロッド』『キュー』『旅のない』『引力の欠落』『最愛の』『K+ICO』がある。

5年前、全ての動画を削除して姿を消したトップYouTuber。
かつて会社の後輩だった彼は、なぜ再び僕の前にあらわれたのか。

謎めいた「神話」が

IT企業を舞台によみがえる──

現代のカフカ的傑作!

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そのYouTuberは「予言」する。
世界の危機を回避し、人類が進むべき方向を指し示すために。
かつて存在した「完璧な文章」を取り戻すために。

「この世界は、生きるに値す...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

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販促プラン


読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューをご投稿ください!
著者・担当編集者ともに楽しみにお待ちしております。
また、適したメディアやお持ちのSNSにもレビューを投稿いただき、多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく幸いです。

※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※

ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 出版営業局>まで直接お問合せをお願いいたします。     

★★


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★★★
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出版情報

ISBN 9784065365021
本体価格 ¥2,200 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

「重要なのは思い込みを続けることだ」

かつての部下、そしてトップYouTuberであるところの桜井くんが会社に戻ってきた。
はたして彼の目的とは。

人間の克服すべき悪徳の象徴である七つの首をもつ多頭獣に乗ってやってきたバビロンは未だ滅ぼされていない。
影響力をもつ桜井くんはその方向性を指し示すため奮闘する。

前作の主役であったICOが間接的に登場するのが嬉しい一冊。

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謎めいた「神話」から始まり、不思議な世界観で「え?どうなっていくの?」と惹き込まれます。
「思い込み」も突き詰めて行けば、確固たる主義主張となり周りの人を嵐のように巻き込んでいく…。
こんな影響力がある桜井くんに見染められた主人公の戸惑いと向き合おうとする気持ちに、ワクワクしながら読みました。
不思議な感覚が抜けない中毒性のある物語です。

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トップYouTuberロボットが消えて5年。IT企業社員の家久来の前に彼が再び現れ、カフカ的世界の侵食が始まる。
「〈生きるに値しない〉命と世界」の抗争とは?人々を因数分解する?多頭獣と卍の意味するものは?完璧な文章とは?なぜ桜井はロボットと名乗った?
そして、この言葉の迷宮の到着点は?

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全景が見えない霧がかかったような舞台で物語が進んでいく。主人公である家久来でさえ、自分で動いているつもりでも、周囲が霞む作られた道を歩かされているだけ。

5年前、突然表舞台から消え去ったYouTuberロボットらロボット一派。彼らが6年後に際登場を目指す目的、手段、根拠が、桜井などから示されていく。その曖昧模糊な概念が積み重なっていく。その不整合、不条理をそのままにしたカフカ的世界が、淡々と物語られいく。その何という不安定感。

でも、その霧が晴れた一瞬、見えたのは壮大な概念だった。人間と言う〈種〉とそれを構成する〈個体〉の関係。全ての〈個体〉が個性=自意識を因数分解されて、意欲が滅せられた〈種〉となる恐怖。それは、個性を持つに至った〈個体〉=人だけでなく、〈種〉にとっても存在の危機。これが、フェルミのパラドックスの解なのか?
そして、それに抵抗するのがYouTuberのロボット一派。多様性=多頭獣=卍を取り戻すための「完璧な文章」を求めて。

「血の関西ナンナウェイ」の真実が明らかになり、言葉の積み重ねから、再び物事が動き出す。終末に向けて。「害が及ばない」と言われ見ているだけの生き証人として、ロボット=桜井から選ばれていた家久来。その彼がロボットの最後の行動に対してとった行動。それは、論理よりも深いところにある感情で動いたロボットへの、更に人間らしい行動だった。これはロボットの論理への反証。人はまだ行けることを示していると、捉えたい。

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前作の『K+ICO』はカフカの『城』が象徴的だった。今作でもICOが登場する。
今作も作中で言及されるカフカの作品があり、その作品も改めて読み返した。
作品の紹介に「現代のカフカ的傑作!」とあったが、現代に置き換えるとこういう作品となるのかもしれないと納得した。

「完璧な文章」についての神話から物語は始まる。
かつてトップYouTuberだった会社の後輩の桜井が、家久来の前に現れる。
なぜ桜井はYouTuberを辞めたのか、そしてなぜ家久来にこんなにも固執するのか?色んな謎と共に物語は進む。
「この世界は、生きるに値するのだろうか?」そう投げかけられたとき、どう答えるのが正解なのだろうか。影響力をもつことが必要なのか?それともロボットのように効率的に生きていく世界がいいのか?
桜井が抱える孤独や背景、家久来への異常な執着、そして多頭獣とはいったい何を意味するのか?
現代における孤独も感じ不思議な感覚を覚えながらも、この世界観に捕らえられ先を読まずにはいられなくなる作品だった。

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上田岳弘の作品は4年前、芥川賞受賞作「ニムロッド」以来。前作同様舞台はIT企業、著者は、その業界経営者らしい。元IT企業社員で現在はYouTuberの桜井またの名を「YouTuberロボット」がビラン?、彼がトップの「ロボット一味」の狙いは最後まではっきりしないが、はっきりするのは彼らの敗退。YouTuberが主人公といえば、村上龍作品にズバリ、タイトルが「ユーチューバー」があるし、他にも登場人物ということなら数冊読んだ記憶がある。要は現代を象徴する役側だろう。ところで「村上」といえば両村上のもう一方村上春樹の名が本作に出てくる。「ライ麦畑でつかまえて」の翻訳者としてだが。またカフカへの言及があるが春樹作品には「海辺のカフカ」という作品もある。そもそも上田岳弘は龍の軽薄さ(誉め言葉)と春樹の難解さ(誉め言葉)がある、また両者に共通した饒舌さ(誉め言葉)もある。では、どちらに似ているかといえば春樹だろう。ウィキペディアによれば「人生で影響を受けた本として、村上春樹『風の歌を聴け』、ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』、カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』を挙げている」そう、ちなみに私も同意。

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何だかとても「いま風」な小説だな、という感想。

実在のYouTuberの名前やチャンネル名が表記されていたり、退職代行業者や仮想通貨の話など、令和の初めに話題になったワードがたくさん出てくる。また、最近流行りのラップを小説の中に書くという構成も然り。
令和6年前後の「いま」を切り取ったお話だなと思った。

ストーリー自体は、謎が多く残る感じで、「全てが万事解決!」というスッキリ感はなかった。でも、「生きるに値しない世界」を、しんどい思いをしながら生きている人を救う物語かなと思う。

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難しかった。この後世界がどうなるか、が本編ではないんだな。世界だけでなく、あの人は?この人は?と全部。言葉とか概念の話、バベルの塔の話なんだろうけど、多分自分がちゃんと理解できていない…。純文学というかSFというか、(必要があるかはともかく)ジャンル分けが難しい。太宰治が今生きていたらYouTuberになってるはず、というのはすごい説得力あった。

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上田さんの作品は芥川賞受賞作『ニムロッド』以来。
人気YouTuberだった「YouTuberロボット」が5年前、突然全ての動画を削除し「ロボット一派」と呼ばれていた仲間たちと共に消息を絶ったが、ある日かつての上司だった家久来にコンタクトを取り始める。
独特な世界観で私には少し難しかった。
実在のYouTuberの名前が出てきたりラップで表現するなど"今現在"を切り取ったような表現が多かった。
ロボットの問題は解決したのだろうか。
『生まれたくなんかなかった』のセリフが心に残る。

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