銀河風帆走
宮西建礼
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刊行日 2024/08/22 | 掲載終了日 2024/11/01
ハッシュタグ:#銀河風帆走 #NetGalleyJP
内容紹介
人類の存続を賭けて別の銀河をめざす、人格を持った宇宙船たちを襲う試練(銀河風帆走)、地球に衝突するコースをとった小惑星の軌道をそらす計画に挑む高校生たち(もしもぼくらが生まれていたら)、史上初の恒星間宇宙船同士による“一騎打ち”の行方(星海に没す)……第4回創元SF短編賞を受賞した表題作をはじめ、書き下ろし1編を含む5編を収録した、ハードSFの俊英が放つ瑞々しい感性に満ちた第一短編集。
人類の存続を賭けて別の銀河をめざす、人格を持った宇宙船たちを襲う試練(銀河風帆走)、地球に衝突するコースをとった小惑星の軌道をそらす計画に挑む高校生たち(もしもぼくらが生まれていたら)、史上初の恒星間宇宙船同士による“一騎打ち”の行方(星海に没す)……第4回創元SF短編賞を受賞した表題作をはじめ、書き下ろし1編を含む5編を収録した、ハードSFの俊英が放つ瑞々しい感性に満ちた第一短編集。
出版社からの備考・コメント
・多くのレビューをお待ちしておりますが、物語の核心をつくような、所謂「ネタバレ」はお控えください。
・ネタバレ行為はネットギャリーのみならず、読書メーター、ブクログ、Twitter 等の多くの方が目にする場でも同様にお控えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
・本作は校了前の大切なゲラデータを著訳者よりご提供いただいた上で公開をしています。本作の刊行を楽しみにお待ちいただいている、多くの読者のためにも、ご理解、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
・多くのリクエストをお待ちしておりますが、過去のフィードバック状況やレビュー内容からリクエストをお断りする場合がございます。予めご了承ください。
・いただいたコメントは帯やPOP、X等SNSでのご紹介など、弊社販促活動に使用する場合がございます。予めご了承ください。
おすすめコメント
編集者おすすめコメント:
ハードSFらしい科学的思考のおもしろさを展開しつつも、ジュブナイルSFのみずみずしさと読みやすさを兼ね備えた希有な新人の作品集です。高校生を主役とした「もしもぼくらが生まれていたら」は、ラスト一行の衝撃がすごい短編で、伴名練編のアンソロジーにも再録されました。
編集者おすすめコメント:
ハードSFらしい科学的思考のおもしろさを展開しつつも、ジュブナイルSFのみずみずしさと読みやすさを兼ね備えた希有な新人の作品集です。高校生を主役とした「もしもぼくらが生まれていたら」は、ラスト一行の衝撃がすごい短編で、伴名練編のアンソロジーにも再録されました。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784488021047 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
ページ数 | 272 |
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NetGalley会員レビュー
私のようなハードSFを読み慣れていない人にも読みやすく、読書って楽しいな!と再認識させてくれる作品だ。
鮮やかな銀河、遥かな宇宙、煌めく星空が浮かび上がる美しい情景描写。あまりにも見事な情景描写に、夜は窓を開けて星空を眺めた。
壮大なテーマの中にも、人と人との
繋がりの大切さ、人間ドラマが丁寧に描かれていて、物語の世界観に完全に魅了された。
高校生を始めとする人々の、瑞々しい感性とそれが繋がりゆく過程が描かれた「日常のSF」3篇。
姿は変わっても人間である自覚のもと、死力を尽くす様と心情が細やかに描かれた「遠未来のSF」2編。
いつの時代でも、人間は外へと目を向ける。
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『もしもぼくらが生まれていたら』
非核世界の21世紀初頭における小惑星接近。核開発に向かい始める国際社会。そのリアリティから、現実世界の不安定さが浮き彫りにされていく。
確かにこの非核世界ではなしえてないことが、原子力によって現実では当たり前になっている。また、この非核世界の科学力なら、非核の縛りが無くなったとたん、その恩恵を得られるだろう。ぢし、世界の不安定さと引き換えに。
確かに現実世界より暮らしにくいだろうが、そうになってほしくない。〈ぼくら〉は生まれてはならない。ヒロシマで生まれ、あの悲劇を知らないで生きているトオル達の代わりには。
『されど星は流れる』
〝系外流星〟という、地上で外宇宙のロマンに触れるものがあるとは。望遠鏡を必要とせず、更に人々の繋がりが前提になるものだとは。
二人の意欲、努力、積み重ねの様を追っていく。ワクワク感を共有しながら。そしてミユの言葉にハッとした。こんな繋がりを構築できたのは、感染症対策のためだった。人と人の距離を広げてしまった感染症が、こんな形で皆を世界規模で結びつけていくとは。
それと〝市民科学〟。草の根の科学者たちの底力を実感すると共に、人の持つ〝外へ向かおうとする意思〟を確信した。
『冬にあらがう』
日本の浅間山の天明3年の噴火が天明の大飢饉をもたらしただけでなく、地球の反対側のフランス革命のきっかけとなったように、〝火山の冬〟は人類史どころか現在の我々にとっても予測困難な危急の事態になりかねないもの。
グリフハンガーなエンディングとなったが、希望はのこっている。AIの発達は無駄や失敗を大幅に減らした。それを失うことは、努力をひたすら積み重ねることで前進を目指すことをやり直すことになる。でも、人にはAIが持たない強靭な「意志」がある。それを体現している2人を見て、希望は潰えていないと感じた。
また、火山灰による夕焼けの美しさの脳内イメージには、息を呑むものがあった。
『星海に没す』
さりげなく触れてあるAGI誕生にまつわる事案。それは多分、『冬にあらがう』に関係しているのだろう。
そして、人が関わることのない(はずだった)2隻の宇宙船の外宇宙間際での戦闘。互いの知力と所有時間の限りをつくした戦闘。
その結果、〝わたし〟は〝目的〟を失った。でも、この経験で、〝目的〟とそれを成し遂げるために自己保存を目指す〝意思〟。さらに加えて、自らに〝自己決定権〟が備わっていることを自覚できた。ならば、時間はたっぷりある。あと2,500年も。その時間いっぱいをかけて、自分の〝意思〟によって〝自己決定〟すればいい。そうすれば、唯一無二の、人と対等の「明確な意思を持つ存在」となるだろう。なんと楽しみなことだ。
『銀河風帆走』
第4回創元SF短編賞を受賞した作品。この表題作にやっとたどり着いた。
おそらく前話『星海に没す』の時代に人類は銀河にヒトを播種できたのだろう。そしてこれは、さらにそれより遥かな、約一千万年先の未来。人の姿や構成を脱ぎ去り、銀河を居住区とした人類の物語。
現代のある女子高生の繊細な心に焦点を当てることから始めたこの短編集が、こんな規模にまでなるとは。
銀河中心部のプラズマトーラスの中心にある超巨大ブラックホール。更にそれにまつわるデータ、描写、この時代の人間とその危機。これらの緻密な考察と描写を読み進め胸が躍った。しかし、それだけではなかった。
エトクに語りかける、最後のレラの言葉があまりにもつらかった。未来に生きる、人間とは言えども我々とは遥かに隔たった彼女が、やはりこんなことを望むとは。「新しい人間は〝大切なもの〟を犠牲にすることなく幸せになってほしい」なんて…… そんな優しさに加えて、一千万年たっても、もとの姿からかけ離れても、人間は人間という自覚と、〝外へ向かおうとする意思〟を持ち続けていた。
銀河の終焉に関して明かされない点はあまりにも多すぎる。でも、この二つがあればいい。エトクの幸せな未来を願って、本を閉じた。
難しい用語や知らない単語など、わからないことだらけの私でも楽しめる!おもしろい!と思える一冊でした。
宇宙に想いを馳せる学生たちの姿を見て、なんだかふわっと浮くようなワクワク感でいっぱいになったり。
「今は自分で考え、行動するべきときなんだ」と思わされるような未来を想像しては、ドキリと危機感を感じたり。
最後はもう、宇宙船になっていたり、、、。
頭の中でさまざまな場面を想像して、楽しませてもらいました。
やっぱりSF作品が大好きです!
宇宙への希望や憧れ、そして平和への祈りが詰まった、素敵な作品でした。
高校生を主役とした現代軸の3編と、広大な宇宙軸の2編からなる、生活に密接に関わる科学の魅力を詰め込んだハードSF短編集。
高校生が主役のものは、互いに議論し手探りで進められる事から内容が分かりやすく、置いてけぼりにならないよう配慮が感じられた。自らの無知が嘆かれるが、想像に易い現実が巧みに組み込まれる事で目が離せない作品。特に自然災害とそれに付随する食料備蓄の問題は興味深く、ここ数年で何度目かの焦燥に襲われた。それと同時に常に新しい研究が行われ、アップデートされ続ける世界への希望も感じられる一冊。
実直な作品の中で唯一、コミカルなAIとの掛け合いが可愛らしく、そんな機能がほしいと少し心躍った。