うちのキチント星人

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刊行日 2024/07/22 | 掲載終了日 2024/07/29

ハッシュタグ:#うちのキチント星人 #NetGalleyJP


内容紹介

きちんとしすぎ! とにかく、変!

千歌のうちでいっしょにくらすことになった“あっくん”は、なんか変!

ブドウをわざわざナイフとフォークで食べるし、魚はこなごなになるまで念入りに骨を取る。

いつも机の上に合わせるように本を置いて、きちんとした姿勢で、きちんと本を読む。

きっと「キチント星」から来た「キチント星人」なんだ!

なにが変でなにがふつうなんだろう?

「ちがい」を楽しみ、自分らしさを大切に思える物語。


【著者紹介】

●佐藤まどか/作

東京都出身、イタリア在住。第22回ニッサン童話と絵本のグランプリで童話大賞を受賞した『水色の足ひれ』(BL出版)でデビュー。主な作品に『コケシちゃん』『ミジンコでございます』『セイギのミカタ』「マジックアウト」三部作(以上、フレーベル館)、『雨の日が好きな人』(講談社)、『アドリブ』(第60回日本児童文学者協会賞・第6回児童ペン賞小説賞受賞)『一〇五度』『ノクツドウライオウ 靴ノ往来堂』(以上、あすなろ書房)、『スネークダンス』(小学館)、『アップサイクル! ぼくらの明日のために』(ポプラ社)、『インサイド』(静山社)など多数。季節風同人。


●中田いくみ/絵

埼玉県出身。画家。絵本に『やましたくんはしゃべらない』(岩崎書店)、『ママ、どっちがすき?』(パイインターナショナル)、読み物の装画に『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)、『きみひろくん』(くもん出版)、『みんなのためいき図鑑』(童心社)、『金曜日のヤマアラシ』(アリス館)、『あの子のことは、なにも知らない』(ポプラ社)、『ペット探偵事件ノート 消えたまいごねこをさがせ』(講談社)など多数。





きちんとしすぎ! とにかく、変!

千歌のうちでいっしょにくらすことになった“あっくん”は、なんか変!

ブドウをわざわざナイフとフォークで食べるし、魚はこなごなになるまで念入りに骨を取る。

いつも机の上に合わせるように本を置いて、きちんとした姿勢で、きちんと本を読む。

きっと「キチント星」から来た「キチント星人」なんだ!

なにが変でなにがふつうなんだろう?

「ちがい」を楽しみ、自分らしさを大切に思える物語。


【著...


おすすめコメント

🍇多様性、自分らしさというテーマが読書感想文に最適!

 自分はなに星人?友達は?家族は?と考えながら読むのも楽しい!

🍇ちょっと変わった子への理解と共存を描き、時代性にもマッチ!

 著者自身が子どもの頃にキチント星人だった経験が元になっています。「クセも個性!みんな同じじゃつまらない!」という著者のメッセージが込められています。(著者あとがき付)

🍇2024 年度青少年読書感想文コンクール 中学校の部課題図書 『ノクツドウライオウ:靴ノ往来堂』 (あすなろ書房)の著者最新作!

🍇多様性、自分らしさというテーマが読書感想文に最適!

 自分はなに星人?友達は?家族は?と考えながら読むのも楽しい!

🍇ちょっと変わった子への理解と共存を描き、時代性にもマッチ!

 著者自身が子どもの頃にキチント星人だった経験が元になっています。「クセも個性!みんな同じじゃつまらない!」という著者のメッセージが込められています。(著者あとがき付)

🍇2024 年度青少年読書感想文コンクール 中学校の...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784577052969
本体価格 ¥1,400 (JPY)
ページ数 160

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

小学4年で大雑把な千歌。その家に潔癖症で同級生となるあっくんが来た。真逆の2人は家族になれるのか? 人を気にしないあっくんに対し、大雑把なはずなのに山越え谷超えの気遣いをする千歌……
中田先生の挿絵もピッタリの、性格の多様性賛歌。

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あっくんの、無表情で敬語口調、更に鋼の如く磨き上げられた潔癖振りに、大雑把な生き方をしてきた千歌が反感を覚えるのは当然だなぁ、と思った。

フォークとナイフで一つずつ葡萄の皮を剥く。座る前には除菌ウエットティッシュを。洗濯物をたたむのはアイロン台の上。節電のため不要なテレビは消す。いくら理由があるとは言え、それを貫くスタンスは凄いと思う。でも、周りがどう思うかどうに気を使うかまで考えが回っているのか、千歌の視線越しに読みながら不安になった。

更に、潔癖症のあっくんは「危うきは関わらない」。おうざっぱな千歌は「みんなで言えば怖くない」。人への対し方も真逆とは。

そして、隣のクラスに転校となったあっくんの周りでとうとうトラブル。何とそこで「危うきは関わらない」はずのあっくんの大演説が始まる。『人はロボットじゃなく個性がある。それは欠陥かもしれないけど、一人一人が違うのが大事だ』と。

そこに光が見えた気がした。あっくんも人の事を考えられる。だから家でケッペキ星人を貫いているのは、逆に家の人達に気を使わなくなったということ?気遣いの必要ない家族になっているということ? それを読んで[確かにッ]と膝に手を打ちつけた。

だからこそ、自分の殻に少しでも隙間をあけて、そこから世界を見るための、あっくん初の「キチンとしない事の冒険」の開始。ブドウを丸ごと口に入れ、種を吐き出す。もちろんみんなは負けじと更に色々な食べ方を。
あっくんはそれを「楽しい」と感じたはず。「キチンとする」ことも大切だけど、家族と友だちといて「楽しい」ことはもっと大切だと気づいたはず。

頭のいいあっくんだから、自分のバランスをとることができるようになっていくだろう。大雑把と自覚しながらも実は色々と気にかける千歌もまた、自分にたりないことにきづいていくだろう。そしてパパとママはそれを見守っていくはず。

「多様性の尊重」は現代における必要不可欠な課題。発達障害やLGBTQ+などは勿論だが、その多様性には、身近であまり意識されてこなかった「性格や行動、能力の多様性」も含まれている。その違いを認め、自分らしさと捉え、それを楽しむこと。それは「多様性の尊重」の根本で出発点であること。
それを見事に描き出し、気付かせてくれた佐藤まどか先生に、感謝いたします。

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テンポがよく、読みやすい作品でした。
タイトル通り、いや想像以上のキチント星人でしたが、学校でもめたときのセリフが良かった。
多様性や共存を大事にする今の世の中を分かりやすく表現していました。
人にはいいアドバイスができるけど、自分のことになると悩んでしまうの、不思議ですよね。
正反対の性格だろうと一緒に暮らして認め合えば似たもの家族になっていけるのかな。
個人的には主人公と同じ性格なので共感できる部分も多かったです。

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タイトルが『うちのキチント星人』で、表紙の絵は、ブドウを前にナイフとフォークを持つ男の子。
表紙を見ただけで「面白そう」と期待が膨らみます。
そして、読み始めたら、やっぱり面白かったです。

千歌の軽い口調もあっくんの独特な口調も、とても面白くさらっと読めました。
二人とも名づけのセンスが最高で、キチント星人もオオザッパ星人も面白い。
ちょっと苦手な人でも、そんな名前をつけたら、なんだかおかしくなっ笑ってしまうでしょう。
「みんな、ちょっとおかしなところがあるけれど、AIじゃなくて人間なんだから、それでいいじゃない」という言葉、ほんとにそうだなあ、と思いました。
この本を読んだ人は、自分の理解を超える人でも許容できるようになるんじゃないかなあ。
そうなってほしいなあ、と思います。

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最初はこの少年が極端すぎて嫌な感じでした。
でも、読んでいるうちに、自分にもこういう所があったことを思い出しました。
机の上のものがきちっと並んでいないと気になって仕方なかったのです。
でも、母はおおざっぱで、父はきちっとな人でした。
いろんな人がいて、いろんな考え方があって、
でも、少しずつ受け止められたらそれでいい。
キャンプでの件も、子供が読むには大変わかりやすいと思いました。

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養子(里親?)、働き方、性格等、今どきの多様性を織り交ぜ、「みんな違ってみんないい」をわかりやすく伝える作品。 著者自身が「キチント星人」だったとはじまるあとがき、思いが一層伝わります。良い作品でした。

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多様性の物語を実にわかりやすく描く。キチントもオオザッパも自分の個性。自分に引きつけてばかりでは、この世は生きにくい。他人のこだわりも認められないと、窮屈でやっていられない。小4の千歌の家族になった、あっくん。生まれ月の関係で兄であっても同学年になる。あっくんの潔癖症と千歌の大雑把。全く相容れないふうのふたりが同じ屋根の下、お互いに歩み寄っていく段階が細やかに描かれる。自分の普通は他人の変と映ることを知っていく。千歌と交わることで頑なに見えたあっくんも変わっていく。子どものポテンシャルはすごい。
認め合えればそこからの一歩は楽しい。だって家族だもんね。

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食べ方も片付け方も何でも「きちんと」やらないと気のすまない「キチント星人」の明人(あっくん)と、大雑把で勘だけで生きている「オオザッパ星人」の千歌(ちか)。この正反対の性格の二人(小学4年生)がある事情で千歌の家で一緒に住むことになり、「家族」として半年間のお試し期間を過ごすことになる。あっくんは「きちんと」の度が過ぎているために、周囲から「変人」扱いされてしまう。でもあっくんは至って普通。周囲から変な目で見られようが、自分は自分、として自分のやり方を変えようとはしないどころか、お寿司の食べ方を教えた千歌に「自分のやり方をおしつけないでほしい」とすまし顔で答える。でも面白いのは、あっくんは自分のやり方を千歌におしつける。ソファで洗濯物をたたもうとしていた千歌に、ソファにはバイキンがいっぱいついているから「ソファでやらないで!」と注意するし、見ていないのにテレビをつけている千歌に「電気代がもったいない」からテレビを消した方がいい、とか「食べながら話すの、やめたほうがいいよ」とか説教をする。読みながら、これは千歌もなかなか大変だな、と同情してしまった。だって、今まで何の問題もなく家族三人でやってきた「やり方」を、突然家族の一員になったあっくんに修正されてしまうのだから。千歌とあっくんの関係はどうなっていくのか、二人はお互いを認めあい、仲良くやっていけるのか。この作品からは、自分と同じような性格(やり方)の人と一緒に住むとそれはそれでとても楽なのだが、別の見方ができなくなり、心の幅も狭くなってしまうのではないか、と感じた。やはり理想はお互いの違いを認めあい、それぞれのよい点を吸収していくこと。「普通」は存在せず、みんなそれぞれが違う人間なのだと理解すること。最後に、この物語の作者、佐藤まどかさんはどちらの星人(「キチント」「オオザッパ」)だったのだろう。それは「あとがき」に答えがある。お楽しみに。

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