息のかたち

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刊行日 2024/07/23 | 掲載終了日 2024/07/18

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内容紹介

コロナウイルスという「目にめーへんややこしいもん」にも変えられないもの。

突然の休校や陸上大会の延期、急なモテへの戸惑い、そして受験と進路……

コロナ禍の「青春のかたち」を切り取った、待望の作品集。

・‥‥・‥・‥‥‥・‥‥・‥・‥‥‥

ひょんなことからひとの「息」が見えるようになった京都の高校生・夏実の物語。
息は、光は、そこにある。気に留めるか、留めないか、そのちがいがあるだけ。
どんな世界になっても息づくいのちの躍動を描いた青春小説。

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著者/いしいしんじ
作家。1966年大阪生まれ。京都大学文学部卒業。1994年『アムステルダムの犬』でデビュー。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲二文学賞、2012年『ある一日』で織田作之助賞、2016年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。2016年『悪声』で第4回河合隼雄物語賞を受賞。そのほか『トリツカレ男』『ぶらんこ乗り』『ポーの話』『海と山のピアノ』『げんじものがたり』『マリアさま』など著書多数。2009年から京都市在住。


コロナウイルスという「目にめーへんややこしいもん」にも変えられないもの。

突然の休校や陸上大会の延期、急なモテへの戸惑い、そして受験と進路……

コロナ禍の「青春のかたち」を切り取った、待望の作品集。

・‥‥・‥・‥‥‥・‥‥・‥・‥‥‥

ひょんなことからひとの「息」が見えるようになった京都の高校生・夏実の物語。
息は、光は、そこにある。気に留めるか、留めないか、そのちがいがあるだけ。
どんな世界になっても息づ...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
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読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューをご投稿ください!
著者・担当編集ともに楽しみにお待ちしております。

※発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなどNetGalley以外の外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。

ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 出版営業局>まで直接お問合せをお願いいたします。

★★


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★★★
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出版情報

ISBN 9784065361733
本体価格 ¥1,600 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

高2の夏実はコロナ禍で人の息が見える、という遺伝を発症させる。
世の中の変化や不穏な空気の中で生きるだけでも大変な事なのに、不思議な遺伝を受け入れて、自分のものにしようとする夏実の前向きさや柔軟さに惹かれた。見習いたいな。
行間から滲み出る美しい色合いの、うっとりしてしまう描写力。ああ、映像で観たい。お願いします!
家族の仲の良さが抜群に伝わってきて、深い幸福感に包まれた。
私達は、忘れてはいけない過去を乗り越えた延長線上に生きているのだと再認識した。

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息の形が見える特異体質って何のかな。その後遺症のモテキとか、美術の才能。超人なのかな。マスクをしているという、あの過去が思い出されて少し息苦しくなってくる。いしいさんの作品にしては短編と言うよりもちょうへんというか連作で印象が違った。これはこれでいいと思う。

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コロナ禍のあの時を蘇らせなが読む。今も決して、コロナがなくなったわけではないが、あの何かわからないものと共に生きていた、暮らしていた日々が、夏実を通して蘇ってきたような気がした。それでも、私たちは、生きている。美術講師の、ジョン・レノンの吐いた(その他)の息を今、自分たちは吸っている・・・印象的だった。いしいさんらしい作品だと思った。

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これしかない、そんな瞬間がある。心がくたくたな時に観る映画とか基軸にお詣りする神社とかいつだって絶対最高の居心地の温泉旅館とか。本書はコロナ文学のこれしかない、わたしの中の金字塔だろう。こんな描き方で振り返るとは思わなかった。

体育祭も文化祭もそしてオリンピックまでもが中止や先送りされた。高校陸上部女子じゃなくても非常事態であることは明白だった。人々はマスクをし、密密と過剰接近を禁忌とされた。世界中が汲々とし呼吸は悪者になってしまった。その呼吸を「赤い玉、白い綿、すぴーすぴー、草間で光る破片、らせんをなしてのびぼっていく銀色の棒、濃紫色の微粒、うどん片状の息のかけら」と現す。「この瞬間にふさわしい色かたちの呼吸で整えられる」と称する。人ばかりでなく、京都の光景や静物や家族形態、食べ物も茶道も、そして進路まで、描くということは書き手によってこうも静寂と思索をもたらすのか。見えないことにして
見ようとしていなかったんじゃないか、私。

気の早い話にはなるが、本書が文庫になったなら、間違いなく「講談社文庫 夏の100冊」に入るだろう。私が国語教員なら、夏の課題図書に推す。感想文を書くために前から(見出しから)、後ろから(あとがき)観方を変えて読み込む時間は間違いなく愉楽であるに違いない。

いまNHKラジオから不意に松山千春の「大空と大地のなかで」が流れてきた。匂いがある。光りが射す。呼吸がはずむ。生きているという今、これしかない。

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ジョギング中、金属バッドが頭に直撃しその日からひとの口から出る吐息が見えるようになった高校生の夏美。父や祖母によれば吐息が見えるようになるのは遺伝によるものだという。それはまだコロナが蔓延する前のこと。吐息が色とりどりの風船のように見えていた。まさに十人十色の色鮮やかな世界が広がっていた。
そこから祖母が言う「目にめーへんややこしいもん」のコロナウイルスが蔓延しマスク生活となり、夏美が目にする吐息も変化していく。
コロナ禍で中止や延期になったこと、密にならないようにと人との距離感が変わったことなど色んなことを思い出す。まだコロナ禍が終わったわけではないが、それなりに順応し対応しながら生活は続いている。

夏美はあのあたりに住んでいるのだろうか、この道を通ったかなと京都の地図を思い浮かべながら読むのも楽しかった。歴史ある京都ならこんな不思議なことがあるのかもしれないと自然に受け入れていた。
あの武将もあのミュージシャンも京都を訪れ息をしていた。だからその息から漏れ出たほんの数滴が京都の街に今でもあるのかもしれないと思うとそれだけでも気持ちが上がった。

コロナ禍の高校生活で諦めたことも多かっただろう。そんな夏美がコロナ禍で経験したことを通し自分の進路を見つけていく姿がとても良かった。夢を見つけた夏美は今どんな色の風船を口から出しているのだろう。
京都でなくても世界中どこでも「息は、光は、そこにある」のだ。
ひととひとが結びつき街が作られ、色鮮やかな光に溢れている世界が目の前に広がっているような気持ちになった。

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人の息が見えるようになった夏美。聞けば父も祖母もそんな時期があったといい、夏美の家系の遺伝であること、人の息が見えていると謎にモテることなどが特徴らしい。最初に息をコントロールできる人に弟子入りしていたことが後々役に立つ。コロナのせいでたくさんのことを奪われた夏美たちの日常や、静かな怒りが伝わってきました。父や祖母とのチームワークは楽しかったし、和美さんのエピソードも素敵でした。「想像力が膨らむ」という感覚が引き出されるような作品でした。

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ひとの「息」が見えるだって?

このユニーク過ぎな設定
一体どう転がっていくんだろ?

そう心配したのもつかの間、
気づけば物語の世界に
どっぷり漬かっていました。

走るのが大好きな陸上女子が
コロナ禍の日常をまっすぐ
駆け抜ける物語ですが、
そこはいしい先生、ただでは
すませないんだな~。

正義感の強い主人公に発現した
血筋ゆえの特質がとんでもない
騒動に発展したり、能力を活かして
こっそりと人助けをしたりと
多彩にコロコロ転がっていきます。

特にモテ話のくだりなんて最高!
父親の思い出話も吹いたわ~。

野球少年たちに変に慕われ
頼られる部分にもニヤッとしたくなる
おかしみがじんわり。

一方で、決然と進む道を選び
まっすぐにあゆむ主人公の姿には
胸を打たれましたよ。

いざってときの家族の絆も
沁みるストーリーでした。

猪突猛進に走る少女が
心の澱を吹き飛ばしてくれる
愉快で爽快な物語。

楽しく読んで、この夏の暑さも
景気よく吹き飛ばしちゃって!

(対象年齢は13歳以上かな?)

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コロナの中で暮らしたことを物語の中で残しておくことで、
私たちはあの息苦しさと心もとなさとやりきれなさなどが混在した、
あの時のぐるぐるした思いを失わずに済むのではないか。
言葉を変えると、物語にしてのこしておかないと消えてしまうのではないか。
そしてあの時間がなかったものになってしまうのではないか。

…そんなことを考えながら読みました。

息のかたちが見えるという不思議設定ではあるものの、
それをそのまま受け止めてしまう京都という町の魔力魅力も詰まった本。

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「無事、いうのんは、おきたことの、自然にまかす、いうことやねんて」
高校二年生の夏実は金属バットが頭に直撃した日から、吐息が目に見えるようになった。

息は、光は、そのにある。気に留めるか、留めないか、そのちがいがあるだけ。
17歳の夏実の急なモテ期、美大への進学、野球のコーチ等を通して描く、コロナ禍下の青春のかたち。

「のみこみがええ、いうのんは、それだけ、内に入れられる器に余裕がある、ちゅうことや」

連作短編の四篇中の三篇か。

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コロナ禍に生きる若者たちの気持を代表するような作品でした。もし自分にあのような力が備わっていたら、どんな感じなんだろうと思いながら読み進めていき、あっという間に読了しました。もし他人の息の形、大きさ、色、強さが目に見えるという感覚が自分に備わったら、まず何をしたいかなって思いました。

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人の息が見えるようになった高2の夏実。実は遺伝だそうだが、そんな現実離れした設定にも関わらず、夏実が息を自在に操る訓練をし、色も形も好きにできるようになっていく過程がなんとも美しいと感じてしまう。京都弁の柔らかさと相俟って、見たことのないものを文字で見せられていく快感。コロナが蔓延し、日常を奪われていく中で自分のできることを粛々とこなす夏実の姿はいじらしくも輝いていた。夏実の祖母がまたちょっと謎めいたはんなりした魔女のようで虜になった。人の息を見て感じること、その背景に思いを馳せるようす。大学進学を自分なりに捉え直して取り組む姿勢も好ましかった。美的センスの伸びしろに目を見張るものがあった。
どんなふうであれ、息は生きている証。夏実の青春の色も光も匂いも全て唯一無二の美しさで迫り来る。

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夏美は、頭に金属バットが当たって以来、人の吐く息が見えるようになった。

つかみどころがないような不思議な話で、とても面白かった。
コロナ禍の話で、高校生にしたら閉塞感いっぱいの、フラストレーションがたまりまくって、しんどいことになりそうなのに、登場人物の人柄や、はんなりした関西弁もあって、のんびりした雰囲気が漂っていた。

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高校2年で突然”周りの人の息の形”が見えるようになった夏実。どうやら遺伝らしい。
不思議設定で始まった物語でしたが、夏実に急に訪れたモテ期のこと、自分の進路のこと、コロナ禍での17歳の青春が鮮やかに伝わってきました。
家族の仲の良さも気持ちがよかったです。
コロナ禍の息苦しさとともに、その先の希望も感じられる青春小説でした。

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新型コロナが蔓延した2020年~2023年にかけて、人は人の吐く息というものに対して異様なまでの嫌悪感を抱いていたように思う。
「飛沫」や「エアロゾル」という言葉自体にも強烈な忌避感があったのではないだろうか。

著者は、コロナ禍の人々の息遣いを、それとは真逆の色とりどりで生き生きとしたものとして描いている。
見境なく周囲を疑っていたあの頃、もしこんな風に人の息遣いが見えていたらもっと穏やかな気持ちで過ごせたのではないかと考えてしまう。

主人公の夏実を取り巻く大人も皆魅力的。
京都が舞台なのも少し時間の流れ方が違う感じがしてくつろいだ気持ちになれる。
ただ最後の方の夏実と母のエピソードが唐突な感じがした。
祖母と父と暮らしているのは、読んでいれば分かることだが、母の話を引っ張りすぎたような...もう少し欲しかった気がする。

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不意打ちで“人の息”が見えるようになった高2の夏美。コロナ禍のナーバスな呼吸への視点をがらりと変える、ユニークな設定が魅力の、彩り豊かな青春小説。

この世界観、唯一無二。ちょっとした思考の転換で物事にまったく違う見解を生み出す。他人からは世界がどう見えているのか、突き抜けたいしい先生が描く極限の世界を通し、周りと自分を見つめ直すキッカケを与えてくれる一冊。

目映い時間を奪われた高校生と、沢山のモノを見てきた先達との掛け合いに、柔く温かく導かれて心地好さを満喫した。

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10年以上ぶりにいしい作品を読みました。ファンタジーが多いイメージだったので、現実も現実、近年人類が苦しめられたコロナ禍を題材にされていて驚きでした。が、やはりいしい氏!息がシャボン玉のように見えてしまうという設定が面白い。そしてまさかの父も祖母も見えていたという遺伝性。
終始ふわふわ浮遊する息のように現実世界の話のはずなのに、やっぱりいしい節が効いていました。

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不思議な話だった。どんな内容紹介も、正しくは伝えられないと思う。何の話かといえばコロナの話なんだけど、そうじゃなくて人生の話だったり、毎日のなんて事ない話だったり。不思議な能力(性質?)があって話が進むけど、それを使ってどうということでもないし。本当に説明ができないな。この空気感は京都じゃないと出なかったのかな、とも思う。

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あるきっかけで人が吐く息のかたちや色が見えるようになった夏実。
では吐く息とは何かということですが、その人が思っている本音や
考え方が見えてくるいうことだと思います。
病気になっている人からはその症状も見えるようです。
こんなことが絶えず見えてたとしたら辛いこともたくさん見えると思ってたら、
制御する方法があるようで必要な時に見れば良いということが分かり安心する。
夏実には素敵な青春期を過ごしてください。

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始めて読む作家さん。
人の『息』が見えるようになった女子高生。
息の色や、マスクから出る息の様子…
コロナ禍で、過ごす学校生活。
さまざまなことがあり、不思議な世界感でした。
息をしているのは、生きているということ。
あらためて、息、呼吸を感じてみました、
生きていることを実感したかんじがしました。

読ませていただき、ありがとうございました!

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なんだかとても不思議なお話だった。息のかたちの見え方の描写がキレイで、想像するのが楽しかった。
夏実が爽やかでとても真っ当な感じが眩しく、家族をはじめ、色々な人たちとの交流を読むのが心地良かった。野球少女とのやりとりがくすぐったくて好き。

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主人公である京都の女子高生は頭を打ってから人の息が見えるようになる。彼女の学校生活や父親や祖母、叔母との不思議な出来事を描く短編集。等身大の高校生の爽やかに優しい話。コロナの前後の高校生の日常を描いている側面もある。

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面白い。息の形。不思議が身近にあるのも面白い。見てみたい。ふわふわ風船みたいにいろんな色が浮かぶ世界。どんな色を吐くんやろ。どんな形になるんやろ。寝てる自分からはどんなものが出てくるんやろ。どんな世界が広がるのか、見てみたい。

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これは高校生の夏実がコロナ禍の中で経験した話である。ある日、金属バットが頭に当たった。その日以降、人の「息」が見えるようになった。色、形、人それぞれ。これは遺伝らしい。夏実と同じ「息が見え」て、さらに彼女より息使いの名手?袋田京一との出会い、二学期に学校に行ったらモテ期到来か?!何が起こっているのかついていけない本人をそっちのけ(笑)キモいけど父ちゃんの遺伝か?陸上一筋だった夏実は、大学は美術の道を受験するらしい。さて、彼女はー。不思議な話しだった。

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久しぶりのいしいしんじさん作品は、
ひょんなことからひとの「息」が見えるように
なった、京都の高校生 夏実の物語

どんな設定⁉︎な展開なんだけど
そういうこともあるかもね!な京都が舞台だし、
いしいしんじさんだし、すんなりと受入態勢整う

人々の吐息の美しい描写にうっとりしつつ、
頭の片隅では現実問題ぜんぜん知らない人の
吐息の色や形が目に見えるってちょっと
イヤだわーと思いつつ読み進める笑

コロナ禍を描いた小説はあまり読んでないけど、
こういう描き方は新しいなぁという印象

コロナ禍で奪われたり制限を受けたりした諸々も
描かれつつ、
真っ直ぐな夏実の青春物語で読後感も軽やか

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夏美の頭に金属バッドが直撃した。人の息のかたちが見えるようになった。どうやら遺伝らしい。
コロナ禍、夏美に不思議な力が加わった反面、あああの頃は鬼滅が流行っていたな、とか、高校生活ってこんな感じだったよね、とか、父の崇のモテ期にくすっと笑えたり。確かにあのパンデミックの中生活が続いていたことが思い出されるみずみずしい作品。生きている、マスクの下「息」をしている。作品を彩る京都弁の会話がやわらかく心地よい。

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