雷龍楼の殺人

ミステリー大好きです。読み進めて行くうちに犯人はこの人かな？とかトリックはこうかな？とか予想出来ることもあるのですが、この結末は全く予想できませんでした。
いやー新しいミステリーを読ませていただきました。
次回作も期待！

冒頭の挑戦を受けて読み進めていくと、あるところで違和感がする。
そこでなんとなくこの作品の真相に近づくのだけれど、まさかこんな終わり方とは。ミステリというよりサスペンス感が強いので、読んだ後恐怖で鳥肌が立った。
このハラハラドキドキする感じがページをめくる手を加速させる。とても面白かった。

人が死ぬ事故があった島に、数年後に親族たちだけが集まる……こんなんミステリ読みが大好きなシチュエーションですやん……と読んでいたら、序盤に叩きつけられるあまりに壮大な「読者への挑戦状」に度肝を抜かれました。い、一体これをどう処理するんだろう……！？と期待しつつ不安しつつ続きが気になりすぎて一気読みしたのですが、見事に伏線を回収した上で「そうきたか」と唸る結末で、面白いミステリを読んだときにしか浮かばない高揚感にぐるんぐるん酔い痴れました。すげー！おもしろかったです！
早くネタバレありで語り合いたいので、たくさんの人に読んでほしいです！

凄かった！雷が落ちたような衝撃だ。
序盤のネタバレ上等！的読者への挑戦を踏まえ理解したつもりで読み進めてしまうが、最後の最後の最後まで謎を解き明かす事を止めてはいけない。
手に汗握る展開、交錯する人間模様、緻密でリズム感のある会話に没入して、何度も何度も騙される。
唯一無二の想像を超える結末にゾクゾクした。

孤島！館！！
このふたつが揃うと不穏な連続殺人事件が起きる予感しかしません(笑)
過去の事件と現在進行形の事件、どういう風に繋がり、誰が解決するのか。どきどきしながら読み進めました。
驚きの結末、面白かったです！！

誘拐された中学生の従姉妹を救出すべく、一族が所有する孤島の屋敷「雷龍楼」へ向かう穂継。過去に密室殺人が起こった館で、交渉の鍵となるモノを探す中で、再び凄惨な事件が繰り広げられる。過去と現在の密室殺人と誘拐、複雑に絡み合う事件と人間模様が特徴のイヤミス。

「トリックが存在するなら密室ではない」密室の定義にこだわり、人の心理の深くまでを求めた、貪欲で真っ直ぐなミステリに戦慄した。
「読者への挑戦状」として先に色々明かされるが、読み進めれば進めるほど、何を求められているのかわからなくなり、思考が停止する。すべて揃っている。ミステリにおいて重要なポイントだが、何もかもが揃い過ぎても逆に見えなくなる。それを硬軟織り交ぜて表現した、挑発的な本格ミステリ。

個人的には目で読む派だが、Audibleで読んだ(聞いた)ら、この作品の一番の仕掛けをより堪能出来そうだと感じた。想像する事を純粋に楽しめる作品。

どんなに頑張って結末を予想しても、この結果にはたどり着けない衝撃のラストでした。
結末を読んだあとにやっと最初の意味がわかり、もう一度読み直したいと思いました！
この衝撃をぜひ実際に読んで体験していただきたいです！

途中でもしかして、と思うところを感じましたが最終的には自分の予想は裏切られました。犯人がわかっているのにどんどん話の中に吸い込まれて
いってしまいました。
人は誰かに対する想いが強すぎると思いがけない行動に出てしまうのは何かわかる感じを受けてしまいました。
そして暗闇が誰しも恐怖を与えるものではないかもしれない。
みんなが同じ感覚を持っているのが当たり前ではない、そして感情によって行動がコントロールできてしまうかもしれない。
何か考えさせられてしまうものがありました。