鑑定

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刊行日 2024/08/30 | 掲載終了日 2024/08/12

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内容紹介

あなたも突然襲われる。

政治家へのテロ行為、自動車による襲撃、そしてナイフでの殺傷――。別人のように性格が変わり、不可解な動機で凶行に走る〈夢の国〉症候群。それは現代の精神疾患か、未知の感染症か、それとも……。ヒトの〈心〉に秘められた真実の扉をひらく、禁断の小説が誕生!

【内容紹介】

精神科医・葛西幸太郎は、市長選の候補者に対する殺人未遂および放火の実行犯・犬崎理志の精神鑑定を担当していた。犯行を淡々と語る犬崎に、葛西はある違和感を抱く。精神状態が安定しすぎているのだ。犬崎の中に、本来の自我を麻痺させ、代わりに彼の精神を支配している〈なにか〉が存在するのではないか――。葛西が疑いを深める中、全国各地で不可解な動機による傷害・殺人事件が起こりはじめる……。

【著者略歴】

山田宗樹 Yamada Muneki

1965年愛知県生まれ。『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。2006年に『嫌われ松子の一生』が映画化、ドラマ化され話題となる。2013年『百年法』で第66回日本推理作家協会賞(長編および連絡短編集部門)を受賞。著書に映像化された『天使の代理人』『黒い春』などのほか、『ギフテッド』『代体』『きっと誰かが祈ってる』『人類滅亡小説』『SIGNAL シグナル』『存在しない時間の中で』『ヘルメス』など多数。

あなたも突然襲われる。

政治家へのテロ行為、自動車による襲撃、そしてナイフでの殺傷――。別人のように性格が変わり、不可解な動機で凶行に走る〈夢の国〉症候群。それは現代の精神疾患か、未知の感染症か、それとも……。ヒトの〈心〉に秘められた真実の扉をひらく、禁断の小説が誕生!

【内容紹介】

精神科医・葛西幸太郎は、市長選の候補者に対する殺人未遂および放火の実行犯・犬崎理志の精神鑑定を担当していた。犯行を淡...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784758414708
本体価格 ¥0 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

リアルタイムの緊張感に、心臓のバクバクが止まりません…!
まるで悪夢のような事件現場に、自分も遭遇してしまったら…想像するだけで震えてしまいます。
そんな、周囲の人達を恐怖のどん底に突き落とすような〈夢の国〉症候群。
わからないことだらけの状況で、必死に考えて行動し、〈夢の国〉症候群に立ち向かう葛西さんが、すごくたのもしかったです。
そして人の心や脳は、機械でコントロールするにはあまりにも危険で、立ち入ってはいけない領域であるのではないかということを感じました。
深く考えさせられるストーリーと、迫り来る恐怖がクセになる、おもしろい作品でした!

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近未来、「夢の国のため」が動機の殺人事件が起きる。精神鑑定を依頼された葛西は、同様な事件で社会が崩壊へと進む様を目にする。
単なる精神科医の葛西は、量子力学が専門の妻古都音とともに対策を思索する。その終着点は人の在り方にさえ結びついていた。

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動機が「夢の国のため」と言う殺人犯の精神鑑定を依頼された葛西の結論は、読んでいて近未来に起こりうる事態をしめしているように感じられた。書名も『鑑定』。だから、この『鑑定』がきっかけとなり明らかになっていく、エモーション・コントローラー(エモコン)の社会的影響を扱っていくのかと思い読み続けていった。

しかし、エモコンを使っていない人にも同様の事態が起き、大学で量子力学を専門とする葛西の妻が「それ以外に説明する手段がないのなら、〈それは実在しなくてはらならい〉」と言い切った時、読んでいてゾッとした。

そして葛西は、更に彼の妻古都音は独自の思索を積み上げる。その終着点は、エモコンなど単なるきっかけに過ぎない、人に関わる壮大なものだった。仮説だとしてもあまりにも目眩がするような。

あまりにも極小だったために、仮説に過ぎなかったウイルス。その中のタバコモザイクウイルスが確認されるまで30年以上かかっている。物質的存在であってもだ。2人が仮定した存在が非物質的であったら、存在証明/存在確認は可能なのだろうか。読後、しばらくそんな考えに沈み込んでいた。

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夢の国症候群。
ある日突然別人の様変貌し、犯罪を犯す人々。一貫して口にする動機。
『夢の国に必要がないから』
彼らの精神を蝕むモノの正体とは?

犯人の精神鑑定を請け負う葛西、
未知の現象に戸惑いながらも立ち向かう姿に
熱いものが込み上げる。
同時に描かれる
夢の国症候群の拡がり。
変わらない風景が突然知らない風景に変わる
そんな恐怖感でゾッとしてしまいました。

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代表作「百年法」など近未来的な設定を得意とする著者の新作は、感情を制御するエモコンが普及した日本。エモコン常用者犬崎を鑑定した葛西は、エモコンが精神に影響を及ぼしたと断じ、ある仮説を立てる。他方、エモコンを使い始めた葉柄とマヒルにも変化が…。
メンタルストレスに晒される社会に問題提起する1作

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著者のことは映画「嫌われ松子の一生」を観たものの、その原作者ということしか知らず今回初めて活字の作品を味わわせていただきました。なかなか話が複雑で検察の鑑定医を勤める葛西医師、マヒルと楓という久しぶりに出会う同級生、そして神谷葉柄や彼ら彼女等を取り巻く人たち‥。いくつかの人間関係の軸でいずれも起こる不可解な悲惨な事件。ようやく物語の終盤で何本かの軸が交差する。「あゝ、そういうことだったの」と思わず声が出てしまう。なかなか難解だが読後感が悪くないのはストーリーが悲惨な結末で終わらないためなのかも知らない。

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人間の脳や心が機械に支配されるようになったら…と、緊迫感と恐怖を常に感じながら読み進めた。
夢の国症候群。秩序も法則も、そして最低限のルールやマナーでさえも無視し、「あいつは夢の国には必要ない」と命を狙われるのではシャレにならない。

不規則な生活習慣や様々な場所でのストレスによる心身の不調は今や国民病みたいなもので、そこにつけ込んだ麻薬のようなデバイスの登場が現実のものにならないよう、人間が足を踏み入れてはいけない領域だけは死守しなければというメッセージだと感じた。

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近未来にもしかしたらこんなことが本当にあるのかもしれないと思えてくる。
メンタルクリニックなどで負の感情を解消するために薬ではなくエモコンが普及された時代。エモコンとはエモーリョン・コントローラーといいう医療機器だ。家庭でも手軽に使え幸福感や充足感、安らぎなどが得られるという。
仕事に行くのがダルい朝にエモコンを使うとやる気が出る。現代社会において仕事に行くときの憂うつ感やだるさを抱えている人も多いだろう。もしエモコンがあったら使用したいと思う人もいるかもしれない。
だがこのエモコンを使用した人が犯罪を犯す。これはエモコンによる副作用なのか、いったい使用した人の脳内はどうなってしまったのか。
それを精神科医が精神鑑定をしていく。

エモコンを使用した人による犯罪が続き、読みながら『刑法39条』という映画を思い出した。
エモコンによる犯罪はいったいどう処罰されていくのだろうか。
仕事だけでなくストレスの多い社会において精神的な疲れを抱えた現代人に送られた令和版の『刑法39条』のような作品だった。

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読みやすかった。
時間は結構凄惨なのに書き方か何なのかわからないけど読んでてえぐーとは思わなかった。
原因探ってる時の突拍子もない意見に対する奥さんのそれ以外に説明する手段がないのなら、〈それは実在しなくてはらならい〉って言い切ってるのがかっこよかった!!

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心の中の負の感情を和らげる、あるいは消す機能をもつ薬、エモーショナルコントロール。

通称エモコンの常用者が<夢の国>のために躊躇なく犯罪に走るに至る状態<夢の国>症候群の発症者によるテロ。
ユートピア実現のため殺人すら厭わない彼らの狂気をとめるべく奔走する精神科医の物語。

人間にとって正常な精神とは。

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人間が人間である大きな特徴は様々な感情を持ち、その感情をコントロールできることだと思います。
確かに感情のコントロールを失ってしまうこともあり自らコントロールを行うことが出来なくなることもあります。
エモコンのように機械によって感情をコントロールすることがもしできるようになれば、確かに医療的には素晴らしいことかもしれませんが
そうなったら医療的に限定することはなかなか難しいだろうと思います。医療の範囲を超えて機械が感情をコントロールすることが
普通になって、しまいには機械に感情を制御される世界になる。
これは必然な事なのかもしれないと思いました。だからこそロボットやAIの進化が進む現在において決して踏み込んではいけない部分というものが
ありそれこそが人間が生きる意味なのかもしれないと思います。感情を持つ存在が出てきたときには人間の世界はもはや人間の物ではなくなる
のかもしれないと不安を感じました。

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ト書のような丁寧な場面描写が読者に明確な映像を結ばせて、心地よい速度で読み進めることができる。速度はクライマックスまで加速し続け、高まった緊張感をエピローグの静謐な文と会話で絶妙に減速、着地させる。テーマは壮大な仮説に繋がり、本を閉じた後深く考えさせられた。ページ数の倍以上満足、大作感のある作品。

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百年法(体)・代体(体+精神)と呼んできて、鑑定(精神)と続いていると感じました。文明がどれほど発達しても、体は治せても精神は治せない。それどころか、この作品では人の精神そのものの在り方を問うているようです。自分の精神は自分でコントロール出来ているのか?それとも外部の影響を受けている(受けすぎていない)のか?と・・・。
作中では機械での支配(管理)から逃れた、もしくはそもそも選択しなかった人々が、「人はこうありたい」と言う姿を見せてくれる。また、何かに頼るのではなく、自分で考え決めるからこそ人は成長するものだと改めて思いました。

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