伯爵と三つの棺

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刊行日 2024/07/16 | 掲載終了日 2024/07/15

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内容紹介

新本格の洗礼を受けた潮谷験のシン・本格ミステリー!

 記録せよ、その栄光と挫折を。

 記憶せよ、人の業の哀しみを。

~・.――~.・――~・.――~.・――

―あらすじ―

フランス革命時代が起き、封建制度が崩壊しようとしていたヨーロッパのある小国で元・吟遊詩人が射殺された。

容疑者と目されたのは、現場となった古城、「四つ首城」の改修をまかされていた三兄弟。
被害者の背後から引き金を引いた襲撃者を五人もの関係者が目撃していたが、犯人を特定することは難しい状況だった。三兄弟は友人から見ても区別が難しいほど容姿が似通っている三つ子だったからだ。

DNA鑑定も指紋鑑定も存在しない時代において、探偵は、純粋な論理のみで犯人を特定することができるのか? 

そして、殺害の背景には何があったのか。

――~.・――~・.――~.・――~・.

著者/潮谷 験(しおたに・けん)
1978年京都府生まれ。2021年『スイッチ 悪意の実験』で第63回メフィスト賞を受賞しデビュー。
同年『時空犯』で「リアルサウンド認定2021年度国内ミステリーベスト10」の第1位に。他の著書に、『エンドロール』『あらゆる薔薇のために』『ミノタウロス現象』がある。


新本格の洗礼を受けた潮谷験のシン・本格ミステリー!

 記録せよ、その栄光と挫折を。

 記憶せよ、人の業の哀しみを。

~・.――~.・――~・.――~.・――

―あらすじ―

フランス革命時代が起き、封建制度が崩壊しようとしていたヨーロッパのある小国で元・吟遊詩人が射殺された。

容疑者と目されたのは、現場となった古城、「四つ首城」の改修をまかされていた三兄弟。
被害者の背後から引き金を引いた襲撃...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

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おすすめコメント

 
~.・ 担当編集者より ~・.――~.・――~・.――

『スイッチ 悪意の実験』で第63回メフィスト賞を受賞した潮谷験さん。
1作ごとに新しい設定、世界観に挑戦し、3年間で5作を発売しました!
2024年は驚愕の歴史ミステリーをお届けいたします!

 
~.・ 担当編集者より ~・.――~.・――~・.――

『スイッチ 悪意の実験』で第63回メフィスト賞を受賞した潮谷験さん。
1作ごとに新しい設定、世界観に挑戦し、3年間で5作を発売しました!
2024年は驚愕の歴史ミステリーをお届けいたします!


販促プラン


読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューをご投稿ください!
著者・担当編集ともに楽しみにお待ちしております。

※発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなどNetGalley以外の外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。

ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 出版営業局>まで直接お問合せをお願いいたします。

★★


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★★★
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出版情報

ISBN 9784065361757
本体価格 ¥2,000 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

書記官のクロや彼が出逢う三つ子はキャラクタ造詣がはっきりしていて掴みどころがあり、すぐに世界観に馴染むことができる。
 やがて殺人事件が発生するも、三つ子の顔がそっくりなために犯人を特定することができないし、あまつさえ作中の時代では科学捜査も発展していないため犯人の特定は容易でない。
 シンプルな殺人事件なだけに、華麗なロジックが求められることはすぐさま理解できた。
 捜査の困難さからどうやって犯人を絞るのだろうか、と私はフーダニットに着目するようになった。
 第二章に至ってからは作中時代ならではの捜査手法に逆に新鮮さを覚えた。貴族と浮浪者の間に横たわる溝が顕現しており、後に判明する驚くべき事実から、いっそう二つの立場が起こす軋轢に胸が苦しくなりました。

 意外にも捜査は着実に進行するも、やはりというべきか暗雲が立ちこめる。なんといっても最重要容疑者である三つ子には強固なアリバイや、犯行の不可能性があるからだ。
 事件発生時の絶対的な情報があるだけに、これら不可解な謎をどのようにして解き明かすのだろうかと気になって仕方がなかった。
 そして二章の終わりになって一段と物語の動く気配を感じ取り、気分は高まっていった。

 こうしたミステリ要素も楽しいが、本書の面白さはそればかりではない。
 時代性によって浮き彫りとなる、伯爵の地位における懊悩と研鑽。そして中流貴族である『私』の成長。
 登場人物の誰しもが現状に満足することなく直向きに生きようとしているからこそ、親しみやすく安心感がある。だからこそ私は伯爵の振る舞いにいたく感動したし、『私』が政務書記官として芽生えさせる信念に胸を熱くさせたのです。
 普段あまり馴染みのない時代の、その中にあって生活を想像しにくい貴族という役職。読み手に感情移入を起こすに難しいと思われる材料も、著者は見事なまでに美しく調理しています。
 貴族が貴族たるための振る舞いは非常に読み応えがありました。

 真実を導くための論拠の披露は鮮やかであり、ロジック好きの私にとって『科学技術を頼れない時代におけるフーダニット』は最高としか言いようのないものだった。
 ただ、謎解きというのはあくまでも日常の中に生じた事件というバグにおける修正パッチでしかないのかもしれないとも思ったのです。
 フランス革命期、近隣国での動乱。
 真相解明が何かを劇的に変えるわけではなく、時代の趨勢に人は抗うことができない。ここにある遣る瀬無さや無念さがさあっと尾を引きました。
 ただそれだけで物語に幕が引かれるのではなく、やはり最後にはミステリとしての落とし所がある。
 最大の謎──ずっと胸の内で蟠り続けていたホワイダニット。それが明かされたとき思わず「うわーっ」と声が出たし、意外な伏線に驚嘆した。
 はたして貴族制にかかる人々の思慕を綴るために、このようなミステリを上梓したのだろうか。もしそうなら著者のチャレンジ精神とそれを見事ものにする手腕に敬服しました。

 そしてどこまでもどこまでも読者を翻弄してくれるストーリーに、読了直後の私はただ吐息をこぼすしかなかった。作中の時代、舞台を見事に扱った傑作ミステリでした。

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伯爵と三つの棺
いや~、面白かった…!!
様々な違和感の正体が、最後の最後まで次々と解き明かされていくので、夢中で読み進めてしまいました。
終始重厚感がありつつも、流れるようなきれいな文章や魅力的なキャラクターたち、軽妙な会話などにより、スルスル読めました。
佳嶋さんの装画も作品にバッチリハマっています。この本は紙で手元に置いておきたいので、発売されたら購入しようと思います。
素敵な作品を、本当にありがとうございました!

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1792年の「三つ子事件」で記録役を務めた「私」の手記から始まる。
私と三つ子は友人である。三つ子はそれぞれ自分の得意分野があり知り合った頃から城を持つことを望んでいた。
「三つ子事件」が起きたのはちょうどフランス革命により時代が変わろうとしていた時代。ヨーロッパの小さな国で吟遊詩人が目撃者5人の前で射殺された。

科学捜査の手法がない時代にどうやって犯人を探し出すのか。参考資料も提示されまるで当時のままの空気が閉じ込められているようだった。
第二章の手紙の内容に驚いたが、その後も何度も驚きの展開が待っていた。
これはやられたなと思うほどに翻弄された。科学捜査で解明できない時代背景だからこそ、簡単にはたどり着かない真相に行き着くまでを味わうことができてとても面白かった。

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やりました。こんな歴史に名を残しそうな名作を、罪深いネタバレを踏む前に読むことができたのは、幸運以外の何物でもありません。余分な情報を入れる前に読むことができて本当によかったです。
やられました。見事に犯人の、そして作者の目論見にしてやられました。気持ちよく欺かれました。もちろん一読者として望むところの極地なので、こんなに嬉しいことはありません。
時代背景は詳しくないものの、素直な語り口調からスっと入ってくるのでストレスも感じず、ひたすら物語に没頭できました(そして簡単に騙される)。
今年読んだ中でベストのミステリでした。ありがとうございました。

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ヨーロッパの小国の再建途中の城で起きた射殺事件。再建にあたっていた三兄弟の父親と目される男は誰に、どんな理由で殺されたのか?
アダロを殺した犯人を三兄弟の中から一人に絞るシンプルなフーダニットながら、途中で示唆される四人目の存在や伯爵・主席公偵ほか魅力的なキャラクターたちが物語をにぎやかに彩りながら引っ張っていき終始飽きさせない。苦しみや悪事に手を染めねばならない心理が言葉巧みに書かれており、人間が隠し事を暴かれたくないと狂おしいほど願ったとき事件は起きミステリは生まれるのかもしれない、そんなことさえ思わされる静かな迫力があった。推理の連鎖を余すところなく堪能でき、最後の最後まで目が離せなかった一冊。

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序盤から一気に物語に惹き込まれました!
人物が丁寧に描かれているので、もう、頭の中で動いている感覚。
何度も「え!そうだったのか!」と驚くやらわくわくするやら。
最後の最後まで惹き付ける仕掛けがたくさんあって、すごく読みやすいのにしっかりとした読了感があって満足です。
これを映像で見たいと思いました。
ありがとうございました!

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潮谷験は「時空犯」を読んだ衝撃で、その後、デビュー作の「スイッチ」にさかのぼったあとはすべて新作を読んでいるのですが、今作は「時空犯」と同じぐらい好きな作品になりました。とはいえ、これまでの特殊設定ミステリーとは違い、フランス革命時代のヨーロッパのある地域を舞台にした本格ミステリーで、しかもクロという書記官の手記という体裁を取っているため(まさか全編手記で通すの?と最初思いました)、だいぶこれまでと雰囲気が違います。特殊設定も好きなのですが、予想もつかない設定があとから出てきたりして、置いてけぼり感を喰らうことが多いのですが、これだけ二転三転しても「その可能性もあるね」とロジックについていけたことが良かったです。これからも応援しています!

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めちゃくちゃ面白かった!
物語はD伯爵の政務書記の回顧録の形で進む。これまでの潮谷作品とは違い、特殊設定も哲学的なくだりもなく世界観にすんなりと入ることができた。科学捜査ができないため純粋にロジック勝負なのがワクワクする。二転三転する謎解きにも驚かされてラストは一気読み。これは読み終えるとすぐ再読したくなる一冊。登場人物もとても魅力的だった。

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登場人物ひとりひとりに個性があるため、人が多くなっても違和感なく読めました。ただ、オルシーダだけ少し印象が薄いような……。
最初は、殺人事件の犯人を当てるだけかと思いきや、三つ子の真実などが明かされていくに連れ、事件の背景が濃くなっていきます。そこが物凄く面白い作りになっています。
個人的にこの本は、犯人を当てるミステリ要素ではなく、三つ子の背景を推理するところに面白さを感じました。

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フランス革命時代、ヨーロッパの小国で起きた殺人。容疑者は三つ子の三兄弟の誰か。DNA鑑定も指紋鑑定も存在しない時代、純粋な論理のみで犯人を特定することができるのか…?物語は三つ子の友人である、三つ子の領主の書記官の手記という形で示される。友人の三つ子の中から犯人を探すので最初は切ないものがあったが、登場人物がみな個性的なので読みやすかった。話はもちろん犯人が特定されて終わりなわけではない。そう思っていながらも、ラストの展開には作者の意図通りに翻弄されてしまった。面白かった。意外にも一番心に深く残ったのは、歴史的背景が人々を翻弄し作り上げられてしまった線の堅牢さかもしれない。

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フランス革命時代にヨーロッパの小国で起きた殺人事件。書記官のクロが、容疑者であり親友である三つ子の兄弟を、尋問と揺るぎなき論理で追い詰めていく歴史ミステリ。

早くから物わかりの良い大人になる事を強いられた苦悩と、その中でのささやかな楽しみと、序盤の少年期の生活描写に時代背景をしっかり感じられ、とても面白かった。
見た目で区別が付かない三人の中からどうやって特定をするのか。何パターンか想像出来るものとはまた別の角度から切り込んできて、最後の最後まで緊迫感が続く。鏤められた小さな違和を見付けるという推理の醍醐味を存分に味わえる作品。

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射殺された、元・吟遊詩人。現場には五人の目撃者。しかし、犯人は不明のままだった。
革命運動の只中、ヨーロッパの小国で発生した殺人事件が、運命を翻弄する。

哲学やSFが絡む特殊設定を持ち味としたこれまでの作風とは一線を画し、本格のなかの源流を攻めたような、古典的ミステリの風格を漂わせる本作。このような作品も書けるのか、と内容以前に驚きを隠せないのはもちろんのこと、作品の凄味でもきちんと打ちのめしてくる。

政務書記である主人公の回顧を辿る形で、日常と激動、そして殺人を写した本作は、ミステリとしての謎解きはもちろん、歴史小説の側面も強い。

あらすじを読んだとき、史実に疎い自分にはついていける気がしていなかったが、語り手の存在を強調する「ですます」調の文体が、案内人のように機能して、身構えていたのが嘘のように読みやすかった。また、政務書記という立場も良く、つぶさな観察と、それを明瞭に取り上げていく記載が、時代の流れを目の当たりにしている感覚を抱かせて、歴史ミステリの難しさではなく、旨味を味わわせてくれたように思う。

世情を反映しているからこそ、シンプルな構造である殺人事件も一筋縄ではいかない。科学がまだ、捜査の一助としても機能し得えていない時代での純粋な論理。そして、時代に生きる人々の苦悩や生き様が、予期せぬ形で事件を複雑なものに変えていく。

ページ数を多分に残して解決を見せた時、描かれた事件の本質が単純なフーダニットに留まらないことに気が付かされ、その先からは、歴史ミステリだからこその、時代背景との調和を見た気がした。

終わりまで気が抜けず、しかしながら、美しい締めくくりのある、ふっと息をつきたくなるような一作でした。

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時はフランス革命の頃。伯爵の城で起きた殺人事件。犯行の目撃者は4人もいるのに犯人が誰だか判らない…なぜなら容疑者が3つ子だったから。長年ミステリを読んでいると以前に読んだ作品を突如思い出す様な物語に出会う事がある。ただ私の場合は思い出すだけで謎の完全解明には至らない訳だが、後に『やっぱり関係していたんだ!』と小さな優越感に1人で浸るだけ。本作もそんな箇所が3箇所程あったのだが、最後の最後まで楽しく翻弄された。真犯人が解明された後にも残る謎。何重にも施された謎にはワクワクさせられた。

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塩谷験は初めへて読む作家さんでしたが、フランス革命の頃に伯爵の城で起きた殺人事件ということで、
興味はあるが土地勘が当然ないので入り込めるのか心配してました。
しかし容疑者が三つ子の兄弟であると分かっているのにその内の誰かか分からないという設定が上手。
読み進める中でいろいろなことが判明していくので最後まで興味深く読めたので面白かったです。

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フランス革命が起きた時代、元吟遊詩人が殺された。容疑者は四つ首城の改修を任されていた三兄弟。
目撃者がいる中で行われた犯罪だが、兄弟は三つ子だったためどの人物だったのかわからない。
科学捜査が未発達の時代に、この犯人を特定することができるのか?

面白かった~!
ドンデン返しが続くし、意外な展開です。
登場人物も魅力的で、最初は脇役だと思っていたD伯爵がすごくいいキャラで好きになりました♪

時代背景も一役買っているようで、この時代だからこその行動や思考が切なくも物語に余韻を残している気がします。

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これは文句なしに面白いミステリーです。事件が始まる前の序章部分も主人公の内面がリアルに描かれ、飽きさせません。そして、事件が起こった後の展開も、なかなか謎は解けないものの、登場人物が増えていくことでこれまた飽きさせずに、どんどん読み進められます。そして結末。なるほどと納得したら、その後の二転三転。どれも腑に落ちる展開で、久々に読み応えのあるミステリーに出会ったと思いました。

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フランス革命後、時代が変わり始めるヨーロッパが舞台。老いた語り手は若い頃仲の良かった三つ子の兄弟との過去を語る。元・吟遊詩人が射殺され容疑者とされた三つ子。彼らの中の誰が犯人なのか、それとも4人目の犯人がいるのか。事件の意外な真相と結末。善悪を決めつけられない、この時代ならではの動機と推理の仕方が興味深い。

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容疑者は四つ首城の改修をまかされていた三兄弟。五人の関係者が襲撃者を目撃したものの、容姿が似通っている三つ子ゆえに犯人を特定することはできないという状況で、明らかになってゆく行方不明だった四人目の存在。キャラクタも立っていて構図も分かりやすくシンプルなストーリーに思えましたが、ロジックを積み上げながら犯人を絞り込んでいく中で二転三転する展開もあって、浮き彫りになってゆく時代の濁流に翻弄された兄弟の運命がなかなか印象的な物語になっていました。

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