フィリムの翼(上)
飛空騎士の伝説
小前亮
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刊行日 2024/07/11 | 掲載終了日 2024/07/11
静山社・ほるぷ出版 | 2024/7/11
ハッシュタグ:#フィリムの翼上 #NetGalleyJP
内容紹介
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784863897885 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
ページ数 | 288 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
すごく面白かったです。アフターコロナ、子ども達は、こちらのような、良質のファンタジーに飢えています!乾いたスポンジの様にどんどん吸収していきます。熊本は空がとてもきれいで、児童の名前にも空の字が多いような気がします。戦士、冒険、友情、成長、飛行、…すぐにでも紹介したい子どもの顔が3、4人浮かびます。夏休みの一冊に激推ししたいと思います。貴重な原稿を拝読させていただきまして、大変ありがとうございました。“後編”も、楽しみにさせていただきます!
小前さんの作品ということで読んでみました。相変わらず読む手が止まらない面白さと読みやすさです。
ファンタジー小説は大体、簡単な舞台設定やキャラ設定から入るので、序の辺りはなかなか手が進まない。
ですが、見習いの三人が伝説の飛空騎士を探しに出るところから、少しずつ物語が回りだし面白くなります。見習いの少年少女、英雄の子ども達が、意思を育み、しっかりもっていくところが読んでいてすっきりしていきます。
タイトル「フィルムの翼」のタイトル回収も(下)でされる予感。下巻もぜひ読みたいです。
翼を持たずに空を駆ける馬。それを駆るのがフィリム最強の飛空騎士団。ギルス帝国の侵攻に対して、その見習い騎士3人が受けた秘密の任務とは。
個性的である故に危うさも持ち合わせる3人。彼らはそれをいかに乗り越えて行くのか。
中国や日本の歴史小説を書いてきた小前亮が描く、魔法を使う獣達が生きる異世界での若者達の冒険譚。
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魔法を扱うのが人ではなく、馬や栗鼠、熊や象などの動物達であることが、まずは新鮮だった。それをうまく使いこなしていくこの世界の人々。それは、人が魔法を使う今までのハイファンタジーとは一味ちがうものだった。特別な力を持つことはない人々が、智恵と歴史の積み重ねにより動物達を友とし、また使いこなしている様子は、人が本来持つ力強さを感じさせた。
そして、個性あふれる登場人物の中の中心となる、ファストラ、レイン、シューデリンの生き生きとした様子。更にそれぞれが背負うものがもたらす性格と生き方、そして将来の夢。物語の始まりから明かされているそれらは、3人により人間味を持たせていた。しかしそれは、彼らそれぞれに長所だけではなく、危うさがあるということでもある。そんな不安を抱かせたまま物語は進んでいく。
その危うさを互いにカバーし合いながら、秘密の任務に携わる3人。それは自分を捉え直し、自らを変えていく力となっていく。更に自分の乗馬との関係、そして3人の関係も変えていく。相補し合う3人と3頭に。それは読んでいて心強いものだった。
でも、まだ真の3組の騎馬となるまでには至っていない。下巻ではギルス帝国の侵略軍との戦闘が待っているだろう。一つの山を乗り越えたが、その先は更に困難が待ち構えているはず。
下巻は更に過酷な群像劇となるだろう。それに対してどのように対していくのか、また3人はどのような運命に向かって行くのか、今から楽しみだ。