なめらかな人
百瀬 文
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刊行日 2024/05/28 | 掲載終了日 2024/05/27
ハッシュタグ:#なめらかな人 #NetGalleyJP
内容紹介
わたしの欲望や違和感は、
ほかの誰かと分かち合うことはできるのだろうか――
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「実際のところ別に名前自体はどうでもいいとは思うが、必ずしも恋愛にもとづかない関係をときどき家族と名乗ることができたりする社会になったらいいのにな、とは心から思う。
けれど、わたしの中にある「家族」への固執は、おそらくもっと身勝手で、ままならない何かに紐づいている。自分の心と体が誰にも支配されることのない家を、安心して帰れることが約束された家を、わたしはこの手で作り直したかったのだと思う」 (本文より)
群像の好評連載がついに単行本化。
新進気鋭の美術家による清冽なエッセイ!
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[ 担当編集者より ]
百瀬文氏は、コミュニケーションのなかで生じる不均衡をテーマに、セクシュアリティやジェンダーの問題を鋭くとらえ、映像作品をメインにパフォーマンスなどの作品を制作する新進気鋭の美術家。
大学院の修了作品「聞こえない木下さんに聞いたいくつかのこと」が話題を呼び、24歳の若さで横浜美術館(2014)にて個展を開催したことを皮切りに、国内外の芸術祭などにも呼ばれています。2022年にはARTnews JAPANの30 ARTISTS U35 2022に選ばれ、また2023年にはPENの「特集:CREATOR AWARDS 2023」にも選出されるなど日本の現代美術界の若手最注目株。
パートナーたちとの共同生活を送り、あたらしい「親密な関係性」を描いています。社会の様々な問題のなかで悩み、自分の欲望を見つめる、倫理的な姿勢の文章はほかにない魅力があります。
[ 主な内容 ]
なめらかな人/ママと娘/骨が怖い/交差点/ビオランテ/カラオケ日和/ねじれたヌード/底意地の悪い/ドクメンタの夜/晋吾のスカート/肉を噛む/バッド・ゲームの向う側/見ない、見えない、見なくていい …ほか
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著者/百瀬 文(ももせ・あや)
1988年東京都生まれ。2013年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。映像によって映像の構造を再考させる自己言及的な方法論を用いながら、他者とのコミュニケーションの複層性を扱う。近年は映像に映る身体の問題を扱いながら、セクシュアリティやジェンダーへの問いを深めている。主な個展に「百瀬文 口を寄せる」(十和田市現代美術館、2022年)、主なグループ展に「国際芸術祭 あいち2022」(愛知芸術文化センター、2022年)など。主な作品収蔵先に、東京都現代美術館、愛知県美術館、横浜美術館などがある。2023年に作品集『百瀬文 口を寄せる Momose Aya: Interpreter』を刊行。
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おすすめコメント
[ NetGalley担当より]
最初の章「なめらかな人」を読めば、この先のタイトルには何が書かれているのだろうか…と、読み進めたくなるでしょう。
[ NetGalley担当より]
最初の章「なめらかな人」を読めば、この先のタイトルには何が書かれているのだろうか…と、読み進めたくなるでしょう。
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出版情報
ISBN | 9784065355329 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
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群像連載のエッセイ集。
30過ぎの女(著者)と40近い男二人の計三人での同居生活を送る美術家。
必ずしも恋愛にもとづかない関係をときどき家族と名乗ることができたりする社会になったらいいのにな、と考える百瀬さん。
母から顔に浴びせられた冷たいシャワーの記憶や心理療法、脱毛体験や「刑務所」近くで育った幼少のころのことなど。
本を開くと別世界が広がっていた。
誇張ではなく、それくらい世間で言う「普通」とは異なる愛の形や、価値観が綴られていた。
けれどどれも生理的に受け付けない。などと突っぱねる内容ではなく、なるほど、こんな考え方もあるのか。
そのうち、あ、自分も似たような体験がある。という点も出てきたけれど、けれども著書とは全く異なる人生の選択をしている。
人というのは、選んだ道によって似たような体験があってもこれ程違う価値観や経験を持つ別人になるものなのか。
改めて人の生き方の不思議さを感じた。
新進気鋭の美術家によるエッセイ。
百瀬さんのことを知らなかったので、YouTubeで公開されている講演や作品などを見てからこの本を読み始めた。
話しているときと変わらない真っ直ぐな言葉たちと、百瀬さんが好きなものや怖がるものなどが綴られている。
乾いた文章のなかに百瀬さんの芯を感じる。
特に印象に残ったのは「底意地の悪い」の作品の批判について箇所だ。寄せられた批判のなかの「ほかの皆さんも、暗い面持ちでしたよ」この言葉についての考察が印象的だった。なぜ人は何かを批判するとき他者も同じ気持ちだったと言い添えたがるのだろうか?ずっと抱えてきたこの疑問への考え方に共感した。
『愛は時間がかかる』の著者の植本一子さんとの交流や、植本さんが受けたトラウマ治療を受ける百瀬さんの姿も描かれている。
読み始めには百瀬さんの今の「家族」の形に違和感をもつ人もいるかもしれない。だがぜひ最後まで読んだとき、百瀬さんの価値観での「家族」の形があってもいいのではないだろうと感じると思う。
美術家としての百瀬さんの作品を実際に見てみたくなりました。
著者のプロフィールを読んで、以前読んだエッセイ『愛は時間がかかる』(植本一子著)に出てきた人? と思い、読んでみた。
植本さんのエッセイが、夏の午後の、どんよりした雲に覆われた空のような、独特の気だるさが漂っていて、読んでいるうちに、なんとなく癖になったので、百瀬さんも同じような世界観を持った人なのかと思って読んでみたのだった。
しょっぱなから陰毛の話で、私は周りの人と自分の陰毛について話したりしないから、わたしとは感覚がとても違う人なんだな、と思った。
わたしとは違う世界に住む芸術家の日常を垣間見て、おもしろいと思ったり、なんか気まずいと思ったり。
ふだん、あまり自分と感覚がかけ離れている人と、仕事以外でしゃべることってないから、こういう世界があるのか、こういう人もいるのか、と新しい発見というか、経験をしたような気になった。
現代アーティストの思考に大変興味があったので読みました。著者の思考は自分には持っていないものが多く、ひとつひとつのテーマからたくさんの刺激を貰えました。著者の恋愛観、家族観に関する話題が特に刺激的で、これからの世の中はいろんな考えを許容することが大切だとと改めて強く思わされました。アートと聞くと自由なイメージがありましたが、著者の活動を見ていくと規制といった作者の思いを踏み躙ることも多い世界だと感じられ、作品の細かい部分を気にするのではなく、もっと個々の自由な感情を大切にしてアートを楽しむ人が増えたらいいのになと願ってはいられませんでした。
百瀬さんの作品に興味があり、すごく読んでみたかった一冊です。
考えすぎだったり、繊細すぎだったり、世の中の「普通」からはみ出してしまっているような部分が多く描かれており、とっても自分に沁みました。
ひとつひとつの事柄に真剣に向き合うが故の感情揺れまくりなエピソードたちにすごく感動します。
それと同時に、何か思い出すような感覚に陥る場面が多々ありました。自分でも忘れている身体の感覚や記憶について、思い出すきっかけをくれる作品だと感じます。
プラス新しい感覚や知識もたくさん。ものすごく面白かったです♪
お恥ずかしながら百瀬さんを存知あげてなくて。映像作品を作られている方なんですね。ネットには監督、とありましたが作品は多岐に渡るようです。
ご自身の作品についてあーだこーだ語る中身ではなく、エッセイに近いものでした。
普段作家として活動する中での疑問や思っていること、一般的なところから見たら常識と離れているように捉える方もいるかもしれない異性のパートナー2人と暮らす生活の中でのちょっとした事件や悩み、機微。
興味深く読みました。
自分の持って行き方とか、パートナーや家族と簡易にカテゴライズしていいのか、このうちからはもう恋は生まれない、など、彼女のいまの形になるまでも紆余曲折あって正直に吐露しているところに驚いたり自分とは違う環境ではあるけれど考え方に共感したり新しい感覚でした。
百瀬さんの召喚する単語や文章の紡ぎかたがなかなか心地良くて、また自分の中でも咀嚼するのに時間がかかり、ゆっくりと読みました。