少女マクベス
降田天
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刊行日 2024/08/26 | 掲載終了日 未設定
ハッシュタグ:#少女マクベス #NetGalleyJP
内容紹介
演劇学校で起きた、センセーショナルな事件。
神と呼ばれた天才少女はなぜ、
自身の手がける舞台の上演中に死んだのか――?
(あらすじ)
演劇女子学校に入学した結城さやかは、劇作家を目指している。同学年には同じく劇作家志望で、学内一の天才と謳われる設楽了がいた。了は俳優の能力を引き出し、観客を魅了する舞台を作り上げる卓越した才能をもっていた。了の手がける舞台に上がりたい、了に認められたいと俳優志望の生徒達はこぞって渇望する。次第に周囲から「神」とまで崇められた了は、いきすぎた彼女の横暴を諫める声すらもその才能で黙らせてきた。しかしそんな了は突然、自分の手がける演劇の上演中に、舞台から転落死する。不幸な事故だと片づけられたが、翌年の春に入学してきた新入生・藤代貴水は全校生徒の前で高らかに宣言した。「わたしは、設楽了の死の真相を調べに来ました」――さやかは貴水に巻き込まれる形で、了と生前の関わりのあった生徒を調べることになり・・・・・・演劇を愛する生徒達が内に潜んだ「殺人者」を暴き出す、学園青春ミステリー!
※『殺人者のオーディション』より『少女マクベス』にタイトルが変更になりました
(著者プロフィール)
降田天 (ふるたてん)
執筆担当の鮎川颯とプロット担当の萩野瑛による作家ユニット。少女小説作家として活躍後、2014年に「女王はかえらない」で第13回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、降田天名義でのデビュー。18年、「偽りの春」で第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。他の著書に、「偽りの春」が収録された『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』、『彼女はもどらない』、『すみれ屋敷の罪人』、『ネメシスⅣ』、『朝と夕の犯罪』、『さんず』『事件は終わった』などがある。
出版社からの備考・コメント
※書影は仮のものです。
※ゲラは校了の前のデータにつき、修正が入る可能性がございます。
※発売前作品のため、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784575247480 |
本体価格 | ¥1,900 (JPY) |
ページ数 | 380 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
願望、欲望、羨望、、、自分の中の欲に呑み込まれる少女達が痛々しくも眩しい…!!
はじめはさやかと貴水の2人があまりにも険悪ムードで、どうなるの??と心配していましたが、話が進むにつれて少しずつ打ち解けて、お互いを思い合っている様子がよかったです。そして、事故の真相を追いかけていくなかで、少女達の過去や心中に胸が痛くなりました。
ラストはそういうことだったのか…!と、まさに演劇を観ているかのような盛り上がりの謎解き!
誰もが魔女でもなく神でもなく、普通の少女で、友達でいれたらよかったのに…
でも最後は本当の友達がはじまりそうで、ほっとする終わり方で安心しました。
一度読み始めると続きが気になって、一気読みしてしまうタイプの作品でした!
面白い作品をありがとうございました!
女性だけの演劇専門学校の定期公演中に起こった事故。その事故について探るために入学したと言いきる貴水と巻き込まれるさやか。
定期公演で行われた『百獣のマクベス』に出てくる登場人物を演じた俳優を中心に、事故の真相を調べていく本作。
皆が皆、人にとって大なり小なり秘密があり、その秘密が積み重なることで生まれた悲劇をマクベスになぞらえる展開が面白い。
大切な人を神と崇める幸、不幸。演劇のためになら、何もかも捧げてもいいのか?また捧げないと辿り着けない高みは、本当に貴いのか?
演劇に関係の無い一般人でも、つい考えてしまう作品でした。
とてもよかった!!
青春がみずみずしくて、それぞれの情熱がまぶしくて、でも切ない。
ともすればどろどろとした陰湿な感情が出てきそうだけど、そんなことはなく、終始とても純粋で前向きな爽やかさを感じました。
個性豊かな登場人物がみんな、意志が強くて一生懸命で、応援したくなる。
演劇学校という舞台上美少女や個性的な登場人物ばかりで、映像化するととっても画面映えしそうです。
作品中の舞台も実際に見てみたい。
最後の一文が、この物語を包括しているようでじんとしました。
この物語に出てくる人物と似たような出来事は私の人生にはなかった。そんな学生生活は送ってこなかった。
だけどなんだろう、ずっと刺激してくる小さな棘のようなものは。
明るくも暗くもない、得体の知れない棘。
追体験しているかのような刺してくる描写。
一人ひとりから語られる独白のような事実は、どんどんその棘を活性化させていく。
純粋に死の真相が知りたくて止まらないが、時折そのチクチクに耐えきれず読む手を止めた。
意外だが救いのある結末で、モヤモヤが残るストーリーではないのに、その棘は抜けない。
こんな読後感は初めてだ。
演劇女子高で「神」と呼ばれた劇作家志望の少女、設楽了が自身が手がけた演劇の上演中に舞台から転落死した。
翌年入学してきた新入生の藤代貴水が死の真相を探る。
演劇🎭とか舞台とかって全然見た事ないけど見たくなってしまう。「マクベス」も内容知らないんだけど知ってたらもっと深く物語の中に入れてたかも。
夢のためひたむきに情熱を注ぐ少女たち。
一途だからこそ生まれる絶望、羨望。
演劇を愛するがゆえの嫉妬心、敵対心。
少女たちの心のうちに抱える感情が真っ直ぐすぎて痛々しくもあるが、夢にひたすら向き合っている情熱が羨ましくもある。
神と崇められる了の死の真相を調べる貴水とさやか。
事故か自殺か殺人か・・・
少女たちの抱える秘密を暴きながら展開されるストーリーに一気読み間違いなし。
舞台の華々しい世界の裏には、常に選ばれなければならないという過酷な闘いがあり、殺伐とした中にも仲間という友達の
存在に気付ければ彼女たちも救われたんだろうな。
殺人事件の話なのに、読み進めるうちに青春っていいな。となんだか羨ましくなってしまった。
演出家や舞台のことも詳しく分かったし、ミステリーだけど、演劇の専門書も読んだ気がして一冊で2倍お得だな!と思った。
面白くて、中々止められないで苦労しました。介護中の母の食事時間が予定よりも遅くなることが何度もありました。
さやか、貴水の関わり方の変化や魔女三人の秘密など、個々の内容も引きつけられるのですが、物語全体の持つ演劇感と言うか、展開の仕方にも引きつけられました。
少女たちの健気だけどある種の大胆さが良く表現されていたと思います。
最後にさやかと貴水との遣り取りを読むと今後の関係が想像できそうで何かホッとした気分で読み終えることが出来ました。楽しい作品をありがとうございました。
演劇の専門学校で起きた、1人の少女の事故死。
その真相を探る中でわかっていく人間関係。
人のドロドロな部分に触れつつも、それでも真っ当に生きる気持ちを誰もが持っている…そんな印象をもち、それがとても説得力があるのが心に残った。
人物設定が丁寧に作られていて、そこが読みやすさに繋がっていて好きです。
後半からとにかく気になってしまって、一気に読み終わりました!
最後の最後までハラハラしっぱなしでした。
さやかのデータが消されていた時、脚本をすり替えられた時など、さやかの絶望を思うと辛くて仕方がなかった。
とにかくみんなそれぞれ秘密を抱えこんがらがってしまった謎を一つ一つ紐解いていく過程にのめり込んでしまった。
「理不尽に思える試練だって、乗り越えれば確実により大きな幸せが待ってる。わたしたちはそれを知っていて、疑うことはなかったわ」
演劇女子学校で起きた死亡事件の謎を追うミステリー作。
亡くなったのは神とも評される劇作家志望の了。
彼女の死の真相を追うなかで明らかになった真実とは。
勇敢な彼女たちの物語。
才能や容姿に恵まれた特別な女の子たちの物語と思って読み進めると、彼女たちの決して特別ではない苦悩に痛いほど感情移入し引き込まれました。
ミステリーとしての面白さだけでなく苦悩しながらも前に進んでいく少女たちの強さに力をもらえる小説でした。
どうもありがとうございます。
百花演劇学校でおきた公演中の事故死。彼女は周囲から天才とも神とも言われていた。
彼女の死は事故死だったのか、それとも自殺?それとも…。
学生たちだけで作り上げる舞台でおきた事故。天才と呼ばれた了に対する演者たちやライバルの思い、そして秘密。
10代特有の自意識や、一つのことにまっすぐな彼女たちの思いが生み出す謎や疑惑が、物語の伏線となっていくさまが面白かったです。
一人ひとりのキャラクターが分かりやすく、青春群像劇のような面白さもありつつ、しっかりとしたミステリーにもなっていて、次はどんな秘密が!?とワクワクした気持ちで読み進めました。
ラストは全く予想ができず、思わず最初から読み直したくなりました。
演劇学校の定期公演幕間で演出担当の生徒が事故死。でも本当に「事故」だったのか?真相を知るために入学したという新入生と、演出補だった主人公が関係者に話を聞くうちに、さまざまな事情が明らかになっていく・・・。
プロット担当と執筆担当の分業で作品を作っておられるようですが、功を奏していると感じました。おもしろく一気読みしました。
読みやすくテンポよく、上手に伏線を埋め込みつつ、演劇に情熱を燃やす女子たちの抱える悩みや裏事情が明らかになっていく展開も見事。
バックステージものとしての楽しみもあり、ミステリ要素もあり、普通のキャラ文芸としても読めると思います。
シェイクスピアの「マクベス」を知らない読者は楽しみが少し減るでしょうが、つまづくこともなさそうです。
唯一、タイトルだけが、しっくりきません。「殺人者」という言葉が内容にそぐわないし、「オーディション」も、その場面があるのだけれどタイトルに持ってくる感じではないような気がします。今更無理かと思いますが、「少女マクベス」とか「マクベスの奈落」とかのほうがいいかも?
制作・俳優それぞれにプロへの道が開かれる、演劇に特化した女子高校。
神と崇められるほど、俳優の力を引き出し観客を魅了する舞台を作り上げていた少女は、上演中に転落死した。
その死に疑問を抱く新入生が現れ、万年2位という立ち位置のさやかも共に調査に乗り出すことに―。
「演劇が好き」という気持ちとレッスンだけでは、全然届かない。
嫉妬とエゴと自己嫌悪。
自分に向き合い、それでも最後は「演劇が好き」という気持ちに支えられて舞台に臨むのだ。
演劇という、私が関わったことのない世界。
役者志望、脚本・演出志望、美術、様々な役割で一つの舞台を作り上げることへの熱量がこちらまで伝わってくる。
一人の生徒の死が自殺なのか事故なのか…。
誰も怪しくないようで、みんな怪しい。一人ひとりに話を聞いていくうちに見えてくるそれぞれの秘密。
終盤に訪れる真相解明の伏線回収がたまらない!
単に真相を明らかにすることだけではなく、演劇というものを愛し、その裏で悩み、妬み、欺き、何が何でも上に立ってやろうという熱い思いがあることを知り、演劇そのものに興味が湧いてきた。
女性だけの演劇専門学校で起こった死亡事故。
読み始めは貴水が何故それが事故ではないと言い切るのかはっきりとした理由が分からず、さやかもどうしてそこまで?と思うくらい冷たい態度なのでちょっとモヤモヤしていましたが、二人の間の空気が少しずつ変わり、様々な事実が出てくると先が気になり一気読みでした。
劇作家志望の少女の死をめぐり、華やかに見えていた演劇学校の生徒たちそれぞれの苦悩が見えてくる。
闇を感じたラストでしたが、明るい未来を感じて爽やかな気分で読み終えました。
映像化されても面白そうな気がします。
演劇学校で舞台の上演中に、神と呼ばれた天才少女の了が転落死する。
その真相を調べに来た新入生の貴水と、了の同学年のさやかが、了の生前に関わった生徒たちを調べ始める。
貴水はなぜ了の死の真相を調べようとしたのか?
その真相にたどり着くまで引き込まれるように読み進めた。
天才少女・了は神とまで言われ、演劇学校の俳優を志す少女たちはその舞台に上がることを願う。その少女たちはお互いに嫉妬したり、挫折や了の謎の行動に困惑していく。了が演出したマクベスの舞台が目に浮かぶようだった。
思わず唸るような最後の一行まで飽きる事なくとても面白かった。
演劇女子学校が開催する定期公演の最中にその悲劇は起きた。事件の真相に近づくにつれ少女たちの秘密も明らかになる。
百花演劇学校に通う彼女たちは名門校の狭き門をくぐり抜けた才色兼備の持ち主ばかり。そんな閉鎖された空間に一滴の黒点が落とされじわりと広がっていく。羨望、嫉妬、狂気が入り乱れて、次はどうなるの!?と一気に読んでしまいました。輝かしくも危うい世界を垣間見ながら謎を解き明かしていくなんて最高です!本来のマクベスの魔女と重ね合わせ妖艶な演技描写の世界観にも浸れました。真相究明までは面白いという作品は多いですが、究明後のお話も面白いものはなかなかないです。最後まで楽しめました。
演劇学校の生徒〈脚本の神〉が演劇中に死んだ。演劇による演劇のための犯罪。それを演劇で暴けるのか?
様々な過去を背負った多感な少女達。それ故に演劇にかける、それぞれの姿が鬼気迫ってきた。
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最初からストーリーに引き込まれた。演劇学校というほぼ閉鎖された世界で、鬼気迫る様子で演劇に取り組む少女達。そして演劇『百獣のマクベス』中に、その脚本を書いた生徒〈脚本の神〉が死ぬ。疑われるのは魔女を演じた3人。なんというシチュエーション。
更に息をもつかせぬ展開に唸った。〈脚本の神〉了の天才さに慄いた。〈恐れ〉〈愛〉〈野望〉の魔女役の3人の、まさにそれを体現した過去に言葉もなかった。更に、同じく脚本家志望である、追う側のさやかが、脚本によって追われる立場に追い込まれる事になるとは。
そしてラストさえも、推理ではなく演劇『彼らのマクベス』により犯人に迫っていく。その、『マクベス』からの引用を交えた緊張感溢れるやり取り。言葉の持つ力とはこれ程だったのか。
演劇による演劇のための犯罪を、演劇により解決する。この類を見ないミステリの終劇に、盛大な拍手を。
俳優や劇作家、舞台監督、舞台美術などを専門に学ぶ演劇女子学校で、舞台上演中に「神」とまで崇められた学内一の天才・設楽了が不幸な転落死を遂げる。翌年、新入生として入学してきた藤代貴水はその死の真相を調べにきたと宣言し、了と同学年の劇作家志望・結城さやかを巻き込んで真相解明に奔走する。次第に明らかになっていく了の死の真相とは・・・。
ある一点に関するあらゆることに情熱を傾けるあまり行き過ぎた行為に走ってしまうことは誰にでも起こり得ると思いますが、10代の少女たちがもがき苦しんでいる姿を目の当たりにすると、こちらまで苦しくなってしまいます。「そこまでしなければならないのか」「それはやり過ぎでは」と思いながらも、彼女たちの悲痛な心の叫び声を聞いたら応援せずにはいられませんでした。
了の死の真相は予想外でしたが、言葉や行動が少しでも違っていたら悲劇は防げたのではないかと思うととても残念です。
「殺人者のオーディション」というタイトルは少し禍々しいかもしれませんが、最後まで読んで真相を知れば「なるほど」と思えるのではないでしょうか。
2時間くらいの映画では描き切れないと思うので、ぜひ1クールのドラマで観てみたいです。もしくは作品と同じように舞台とか。大勢の読者に、それぞれの配役を想像しながら読んでほしい作品です。
演劇を学ぶ女子高校で演出脚本部門で天才と評される学生が公演中に奈落に転落死。
さてその真相は何かと物語は進んでいく。
彼女と故郷北海道で仲が良かった親友が入学してきて、演技者として出てた学生達と話し合っていく中でそれぞれの過去が露わになっていき苦悩を抱いてた事が分かる。
二転三転する構成は見事でどんどん話の中に引きずり込まれていき最後アッとなる。
青春ミステリーとして面白かった。
ある天才の死を探っていく内に、演劇に打ち込む少女達の苦悩が明かされていく。
人生を賭けるほど情熱を傾けているからこそ、楽しいという感情だけでは済まされないのだろう。
嫉妬や不安に苛まれ、それでもひたむきに進む少女達を応援したくなった。
貴水のカラッとしたところが読んでいて心地良い。
人が人を神たらしめる。
そのことの重みについて考えさせられた。
友と思っていた人に神だと崇められ、神だと思っていた人には他の神がいて、敵わないと思っていたライバルには唯一の理解者、友と思われていた。
少女たちのすれ違いながらも絡まって解けない想いが、マクベスにのせて紡がれる。
全ての謎が解けた時、そのやるせなさに胸が締め付けられる。
それでも彼女たちは前を向いて次に進むと信じられるラストだった。
少女たちが生き生きと、しなやかに動き回っている様子が目に浮かびました。それぞれのキャラクターが立っていて、飽きさせない長編ミステリでした。
才能があるかないかは、他人からの評価と結果でしか確認できないというのは身に染みました。
選ばれなかった人間が、選ばれた人間をどう思うのか。みんながそれぞれもがいていて、競争率の高い世界の厳しさにこちらも胸が苦しくなりました。
殺人者のオーディション/降田天 双葉社
日本中から演劇を志すものが集まる演劇専門の女子高
俳優志望、演出家志望しかいないはずの新入生の中で
「私がこの学校に来た目的は違う。私は事故死した
設楽了の死の真相を調べに来た」と言い放つ藤代貴水。
手がかりは「魔女」というキーワード。
結城さやかは、貴水に巻き込まれて、
「魔女」と呼ばれる容疑者へアプローチしていく…
事故死は間違いなのか?本当に殺人があったのか?
演劇を志す女性校生たちの、
ひたむきな努力や挫折・嫉妬などの青春の要素と、
殺人者をあぶりだしていくミステリーの両面を
のめり込みながら読ませて頂きました。
1人ずつ「魔女」たちの内面をあぶり出しながら、
真相に向かう一本道な展開かと思いきや、
思いがけないクライマックスと全く想像していない結末に、
いい意味でやられました。
「エグイほどの嫉妬や羨望、青春の生々しさが伝わってくる」
ことが本書の一番の魅力だと思います。
これぞ青春!という終わり方がとても良かったです。救われた。
素敵な物語をありがとうございます。
演劇学校に通う彼女たちの嫉妬と欲望、欺瞞の渦にあっという間に引き込まれていきました。
生まれながら能力を持つもの。努力を重ねて得ようとするもの。少しでも気を抜けば追いこされてしまう。
そんな環境の中で起きてしまったひとつの事故。果たして本当にただの事故なのか。周囲の誰もが疑わしくてたまらないのに、まったくわからず、
後悔や苦悩、あらゆる感情が複雑に絡み合い、才能というものの危うさを感じてしまった予想外の真相には驚きました。
ぐっと心を掴まれたまま余韻に浸り続けています。とても面白かったです!
脚本演出の天才と称された少女の転落死の謎に迫るミステリー。
演劇に全てを賭ける少女たちの努力、才能、焦燥、秘密、嫉妬がヒリヒリと胸を焦がす。彼女たちの放つ熱意も後悔も諦めも、すべてが強く輝いていて眩しかった。全編を通して登場する『マクベス』が死の真相と少女たちの運命とリンクしていて素晴らしい。
面白くて読むのが止められなくて、家族に怒られました笑
演劇を学ぶ少女たちが集う演劇専門の全寮制女子校という舞台も、そこで起きた事件の真相を探る探偵役の2人にも、とてもドキドキさせられて引き込まれました。
最後の才能についてのセリフがとても良くて、読み終わった後も才能とはなんだろうと心に残る作品でした。
職場の人に薦められて読み始めたが、期待通り面白かったです!
登場人物の心の描写が細かく、10代の少女たちの悩みや葛藤に共感できる部分が多かった。
おばさんの私でも。
ドラマにしたら面白そうな話だなと思いました!
50歳手前のオジサンが個性豊かな女子高生たちの熱く、重く、深く、儚い思いに心打たれました。演劇にはあまり興味を持っていませんでしたが、この作品を読んで理解が深まりました。個人的にはミステリー要素も去ることながら女性達の強さにハマりました。
演劇女子学校の定期公演で、絶対的才能を持った設楽了は自らが手掛けたその舞台の幕間に奈落に落下して死亡する。劇作家をめざす結城さやかは、翌年入学してきた・藤代貴水に引きずられるような形で、了の死の真相とあるはずのもう一つの了の「マクベス」を探すことになる…。様々な形で演劇を目指す少女たち。調査の過程でその舞台で魔女を演じた3人の少女たちの事情が掘り下げられると、少女たちの想いに寄り添わずにはいられない。若いからこそ譲れないものがそこにある。マクベスから紐解かれ、全てが暴かれるラストは気づけば息を止めていた。途中の授業風景でさらっと触れられた「チェーホフの銃」が演劇にもミステリにも通じて印象的。