みどりいせき
大田ステファニー歓人
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刊行日 2024/02/05 | 掲載終了日 2024/05/31
ハッシュタグ:#みどりいせき #NetGalleyJP
内容紹介
【第47回すばる文学賞受賞作】
【選考委員激賞!】
私の中にある「小説」のイメージや定義を覆してくれた。――金原ひとみさん
この青春小説の主役は、語り手でも登場人物でもなく生成されるバイブスそのもの――川上未映子さん
(選評より)
このままじゃ不登校んなるなぁと思いながら、高2の僕は小学生の時にバッテリーを組んでた一個下の春と再会した。
そしたら一瞬にして、僕は怪しい闇バイトに巻き込まれ始めた……。
でも、見たり聞いたりした世界が全てじゃなくって、その裏には、というか普通の人が合わせるピントの外側にはまったく知らない世界がぼやけて広がってた――。
圧倒的中毒性! 超ド級のデビュー作!
ティーンたちの連帯と、不条理な世の中への抵抗を描く第47回すばる文学賞受賞作。
【著者略歴】
大田ステファニー歓人 (おおた・すてふぁにー・かんと)
1995年東京都生まれ。2023年、「みどりいせき」で第47回すばる文学賞受賞。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784087718614 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
ページ数 | 216 |
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NetGalley会員レビュー
なにこれ、めちゃくちゃおもしろい!!!
自分の肌で感じてるみたいに、桃瀬の感覚がそのまま流れ込んでくる。
そこは普通だったら踏み入れない世界で、でも内側から見てみれば、ある意味無垢でキラキラした開けた場所のようでもあり、袋小路のようでもあり…。
眩しさが痛かった。
こんな刹那的な青春を羨ましいなんて思うわけにいかない。
いかないけど、あれ?桃瀬たちのことを思い出してたら、あそこに戻りたい、もっかい読みたい、ってなってる…。
まさに中毒性…!ヤバ…
独特すぎる文体になかなか理解が追いつかなかったのですが、なぜかやめようとは思わずに読み続けました。リズムができてくるとどういうわけか文字が脳内にしみこんできて、登場人物たちが生き生きとし始めました。確かに今までの小説にはない小説のような気がします。
不登校の一歩手前だった高2の桃瀬。幼馴染みとの再会で、無意識的に闇バイトに巻き込まれ、どんどん溺れていく。逃げ場のないフラストレーションを抱えた若者たちが吐き出す声を、ラップのようにリズミカルに纏めた新感覚の青春小説。
スラングの応酬と独特で自由すぎる文体に相当苦労した。ハッキリ言って読み手を選ぶ作品。自分の感覚でしかものをはかれない凝り固まった人には理解が難しい、と身に沁みて感じた。
理解するには深く考えずに物語に沈み込む事が重要。その無意識的な行為が物語の軸である「主人公が闇バイトに染まっていく感覚」とリンクしているように感じ、頭で考えて読んでいた筈なのに段々とハイになり、ノリで全てを受け入れてしまっていた自分に驚いた。
お気に入りキャラは、ポジティブなKYのクラスメイト君。歪みまくった世界で唯一ブレない輝きを放っていて、強く印象に残った。
初めて著者の作品を読みましたが、あまり句読点なく語られる文体が、モモセの無口だけど、内面は饒舌(孤独だった序盤では散漫な印象も)な感じを表しているのかなと思いました。詳しく言うとネタバレしてしまうため、あまり言えませんが、前半のモモセが鬱々としているところは、読んでいる私も停滞している感じだったのですが、後半、物語が展開していくところでは読んでいる方の体感スピードも速く感じました。文字の配置も新鮮で面白かったです。