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トクベツキューカ、はじめました!
清水晴木・作/いつか・絵
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刊行日 2024/05/15 | 掲載終了日 2024/05/13
ハッシュタグ:#トクベツキューカはじめました #NetGalleyJP
内容紹介
もし1年に1日だけ、好きな日に好きな理由で学校を休んでいい「トクベツキューカ」があったら―?
悩みを抱える主人公の小学生たちが、季節ごとに友情を紡ぐ、5つの感動物語。
もし1年に1日だけ、好きな日に好きな理由で学校を休んでいい「トクベツキューカ」があったら―?
悩みを抱える主人公の小学生たちが、季節ごとに友情を紡ぐ、5つの感動物語。
おすすめコメント
平日に学校に行かなくても欠席にならない日「ラーケーション」。
今、ラーニング(学び)とバケーション(休暇)を組み合わせた新しい学び方・遊び方が、注目を集めています。
本作の「トクベツキューカ」は、「いつでも、理由を言わなくても自由に休暇を取れる」という、さらに自由度を高め子どもたちの自主性を重んじた、創作ならではの休暇です。
ただし、使えるのは1年に1日だけ。
特別なこの日を、どうやって過ごそうかーー
主人公たちがそれぞれ迷いながら成長していく姿が描かれています。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784265840496 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
ページ数 | 160 |
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NetGalley会員レビュー
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題名を見て首をかしげた。そして、プロローグでの新入生への説明を読んでワクワクしてきた。子ども達はどんな理由で休み、どんな経験をするのだろう。だってそれはきっと、一生心に残るものになるのだろうから。
そして、この千葉県にある小学校での1年間が始まる。
『きみを見つけた冬』
雪が嫌いな凛は、コタツなどの準備万端でトクベツキューカをとる。
でもつまらなくなり、真っ白な別世界となった外へと散歩に出る。そこでの様々な体験。不思議で、楽しくて、告白して。
そして最後の体験は有希と。別世界だからこその結び付きは、ずっとずっと続くはず。だから凛はこれからは雪が大好きになる、きっと。
『わたしたちだけの合図と春』
2つのグループからトクベツキューカを誘われたさくら。でも彼女は優柔不断。柊は、そんなさくらがびっくりして悲鳴をあげるようなことを平然としていた。でもそれが、自分が自分らしくあることへ、さくらが進み出す第1歩になるとは。
そしてさくらはわかったはず。気持ちが通じた相手とは、言葉など必要ない繋がりができることを。
『さよならも言えない夏』
父と母がよく喧嘩する悠真は、和人との自転車旅行にトクベツキューカを使う。ふたりが交わす弾む言葉は対照的でも、ぴったりハマるふたり。
夕方、東京との境である江戸川に到達したふたり。そこで悠真は知る。表面を見て中身までわかったつもりになっていたことに。でも大丈夫。人前で泣くのは初めてのふたりだから。中身もわかりあったからできること。だからいつまでも、いつまでも。
『とっておきの秋』
転校してきた体が弱くて学校を休みがちな浩。だからこそ、トクベツキューカを大切に使おうと誓う。
中谷はなぜ自転車にこだわる? 担任の西方のアドバイスの根拠って? 雪が楽しみだって? そんなやりとりや小耳に挟んだ話が、浩を変えていく。
改めて決意した彼がどんな意義を見出し、堂々とトクベツキューカをとるのか見てみたくなった。
『もう一度、きみと出会った冬』
絵を西方先生に見せると言う約束から、月に一回登校する青山。
それが1年続こうとした冬。彼女は大切なことに気づいた。〈普通〉とは?〈特別〉とは?そして、〈トクベツキューカ〉とは?
その時に会った少女が歌っていたのが、「ゆーきやこんこ」。その〈意味〉が彼女の背中を押した様子を読みながら、思わず泣いていた。
凛と有希、さくらと柊、悠真と和人、浩を取り巻く人たち。
トクベツキューカは何に使ってもいい。でも、これができたのは〈ある願い〉がきっとあったから。いつもいつもその願いが叶うわけじゃない。でも、この1年間で、このクラスだけでこれだけの〈願い〉が叶った。
そして、この1年間が、エピローグからプロローグヘと大きな大きな円環が、閉じる。たくさんの温かな心をつつみながら。
〈トクベツキューカ〉は校則であっても、子ども思いの素晴らしい校則。心を結びつけ、前を向かせていく、習千葉小学校だけの優しい優しい校則。
そして皆の姿が目に浮かぶたび、必ずいつか先生の挿絵が現れていた。頭に描いたものより、もっともっとふたりらしく、生き生きと。
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トクベツキューカ、なんて素敵な響きなんでしょう。1年に一度好きな日に休める。わくわくしますね。ものすごく自由で心が開放される気分です。それぞれの小学生たちのトクベツキューカ、のびのびしてて良かったです。普通の日でも誰かには特別な日。そんな日に出会いがあって、別れもあって。出会いから新しい日々が迎えられそうなあの子に素敵な毎日が待ってますように。
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昨年愛知県で導入され話題となった、子供たちが平日休みをとることができるラーケーション。
そのラーケーションとは別に、この物語の習千葉小学校では特別な校則として「一年の中で一日だけ、好きな日に学校を休んでもいいという特別休暇の日、通称トクベツキューカ」がある。
その一日は何をするのも自由な一日。小学生たちはいったいどんな日にトクベツキューカを使うのでしょう。
トクベツキューカを使う小学生たちには、それぞれの思いがあり季節ごとに友情が紡がれる連作短編。
こんな日は家にいたいから、友達と冒険するためになどトクベツキューカを使う理由は様々だ。
小学生の人間関係や行動範囲は大人よりもずっと狭い。だからこそ窮屈な思いもする時もあるが、いつもと違う景色の中で友達と過ごすトクベツキューカは、どんな冒険小説よりも心踊り、忘れられない一日となるだろう。
イラストも小学生たちのキラキラした表情が描かれとても印象的だ。
清水先生の初めての児童書籍。
今までの作品と同じように優しいメッセージが込められているので、大人にもぜひおすすめしたい。
担任の西方先生の優しい言葉や、生徒との距離感がとても心地よくてこんな先生に出会いたかったなと羨ましくなる。もしかしたら清水先生こそが西方先生なのかもと姿を重ねていた。
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とても良かったです。
優しくて、友情がキラキラしていて、
暖かなメッセージが感じられる作品でした。
舞台は習千葉小学校。
その小学校の5、6年生のお話。
習千葉小学校には、習千葉小学校だけの特別な校則があります。
それが「トクベツキューカ」。
一年に一日だけ、好きな日に好きな理由で休んで良い。
それが、トクベツキューカ。
子供達はそれぞれ、トクベツキューカをどんな風に使おうか、と、ワクワクしながら考えています。
この作品にも千葉トリビアが詰まっていました。
こんなに身近なアレが、千葉が発祥だったなんて、
全然知りませんでした。
児童書でも、清水先生の千葉愛は健在です。
清水先生の優しい視点と児童書とは、
すごく親和性が高い、と、
この作品で気が付きました。
こんな作品を読める子供たちは幸せだと思います。
今小学生に戻れるなら、
トクベツキューカ、私なら何に使おう。
親が有給取れたら一緒に旅行、とかが現実的な気がするけれど、
この作品を読んだからには、
もう少し"特別"な何かに使いたいと思いました。
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トクベツキューカ、1年に1日だけ好きな日に好きな理由でお休みができる日。そんな日があったら、あなたはいつお休みしますか。学校行くのちょっとめんどくさいなーって使うのもよし、大切に大切にとっておくのもよし、お友達や家族と一緒にお休みを合わせるのもよし。『トクベツキューカ』は休むこと、それ自体の大切さというよりも、どう使うのかを考えさせてくれる。誰1人同じ理由のない、自分だけのトクベツキューカなのだから。『自分だったらどうするか』を考えるキッカケになる。素敵ですね、トクベツキューカのおかげでお友達との仲が深まったり、強くなれたりする。小学生へのワークショップなどで、トクベツキューカどう使う?といろいろお話してみたいです。
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期待以上の素敵な作品でした!
どれもよかったけど、夏が1番感動しました。
子どもの頃って、そこだけが全世界のような気がしていて、繊細だったことを思い出させてくれました。
涙がホロリと出てきて、じんわり心を満たしてくれるような、毎日の活力になる気がします‼️
小学生から大人まで、みんなに読んでほしい、
とっても素晴らしい作品でした。
ありがとうございました。
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一年の中で一日だけ、好きな日に学校を休んでもいいという特別休暇の日…
どんな過ごし方をしようか考えるだけでもワクワクしますね。
特別という名の通り、やはり特別な日を過ごした、過ごすのを楽しみにする小学生たち。
17歳のビオトープには人生先生、こちらには西方先生。清水さんの本には子どもたちに寄り添う先生が居てくれますね。そういう出会いがあったのか、そういう存在でありたいと思っているのか…
今回も千葉あるある満載wそちらも楽しめました。
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タイトルといつかさんが気になり読みました。
なんて素敵な校則でしょう。ワクワクします。理由を言わなくてもいい自分だけの自分のための休み。特別感が半端ない。いつ使おうか考えるだけで頑張れる気がします。
西方先生の児童に寄り添う接し方も押し付けがましくなく良かったです。「普通はなくて、みんなが特別」という考えもいいですね。
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ラーケーションとはまた違った『トクベツキューカ』の物語。
連作短編形式で、各章ごとに『小学生のうちに是非とも味得してほしい気持ち』があるので、小説として楽しめるのはもちろんのこと『心の教科書』としても読めます。現代の小学生にとてもオススメしたいです。
トクベツキューカで友達が増えたり、絆を再確認したり、自分を見つめ直せたり……。
最後まで読み終えたとき、まずは物語の構成に舌を巻きました。私はこういう系の作品が本当に大好きで、胸に抱きたくなるほどでした。
そしていつかさんによるイラストも柔らかく温かで、文体から立ち昇ってくる優しさが倍加していました。目次を眺めては微笑ましい気持ちになります。
この作品に触れることでその子なりの特別と出逢えてくれるのを、私は祈りたいです。
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一年に一日だけ、理由も言わずに学校を休んで良い「トクベツキューカ」という校則がある小学校。それぞれ悩みを抱えながらも、純粋な繋がりが心の氷を溶かしていく、四季を感じるやさしい連作短編集。
一日だけ、という所に『さよならの向う側』が重なった。条件をつける事で時間の有効活用の重要性を学ぶ事が出来て、児童書としてとても良い。私はお小遣い制ではなく都度制だったので、自分で管理する方が計画性が身に付くだろうと今となっては感じていて、本作はそれの時間(休暇)管理バージョン。
休暇利用の理由はネガティブな話に偏るだろうと予測して読み始めたが、蓋を開けたら実に彩り豊かな5つの物語に感動と驚きをもらった。
雪で寒い、友達と遠出、と言った一見すると楽観的な理由から、休みがちな子の心の安定剤代わりになったりと、たかが一日の休暇が子供たちにもたらす様々な効果が多面的に描かれている。
休むのも行くのも勇気がいる時がある。どちらの勇気を使わせるべきなのか。どちらを選んでも無理をさせると悪い結果になる。計画性も必要だけど、いざとなったら休めばいいという開き直り、いつでも休めるという保険に、心が救われる事もある。子供たちがしっかり考えた上で正しいと選択した行動なら、それが少し周りと違っていても、大人も信じる勇気が必要だと訓えられた。
目に見えないだけで、みんな何かを抱えている。人の心の深くを推し量る、そんな想像力を与えてくれる作品。やわらかいイラストが温もりと活気を加え、そっと物語に寄り添う姿に、大人としてのあり方を示しているようで感慨深かった。
「ゆーきやこんこ」がそこに繋がるのか!鏤められたユーモアも最高。
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なんて夢のある話なんでしょう。
読んでいて楽しい気持ちになれましたよ。
物語の舞台は、年に一度だけ
親にも先生にも理由を言わずに休める
トクベツキューカ制度がある小学校。
さまざまな子どもたちが、
大人が思いもよらない自由な発想で、
お楽しみの一日について思いを巡らせ
自分らしく活かしていきます。
はしゃぐ子もいれば、
そうでもない子もいたりして
多彩な個性がまぶしかったですね。
楽しいだけじゃなく
切なかったり、考えさせられたり
ホホウと感じるエピソードも。
特に序盤の布石が
ラストへ綺麗に繋がっていく
展開には胸が熱くなりました。
最終章は先生の心に沁みる
セリフにも注目してほしいです。
心のセーフティーネットにも
なりそうな夢のある制度。
そこに込められた著者の祈りが
大人も含めたくさんの人々に
届くといいですね。
(対象年齢は10歳以上かな?)
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素敵なお話。
季節と一緒にぐるっとめぐる。
こんな休暇、あったらいいな。
いつでも、どんな理由でも、先生にも親にも言わずに休んでいい。
そういうお休みがあると知っているだけで、気持ちが少し楽になる。
このお話の少年少女たちはそれぞれの理由でこのお休みを使うけど、どの使い方もいいなと思う。
小学生だからこその悩みももちろんあるけれど、一生懸命考えて、次の道へと進んでいるように思う。
そしてそういう使い方こそ、このお休みの存在理由なのかもしれない。
このお休み、何に使おう。そんなワクワクするようなお休み。
このお休みがあれば頑張れる!セイフティネットになるお休み。
そんなお休み、子どもはもちろん、大人にも必要だと思った。
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小学生のうちから休むことの大切さを教えてくれる「トクベツキューカ」のシステムに好印象が持てました。トクベツキューカは学校では得られないことを学ぶ機会として作中では描かれており、「病気でないのに学校を休む=ズル休み」という自分の中にあった考え方が変わりました。メイン読者の子どもたちだけでなく、先生や親の世代にも一度読んでみてほしい内容だと思いました。また千葉のローカルなネタが多く出てくるので、ご当地ものの小説が好きな人にも楽しめそうです。
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このトクベツキューカをどう使うか?はそれぞれの自由です。家族で旅行に行くのも、友達を誘ってイベントにいくのも、家でゴロゴロするのも自由。だから、みんなその使い道をいろいろと迷うんです。
家庭に問題があったり、悩みがあったりする子どもにとって、この物語に登場した西方先生のように、話をちゃんと聞いてくれる人がいるって大事なことだなと思いました。この小学校は、ホントにいい学校だなぁ!
最初と最後の物語がリンクしていて、「ああ、そうだったんだ」というラストがステキでした。
そして「トクベツキューカを明日取ろう!」と決めた2人が登場する「さよならも言えない夏」が心に残りました。
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一年に一日だけ、好きな日に好きな理由で学校を休んでもいい日があったら、子どもたちは、その日をどう使うのだろう。
「トクベツキューカ」をめぐる、五人の児童によるオムニバス形式の物語。
冬から始まり、春、夏、秋、それから、また冬に戻ってきて、ぐるっと一周するアイディアがよかった。
どこか遠くに行ってもいいし、こたつでアイスクリームを食べてもいい。
特別な日を、いつ使おうか、どんなふうに使おうか、と考えるだけでも楽しい。
いつでも休んでいい、という日があるだけで、緊張から解放されるような、セーフティーネットがあるような気持ちになれる。
一年にたった一日なのに、その一日をどう使おうか、と考える子どもたちが、とてもかわいらしく感じられた。
読後は、ほっこりした気持ちになった。
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著者の作品は全て拝読しています。
今回は初の児童書ということで、とても楽しみにしていました。
少年少女の機微の揺れに共感したり、応援したくなる素敵な物語です。
ネタバレを防ぐ為ここでは載せられませんが、とある一文がとても胸に刺さりました。
自分を見つめ直すきっかけにもなり、大人も楽しめる児童書です。
一年に一日だけ、自由に取れる「トクベツキューカ」を通して青春や人生の色に彩りが増える。
教科書に載るにふさわしいオススメの作品です!
たくさんの子供たちや、大人たちにも読んでほしいです。
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「年に1度、理由は不要でお休みを取得できる「トクベツキューカ」。この言葉の意味を知った時、なんて素晴らしい取り組みだろうと思いました。
大人なら自分の都合で年休を取ることができますが、今の日本では子供は何故か毎日学校に行かなければなりません。それって、子供の立場から見たらなんだかなあと思うこともありそうです。
好きなときにお休みを取ることができる。
その理由は体調でも気分でも、お天気でも、家族の予定でも何でも構いません。それは子供たちが自分のことを自分で決める・自分を大切にする第一歩になるのではないでしょうか。
たくさんの学校にこの取り組みが知られて広がっていくといいなと思いました。
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トクベツキューカ。それは1年で1度だけ、好きな日に、好きな理由で学校を休むことができるという制度。
休む理由は誰にも言わなくて良い。
この制度をどう使うのが一番有意義なのか。かなりキャラクターの性格が出るところだと思います。
自分だったらどう使うかなと小学生の気持ちに戻って考えながらほんわかした気持ちで読みました!
そして作者の清水先生の作品はそれぞれのキャラクターが最後に少しずつ交わっていくのが特徴的でもあります✨
子供も大人も楽しめる1冊♪
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タイトルを見て何だろう…?と興味を惹かれ、あらすじを読んでわくわくしました。本人たちは真剣に悩んでいるのに申し訳ないですが、登場する小学生たちの等身大な悩みごとが可愛くて可愛くて。自分の小学生時代にこんな素敵な制度があったらと想像するのも楽しいです。
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1年に1回、どんな理由で休んでも良い「トクベツキューカ」という制度がある小学校が舞台。
使い方は人それぞれ、家族旅行やイベントへの参加、友だちと遊ぶため、なんとなく行きたくない日、などなど。
理由を親や先生に伝える必要はなく、いつ休みを取るのかも児童本人の判断に委ねられるこの休暇制度、本当にあったらいいのになぁと思う。
子どもって毎日忙しい。
そんな気も休まらない日々の中で、このトクベツキューカが切り札として手にあるだけで、気持ちが楽になったり、もうひと踏ん張りできる力になると思う。
自分だったら、どんな風に使っただろうかと考えると、わくわくしてくる。
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トクベツキューカ。自分だったらいつ休むだろう!と、それだけでワクワクしました。みんなが学校に行っている時に休む。それもズル休みじゃなくて認められた休み。その休みをいつとるか、何をするか、登場人物みんな、それぞれの考え方で休みを取得し、ただ休むんじゃなくてその休みの中で成長しているのがすごく良かったです。有休消化が苦手な社会人にもおすすめしたいです。
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すてき、すてき。習千葉小学校の独自の校則、トクベツキューカは、一年に一度だけ誰の許可も理由も必要なく、子どもたちが休んでいい日。そのトクベツキューカを巡る一年を描いた5話の連作短編集。主人公たちは小学5年生。自分なりのトクベツキューカへの思いがあって、それぞれのその一日の心の動きがビビッドに描かれる。出会いあり別れあり、自分と向き合い、悩みを考え抜く。そこに見える新しい地平が自分を待っていてくれるという発見と喜び。それは自分で掴んだもの。子どもたちの新たな一歩が眩しかった。
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とある小学校で認められている特別休暇。
その設定だけでもうならされるのですが、この物語では、さらにそのうえをいっていて、なんとその特別休暇をモチーフにした短編を重ねていくのですからびっくりでした。
子どもたちによりそった物語の展開も素敵ですし、描写のたくみさもみごととしかいえませんでした。ラストなんてなんともしゃれているじゃないですか。
ほんと、全国の学校でトクベツキューカ、導入してほしいですよね!
読ませていただきありがとうございました。
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著者の児童書は初めてですが、優しい世界観がとても好きでした。
五つの短編それぞれに違った味わいがあって面白かったです。
大人にも優しく響くストーリー。
キューカをどんな風に過ごすのか。
トクベツな1日をどんな風に捉えるのか。
読んでいて小学生の頃の友だち関係や不安、ちょっと背伸びしたい気持ち、小さな冒険など、自身のことを懐かしく思い出しました。
また、読み終えてふと思いました。
“好きな理由で”って、どんな場合でも、大人にとっても、楽しみにも救いにもなるんじゃないかなって。
いいなぁと感じるフレーズがあちこちにあって、我が子が小さい頃に出会っていたらきっと親子で読んでいたと思います。
「トクベツキューカ」というワクワクする言葉の響きもいいし、優しい雰囲気のイラストも内容にあっていて素敵。
本って、本当にいろいろな読み方があるなぁと感じた読書でした。
読みやすく連作短編ならではの楽しみも味わえる児童書。
これから著者の児童書も楽しみになりました。
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ある小学校に、校則で定められている、一年に一日だけ好きな日に休んでいい日、それがトクベツキューカ。しかも先生にも親にも誰にも理由を言わなくていい。この、理由を言わなくてよいというのがなんとも良い。こどもにとって、「◯◯したい」という時に、理由なくそうできるというのは滅多にない。そんな休暇が保障されているからこそ得られた、それぞれの「特別」を描いた五つの小さな物語。
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最後まで読みきると冒頭シーンに戻ってその言葉がよりやわらかい部分に沁みます。それは冬から始まった物語が一周まわって冬で終わる時間の流れも素敵な仕掛けになっていて、健やかで清々しくてだからこそ等身大な悩みを抱える少年少女の惑いながらも、前を、先を見つめる姿が眩しく、何度もハッとさせられました。
P126で“自分のことをちゃんと信じていたら、できることってたくさんあるはず”と話す西方先生の言葉に気持ちを救われるのは小さな読者だけではないはず。
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とてもやさしくてあたたかい世界でした。「特別な校則、通称トクベツキューカ」とてもすてきですね。一年の中で一日だからこそ、変わりゆく季節の中で、それぞれの子ども思い思いの「トクベツキューカ」があって、心にぐっとくるものがありました。誰かと同じ、誰かの基準ではなく、自分はどう感じ、自分はどう思うからこの一日をこのために使う。どうしても学校という大きな組織の中でいると、周りに合わせることに意識がいくこともある。それも必要かもしれないけれど、でも本当は「あなたは、自分はどうしたい。」が軸にあって欲しいです。だからこそ、「トクベツキューカ」なんてとてもすてきな校則だなと思いました。この一日が誰かの、少しでもほっとできることであったらとてもいいですよね。登場人物ひとりひとりの悩みは、もしかしたら経験したことがあることかもしれない。切ないこともあるけれど、大丈夫だよとそっと身体をさすってくれるような、あたたかく包んでくれるようなお話でした。本の世界と同じ小学生くらいのお子さんに、実際に「トクベツキューカ」はなくとも、気持ちがほっとできるきっかけになってくれたらいいなと思います。
そして、千葉県に来て名簿が誕生日順に驚いた一人です。
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一年に一度だけ、自分の好きな時に学校を休むことができる。
先生も親も、理由を聞いてはいけない。それが「トクベツキューカ」。ああ、なんて素敵な制度なんでしょう!
実際に運用したら、難しいことがたくさん出てきそうです。
新学年が始まってそうそうにトクベツキューカを使ってしまって、後悔する子とか。
仲良しの子から、「いっしょに休もうね」と誘われて断れなかった子とか。
なんて想像をまずしてしまうのは、ぼくが意地悪だからかも。
物語に登場する子どもたちは、上手にトクベツキューカを使ったり、使わなかったりします。
この「使わなかったり」という選択肢もありなんですよ。
今日は学校に行けるけど、明日は行きたくなくなるかもしれない。
どうしても学校に行きたくない日があるかもしれない。
でも「トクベツキューカ」があれば、そういう時に休むことができる。
休みを使わなくても、休めるという安心感をもっていられる。
それはある種の逃げ場、逃げ場という言葉がネガティブなら、避難場所です。
これはとても大きな心の支えになるでしょう。
前述した「後悔する子どもたち」がいたとしても、それはその子にとっての貴重な体験であり、学びになるでしょう。
「トクベツキューカ」、実現できないかなあ?
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「トクベツキューカ」ってなんだろう?夏休みでもない、冬休みでもない。両親や保護者の許可も必要のない、一年で一回だけ、特別に休んでもいい日。
ある子は誰となんの目的で使ったらよいのか悩み、ある子は特別な思い出作りになる1日となった。必ずしも使わなくっていい。トクベツキューカがお守りのようになってくれることもある。清水先生は日常のなかの何てことないハッとする驚きを描くのが上手い。一年を通して起きる小さなミラクルに心があたたまる。毎日がんばっている子どもたちにわくわくして読んでもらいたい。
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誰でも一年に一度だけ、理由を言わずに休める日、トクベツキューカ。子どもたちはそれぞれどう使うか考えます…。最初はへぇ〜と思いながら読んでいたのですが、読み進めていくうちにトクベツキューカにぐんぐん惹かれていきました。今、疲れ気味の子どもたちにこんなキューカがあったら、ほっとできるんだろうなぁと思います。