闇に願いを

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刊行日 2024/03/22 | 掲載終了日 2024/03/22

ハッシュタグ:#闇に願いを #NetGalleyJP


内容紹介

刑務所の庭の巨大なマンゴーの木の下で、街の光を眺めている少年の名前はポン。彼は法律により、13歳になるその日まで、刑務所を出ることができません。何の罪をおかしたのでしょう? いいえ、ただ「刑務所で生まれた」というだけで。

ポンは、あの光の下には自由が待っていると信じていました。ところが、ある日知ってしまったのです。13歳になってここを出たあとも、自分はけっして本当の自由を手にすることはないのだと。

一方、刑務所長の”完ぺきな娘”ノックは、父の名誉を守るため、脱獄犯となったポンを追いかけます。ノックにとって、法を守ることは絶対であり、ポンは再びつかまって罰をうけ、一生を刑務所ですごすべきなのです。しかし外の世界は、ポンに、そしてノックに、思いもよらなかった真実をつきつけるのでしたーー。

ニューベリー賞候補作となった感動のファンタジー!

刑務所の庭の巨大なマンゴーの木の下で、街の光を眺めている少年の名前はポン。彼は法律により、13歳になるその日まで、刑務所を出ることができません。何の罪をおかしたのでしょう? いいえ、ただ「刑務所で生まれた」というだけで。

ポンは、あの光の下には自由が待っていると信じていました。ところが、ある日知ってしまったのです。13歳になってここを出たあとも、自分はけっして本当の自由を手にすることはないのだと。

一...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784863897533
本体価格 ¥1,800 (JPY)
ページ数 420

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NetGalley会員レビュー

刑務所で生まれ育った主人公というのは、なかなかないと思いました。
物語の流れを掴むのが、私には難しく感じました。
光の玉がなんなのかも、しばらく分かりませんでした。
私達には当たり前になっている身近なものがない世界の話に、衝撃を受けました。
もう一度読み返さないといけないかもしれません。 
少年達の成長物語でもあり、人権を取り戻す旅でもありました。
起伏は穏やかで、静かな物語です。

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古代タイを思わせる世界。一度は火事によって灰燼に帰したものの、総督がもたらす魔法の光で更なる復活を遂げ、火は厳禁となった街チャッタナー。清濁併せ持つ雑多な街。そこには様々な立場や考え方の人々が暮らす。

〈闇に生まれた者は、かならず闇に帰る〉の言葉に囚われたポン。〈法は光なり〉を信じ〈完璧な少女〉としてポンを追うノック。2人の関わり合いと総督の存在が、こんな予想もつかない方向へと向かうとは。先が読めない展開が、読み手を惹きつけながら更に加速していく。大きなうねりの群像劇となり、それが法が在る意義についての物語となっていく。

ポン達の心の成長の物語であり、人が心に持つもの、皆で生きていくために必要なことについての、骨太の東洋ファンタジーに酔いしれた。

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祈りや、魔法が現実のものとして存在する世界として描かれている。
それでいて今の現代の国のどこか起きていてもおかしくない物語。

総督の独裁ぶりは誰かを思い出させる。
社会構造として固まっている既成概念(光の玉があって当たり前)と、そこの枠からはみ出した社会を築くチャム師の村。
総督は光の玉を与え、闇に対しての恐れを植え付け、法律を自在に解釈し押し付けながら便利な社会を提供することで、
人々を縛り付けている。が、しかし、人々の心を縛ることはできない、ということが鮮烈に描き出されている。

人の心は自由だ。刑務所で生まれ育ったからといって、そこから逃げ出したら凶悪な脱獄囚になるのか、すでにその扱いが
まかり通る社会であること自体本来はおかしい。

主人公ポンの心が、育っていく様子は読みごたえがある。
一見恵まれた家庭環境に育ったノックが直面する自分の生い立ち。
その価値観を牛耳ろうとする総督。
主人公たちが、自分の心の良心に従って行動するさまを読むのは、爽快だ。
そしてどこか既成概念に捉われている「大人の自分」への自戒も込めて読んだ。

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母が罪人で刑務所で育った。彼らは罪人であり、13の年まで出所できない。〈闇に生まれた者は、かならず闇に帰る〉という総督の方針があるからだ。罪人の子は罪人という思想である。そんな彼が刑務所を偶然脱走し寺に匿われ修行し・・・、ここで不思議な能力を持つ師匠であるチャム師と出会う。このチャム師が死んでからは、何か二流のファンタジーみたいな展開になってしまいました。教訓は善意からにしても力を持つということは人を変え、社会を窮屈にし、あまり良くないことになるということでした。後半少しまんねりになりますが面白かったです。

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タイを思わせる架空の国では、囚人が刑務所で子供を産むと、その子供も13歳まで刑務所で暮らすことになる。
13歳で出所しても、前科者の烙印を左手首に押されているため、まともな仕事には就けない。
富めるものはより富、貧するものはより貧する。
9歳でナムウォン刑務所を脱獄したポンは、田舎村にあるシン寺院のチャム師にかくまわれ4年を過ごす。
チャム師が亡くなるおり、偶然町に居合わせた元ナムウォン刑務所長の娘ノックと出会う。

レ・ミゼラブルの東洋児童ファンタジー版という感じ。
全部で49章ある。
序盤,、長いなあ、と思いながら読んでいたが、一章一章が短いので、この章を読んだら今日の分は終わりにしようと読み進めるうちに、途中からリズムが出てきて、読み進めることができた。
ノックの素性、総督の素性のフラグ回収が見事だった。

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お話の舞台は架空の町だ。
差別にもがき苦しむ人たち、権力に目がくらみ策略する人達、そして魔法・・。
架空の町のお話が、読んでいくうちにまるで自分たちの国のことのように思えてくるのが不思議だ。
刑務所をのがれた主人公が逃亡しながら経験する様々な出来事。
はらはらして、「危ない、逃げて!」と何度も、心の中でつぶやいていた。
そして、自由について、改めて考えさせられた。

子供たちに、是非読んでもらいたい一冊だった。

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