サロメの断頭台
夕木春央
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刊行日 2024/03/12 | 掲載終了日 2024/03/12
ハッシュタグ:#サロメの断頭台 #NetGalleyJP
内容紹介
//『方舟』『十戒』で話題の夕木春央、最新作!//
未発表の絵の謎を追って、井口と蓮野が大正時代を駆け回る!
<あらすじ>
天才芸術家の死、秘密を抱えた舞台女優、盗作事件に贋作事件、そして見立て殺人。
全ての謎が解けるとき、『サロメの断頭台』が読者(あなた)を待つ。
油絵画家の井口は、元泥棒の蓮野を通訳として連れて、祖父と縁のあったオランダの富豪、ロデウィック氏の元を訪ねた。
美術品の収集家でもあるロデウィック氏は翌日、井口のアトリエで彼の絵を見て、「そっくりな作品をアメリカで見た」と気が付いた。
未発表の絵を、誰がどうやって剽窃したのか?
盗作犯を探すうちに、井口の周りで戯曲『サロメ』に擬えたと思われる連続殺人が発生して――
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著者/夕木春央(ゆうき・はるお)
2019年、「絞首商会の後継人」で第60回メフィスト賞を受賞。同年、改題した『絞首商會』でデビュー。近著に『サーカスから来た執達吏』『時計泥棒と悪人たち』『十戒』がある。『方舟』で「週刊文春ミステリーベスト10 国内部門」「MRC大賞2022」第1位。
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★★★
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★★
出版情報
ISBN | 9784065348956 |
本体価格 | ¥2,100 (JPY) |
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盗作犯探しからはじまり、殺人に泥棒にまた殺人と次から次に事件が絡み合って、頭の中が大混乱!ですが魅力的な登場人物達のおかげで、物語はジェットコースターのように進んで行きました。
泥棒の蓮野さんに、ちょっと危ない?奥様の紗江子さん、そして好奇心旺盛の姪っ子、峯子ちゃんなどなど。井口さんの周りの人達が一風変わっていて面白い。
その中でも私は、大月さんが面白くて大好きになってしまいました。そして薄暗い雰囲気の中で大月さんの存在に救われました。
残酷な場面はかなり辛かったですが、さすがは夕木さん。最後はまるっと謎が解かれて、圧巻の面白さでした!
「方舟」や「十戒」とはまた違った、魅力たっぷりの作品でした。
素敵な作品をありがとうございました。
盗作の謎を追っていたら、疑っていた芸術家グループのなかで贋作事件が発覚し、さらには殺人事件まで!
と、畳みかけるように次々と事件が起こり、関連があるのかないのか、どこでどう繋がるのかと謎も深まるばかり。自分の絵を盗作した犯人を見つけたいだけなのに、謎が増える一方で翻弄される井口さん。なんだか可哀そう。しょうもない芸術家の男たちに対して、峯子や光枝、紗江子たち女性陣はみんなしっかり者でたくましい。
タイトルの断頭台を思わせる残酷なシーンもあるが、見立て殺人や謎めいた美女などミステリ要素も満載。『方舟』『十戒』から入った読者も、大正ロマンな夕木ミステリを楽しめるのではないでしょうか。
こちらのシリーズはまだ全然読んでいませんでした。すでに2作刊行されていたのは知っていましたが、いかんせん「十戒」と「方舟」のインパクトが強すぎて、シリーズものは後回しにしていました。
京極夏彦さんのあのシリーズを少し彷彿させるような登場人物や台詞回しや最後の最後に明らかになる真相や事件の動機に、前のめりになりながら読みました。
登場人物も皆、キャラが立っていて会話も生き生きとしてり、まるで現代が舞台のような気がしました。つまり、とても読みやすかったです。
もっとハスノとイグチのコンビや、峯子の活躍を読みたいです!シリーズがどんどん出るのを楽しみにしています!
既刊も買って読もうと思いました!
なぜかリンクが貼れないので、こちらにインスタのアカウントを載せます。
発売日以降にアップします。
@mariezombie
盗作から始まって、贋作、殺人事件と次から次へと事件が起こり、謎がどんどん増えていく。ミステリアスな蓮野がまたいいスパイスになって、夢中になって事件を追いかけてしまった。
真相が明らかになるにつれて猟奇的なシーンが増えてくるけれど、それが夕木先生らしい。
あの最期の描写は衝撃的なほど冷酷なのに、なぜか美しく思えた。
他の方の感想を読んでいたら、シリーズものだったのですね。これは他の作品も読むしかない。
オランダ人の富豪に自分の絵を見せた画家の井口は、以前アメリカで同じような絵を見たと聞く。
絵を買ってもらうためには、自分の絵こそがオリジナルであることを証明せねばならず、井口は盗作犯探しを始めるが…。
盗作と殺人事件。そこに贋作も加わり、どうなるのか、結末を予想しながら読んでいましたが、真相を当てることはできませんでした。
また、美しさや、美しさを理解すること、そこにとらわれることといったテーマも描かれていて、怖かったのは間違いないのですが、それより悲しくて、最後は泣かずにはいられませんでした。
あの、「方舟」「十戒」の夕木さんの新作と聞いて、期待のハードルはだいぶ上がっていたのに、そらを易々と超えていくこちらの作品の面白さ。
舞台が現代ではないので、序盤はとっつきにくかったけどそれでもミステリーとしての面白さは変わらず。
時代は大正。
画家の井口と、元泥棒の蓮野による盗作事件を追うなかで発生していく猟奇的な殺人事件。
複層的に犯人の存在があり、何を追うことで何が明らかになるのか、読者を混沌の渦に巻き込みながら
それでいて筋が通っている快感がありました。
美しさとは何のためにあるのか、芸術とは?ということについても、読みながらずっと考えてしまいます。
登場人物が多いと、最初は戸惑いましたがそれぞれの人物設定がはっきりしているため、混乱することがなく、
読んでいると目の前でいきいきと、みなが動き回ります。
読後、余事象という言葉が浮かびました。すっかり夕木さん、そしてこのコンビの虜です。
他のシリーズも読まないと、心が落ち着きません。
日本文化と欧州志向が混じり合う大正ロマンの中で起きた、画家の江口が描いた絵にかけられた盗作疑惑。それを晴らそうとする江口ともと泥棒の蓮野は、それに関わる人の繋がりを丹念にたどっていく。その様は、闇に閉ざされた狭い迷路を手探りしすり足で進んでいくよう。更に群像劇となりながら物語は進むが、真っ暗な迷路の幅はどんどん広がり、手探りなどできなくなっていく。ここはどこなのか、どこに進んでいるのかわからなくなっていく。白鴎会がはらむ贋作問題の闇の中で。
そして起きる連続殺人事件に、読んでいて目眩を覚えた。盗作疑惑や贋作問題に関係があるように見えるが、本当にそうなのか? なぜ「サロメ」なのか? 江口にも読み手にも答えは見えない。
様々な事件が途切れめなく連なっていく様に唖然とし、江口の、必死に推理をしても結局は事態に振り回されていくだけの様子に哀れみすら感じる。
そして終盤。犯人を探すために「探偵」がとった前代未聞の方法。そして、それを推理した「もう一人の探偵」。50ページを超えるこの2人のやり取りを、文字通り呆気にとられたまま読み続けるしかなかった。更にラストになり、本書のタイトルの意味がわる。でもそれはあってはならないこと。江口はどう行動するのか?
前半から中盤のひたすら積み重なっていく事件と謎の、巨大な迷宮。信じられない視点から、それらが全て解き明かされていく圧巻の終盤。更に、息を飲むラスト。500ページに近い大著ながら一気読みでした。
冴えない画家とイケメン泥棒が謎解きに奔走する、大人気大正ミステリシリーズ第4弾。
突如として盗作疑惑を突き付けられた画家・井口と、何故か井口を慕う掴み所のない元泥棒・蓮野の凸凹タッグ。盗作犯の捜索が大掛かりな贋作ビジネスに繋がり、戯曲『サロメ』に見立てた殺人事件へと発展していく、予測不能の冷酷で切ない長編ミステリ。
500ページ弱の中に細かく丁寧に点と線を忍ばせ、それがラストに向けてじわじわと浮き彫りにされていく、衝撃の連続の作品。思いがけない謎の数々は、はっきり言って推理出来るものではないと感じるレベルだが、すべて違和感(無理)がないのが凄い。盗作、贋作、謎の女優…情報量が多く詰め込み過ぎに感じる部分があったが、何故それが必要だったのかを最後にすべて知る事が出来る。キャラの容姿含めた個性が本作でより活きていて、どちらを先に考えたのか、用意周到さに感服。
自分が書いたのは間違いない未発表の絵を一体誰がどうやって剽窃したのか。盗作犯を探すうちに浮かび上がる秘密を抱えた舞台女優や、芸術家グループの贋作疑惑も絡めながら、井口の周囲で発生する戯曲『サロメ』に擬えたと思われる連続見立て殺人事件。美しさというものをいかに解するのか、男性陣よりたくましいヒロインたちが物語のキーマンとなっていて、ついタイトルの意味を考えてしまうなかなか衝撃的な展開もありましたけど、その結末まで含めてとても著者さんらしい物語になっていました。
絵画の盗作事件から始まって、殺人事件、贋作事件と次々と盛り沢山な内容です。
これは一体どう解決するのか、どうつながっていくのか。
結末が気になってどんどん読めるんですが、終わりに近づくにつれて不穏な空気が色濃くなっていき、ちょっと読むスピードが落ちました。
唾棄するような行動を人物がいる。罪と断罪は作者のよく書くところですが、今回もまたなんとも言えない結末です。
舞台は大正時代。
こちらはシリーズの3冊目でしょうか。他の作品は読んでいなかったのですが、問題なくついていけました!
凡庸だけど飄々としてくえない画家と誰もが驚くほど美男子な“元”泥棒が織り成すミステリー。
自分の未発表の作品が盗作された。自身の絵が売れるかもしれないチャンスをものにするため、犯人捜しをする井口と友人の蓮野。そして時々手助けする自由人・大月。
誰が何のために盗作したのかを調べるなか、贋作問題も出てきて更に謎が増えて深まる。疑っていた白鷗会のメンバーが1人、また1人と舞台から去っていく。一連の事件の真相は、真実はどこにあるのか。謎解き部分はまるで舞台を観劇しているかのような感覚で、救いのないような残酷さに飲み込まれそうでしたが魅力的な登場人物たちのおかげで読み終えることが出来ました。
若さゆえなのか才能に憧れ、非凡なものを欲する峯子の姿はひときわ眩しくうつりました。
知られざる天才画家の死
秘密を抱えた舞台女優
盗作犯に贋作犯、
加えて
オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」に
見立てた殺人事件
真相を追うのは画家と泥棒
やや難解な言葉や漢字に怯むも
もしかして大正時代が舞台だからか⁉︎と
ワクワクしつつ読み進める
可笑しみを感じさせる会話と
後半に向けての緊迫感との緩急、
芸術家の繊細な心理描写に
盛りだくさんな諸々をしっかり回収する
ラストに驚嘆
残酷な光景を目にした彼らの心理状態と
その後の創作活動への影響が気になる
あまり血液ものは好きではないのに『方舟』『十戒』を読んでいたので興味が勝ってしまい、 指の間から覗くように読みました…が半分ほど読んでも謎だけ増えていくばかり。でも後半は題名を裏切らない展開が待っていました。
大正時代が舞台のミステリー。元?泥棒の蓮野が探偵となって事件を解決する三作目とのこと。この作品が初めてでしたが特に問題はありませんでした。
売れない画家の井口は、蓮野を通訳として連れて美術品の収集家であるオランダ人と会う。彼は井口の未発表の作品をアメリカで見たと言う。自分の作品がオリジナルだと証明できたら買い上げてもらえることになり、井口は蓮野と盗作犯探しを始める。探っていくうちに戯曲「サロメ」に見立てた連続殺人が繰り広げられていく。
井口が所属する白鷗会という芸術家仲間たちの人数が多い。10人以上の登場人物たち。皆が容疑者。途中で出てくる彼らの名前の羅列を大切に見返しながら読み進めました。
「女が美しくありたいと願うのは呪いのようなものですー」
蓮野がとても美しい見た目だと何度も書かれており、舞台女優の存在と芸術と合わさって「美醜」というのがこの作品では一貫として書かれているように思いました。
かなりズシンと重みのある作品です。
冒頭の一行で、ギュッと心を掴まれて、あっと言う間に作品の世界観の虜になった。
今まで読んだ事のない展開の読めなさに心を掴まれ、あと1行、あと1ページとのめり込んで読んだ。
ブラックボックスの様な犯行、想像力、言い分。物々しい雰囲気はまさにリアル。事実として過去に実際にあった事件なのでは…と、動悸が止まらない。
狂気と愛情の匙加減のバランスが最高で、『沼る』の初体験をした。
残酷で苦しくて、でも眩い美しさが散りばめられている作品に、新しいスリルとドキドキの誕生に立ち会った。
盗作犯が殺人犯なのか、という犯人が複数いるかもしれないという設定がおもしろいと思いました。また犯人の動機も意外性が高くて良かったです。登場人物に明るい人間が多いのであまり暗くなりませんが、やはりラストのなんとも言えない感じはさすが夕木先生ですね。大好物です。
これまた新しいミステリーだったなぁ~!
動機というか導入が『???』で、そっからどうお話しが進んでいくの?と思って読み進めていきました。
まさかあんなふうになるとはなぁ~!
大正という時代設定も良かったです。
この時代は金田一耕助とか、国内ミステリの懐かしさを感じますね。
ただ『方舟』の衝撃を期待して読んだら、ちょっと肩透かしかもしれません。
ああいった"飛び道具"モノよりも王道のミステリ展開なので、好きな人はこっちの方が好みかもしれないですね。
『井口&蓮野』二人がメインのシリーズっぽい。
3作目らしいので、前2作も読んでみたいですね。
現代劇よりも明治・大正・昭和初期から戦後すぐくらいの時代設定が、私は好きかも。
やっぱり金田一耕助や明智小五郎の呪縛はヤバいな(笑)
最後まで読んでも、
これはミステリーなのか、
それとも狂った愛の物語なのか
私にはわかりませんでした。
読んだ人によって、感じ方がちがう
作品だと思います。
登場人物が多いのですが、
感情移入出来るキャラクターが
いなくて少し残念でした。