チューリップさいた
くすのきしげのり・作 よしむらめぐ・絵
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刊行日 2024/04/05 | 掲載終了日 2024/06/05
ハッシュタグ:#チューリップさいた #NetGalleyJP
内容紹介
きょうはみんなで春のおえかき。しんごくんが一生懸命描いていると…
「なにこれ?」「へんだよ」とお友だちに言われてしまいます。
しんごくんが描いたのは、まっくろな土でした。
絵の上に、涙がぽたぽたと落ちます。
そのとき、
「しんごくんは、いっしょうけんめい チューリップを かいたのよね。」
園長先生が言いました。
しんごくんは、泣きながらうなずきます。
しんごくんが絵に込めた思いとは――。
教科書掲載作品多数の著者が贈る、ちいさな思いに寄りそい、成長をおうえんする物語。
【作者コメント】
一人ひとりみんな違うたいせつな子どもたち。一人ひとりに一つずつ、揺れ動く心があります。「想像する力」や「共感する力」をはたらかせて、行動や表情の奥にある心の動きや考えに気づこうとするだけでも、きっと花が咲くような笑顔が増えるに違いありません。
出版社からの備考・コメント
●作:くすのき しげのり
1961 年徳島県生まれ。児童文学作家。『おこだでませんように』(小学館)で JBBY 賞バリアフリー部門受賞。『ええところ』(Gakken)、『ともだちやもんな、ぼくら』(えほんの杜)など教科書掲載作品をはじめ、200 作品を超える著作は海外でも広く読まれている。
●絵:よしむら めぐ
1973 年大阪府生まれ、三重県育ち。大手前女子大学(現・大手前大学)卒業。元美術教員。第 7 回 MOE 創作絵本グランプリ受賞。主な絵本に『ともだち』、「角野栄子のアコちゃん絵本」シリーズ(いずれも小学館)、『ヨルとよる』(教育画劇)などがある。
おすすめコメント
担当編集Iは、初めてこの作品を読んだとき、悔しさや悲しみから、喜び・期待へと変化するしんごくんの心の様子にどんどん惹き込まれていきました。最後には、実際には描かれていない、飾った絵をながめる子どもたちの笑顔が見えるようで、とてもうれしい気持ちになりました。自分の想いを大切に育むこと。だれかのそんな気持ちに気づくこと。他者を応援すること。この物語には、素敵な想いが詰まっています。
子ども、友だち、先生、お父さんお母さん、はたまたチューリップ……どの視点で読んでも、あたたかな気持ちになれる作品です。ぜひお楽しみください。
販促プラン
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★応募期間終了後、当選された方の NetGalley 登録メールアドレスへ、送付先等の確認メールをお送りいたします(メールアドレスの開示設定を行っている方が対象となります)。
★当選の発表は弊社からのメールをもってかえさせていただきます。メールは 3 月下旬までに、プレゼントは 4 月初旬頃お送りする予定です。
★発送の都合上、国内在住の方が対象となります。
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出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784052059155 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
ページ数 | 32 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
こどもが描いた絵は、純粋に思ったことを映し出します。
本作のしんごくんが描いた絵も、こころの中のチューリップをそのまま映し出したのですが
絵を見たみんなはびっくりしてしまいました。
それは、私たちが同一を好む習性があるからではないでしょうか。
Aを見たら、Aを描くということが決まり。
しかし、それでは本当に描きたいものが描けなくなり、時に孤独に陥ることがなるかもしれません。
一人ひとりが思ったことを出せるような社会。
理想かもしれませんが、しんごくんの周囲のように広がって欲しいです。
進級を前にした子供達の中で起きたちょっとした事件。園長先生がその場に通りかかったおかげで、主人公の描いたものが、友達と同じものだったという流れ。みんなで応援して、仲良く球根の成長を見守る。とても良くできているお話だと思います。が、辛口で言うと、進級というテーマには沿っていると思いますが、もう少しもう少し冒険が欲しかったなと思いました。元教師が書いた作品だとわかる。何か型にはめようとしているようにも読めます。絵本ですから短い中で描ききるのは大変ですが。絵も良いと思いますが、よしむらさんの自由度が少なかったのかなとも感じました。
しんごくんの書いたチューリップが真っ黒や茶色の土の色
土の色がある中でチューリップを書いたとしても、土に映えるチューリップになる
だけれど、この場合は違うかったみたい
誰かが見守ってくれる、それがまだまだ自分が小さい時だったら
自分の想いが、伝わってくれる人がいる
こどもにとって、理解してくれる、見守ってくれている人がいる
それが自分自身の強さをはぐくむのを教えてくれる本
読む側の人にとっても、誰かの背景に思いがあるかもしれないと思って
子どもたちに接してあげたいものですね
見えるものだけが存在するのではないということに思い至ります。
春のお絵かきで、しんごくんが描いたのは真っ黒い土。それを見たお友だちの口からは否定のことばが出ました。
子どもはまだ十全にことばを使えません。しんごくんの心の中にあるたくさんのことばを代弁してくれた園長先生の、すばらしいサポート。
なぜそう描いたのか?と創造と思いやりを向けることで、こういう一歩通行的なことばがとっさに出ることはなくなるでしょう。
しかしながら、しんごくんがこの絵を描いた理由を知った子どもたちの共感力はすばらしかったです。大きな成長が見られました。
こんな優しい世界が広がったらいいなぁ。
自分の感覚を正しいものとして相手に押し付けるのはついやってしまうけれど、物事に対しての気持ちや考え方は人それぞれ。
自分との違いに気づいたら、一旦立ち止まり、相手はなぜそう思うのかを考えられる人でありたい。
しんごくんの気持ちを知ったお友だち、気持ちをわかってもらえたしんごくん、それぞれ心が成長したように、この本を読んで何かしら感じ取ってくれることを期待して、新年度の始めに読み聞かせができるといいなと思いました。
たまたま同時期に読ませていただいた川端裕人さんの本を思い出してしまいました。そちらは、色覚にテーマをあてたものでしたが、こちらは、さらにそれらをも包含したような示唆多い物語で、読み手の視野をぐっとひろげてくれました。
あとがきがこの本のテーマをやさしく示してくれていて、読み聞かせする大人にとってはとっても助かります。
あたたかい絵柄の絵本になっていて、子どもたちはすんなりと受け入れてくれるのではないでしょうか。
読ませていただきありがとうございました。
子どもたちが、はるをみつけて絵を描いています。ところが、しんごくんの描いた絵はおともだちに「その え ちがう」と言われてしまいます。それもそのはず、しんごくんのスケッチブックには、ちゃいろとくろのクレヨンでなぐり書きされているだけだからです。ほかのおともだちにも、せんせいにも、わかってもらえなかったけれど、この絵はしんごくんにとっての「はる」なのです。その理由が解き明かされたとき、わたしは自然となみだが出てきました。完成した絵を見るだけでなく、その絵を描くに至った過程を大事にしたい。わたしにも幼い子どもがいるので、とても心に響くストーリーでした。
子どもが小さい頃、何を見て笑っているのかなと思い、子どもと同じ目線の高さになって見てみたら、見え方が全然違うので驚いた。それ以来、常に子どもと同じ高さで物を見る習慣になった。
見え方や感じ方は人それぞれ。ましてや大人と子どもなら大きく違うと思う。
それぞれの見え方、感じ方、気持ちに気づいて寄り添うことの大切さについて、あらためて考えるきっかけになる1冊だった。
よくある幼稚園での日常風景の一コマですが、その一コマに相変わらず、くすのきしげのりさん作品には思わず「はっ」と気付かされることばかりです。
ついつい大人が思い込みで発してしまう言葉が、まだうまく説明出来ない子どもを無意識に否定して、間違ってしまっていた事に反省させられます。「どうして」と考え、寄り添うことの大切さを気付かされ、心がけようと思いました。
本文だけでなく「あとがき」も読むこと必須です。
「はるをみつけておえかき」という言い方が素敵です。
読み始めてすぐに感じました。
あと、しんごくんの所に来た先生の目線が、
いかにもこっちに寄り添ってやさしい印象でした。
この絵はこう描くべき、とか、子どもはこうあるべき、とか、
子どもに関わらず、先入観を取り払うのは大事なこと。
私も少し反省させられました。
これからの新入学の時期にぴったり。お勧めしたいです。
くすのきさん、大切なことに気づかせてくださり、ありがとうございます。
子供達の心や考え方をわかっているつもりでも、ひとりひとり違うのですよね。
そしてそれは、子供達だけではなく、この世の中の誰でも。
どうしても、大多数の意見を”正しい意見”であると考えてしまいがちな毎日。
大人たちがもっと想像力と思いやりをもって過ごす姿を、子供たちに見せなければと思いました。
優しい気持ちになれる絵本です。
くすのきさんは、子どもの心に寄り添う物語をいつもやさしい目線で描きだしてくれます。どの子にもそれぞれの良さがあるように、それぞれの価値を持ってるということを教えてもらえます。先生たちがこの子の見ているチューリップを否定せず、見事に咲かせることができて本当にほっと微笑みたくなるラストです。