おれの歌を止めるな ジャニーズ問題とエンターテインメントの未来
松尾 潔
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刊行日 2024/01/09 | 掲載終了日 2024/01/16
ハッシュタグ:#おれの歌を止めるな #NetGalleyJP
内容紹介
EXILEをてがけた音楽プロデューサーは、ジャニーズ批判により山下達郎に事務所を「解雇」された。
事件の真相と芸能界の未来とは――
ジャニーズ問題を発信し続ける音楽プロデューサーが誘う、歌のように柔らかな抵抗。
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学び、変わり、声を上げる言葉には、未来への希望と力が溢れている ──斎藤幸平(哲学者)
性加害を告発する時代の鼓動と、自由と権利を求める音楽が響き合う。新たな歌を全身で感じてほしい。 ──望月衣塑子(東京新聞記者)
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EXILE、平井堅、CHEMISTRY、JUJU、東方神起、久保田利伸らの重要楽曲を手がけた現代屈指の音楽プロデューサーは、山下達郎への異議申し立てを通じ、ジャニーズ批判の先鞭をつけた。
ジャニーズ「性加害問題」の解決と、新たなエンターテインメント・ビジネスの生成に向けて、芸能界のど真ん中から熱い言葉を大胆に発信。これからの社会と人間と表現の「革命」は、本書を読まずにはあり得ない。
■目次■
はじめに―ジャニーズ問題とパレスチナ危機を同じ口で語ろう
第1章 おれの歌を止めるな
・おれの歌を止めるな
・スマイルカンパニー契約解除全真相
第2章 時代の音が聴こえる
少年隊・錦織一清が自叙伝『少年タイムカプセル』で語ったことと語らなかったこと/安倍晋三とジャニー喜多川をめぐる「この国のカタチ」/桐野夏生『真珠とダイヤモンド』が描く、バブルから現代に続く「終わりのない物語」/坂本龍一は、政治に従属を強いられる芸術の「居場所」を案じていたのではないか/『渇水』の生田斗真はジャニーズの宝である/ラブトラに、一般社会とりわけパートナー像のあり方の未来図を見る/三浦英之『太陽の子』は、〈叫び声の小さい人々〉の声を拾い集める誠実な作品/『国葬の日』はこの国の「ムード」を冷静に描き出す/ジャニーズ会見「NGリスト」のスクープがNHKから発信された意味は途轍もなく大きい ...etc
第3章 音楽と政治をめぐる発言クロニクル
・山下達郎「OPPRESSION BLUES(弾圧のブルース)」は「炭鉱のカナリア」である
・ジャニーズ問題は日本社会全体が抱える膿
・ジャニーズ問題はメディア全体の問題でもある
・メディア全体の風向きが変わった
・免責に加担するのはやめよ
・人権問題としてのジャニーズ性加
・「社名の継続」は被害者を置き去りにしている
第4章 メロウな抵抗のためのラブソング
音楽と政治は新たに出会い直すべきだ/「不快」なるワードに感じる性加害についての認識の古さ/林真理子文学の黄金比と「後ろめたさ」の秘密/われらが世代のヒーローだった高橋幸宏の死/さらば週刊朝日、最終号まで買ってやるからな/生きるためには政治が必要だが、生き心地を確かめるには文学が役に立つ/ポップミュージックはつねに弱者の側に立つ ...etc
第5章 ジャニーズ「性加害」問題と日本社会の「眠度」
・近田春夫 ✕ 田中康夫 ✕ 松尾潔
正義のない「義理人情」に説得力はない/ジャニーズ事務所は「皇室ですよ」/2004年時点で性加害を認識すべきだった/なぜテレビは何も言えなかったのか?/韓国芸能界から「業界近代化」を学ぶ
おわりに―ぼくは〈おれの歌〉を歌う
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松尾 潔(まつお・きよし)
1968(昭和43)年、福岡市生れ。早稲田大学卒業。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。
SPEED、MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。その後、プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、東方神起、三代目J SOUL BROTHERS、JUJU等を成功に導く。これまで提供した楽曲の累計セールス枚数は3000万枚を超す。日本レコード大賞「大賞」(EXILE「Ti Amo」)など受賞歴多数。
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★★★
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出版情報
ISBN | 9784065344347 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
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テレビ番組「関ジャム」でよく見た音楽プロデューサーの人が書いたエッセイ集。やはり一芸に秀でた人が書くエッセイは面白い。モノの見方の角度がちょっと変わっていたりするからだ。
今回特に注目されているのは、ジャニーズ問題に積極的に問題提起をして、提携の事務所を解雇されたニュースが話題になったからだ。まさにジャストタイミングの出版。
読んでみるとわかるが、特に過激だったり、偏ったことを叫んでいるわけではない。実に常識的で、当たり前の主張だ。ネットニュースになると切り取られた「真実」しか伝えられないので、文脈を考えた「事実」は書かれたものや編集されていない本人の喋りで確認するしかない。
ネットの出現により、従来は言及されなかったさまざまな問題が次々と露呈してくる。その中で切り取られた「真実」と、あるがままの「事実」をきちんと分けて考えることが大切だと改めて感じる。
ジャニーズ問題以外の話題も非常に興味深い。もちろん音楽ベースの話題が多いが、そこから派生してカルチャー全般だったり、社会や世界に言及している章も興味深い。
エッセイは人の頭の中を覗いているようなものだから、そりゃあ楽しいに決まっている!
何かを極めた人の話はとても面白い。
この方のエッセイも、本当にそんなことが起こっているの?と、とても興味深く読むことができた。
ただ、専門的な話は、興味があるところと、軽くサクッと読んでしまうところと2つに分かれた。
今世の中で色々なことが起こっているだけに、もう一度じっくりと読み直してみたい。
松尾さんが、事務所から契約解消をされたというニュースをTwitter(x)で読んだとき、人の口をこうして封じようとしている動きがあるんだと、憤りを感じました。
その松尾さんが書かれた本ということで、どのような論を展開されるのかとわくわくして拝読しました。
ジャニーズ問題に関しては、まったくこの本に書かれている通りで、あの記者会見に関しても、見たときに抱いたもやもやした嫌悪感をきっちりと文章にされていて、そう、これが私が思ったことだと感じました。
ただ、正論は一つではなく、立場も多様であることから、まだ口を開けない人たちがいるのだろうということも、この本からわかりました。
そもそも芸能界にいる人が政治的発言などをすると、「変だ」「そんなことをいう人だと思わなかった」などという意見がでることが散見されますが、私はむしろそっちに違和感を感じます。
本来は意見があるのに、立場があるから言えない。
これもわかります。その立場によって歌が歌えなくなる、仕事に支障がでる。
そんな社会は変えていくべきです。
だからこそこの本のタイトルが沁みます。
皆が見ることで、憧れたり幸せな気分になったりするエンターテインメントの世界。
それが虚像であることを本当は知っている私たちが、そこに住む人たちに意見を言わせないのはおかしいことです。
この本は、ジャニーズ問題だけではなくほかにもいろいろなことに言及していて、それもまた面白い。
文章のうまさにも、言葉の選び方にも惹きこまれました。
ジャニー喜多川の性加害については、1980年代後半にフォーリーブスの北公次及び初代ジャニーズの中谷良がそれぞれの本の中で語っているし、その後の文春での追求の結果最高裁の判断でも文春の勝訴が確定しているのは周知の事実である。にもかかわらず、誰もその後彼を追求したり訴えたりしたことはなかった。ところが、2023年3月にBBCの特別番組でこのおぞましい犯罪に対して何故日本では表沙汰にならないのかを特集したことで突如として脚光を浴びることになる。
著者も実は、BBCが取り上げたことで初めて問題意識を持ち始めることになる。外圧に弱い日本が浮き彫りにされた。一体何故皆見て見ぬふりをしていたのか。それは、その後の各テレビ局の検証番組でも解き明かされている様に、少年に対する性加害は口に出すのもタブー視されていた、圧倒的な力を持つジャニーズ事務所には逆らえずテレビも新聞も自己保身のため一切取り上げなかった等々である。
著者の問題意識の深さと正義感の強さが、事を荒立てたくない会社や結局何も知らなかったことにしたい大物ミュージシャンへの失望となって現れる。その経緯を確認出来る良著である。