雪血風花
滝沢志郎
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刊行日 2024/02/19 | 掲載終了日 2024/04/02
ハッシュタグ:#雪月風花 #NetGalleyJP
内容紹介
生きづらい令和の今だからこそ
「忠臣蔵」47人の男たちの思いに涙する――
赤穂浪士による仇討ち。世に名高い「忠臣蔵」は主君の無念を晴らす忠義の物語として江戸時代から語り継がれてきた。
しかし、その一方で、武士であることに誇りを持ち、同じ志を持つ47人の侍たちの「友情物語」でもある。
吉良上野介を斬った男でありながら「赤穂一の粗忽者」として愛された武林唯七を主人公に、涙無しには読めない「友情物語」としての忠臣蔵を新鋭が綴る。
著者プロフィ―ル
滝沢志郎(たきざわ・しろう)
1977年島根県生まれ。東洋大学文学部史学科を卒業後、テクニカルライターを経て2017年『明治乙女物語』で第24回松本清張賞を受賞し作家デビュー。近著に『明治銀座異変』(文藝春秋)、『エクアドール』(双葉社)がある。
出版社からの備考・コメント
※書影は仮のものです。
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784575247206 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
ページ数 | 384 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
この物語は吉良上野介を斬った男である武林唯七を主人公とし忠臣蔵の物語が展開される。
唯七は大陸から渡り「亜聖の末裔」の渡辺平右衛門の次男。父の渡辺平右衛門は「忠義の二字こそ、我が国で最も尊きもの」と冒頭で語る。
赤穂一の粗忽者とされる唯七であるが、父の教えのように忠義を尽くしていく。
なぜ浅野内匠頭は殿中で吉良上野介を刃傷したのか。この「なぜ」を問いながら唯七は行動を起こす。
忠臣蔵の話なので展開と結末はよく知られている通りだが、唯七と内匠頭との関係性、唯七の友人関係、そして大切な人への思いも描かれ、今までと違った側面から物語を楽しんだ。何より唯七の人物像に惹かれた。
タイトルの美しさでこの作品を読んだが、章ごとのタイトルも良い。特に第六章「大石以外みんな馬鹿」がクスッとするようなタイトルで好きだ。
子供の頃から12月になると「忠臣蔵」と題されたドラマなどを家族で見ていた思い出がある。だから忠臣蔵を見ると年の瀬であることを感じていた。
大人になり赤穂を訪れ、赤穂浪士のゆかりの地巡りをしている。それくらい子供に見た忠臣蔵が私の中に刷り込まれている。久しぶりに12月に忠臣蔵に関わる作品を読む事が出来て、一年の終わりの締めくくりにぴったりだなと思う。
来年2月の発売予定なので、この作品が忠臣蔵の定番の作品の一つとなるといいなと思えるほど素晴らしい作品でした。
冒頭から武林唯七の粗忽なエピソード語られ、ほっこりしていたら、殿が刃傷に及んだことを聞かされ、急展開。序盤は堀部安兵衛をなだめるのに苦心するばかりのような印象でしたが、唯七が父の見舞いに赤穂に帰る途中での出来事から、追い詰められた唯七がしばらく赤穂で過ごす様子や、御家再興が叶わず大石が洩らした本音、家中の動き、仇討ちまでの準備、当日の様子、後日談まで、夢中になって読みました。以前あったエピソードが活きる場面もありました。印象的だったのは、討ち入りの際主税が堀部安兵衛にかけた言葉とその存在感が素晴らしかったです。唯七は、現代にもいそうな親近感がわきます。この事件で命を失った多くの人間がいて、残酷なはずなのにとこかさわやかな読後感なのは、唯七の人物像のおかげなのではないかと思います。
愛すべき主人公、竹林唯七。彼の「粗忽者」というキャラクターがこの物語に温かみと悲壮さを同居させている。かたき討ちのために、自己犠牲を厭わず戦おうとする赤穂浪士一人ひとり、また敵方一人ひとりにも様々な背景があり、その様子が丁寧に描かれ簡単な善悪の話になっていないところが好感が持てる。主人公である唯七が「忠」「孝」「義」に揺れながらも自ら考え成長していく姿も良かった。印象に残った言葉は、孟二官の「悔いなく生き、悔いなく死ねる者などおらぬのぞ」一番好きだった人物は大石主税。
今まで敷居が高かった忠臣蔵。その敷居を越えさせてくれたこの作品に感謝!
赤穂藩士達の決意と葛藤。最期の日まで何を思うのか?
粗忽者=慌てん坊な唯七を主人公に赤穂の藩士達が過ごした日常。
結末が分かっていても、淋しさが残る。当たり前ですが、藩士達それぞれに両親がいて兄弟姉妹がいて、生活がある。主君の為に死ぬか、家族の為に生きるのか。二年近くの時間の中で、板挟みになっていく藩士達に胸が痛くなる。
主君の仇敵・吉良上野介を討つまでの赤穂浪士たちの迷いや葛藤を、愛すべきおっちょこちょい「武林唯七」を中心に描いた、気高くも残酷な友情物語。
「忠臣蔵」が題材のため内容はわかっているが、粗忽者の唯七を主人公にする事で、随所に緩急がついているのがとても良かった。すっとぼけた発言で張り詰めた空気を和ませたり、逆に引き締めたり、本人は意図せずの所がまた面白くて何度も噴き出しそうになった。特に月代を剃るシーンが微笑ましく、最期までずっと光景が浮かんで離れなかった。
唯七が主人公ではあるが、同志や脱盟者や吉良方の者など、敵味方を問わず多くの者の想いを丁寧に掬っていて、当時の「武士の矜持」を傷付けない様な配慮になっているのかと思うと、また泣けた。
何が正解かはわからないが、きっと誰一人後悔はないのだと思いたい。