夜明けの花園
恩田 陸
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刊行日 2024/01/29 | 掲載終了日 2024/01/29
文芸小説 | ミステリー/サスペンス | SF/ファンタジー
ハッシュタグ:#夜明けの花園 #NetGalleyJP
内容紹介
湿原に浮かぶ檻、と密やかに呼ばれていた全寮制の学園。
ここでは特殊な事情を抱える生徒が、しばしば行方を晦ます。
ヨハンの隠れた素顔、校長の悲しき回想、幼き日の理瀬、
黎二と麗子の秘密、月夜に馳せる聖、そして水野理瀬の現在。
理瀬と理瀬を取り巻く人物たちによる、幻想的な世界へ誘う六編。
-----------------
*水晶の夜、 翡翠の朝
*麦の海に浮かぶ檻
*睡蓮
*丘をゆく船
*月触
*絵のない絵本
― 関連リンクも是非ご確認ください ―
-----------------
著者/恩田 陸(おんだ・りく)
1992(平成4)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞を、2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞を、2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞をそれぞれ受賞した。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木賞と第14回本屋大賞を受賞。
出版社からの備考・コメント
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○フィードバック率の低い状態が長く続く方
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おすすめコメント
累計100万部突破! 世代を超えて愛される
「理瀬」シリーズの短編を一冊にまとめました。
理瀬の友人ヨハンや黎二、麗子といった懐かしい人物から
聖や理瀬の現在まで、ファン垂涎の短編集になっています。
本編と合わせてお楽しみください!
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★★★
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恐れ入りますが<講談社 出版営業局>まで直接お問合せをお願いいたします。
★★
出版情報
ISBN | 9784065331392 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
「特殊な場所で、特別な時間を、特別な者たちと過ごした。」
そこは湿原に浮かぶ檻とも呼ばれる全寮制の学校。
べらぼうに高い学費であるが、親から見捨てられたこどもやギフテッドが生活している。
理瀬シリーズの短編集。
大学生となった理瀬のその後といった続編が気になる一作である。
理瀬シリーズのスピンオフ短編集。ゴシック学園推理系から心理ホラー系、スパイ小説系まで、幅広いジャンルの短編が揃っています。今までこのシリーズを読んでいなかった人達も、この本から読んでも大丈夫。理瀬シリーズに登場する個性的な登場人物が語る物語に魅了され、遡って読みたくなること間違いなしです。
恩田陸作品らしい今作。ファンタジーとミステリーが融合されているような空気感が始終漂う。
現実的で身近な世界を描いているようで、外国、イギリスのギムナジウムみたいな異国感がたまらない。理瀬は、シリーズで何作かあるみたいだけど、読んでからの方が色々楽しめるから、前作を読むのがオススメ。
「理瀬」シリーズのスピンオフ短編集。
恩田陸さんの作品、一時期手当たり次第に読んでいたことがある。
その中に、この「理瀬」シリーズの作品も入っていたらしく、今回読んで既視感を覚えた。
その世界観はちょっと恐ろしいけど、一度覗くとなかなか離れることが難しく、1つ1つの話を大事に読んだ。
学園を舞台にした作品が、やはり一番惹かれるものがあったけど、最後の章「絵のない絵本」も油断できないラストで、この先がどうなっていくか、また同じような短編集を読みたいと思った。
「理瀬」シリーズを読んだことがない方も、読んだけど忘れてしまった人も、この本から読んでも楽しめるようになっているのが嬉しい。
理瀬シリーズのファンにはたまらない一冊!私も学生時代に「麦の海に沈む果実」と出逢ってから、ずっとファンです!大人になった今でも物語の世界が広がっていて、その世界観に触れることができて、とても幸せです。
理瀬だけでなく他のキャラクターも深く知ることが出来たのもよかったです。
そしてどのお話しも好きですが、「水晶の夜、 翡翠の朝」は特に好きでした!
ヨハンの魅力たっぷり!!
あっという間に読み終えてしまい、もったいない気持ちでいっぱいです。
また昔の作品から読み返したくなりますね。
素敵な作品をありがとうございました!
大好きな理瀬シリーズの短編をあつめたもの。すでに読んでいたものも多いけれど、こうしてまとめて読めるのは本当にうれしい。既刊の「麦の海に沈む果実」と「黄昏の百合の骨」は絶対に読んでから手に取ってほしい一冊。理瀬、黎二、ヨハン、聖…特に黎二は、大好きなキャラクターだったのでまたここで会えてうれしかったな。時系列も様々な短編集でシリーズの次回作への期待も否が応でも高まります。これからも、いくら時間がかかっても、続きを楽しみに待ちたいシリーズです。
目次もないし電子書籍なので不審な点があっても戻るのが難しい。それは図書を購入すれば解決することだろうが恩田陸の本はいつも戸惑う。1冊ごとにジャンルが違うような作風でしかも1冊の中にも異質なものが混在する。本書も連作短篇集といっていいのか悩む。そもそもタイトルは寄宿制の学園らしきものを指しているのだろうが「夜明け」とは何なのか分からない。こう書くとなんか全面的に否定しているようだが基本的に「ロマン主義」の作家だと思うので好きなのが困った作家だ。
ミステリアスに、幻想的に、叙情的に、スリリングに、それぞれが独自の雰囲気で。過去、現在、そして未来。そこでの彼らの見知らぬ人生、因縁、そして業が。1編ごとに各登場人物が深く掘り下げられていく、個性が更に抉られていく。そして、彼らの背負ったものが、より重く感じられていく。
これは、単なる〈理瀬〉シリーズの短編集、という枠を超えた、〈彼らひとりひとりの物語〉。
『麦の海に沈む果実』の美しくて、幻想的で、でも不穏さが漂う物語世界
随分前に読んで、すっかり忘れていたのに、数ページ読んだだけでこの世界に戻ってしまいました。
懐かしい彼らの様子を垣間見て
そういえば、理瀬シリーズでまだ読んでいない作品があったっけ…
もう一度、最初から読み返す気になりました。
全く読んでいなくてもそれなりに楽しめるかもしれないけど
ヨハンや理瀬をはじめてとする登場人物の人物像やこれまでの経緯が分かった方が絶対面白いと思います。
不謹慎かもしれないが、もし記憶を失ったならば、恩田陸の〈理瀬シリーズ〉を最初から手にしてみたい。
危うく謎めいてどこか張りつめた、この世界に恐る恐る足を踏み入れ、そのなかでめくるめく読書体験を、「最初から味わってみたい」と願わずにはいられないのだ。
恩田陸さんの作品が好きです。
孤島の学園シリーズのスピンオフという事でリクエストしました。
作品の中の学園が孤城ぽい雰囲気で物語が進んでいくのが堪らないです。
背中がぞわりとするホラー作品ですが、美しくも幻想的な風景が、私の心の中に広がります。
理瀬シリーズ未読でこちらを読みました。
全寮制の学園、閉ざされた世界。そこで起こる不可解な事件。どれもとても引き込まれる世界観で面白かったです。
それぞれの短編集がどこでどのように繋がっているのか想像しながら読みましたが、やはり分からず…
とにかく、早く理瀬シリーズが読みたいです。
理瀬シリーズの短編がまとめられた一冊。
あらためて理瀬シリーズをどこまで読んでいたのか思い返すと、恥ずかしながら2作と数編しか読んでいなかったようでした。もしかしたらシリーズとは知らないまま読んでいたのかもしれない。だからこそ前作の『薔薇の中の蛇』を読んだ時に理瀬シリーズを読み返したい!と思っていたのですが、願い叶わないまま今回の短編集を読んでしまいました。
とはいえ、しっかり楽しんで読むことができたし、さらに理瀬シリーズをもう一度最初から読みたくなりました。
それぞれの魅力あるキャラクターたち。この短編を読んでから他のシリーズ作品を読むことで楽しみもより深くなるのでは?と思ってます。
陸の孤島にある謎めいた全寮制学園を舞台にした人気シリーズの短編集。
「理瀬」シリーズ未読だが、リドル・ストーリー感覚で問題なく楽しめた。シリーズものは手が出し辛いという方に、まずは世界観に触れる入門書としてピッタリ。登場人物の確立した個性が幻想的な雰囲気をより深め、彼らへの好奇心から、作品全体への興味を掻き立てられた。
不穏な事件を解決するミステリ仕立ての物語、不思議な言動を裏付ける登場人物の背景、大学生となった主人公の現在など、多彩な六編。
仮初めの生活が愛情を歪め、執着心が無垢な心を暗くする。思春期の子供たちの激情が瑞々しく描かれていたのがとても印象に残った。壊れてしまった大人たちの不気味さとの違いがまた良かった。
題名と著者に惹かれてリクエストしました。
恩田陸さんの作品は久しぶりに読みましたが、安定した面白さで嬉しくなります。
読んでいる途中は綺麗な情景が幾度も頭に浮かんでうっとりし、物語の終盤にはそういうことかと気づきぞくっとし。そのギャップに鳥肌が立ちました。
理瀬シリーズを読むのは初めてでしたが、それでも面白かったです。先に読んでいたらさらに面白かったんだろうな。今度書店で探します。
大好きな「理瀬シリーズ」の短編集。面白くないわけがない。しかも短編集なのでミステリーの中にもホラーなどいろいろな要素が入っていて楽しめる。理瀬シリーズを読んでいない人でも普通に物語を楽しみ、キャラクター達を楽しむことができるんじゃないかと思います。個人的には理瀬はもちろん黎二やヨハン、聖などお馴染みのキャラクターに会えるのが嬉しいです。他の作品に所収された際に読んだものが多かったのですが、改めて読んでやっぱり面白いと思いました!
幻想的な風景描写、心理描写。ファンタジーとミステリー、サスペンス等が絶妙に融合されていて、
全体的にノスタルジアな世界観に浸れた作品かと思います。異国感の世界に漂いながらも、サスペンス要素
、スパイもの要素がクロスオーバーし、現実と非現実の境界を漂いながら読み進められた作品かと思います。
理瀬シリーズファン待望の短編集の刊行! これは読まずにはいられません!
もちろん、大勢の読者に読んでほしい作品ですが、今作を読む前に「麦の海に沈む果実」「黄昏の百合の骨」「薔薇の中の蛇」を読んでほしいし、できれば「三月は深き紅の淵を」「黒と茶の幻想」も読んでほしいです。少なくとも、「麦の海に沈む果実」は絶対に読んでから臨んでほしいです。なぜなら、そのほうが、登場人物の関係性などがわかるので、より楽しめるのではないかと思うからです。決して、「講談社さんの売り上げに貢献しよう」という意図はありません(笑)。
北見隆さんの装画も理瀬シリーズにはなくてはならない存在です。ちょっと不穏で、ゾクゾクするような絵ですが、はっきり言えばそういう内容です。絶対、とは言いませんが、読んでいただければ、理瀬の魅力に触れて、彼女の虜になる読者が増えるのではないでしょうか。
やっぱりいいな、この世界観。定期的に理瀬の物語を出してほしい。聖も、その後どうしてるのか知りたいし。黎二や麗子のことも、本編では読めなかった部分もあるんだろうし。一番気がかりな憂理の登場が少なかったのが残念。また麦海を再読しよう、と思いました。
理瀬シリーズを読んだことがなく内容についていけるかどうかと思いつつ読み始めましたが、
そんな不安は杞憂でした。
魅惑的で短編ということもあり、一編ごとあっという間に読めます。
ミステリーの怖さはなくファンタジックな感じもあり、不思議な世界観。
これは理瀬シリーズを読んでみたいと思わずにはいられません。
理瀬シリーズ未読な方はぜひ「夜明けの花園」からどうぞ!
『麦の海に沈む果実』の雰囲気が好きで、何度も読み返していたのが12年前。
そのシリーズのスピンオフ短編集と聞いて、すぐさま手に取った。
あの学園独特な不穏さと謎に包まれた妖しい雰囲気がそのままで、懐かしい登場人物たちにも会えて嬉しかった。
本編では語られなかった過去の話もあり、12年ぶりにあの物語の世界に触れたくなった。
理瀬シリーズを読んだことのある人にはぜひともオススメしたい本。
生徒にとってこの学校は「ゆりかご」か「養成所」か、はたまた「墓場」か。湿原に浮かぶ檻と密かに呼ばれていた全寮制の学校で起きる事件。数奇な運命を背負った魅力的な登場人物。美しいファンタジーでもあり、読みごたえのあるミステリーでもある。理瀬シリーズのスピンオフ的な位置付けの作品。6編の短編集だが、6枚の美しくも妖しい絵画を見ているような感覚に陥った。この世界観にはまる人は多いだろう。
恩田陸の新作がNetGalley で読めるとのことで、読みました。読みながら、これが「理瀬」シリーズという何冊もあるシリーズの短編集であることを知りました。恥ずかしながら一冊も読んでいない私は、人物設定がよく分からず、話を理解出来たとは言えません。でもこの不穏な空気は伝わります。湿原にある全寮制の学園の怖さには引き込まれます。これは、「理瀬」シリーズ読まなければ。
恩田さんの作品には不思議な魅力があります。分かりやすいとは言えませんが、恩田作品から漂う雰囲気が好きです。本書は水野理瀬を主人公とする、いわゆる「理瀬」シリーズの短編集で6編の作品が収められています。「理瀬」シリーズといっても、殆どは理瀬が一時通っていた北の湿原にある奇妙な学園の話です。中には理瀬の出てくるものもありますが、あまり主役という感じはしません。そこでは生徒は訳アリばかりで、「ゆりかご」「養成所」「墓場」に分けられると言われていました。なにしろ、事務員は暗殺者だし、生徒の死も普通ですから、奇妙というよりは、不気味と言った方がいいでしょう。
最後の「絵のない絵本」という短編は、理瀬が学園を出て、イギリス留学をしている時代のことが描かれています。この話では、理瀬は立派に主役を務めています。ただやはり分からないところがあります。次の作品のプロローグ的なものとなっているのでしょうか。
内容紹介を読んで、理瀬シリーズは読んでないから全て初読みだろうと思っていたけど、最初の「水晶の夜、翡翠の朝」だけ、どこかで読んだことがあった。
その時もおもしろいと思ったが、今回、他の作品も読んだことで、「水晶の夜、翡翠の朝」という物語が、より浮き上がってきて、楽しめた。
学園ミステリー、スパイ、ホラーとあらゆるジャンル満載で、おもしろい。
どの作品も妖しくて美しいのだけど、特に「丘をゆく船」の檻と呼ばれる学園を大きな船に見立てて海原をゆくところを想像する描写が目に浮かぶようだった。
とうとうスピンオフが1冊の単行本になりました。登場人物たちを深く掘り下げられるこの短編集で、またシリーズを読み返したくなります。本編では語られなかった、あの人やこの人のエピソードが読めて、うれしいです。
湿原にたつ全寮制の中高一貫校、ときくと海外の寄宿舎のイメージだが、内容紹介では理瀬が主人公と書かれているが、各話で主人公の生徒が変わり、理瀬が登場するのは3、6話のみ。
1、2話まで読んだところで、ゴシックミステリーかと思わせるが、3、4話では一転して生徒の内面(心象風景)が描かれている。6話のみ理瀬のその後が語られているが、後半3話に関しては当方の読解力がなく著者の意図がわからなかった。と、ここまで書いて、本書は水野理瀬シリーズの短編集ということを知った次第。どおりで分からないはず。本編を読んでみたくなった
理瀬シリーズ未読でこちらを読みました。
登場人物の関係性などは全くわかりませんでしたので、シリーズを読んでからの方が断トツに面白かったのだろうとは思われますが、わからずとも、それぞれ短編として確立しているので難なく読めました。
孤立した全寮制の学校という閉鎖的な空間と謎の多い登場人物たち。その設定だけでもゾクゾクと期待が高まりましたが、想像を超える仕掛けに一気に読み終えてしまいました。
こんなミステリアスで魅力的なキャラクターが揃っているなら、ぜひ本編も読んでみたいと思っているところです。
理瀬シリーズというのを読んだことなく、読み始めた本書。
ミステリアスで、どこか不穏な空気感がし、引き込まれていきました。
現実離れした世界観の中に、ぐいっと引き込まれ、後味の悪いような、またこの先が気になるような感じがしました。
大好きな作家さんの作品とあってワクワクしながら読んだ。期待に違わず、作者独特のファンタジー小説でありながら同時にミステリーであり、ハードボイルド作品のようなスリリングな展開ありで息継ぐ間もないまま、あっという間に読み終えた。なのにもっと読みたい。続きが読みたいと思わせられる。
理瀬やその周りの人々それぞれに焦点を当てたこの短編集は、『麦の海に沈む果実』や『黄昏の百合の骨』の”過去”や”その後”を補完する作品となっていたと思います。
「理瀬」シリーズを愛する身として、このような理瀬に関する物語がまとめて読めるのは大変ありがたいです。
そして、『薔薇のなかの蛇』にも通じる大学生の理瀬の物語を読めたのがまた嬉しかったです。
また「理瀬」シリーズを読み返そうと思います。
不穏な空気が支配する物語に
釘付けにさせられました。
恩田先生、こういうのもいけるんですね。
主な舞台は訳ありの少年少女が集められた
全寮制の小さな学校。
エリートの養成や過保護な檻などの
複数の顔を持つ閉鎖的な場所で、
子どもたちが謎の渦中にとらわれていきます。
ナニ、このおどろおどろしさ。
次々と起こる風変りな事件。
闇の魅力とでも表現したらいいのか?
こちらまで不思議な物語にとらわれましたよ。
意外な展開にヒヤッとしたり、
胸をなでおろしたり忙しいかったな~。
そして、湧き出すような満足感と喪失感に
呆然となりながら読み終わりました。
「経験からは必ず何かを得て教訓とせよ」
私もこの言葉を胸に抱いて
平穏な毎日を大切に生きたいと思います!
(対象年齢は12歳半以上かな?)
面白い。恩田さんの作品はいくつも読了しているが理瀬シリーズを知らず、今回初めて読んだのでぜひ本編も読むことにする。仄暗さと秘密と謎とがひしめく感じがとてもいい。本編を読んでから、もう一度こちらを読みたいと思う。
理瀬シリーズ短編集。
すでに出ている作品群に加えて新作も。
シリーズを読んだことがない人も、少しダークで幻想的な雰囲気が好きであればすぐに世界観に入っていけると思います。
これから読んでも楽しめます。
すでにシリーズを読んでいましたが、改めて読み返してみようかなと思いました。
初めての方もここから過去作に遡るのも面白いのでは。
表紙、挿画の北見隆さんの絵も素晴らしいです。
理瀬シリーズの短編「水晶の夜、 翡翠の朝」「麦の海に浮かぶ檻」「睡蓮」「丘をゆく船」「月触」「絵のない絵本」6話が収録されています。
以前に読んだのですが、思い出せないまま読み始めましたが、
数ページ読むと物語の世界が蘇ってきました。
謎に満ちた中高一貫の学校、寮生活、縦割りの“ファミリー”、
そして、聖・憂理たちと校長。
里瀬のその後など、恩田/里瀬ワールド、とても楽しめました。
私がこの作家作品が好きな事の理由の一つは文章の簡潔さ。長くくどくどしい一文よりも、すっきりとした文章の方が余韻が残るし読み易くなります。この短編集では、舞台となる学校自体が凄く幻想的ですが、それぞれに登場する人物も彼らの名前も大変個性的で面白い。
*水晶の夜、翡翠の朝:「わらいカワセミにはなすなよ」という童謡があるのは初耳だったので、早速Youtubeで聴いみました。きっとこの童謡が最初にあって、それでプロットを組み立てたのだと思いますが、カワセミとある物が同じ漢字を使うとは全くしりませんでした。
*麦の海の檻:これこそ読書を罠にはめているかの様な内容。読み進めた先に疑問を氷解させてくれる仕掛けがとてもうまいと思う。
*水連:凄くシュールな話でした。でも、読みながら思い出したのは、澁澤龍彦の「毒薬の手帖」にあった、マンドラゴラの話。確か挿絵があって、人型の根からマンドラゴラが生えている物だったような気がします。ちょっと幻想的な感じはこの作品集の中では異色。
*丘をゆく船:これもまたシュールな話。麗子は少女だけれど少年のように振る舞い、男とみられたい。けれど、黎二には麗子はやっぱり女にしか見られないということか。二人の感情の底に横たわるものに共通するのは毒親の存在。
*月蝕:内容的には「麦の海の檻」を想起させるサスペンス。発想が面白い。
*絵のない絵本:舞台がリゾート地ということで、ちょっとアガサ・クリスティーの作品を思わせるような内容にスパイドラマを観ているような展開がスリリング。全編の中では一番好きです。
理瀬シリーズを知らずに読んだので、学園内での短編ミステリーかなと思っていたら、謎多き主人公たちの生死をかけたサバイバル。
登場人物たちの背景にものすごく広がりを感じて、今回のお話は氷山の一角のような、もっと読み込んでみたいと読書欲をかき立てられる作品でした。
これは、理瀬シリーズを是非とも読まなくては!
トリックや謎かけがくどくなくて読みやすかったし、残虐なシーンの描写などもなくて、ミステリーが苦手な人も楽しんで読めると思います。
理瀬シリーズの短編集です。
私は理瀬シリーズを読んだことがなかったのですが、それでも充分に物語に引き込まれて楽しめました!
独特な状況での登場人物もかなり独特…それなのに、その中にすんなりと自分が入っていて、主人公のそばで見ているような感覚。そして満足感。
これはもう理瀬シリーズ読まなくては!と思いました。
ありがとうございました!
懐かしいあの世界に、また足を踏み入れることができた。
幻想的で全てにもやがかかり、
夢も現実も、あの世もこの世も全てがあやふやににじむ世界。
なんて魅力的なのだろうと思う。
この世界で彼らはこの中でずっと生きてきたのだ、と思うと甘く切ない気持ちが湧いてくる。
この世界では、なんでも起こる。
恋愛でもだまし合いでも殺人でも・・。
本を閉じた後でも、あの世界の存在を感じる。
遠くて近いどこかで、ひっそりとドラマを繰り広げているのだろう。
「理瀬シリーズ」のスピンオフ短編集ということですが、このシリーズを知らなくてもあっという間に世界に引きずり込まれてしまいます。
湿原の向こう側、寮生活を送る学園。
下の名まえだけで呼ばれる、バックグラウンドを類推させないシステムのなか
ひっそりと、しずかな水面に見えるようでいてその水面下の波の大きさに読者は惹き込まれます。
ミステリアスという言葉では片づけたくない世界がそこに広がります。
登場人物たちが魅力的。それぞれの感情の襞まで書かれているので、私は透明人間になってみているかの
ようです。
これは、理瀬シリーズの入り口にもなり、シリーズ愛読者にも楽しめる短編集です。
前半はその世界観にどっぷりと浸ることができ、面白く読んでいたのですが、後半は前半と繋がりがあるのかよくわからず、消化不良な感じで読み終えました。後で、シリーズもののスピンオフだったことを知り、通りでと合点がいきました。本編を読んで、再読したいと思います。
『理瀬シリーズ』のスピンオフ…。シリーズ未読なのに先に読んでしまったので、分からない事が多々あった。それでも『やっぱり作家って凄い』と思わずにいられない。読んでいる途中にも関わらずもの凄く読みたくなっているのだから。とにかく作品の空気感がとても好み。ゴシックな雰囲気、大きな何かを背負っている子供達、彼等に狙う陰鬱なもの…もうシリーズ全てを読むしかない。というか早く読みたい。情景描写も美しい。シーンが絵画の様に浮かんでくる。シリーズ読破後にもう一度本作を手にしたいと思う。
大好きな「理瀬」シリーズの最新作。
#NetGalleyJP さんで読ませていただきました📕
短編集なので軽く読めちゃいます。
お馴染みのヨハンや黎二、理瀬にまた会えて嬉しい。
ヨハンが少し丸くなったかな?と思ったけどやっぱりヨハンで安心しました 笑
時系列がバラバラ?で頭の中を少し整理しながら読みました。
この物語に漂う不穏な空気感は本当に独特。
湿原にある全寮制の学園ってだけでなんだか怖いよね。
まだまだ謎が多いこの物語。
もっと続きが読みたい!!
発売されたらぜひ購入したいと思います✨
美しくも悲しい話とありふれた事を言いますが、その通りなので。そこにミステリー要素が入って重厚な物語となっています。まあとりあえず、一読することをお薦めします。
六話の短編となっていますが、それぞれ読みごたえ十分です。
不可思議な世界へ入り込むこと間違いなし。日常に飽きた方、少し冒険を思い出したい方に読んでほしいです。
理瀬シリーズの新しい話がまた読めて嬉しかったです。
ファンの方は必ず読むべき作品です!
およそ20年ぶりですが、読み始めてすぐに「あっ」と気づきました。
シリーズの中でもとくに好きな『麦の海に沈む果実』を読み直してから、こちらを拝読。
懐かしかったし、やっぱり好きだなと思いました。
どの短編もそれぞれ面白かったですが、やはり「麦の海に沈む果実」のスピンオフが一番好きです。
理瀬シリーズはすべて持っているので、『麦の海に沈む果実』以外も読み直そうと思います!
読んだ後に、これは恩田先生の理瀬シリーズのスピンオフだと知りました。私は、恩田先生の作品は結構読んでますが、このシリーズを最初から読まないと恩田ワールドに入っていけないような気持ちになります。それでも独特な浮遊感を感じる事が出来ました。何か幻想的な世界に連れて行かれれそうです。理瀬シリーズをじっくり見たいと思わせる本でした。
「理瀬」シリーズスピンオフ短編集。
本シリーズを初めて読んだので設定に戸惑いながらも細かな謎や伏線回収などの仕掛けを楽しみながら読みました。
不穏なのにそれでいて暗い感じは無く、透明度が高くて綺麗な印象すら感じる物語は恩田さんの文章の為せる業でしょうか。世界観が癖になります。
他の収録作も読んで補わないと!という気持ちになりました。
檻といわれる全寮制の学園にやってくる生徒たち。彼らはなんらかの闇をかかえている。
学園ではしばしば生徒が姿をくらます。なんだか不思議なお話だった。ミステリーでも
あり、ノスタルジックでもあり、生徒の哀愁を感じる6編の物語。
学園は3つのコースにわけられている。
「ゆりかご」厳しい世間の荒波にあてぬよう、温室で身を守りたい者のためのコース
「養成所」特殊技能や才能があって、それに特化した生活と送る者のためのコース
「墓場」世間にしられたくない者、世間から隠しておきたい者、いなかったことにしてほしい者のコース
いずれにしても世間から隠れている者たち。卒業して去る者もいれば姿を消す者もいる。
秘密裡に処理された者、とてもミステリアスな今まで読んだことのないなんともいえない気持ちになるお話。
でも、ひきこまれて読んでしまう。人には誰も闇の部分があって、そこに焦点をあてて書かれたお話だと思った。
今まで読んだどんなお話とも違う、ミステリアスなお話、そんな一筋縄ではいかないお話を読みたい方は
是非、一読してほしい。
何の前情報もなく読み始めた理瀬シリーズの最新作。スピンオフの短編集でした。
なんだか久しぶりに見た名前に懐かしさもあり逆に忘れているところもあったけど、この独特な世界観本当に好き。
この本を読んだらシリーズを最初から読み直したくなること間違いなし!
「理瀬」シリーズのスピンオフ短編集。私は未読ですが楽しめました。この本をきっかけに読みはじめるのも良いかも。
贅沢な檻で美しい檻の全寮制の学校。ここには訳ありの生徒が集まる。
「ゆりかご」、即ち厳しい世間の荒波にあてぬよう、温室で守りたい者。
「養成所」、即ち特殊技能や才能があって、それに特化した生活を送る者。
「墓場」、即ち世間に知られたくない者、世間から隠しておきたい者、あるいは、いなかったことにしてほしい者。
まさにゴシックミステリー。私のイメージでは『風と木の詩』のような限りなく美しく暗闇のある世界に浸れました。
いくつか恩田陸さんの小説は持っているし読んだこともあるのですが、この理瀬シリーズは読んだことがありませんでした。
この短編集を読んだら本編がとても読みたくなりました。
謎に満ちた学校。私は特にヨハンの話に引き込まれましたが、他の登場人物も謎が多く雰囲気がとてもミステリアスで面白い。
私のように理瀬シリーズ全く未読の人でも問題なくその世界観に入り込める短編集でした。
メインシリーズ主人公・理瀬をはじめ独特の緊張感を持った佇まいの人物たちが縦横無尽に駆け巡る短編集。そこに確かにあるはずなのに、霧がかかってぼやけていくような不思議な感覚で幻想的な光景に包み込まれていくかのようです。不穏な噂・現実に呑み込まれる寸前に凛とした佇まいで立ち止まり踏みとどまる姿が印象的でまたもの悲しくも思えてしまいます。
透明な刀で不可避の斬撃を受け、気づかないうちに血がにじみ出ているような微かな痛みを感じてしまう短編集。
恩田さんワールド全開の短編集です。ダークなミステリー感の強い話で、理瀬シリーズを読み返したくなりました。このなんとも言えない感じは感受性の強いティーンエイジャーには劇薬となり得そうで、読書好きでない人にも一読の価値ありですl
恩田さんの人気シリーズ「理瀬シリーズ」のスピンオフ。
理瀬シリーズは未読だったので心配でしたが、未読でも楽しめる内容!
ベラぼうに学費が高く、何やら訳ありの生徒ばかりの全寮制・中高一貫の学園。
裕福な学園生活、登場人物は美少女と美少年。
若く魅力的な校長。
しかし、その生活はまさに「檻」で、
秘密裏に殺人事件が起こったりと物騒。
理瀬の学園生活のほか、理瀬の幼少期の記憶、
大人になった理瀬(相変わらず、物騒な生活🤣)
など、スピンオフ短編集。
ヨーロッパマフィアの跡取り息子・ヨハンが気になる😍
このシリーズ、2000年から24年も続いてるんですね😳 他の作品も読んでみようかな。
理瀬シリーズのスピンオフ短編集で、かつて理瀬が通った学院のことや本編では見せなかった理瀬の別の物語が乗っている作品だ。
理瀬が去った後のヨハンのものもあるし、理瀬の子供のころだと思わせるものもある。また、新しい人物も出てるんだけど、それは理瀬が通った学院を背景にしたものでミステリアスな学院の雰囲気がもっと目立って読む間、ぞっとした。
理瀬の物語がそうだったようにミステリアスで幻想的かつスリリングのある。そして陰鬱な雰囲気。理瀬シリーズのファンなら誰でも夢中になって楽しく読むと思う。
懐かしい理瀬シリーズ。短編集として編み直すとまた違った味わいで、あの「湿原に浮かぶ檻」の奇妙な佇まいが迫る。
秘密に満ち満ちた全寮制の学園の全貌が見えそうで見えないところがまた、どうに興味を惹かれるのだ。学友たちの身に起こったことの不穏な謎に次ぐ謎。
大学生になった理瀬の身に起こったこと。その先を読みたいと思ったところで物語が閉じられる。読み終えてタイトルを顧みれば、「花園」のワードがなんとも皮肉なニュアンスに思えます。
理瀬シリーズを読んでいなかったので少し不安がありましたが、題名やカバーイラストに惹かれてリクエストさせていただきました。
シリーズを読んで居なくても、短編集として問題なく物語に引き込まれました。
夢を見ているような世界観、とても素敵でした。シリーズの方も、読んでみたいと思います。
周囲から隔絶した全寮制の学園で次々に起こる奇妙な事件が短編集になっている。どの作品にもユニークな登場人物が現れ、いつのまにか幻想的な雰囲気の世界に引き込まれるのが面白い。複雑な人間関係が織りなす魅力的なストーリーの中にいつもトリックが隠され、どの作品も読みだしたら止まらない魅力的な作品です。
理瀬シリーズのスピンオフ作品6篇を一冊にまとめたもの。うち3篇は既読。時系列がかなり飛び飛びだが、あの学園のゴージャスでロマンチックで不穏な雰囲気が蘇ってきて嬉しかった。ラストの大人になった理瀬のエピソードは、まだまだ続巻が出るのかも…と思わせてくれる。またシリーズを一からおさらいしたくなった。#NetGalley
恩田陸作品の中でもなかなかクセの強い、しかしそれ故にハマってしまう「理瀬シリーズ」の短編集。
あの全寮制学園での日々のエピソードが語られる。
懐かしいキャラクターたちの登場に喜びながらも一話一話を堪能した。
校長のえぴそーどもあったのはちょっとした驚きだった。
そして現代の理瀬も…
また長編が読みたいと強く思わせる作品たちだった。
閉ざされた全寮制の学校が舞台の短編集。ミステリーのようなホラーのような…不穏な空気感、あっという間に引き込まれました。シリーズ物のスピンオフということを後から知りました。
シリーズを読んでから読みたかった。その方がより楽しめたと思います
「麦の海に沈む果実」「黄昏の百合の骨」を読んでから挑みました。
正直、この世界観は若干苦手ですが、
ヨハンや校長の違う一面が見られたのはとても面白かった。
理瀬の中の闇はどこまで深いのか、まだまだ見通せない。
恩田陸さんの人気作・理瀬シリーズ最新作にして初の短編集。理瀬シリーズとは、不可解な事件が次々に起こる全寮制の「学園」を舞台としたゴシックミステリのことである。
実は今回初めて理瀬シリーズを読んだが、ストーリーは一話一話に真相が反転するようなミステリ作品としての仕掛けが楽しめた。その一方で、短編集ということもあり設定や人物像がつかめないうちに一話完結し、物語にうまく入っていけないところがあったのも事実。
やはりシリーズ物ということで、なんとなく推測で補完しながら読むよりも、先にシリーズ前作品を読むべきだったと反省。きっと本作のもつ本来の魅力を感じることができていないのだろう。普通ではない特殊な「学園」が舞台だからこそ、理瀬シリーズの世界観を把握したうえでもう一度味わってみたい作品である。
本屋大賞を受賞した「夜のピクニック」や「蜜蜂と遠雷」とはまったく違ったテイストの作品。そんな著者が数十年も書き続けているシリーズ作品だからこそ、この時代に生きて一気読みできる喜びを噛み締めたいと思う。
理瀬シリーズとのことですが読んだことがなかったので楽しめるか?と思いながらも読み始めました。短編ですが色々新しく感じるものや日本ではありえないような寄宿舎と学園で 違う視点での新しい解釈が生まれる感覚があって、あっという間に読み進めていました。他のシリーズも気になるので読んでみたいです。
読み始めて一番に思ったことは、懐かしさだった。かつて見知った名前や環境、学園内の空気感。湿原に象徴される、全てを飲み込んで表面上は変化のない日常。しかし、一つのきっかけから何倍にも膨らむ不安感と、それまで安定していたはずの足元が、実は絶妙なバランスで立っていることに気がつく恐怖。
次に思ったことは、『麦の海に沈む果実』をもう一度読まなければ!だった。なにしろイロイロと忘れてしまっている。
また、シリーズを頭から読み直したい。
理瀬シリーズのスピンオフ短編集という事ですが私は未読ですので中々に難しい読後感ではありましたが、とことん理詰めではない著者の妖しい雰囲気と魅力に触れられたのは良かったです。恩田陸さんが愛着を感じて書き継がれているシリーズの既刊を今後読んで行きたいと思いますね。童謡の見立て殺人の不気味で残酷なムードと予想をひっくり返されるショッキングなどんでん返しの物語が強烈な毒を感じさせ印象的でしたね。ファンタジックでミステリアスな西洋風で日本人離れした世界観の物語にどっぷり浸りたいと思いますね。
恩田陸さん、「理瀬」シリーズの短編集。
「理瀬」シリーズは完読できていないのですが、恩田さんらしい全寮制の学校という閉鎖空間の描きを堪能させていただきました。
世間の荒波にあてたくない生徒の「ゆりかご」、芸術やスポーツなどにの才能を持つ「養成所」、世間から隠され、閉じ込められている生徒の「墓場」。
3種類の生徒の立ち位置、それぞれの心の中に抱えるものの描きがとてもよかったです。
「理瀬シリーズ」、きちんと完読したくなりました。