風が吹いたり、花が散ったり
朝倉宏景
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刊行日 2023/12/15 | 掲載終了日 2023/12/14
ハッシュタグ:#風が吹いたり花が散ったり #NetGalleyJP
内容紹介
//『あめつちのうた』の著者が贈る、
ブラインドマラソン×青春小説!//
フリーターの亮磨は、夢が持てない日々を送る。
ある日、視覚障害があるランナーから、伴走者に誘われ――。
《 第24回島清恋愛文学賞受賞作 》
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漫然と過ごすフリーターの亮磨。バイトからの帰り道、視覚障害者の女性にぶつかり転倒させてしまう。気が動転して無言で立ち去りかけたが、罪悪感から第三者を装って助けに戻る。その場で、ブラインドマラソンの伴走者に誘われて――。
爽やかな風が吹き抜ける青春小説!
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著者/朝倉宏景(あさくら・ひろかげ)
1984年東京都生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。2012年『白球アフロ』(受賞時タイトル「白球と爆弾」より改題)で、第7回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞。選考委員の伊集院静氏、角田光代氏から激賞された同作は2013年に刊行され話題を呼んだ。'18年本書で島清恋愛文学賞を受賞。他の著作に『野球部ひとり』『つよく結べ、ポニーテール』『僕の母がルーズソックスを』『空洞に響け歌』『あめつちのうた』『日向を掬う』『エール 夕暮れサウスポー』『サクラの守る街』などがある。
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出版情報
ISBN | 9784065340844 |
本体価格 | ¥810 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
とても爽やかで素敵でした。
主人公が何かあるとすぐに投げ出して逃げる癖がなかなか好きになれず、、だったのですが、ラストは胸いっぱい。
走る描写がすごくリアルで、一緒に自分も走った気分になりました。
ブラインドマラソンがどんな仕組みなのか、どんなに大変なのか、を知れたのも楽しかったです。これは続編なんてあると嬉しいなあと思いました。
なんて美しい物語なんだろう。
読み終わった瞬間、ため息が漏れました。
明日を生きる力をくれる一冊だと思います。
本作は、過ちを犯してしまった少年が、
負い目を隠しながら目の不自由な少女の伴走者になり、
マラソン走破の手助けをするストーリー。
仕事編と競技編に大別できますが、
特に職場がらみのエピソードが琴線に触れたな~。
なかでも愛ちゃんが感情を爆発させる場面には
読んでいるこちらまで力が入りましたよ。
いよっしゃあああ!って叫びたくなるほどに。
胡散臭さしかなかった場所が
何にも代えがたい居場所になっていき、
関わり合う気のなかった人々が、
大切な仲間になっていく。
こんなの見せられたら
揺さぶられないわけないじゃん!
競技パートの不器用な若者たちのあがきも
惹き込む力が抜群で、両パートが交わって生まれる
シナジーがさらにヤバイい!
まさか本を読んでいるさなかに、
居ても立っても居られなくなるなんて!
こんな小説があったのかという驚き。
こんな作家がいたのかという喜び。
さんざんに心を揺り動かされて
今は満ち足りた気持ちでいっぱいです。
この作品に出会うきっかけをくれた
全てに感謝します。
(対象年齢は13歳以上かな?)
2017年単行本として刊行され、2023年12月文庫化。
『あめつちのうた』がとても好きで、その著者ということでリクエストした。
この作品はブラインドマラソンを描き、選手と伴走者のぴったりな息づかいが伝わる爽やかな青春小説だ。
ある日出会った視覚障害者のさちに、突然マラソンの伴走を頼まれる亮磨。なぜさちは走るのか。なぜ伴走を頼んだのか?
亮磨はさちに嘘をついているが話し出せない。
亮磨が働く和ダイニング捲土重来。そこではテンガロンハットをかぶった社長と夢を持ち働くスタッフがいる。社長の言葉が能天気に聞こえるような時もあれば、それぞれのスタッフに心を配りかける言葉がとても心に残る。スタッフたちはそれぞれ過去があるが、それでも支えてえくれる社長のような人がいれば社会はもっと働きやすいのだろう。
人生において何かに躓く時がある。それでも立ち上がり誰かを思い行動できる人は輝いている。視覚障害のあるさちのためにだけ走るのではない。自分のために、家族のために、仲間のために走る亮磨の姿がとても輝いていた。そして『風が吹いたり、花が散ったり』の意味が分かったとき、なんて素敵なタイトルだろうと胸が熱くなった。
最初は胡散臭い集団に思えていたバイト先も、だんだん読みすすめるうちに変わってきました。社長の愛が大きい。
何度だってやり直せる勇気を与えてもらいました。
主人公も偽善者として伴走するというよりも、自分自身が大切なことを受け取っていた。
愛ちゃんも愛が重いけどかわいい。だんだん扱い方もうまくなっていく主人公。きっと二人なら上手くいきそう。
ブラインドランナーとして走ることを、想像してみることがある。
私の場合、慣れ親しんだ自宅の中でさえも、目をつぶって歩けるのは10歩以内なのに。
ブラインドランナーは、段差も人混みもある外の世界を走るのだ。しかも風切るスピードで!
それはどんな感じだろう。どうすればそんなことが可能になるのだろう。
それを可能にするのは、ひとえに伴走者との信頼関係だろう。
さちが伴走者として亮磨を選んだ理由も、走力でや技術ではなく、人間性であった。
以前、ブラインドランナーと伴走者を繋ぐロースのことを“きずな”と呼ぶことを、人から教わったことを思い出した。これは、そんな素晴らしい競技の物語だ。
どうしてもみんなと同じものを手に入れることのできない愛、自己実現を阻むものと闘う廉二
、蓋をされたような人生を進まざるをえなくなった亮磨。
登場人物たちの中に、自分のカケラがたくさん散りばめられているように感じる読者は、きっと多いだろう。これは、自分の物語でもあると。
愛と信頼、自分あきらめない心。自己実現と他者貢献。
自分の物語でもあると思える一冊の中に、人生を彩る美しい要素がふんだんに込められていたことに大きな喜びを感じた。苦さも甘さもほど良くブレンドされた希望の物語だった。
この本は、両手からあふれるほどため込んだ私の言い訳を、清らかに掃き払ってくれた。
もう一歩先の本当に見たかった景色を、いつか見られるかもしれないと思えた。
過去に犯罪に関わったことで逮捕され、高校を中退し、現在は居酒屋でバイトをしている亮磨。自分の不注意から転倒させてしまったさちと出会い、さちのマラソンの伴走者となる。バイト先の一見風変わりな調理担当の愛、なんだかちょっと胡散臭い店長、目標を持ってマラソンに取り組むさち、以前からさちの伴走をしている熱血な廉二。亮磨が最初に抱いていた彼らの印象は、話が進むにつれて変化を見せる。それぞれが抱える悩みや思い、苦しさを知り、亮磨自身も少しずつ変わろうともがく姿に、やきもきしながらもエールを送りたくなる。
視覚障害者のマラソンランナーの目となって伴走する主人公の話、という点に興味をひかれ読み始めた。が、読みはじめて最も惹かれたのは、主人公、亮磨のバイト先の同僚、愛の不器用で強いキャラクター。人からどう思われるかに無頓着なその姿は、彼女の仕事場の居酒屋の厨房に入荷したてのトマトのように、鮮烈だ。この物語の中心をなす、亮磨も愛も、視覚障害のさちも、もう一人の伴走者の廉二も、四人とも不器用な性格だが、愛の不器用さはとんでもなくきわだっており、愛おしい。
無為な時間を過ごすフリーターの青年が、アクシデントから出会った視覚障碍者の女性の頼みで、ブラインドマラソンの伴走に挑む青春小説。
無知が故に犯罪に巻き込まれたり、事故で障碍を負ったり、夢が夢を壊したり――。どうにもならない事も、手を取り合いひたすら前進する事で乗り越えていく、不器用な捲土重来物語。
聞こえの良い言葉で爽やかに進むかと思ったが、意外なまでにシビアな現実も描かれていて良かった。わかり易い困難だけでなく、目に見えない問題を抱えた人への理解が深まる作品。
テーマが重く、キャラも濃い所為か、フラストレーションが溜まるシーンも多々あったが、共に駆け抜ける爽快感を味わえた。
かつて受け子として逮捕され保護観察処分を受けた亮磨は保護士の知り合いの居酒屋捲土重来で働いている。ここで出会った歯に衣着せぬ物言いをする愛。捲土重来からの帰り道に駅のホームでぶつかった白い杖を持つさち。そしてさちの保護者的役割な廉ニ。
亮磨はさちに請われるがままに伴走者としてのトレーニングを始めるが…。
うーむ、この亮磨、やたらと心折れるというか挫折しやすいタイプなのかも。そこでなんやかんやとあり元の本筋に戻るという展開でなんかイライラする。
ラストの告白に対するさちの反応はまあ予想通りというところ。
そして愛は亮磨のどこが良かったんだろう??と思ってしまう。
主人公はある事情から高校を中退し飲食店で働いている。齢19歳。
自分というものが何者かは分からない。何のために生きているのかも分からない。
盲目の女性とホームでぶつかりブラインドマラソンの併走を頼まれる。
てっきり恋に落ちる系の話かと思ってました。すみません。
自分のやりたいことが分からない(見つからない)くて周りと比べて焦ることありますよね。
この年になれば色々と知っています。若いから沢山のことに挑戦も出来るし失敗してもやり直しが出来ること。渦中にいると周りが見えなくなって混乱すること。大人を冷めた目で見てしまったり誰を信じていいか分からなくて悲しくなってしまうことも。
オーナーさんの人格が素晴らしいですね。キャラクター設定も細やかなので混在することもなく不安定な年頃の心情描写が丁寧であっという間に読んでしまいました。
走ってるときの描写も目に浮かぶようで久しぶりに自分も風を感じて走りたくなりました。
過去の過ちのために、生きることに後ろ向きな主人公。
視覚障害者とぶつかって助けたことから、ブラインドランナーの伴走者になる…という展開!
個性豊かな登場人物が周りを固めていて、興味深い人ばかりです。
最初は暗い印象の主人公の目線を感じる文体から、徐々にクリアな印象を受ける文体へと変わるところがスムーズで印象的です。
読後のすっきりとする満足感が気持ちいいです!
個人的に社長が好きなので、もっと社長のことが知りたくなりました。
のっけから、不安定な亮磨に胸騒ぎがする序盤。決して穢してはいけない存在の「さち」に対して、荒削りの感情を胸に秘めながら接する姿は怖くて仕方がなかった。バイト先の人との距離感が一風変わっている愛とは、水と油のようでこの2人は成就せず、きっと、亮磨はさちと大団円を迎えるのだろうと思いながら読み進めていたが、予想は大きく外れ、まさかの展開に、、!
さちと亮磨はまさに規律正しいホワイトの関係、愛と亮磨はグレーと黒がごちゃ混ぜになったような、周りを巻き込んでいく感情のむき出しが新鮮で魅力的、最後まで目が離せなかった。