京都「無幻堂」でお別れを
大切な人形の魂を送る処
望月くらげ
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刊行日 2024/01/19 | 掲載終了日 2024/07/07
ハッシュタグ:#京都無幻堂でお別れを #NetGalleyJP
内容紹介
ことのは文庫5周年記念!
まずは読みたい、注目作品15選!
【ことのは文庫 編集部より】
2024年6月、ことのは文庫は創刊5周年を迎えました。
この度、心からの感謝を込めて、『ことのは文庫5周年記念! まずは読みたい、注目作品15選』展を開催します。
この機会にぜび、あなたの「推し本」を見つけてください!
※2024年7月31日までにご投稿いただいたレビューの一部は、ことのは文庫特設ページ(8月下旬掲出予定)にて、掲載させていただきます。
※以前にご投稿いただいているレビューも対象となります。
※リクエストが承認されると作品ページの下部「SNS投稿用の表紙画像はこちら」から、SNS投稿用の表紙画像がダウンロードできます。必要に応じて、適宜ご活用ください。
☆ ☆ ☆
幼い頃、大事にしていた人形はありますか――?
色褪せない思い出とともに見届ける、人形たちの最期の物語。
☆ ☆ ☆
【ゲラを読まれる方へ大切なお願い】
・校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が異なる場合があります。
・レビューなどでのネタバレ行為はネットギャリーのみならず、外部サイトやSNS等の多くの方が目にする場でもお控えください。
・自分には合わない作品だった場合、今後のためにも建設的なご意見をよろしくお願いします。
※今作は作者のご厚意によって提供いただいた校了前の大切なゲラを公開をしています。
※今作にこれから出会うであろう多くの読者のためにも、ご理解の上、素敵なレビューによる応援とご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
☆ ☆ ☆
【あらすじ】
人々の感情が色で見える特異な体質のせいで人生に嫌気が指していた明日菜(あすな)は、ある日理不尽なリストラに遭ってしまう。
途方に暮れ、行きついた先で目にしたのは、「従業員急募」という張り紙。
そこは、店主の柘植(つげ)と言葉を話す猫・詩(うた)が営む、魂が宿った人形の最期を見届ける「無幻堂」というお店。
ひょんなことから「無幻堂」で働くことになった明日菜は、人形たちの感情を読み取り、怒りや悲しみを汲み取っていく。
行き場を失った人形たちの最期に寄り添う、儚くもあたたかいハートフル・ドール・ストーリー。
【目次】
第一章 再就職先とわけあり古民家謎の店
第二章 黒みつ団子と青い瞳のフランス人形
第三章 トロッコ列車と置いていかれた雛人形
第四章 祇園祭と腹話術人形のジロウちゃん
閑話 思い出の贖罪と空に昇るマリオネット
第五章 過ぎ去りし日との邂逅と晴れ渡る空が流す涙
第六章 さよならと愛を知らないムーミーちゃん人形
エピローグ 京の朝と新しい明日のはじまり
番外編 流れゆく鴨川とぬいぐるみたちとのかくれんぼ
◆著者について
望月くらげ(もちづき・くらげ)
徳島県出身、大阪府在住。
2018年刊行『この世界で、君と二度目の恋をする』(KADOKAWA)で小説家デビュー。
以来、切ない青春恋愛小説やライト文芸、中華風ファンタジー小説など多くの書籍を刊行している。著作に、『優しい死神は、君のための嘘をつく』(KADOKAWA)、『止まり木ダイニング』(富士見L文庫)などがある。
クレーンゲームでぬいぐるみを取ることが好き。
◆イラストレーターについて
チェリ子(ちぇりこ)
“かわいい”を多彩なジャンルで描くイラストレーター。
MVイラストやキャラクターデザイン、広告イラスト・小説装画など様々なコンテンツで活動している。
出版社からの備考・コメント
◎拡材や新刊配本のお申込みにつきましては、
【マイクロマガジン社 販売営業部】までお問い合わせいただけますと幸いです。
件名に「ことのは文庫 1月新刊の注文」と明記の上、
「番線 or 番線情報」「書店名」「ご発注者様名」をご記載いただき
【hanbai-bceigyou@microgroup.co.jp】までメールにてご連絡くださいませ。
※受注状況によってはご希望数より調整が入る可能性がございます。予めご了承ください。
※価格は予価です。
◎こちらの新刊タイトルのお申し込み締め切りは2023年12月7日迄承っております。
おすすめコメント
◆それぞれの想いを胸に、可愛らしく動く人形たち
大切にされた過去を持つ人形たちが魂を宿して動いて喋る様子がとにかく可愛い。
是非、子どもの頃一緒に遊んでいた人形を思い出しながら読んでください。
◆明日菜と柘植の絶妙な距離感
明日菜を大切にしつつも、ぶっきらぼうな態度でしか表現できない柘植の様子にジレジレ間違いなし。
◆京都の街並みと美味しいお菓子
各章京都の景観が楽しめ、魅力的なお菓子も登場。中には人形と一緒に観光気分を味わえる場面も。
販促プラン
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出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784867165195 |
本体価格 | ¥720 (JPY) |
ページ数 | 288 |
関連リンク
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
人の心が色が表すように感じとれてしまうことで疲れてしまっているところへリストラされて、とほほ……な明日菜ちゃん。偶然見つけた求人募集の貼り紙。その「無幻堂」の店主柘植さんに出会ったのはたまたまとはいえ運命を感じます。魂が宿った人形を魂送するお仕事に明日菜ちゃんも携わるように。強引に人形に話し掛けるのではなく、人形の気持ちに寄り添ってあげる会話ができる明日菜ちゃんは優しいです。魂があるから人形はその想いを誰かに受け止めて欲しいのですね。
京都の喧騒が聴こえてきそうな街中の風景、それぞれの個性が強い柘植三兄弟、先輩猫の詩さん、美味しそうな甘味、どの情景も身近に感じられてほっこりします。人形の最後の想いを聞き届ける、温かいお話でした。
めちゃくちゃよかったです…!
懐かしさと切なさで胸がきゅうっとなりっぱなし。
私も子供の頃に大事にしていたぬいぐるみを思い出し、大好きだよ、という温かい気持ちが蘇りました。
大事にされればされる程、人形に魂が宿る。でも大事にしてくれる持ち主がいなくなってしまったら…?
そんな持ち主のことが大好きで気持ちが暴走してしまった人形の魂を送る、「無幻堂」。ぶっきらぼうだけど愛情深い柘植さんと感情が色でみえる明日菜、喋る猫の詩さん、それぞれの優しさで魂を送っていく。
一つ一つのエピソードが胸に沁みました。
大好きか京都が舞台となっていて、美味しそうなスイーツも気になるものばかり。何より柘植さんと明日菜の関係も気になるので、ぜひとも続編をお願いします!人形達の儚いエピソードももっと見たいです!
とっても素敵な作品をありがとうございました!
どんな力を持っていても、それにふさわしい心が伴わなくては意味が無い。
送魂屋の無幻堂で働くことになった明日菜は、感情が色として見える特殊なシナスタジア(共感覚)の持ち主。そのために、今までは自分の気持ちを押し殺して生きてきた一方で、相手の感情を大切にすることを学んできたのだろう。だからこそ、明日菜は送魂屋としてふさわしい。人形に入っている堕ちかけた魂を「愛情の結晶」と呼び、彼女の優しさと真摯な態度がその気持ちを受け入れることで、その魂を送ることができるのだから。それはこの力だけによるものではない。この力は、明日菜の心の手助けを、ヒントを与えてくれるもの。1番大切なのはそれを使う心だということ。それが全編を通してひしひしと伝わってきた。
柘榴も詩も、もちろん明日菜にも心に抱えた重いものがある。だからこそ、恐れや心配を抱く一方で、相手に優しくなれるのだろう。そして、柘榴や詩がそれを乗り越えていくのを共に経験することで、相手優先だった彼女も自分の気持ちを大切にすることをだんだん学んでいったのだろう。だから3ヶ月の試用期間を過ぎた頃には、明日菜は相手の気持ちを受け入れることは勿論、それと共にいること、更にそれを明るく返えていくことへと向かい始めている。
これからの彼女の心の成長が楽しみであるし、更に人間関係の変化の兆しにワクワクした。
また、この小説は京都観光と美味いもの巡りのガイドブックにもなった。下鴨神社、渡月橋、リッチ号、八坂神社、伏見稲荷大社。更には、きなこのアイス、本わらび餅、石焼きみたらし。
今度久々に京都に行ってみたくなった。
その力は心を手助けするもの。心はその力の使い方を定めるもの。だから、力は心を成長させる。ならば、次巻では、そうなった心がその力から新たな力を生み出していくのだろうか。楽しみだ。
送魂屋『無幻堂』を営む柘植の元に届けられる人形たちは皆、
持ち主の傍で長い年月を共に過ごすうちにその身に魂を宿していた。
喜び、悲しみ、怒り、憎しみ……様々な感情を抱えたまま、
やがて訪れる最期のときに人形たちが語る想いにほんの少し耳を傾けてみてください。
そして今、もしも大切にしている人形があるなら、
そこにはきっと魂が宿り、貴方にそっと語りかけているかもしれません。
ある日リストラされた明日菜は運命に導かれたように一軒のお店の前にたどり着く。そこには「従業員急募」の文字が。
明日菜は人の感情が色として見える特異体質があった。
たどり着いた店の名前は「無幻堂」大切にされてきた物や人形には魂が宿るとされ、その最期を見届けるお店だった。無幻堂は少し謎めいた雰囲気を持つ店主柘植さんと、人間の言葉を話す猫のいるお店だった。二人と一匹の掛け合いの絶妙なバランスもとてもいい。
謎めいた柘植さんにはある過去があった。そのためなのだろうか。他の兄弟と違って雰囲気が違う。なぜか標準語で、「馬鹿か」と明日菜に言うあたりは違和感を感じてしまうが、彼が負った傷以上のきっと語られていない過去があるのかもしれない。
どうしても手放せないぬいぐるみをずっと大切にしている私にとって、もし私が突然いなくなったらこの子はどうなるのだろう。
家族が人形供養に出してくれるのかもしれない。だけど大切だからこそ、そのぬいぐるみの最期の声を聞いてくれる明日菜に見送ってほしいなと思いながら読んでいた。
この本で出てくる京都の名所は有名どころばかりだ。きっと明日菜が無幻堂に就職した日に買ったガイドブックの冒頭に出てくるようなところなのかもしれない。有名どころから始まる観光案内として、移動手段も書かれていて分かりやすく、あまり京都に慣れていない人にぴったりだ。
明日菜が自分の特異体質で人の気持ちを汲み取るのではなく、自分の意思をもっと出して成長していく過程をもっと知りたい。
そしてガイドブックに頼ることなく、無幻堂で働きながら、明日菜が自分で探した場所や甘味処を見つけていくだろう今後の展開にも期待したい。
ちょうどこの本が刊行される一月下旬のほんの数日は、底冷えこそあれどいつもより観光客が少なく感じてゆっくり京都を楽しめる時期で、この本を片手に旅するのにちょうどいい時期でおすすめです。
大切に想う気持ちが何よりも尊くて温かい!
『大事にされてきた人形には魂が宿る』がテーマのお話。子供の頃に大切にして、一緒に遊んだ人形、大きくなるにつれ、段々と遊ばなくなる。
だけどこの作品はその人形のことを、一緒に遊んだ楽しかった感情を思い出させてくれます。
人形も人も、大事にされ、大切に想うことがどれだけ素敵なことかを教えてくれる作品でした。
ある能力のせいもあり仕事が長続きしない夏原明日菜は寝過ごして京都に着き、勢いのまま「従業員急募」の張り紙のある店に入る。白髪美麗な店主がいるその店は・・・。
美しく可愛らしくもあり妖しくもある人形に纏わる物語は、妖しくも心温まり少し切ない。静謐さと日常の雑多さを両立させる京都の光景、銘菓は人々の営みの性急な雑多さ、その裏で省みることが少なくってしまう愛用していた人形のもの悲しさを証明しているかのようです。そして3人(匹?)の軽妙なやり取りやツンデレ具合が人々の、生きている者たちの営みを肯定しているかのようで穏やかなながらも心強い気持ちにさせてくれます。
これからの関係やそれぞれの背景などにも興味が沸き上がる続きが読みたくなるような少し切なく不思議な物語。
最初はリストラされて、仕事内容も分からないのに働き始めたりもして、どこか危なっかしい印象もあった主人公でしたけど、彼女の持つ特性が上手く活かされていて、いい仕事に巡り会えたんだなとしみじみ感じる展開でしたね。周囲が諦めかけても人形たちの思いにひとつひとつ最後まで寄り添い、粘り強く向き合うその姿勢がとても印象的でした。
人間が生きる世界では、ときどき不思議な現象が起こることがあると思います。今回のテーマも、もしかしたらあり得るかもしれない。とすごく身近に感じました。特殊な能力を与えられた人々は辛く苦しいこともあるけれど、その能力を生かしながら、温かい心で怒りや悲しみを抱えるものたちを必死に救いながら癒していくとても優しい物語。どのお話も人形たちの心に秘められていた感情に、切ないような愛おしいような気持ちがあふれてきて胸がいっぱいになりました。登場人物の今後の関係性も気になるので、続編があればぜひ読んでみたいです!
人の感情を色彩で感じ取れるヒロイン明日菜が会社の利益よりも顧客の感情を尊重する優しさの為にリストラされ偶然降りた京都の町で「無幻堂」に再就職する。気難しそうな店主・柘植(つげ)人の言葉を喋る白猫の詩(うた)と共に人間に長く愛された人形たちの想いを断ち切り成仏させる仕事を通して明日菜はやり甲斐を感じ人としても成長していく。心を歪ませた人形達と対峙し危険を孕む仕事に真心と優しさで立ち向かい困難を乗り越える彼女は誠に立派で偉いですね。明日菜と柘植の恋の進展を願い続編の刊行に期待しますね。
人形をテーマにした現代ファンタジーってあまりないと思うので、読んでいてとても新鮮でした。人形が持ち主たちのことを今でも強く思っているからこそ、別れの時の悲しみによりずしっとした重みが感じられました。私含め人形が好きな人にとっては切ない気持ちになるエピソードも少なくはないですが、一方でところどころに入る京都の小ネタや人形の知識、それから明日菜が大好きな甘味の話題が物語を楽しく仕上げていたと思います。キャラクターもみんな魅力的でしたが、私は悠真に特に惹かれました。言うことはやや辛口だけど、物語が進むにつれて描かれるちょっとした優しさが凄く推せます。ストーリー全体がミステリアスな雰囲気だったので、いつか続編が出るのならぜひ読んでみたいです!