戦国武将伝 東日本編

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刊行日 2023/12/05 | 掲載終了日 2023/12/03

ハッシュタグ:#戦国武将伝東日本編 #NetGalleyJP


内容紹介

各都道府県で一人、武将を取り上げて掌編小説に!
直木賞作家・今村翔吾による“前代未聞”の挑戦作

信長、家康、信玄、謙信だけでなく、長野業正、津軽為信、真田信幸まで……
東の大地に漢たちが奔る!

北海道・東北・関東・中部地方の武将23人の、ときに笑え、ときに泣ける、心震えるエピソードを描いた傑作掌編小説集。

◎目次

[群馬県]黄斑の文――長野業正

[東京都]竹千代の値――徳川家康

[神奈川県]汁かけ飯の戦い――北条氏政

[千葉県]青に恋して――里見義弘

[愛知県]阿呆に教えよ――織田信長

[秋田県]由利の豪傑――矢島満安

[静岡県]義元の影――今川義元

[山形県]裸の親子――最上義光

[埼玉県]武州を駆ける――太田資正

[山梨県]暮天の正将――武田信玄

[福井県]高くとんだ――富田長繁

[新潟県]蒼天の代将――上杉謙信

[青森県]津軽という家――津軽為信

[富山県]半夏生の人――佐々成政

[福島県]雅なる執権――金上盛備

[岐阜県]完璧なり――竹中半兵衛

[栃木県]春に向けて耐えよ――宇都宮国綱

[茨城県]鬼の生涯――佐竹義重

[北海道]風の中のレラ――蠣崎慶広

[宮城県]頂戴致す――伊達政宗

[岩手県]松斎の空鉄砲――北信愛

[石川県]猿千代の鼻毛――前田利常

[長野県]真田の夢――真田信幸


各都道府県で一人、武将を取り上げて掌編小説に!
直木賞作家・今村翔吾による“前代未聞”の挑戦作

信長、家康、信玄、謙信だけでなく、長野業正、津軽為信、真田信幸まで……
東の大地に漢たちが奔る!

北海道・東北・関東・中部地方の武将23人の、ときに笑え、ときに泣ける、心震えるエピソードを描いた傑作掌編小説集。

◎目次

[群馬県]黄斑の文――長野業正

[東京都]竹千代の値――徳川家康

[神奈川県]汁かけ...


出版情報

ISBN 9784569855899
本体価格 ¥1,800 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

まず、今村翔吾氏の作品なのだから、つまらないなんて事はありえない。
つまり、著 今村翔吾となっている時点でハードルが爆上がりしている。
それベースでの評価と思っていただきたいです。
歴史上の人物にさほど詳しい訳ではないので、知らない人物の事が書かれているものが大半である自分にとって
今作はなかなかの苦行でした。
名前が読めない。ルビを確認するために何度ページを戻ったことか。
そして覚えた頃に話が終わってしまう。そして次の人物、また読めない。戻るのもはや輪廻。
その苦行分だけ★マイナス1です。
ただ、1人の人物に対し10ページ前後しか割けないにも関わらず、熱い感情が伝わってくる。
完全に今村翔吾作品の虜なので、毎度のパターンが嬉しくてたまりません。
次は西日本編を読みますがそちらも大変楽しみです。

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月間『歴史街道』に掲載された「連作読切小説 戦国武将×四十七都道府県」企画の東日本編。

各都道府県から一人、10ページ足らずの掌編。
どんな武将が描かれているか目次を見ると、私が歴史に詳しくないので知らない武将もいます。大丈夫かなと思いながら読み始めました。冒頭で有名な武将との関係や時代背景などにも触れられているので、そこからその武将についても肉付けされるように知ることができました。

私は長野県出身なので、大正生まれの祖母が話してくれた真田の忍者の話が小さい頃から大好きだったので、やはり真田家推しです。長野県の武将で真田家で良かったと嬉しくなりました。

今村先生の作品で初めてキュンとした[千葉県・里見義弘]のお話がとても好きです。
生まれ育った県や馴染みのある県では知られていても、離れた地域ではあまり知られていない武将もいると思います。こういう武将がいたのかと新しい出会いがありました。もっと深く知りたくなるきっかけになる一冊だと思います。旅のお供にもいいですね。

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面白いタイトルだと思った。本屋で本書を手に取る読者には,著者が今村氏だからではなくタイトルに興味を持つ人も多いに違いない。小説で目次を目にする人は多くないと思うが本書についてはまずは目次に目を通す人が多いと思う。次に自分の出身地や住んでいる県のページをめくって立ち読みしそうである。そこで面白いと思ってレジに進むかどうかだが,私の場合、伊達政宗から読んだわけだが勝手な伊達政宗の自分のイメージとは少し違っていてそこが面白いと思った。そこでレジに進む確率はその日の気分や読書予定によるが他の武将で知らない人も交じっているのが悩みどころで確率6割かと思う。さて全部を読んでみると重厚な作品もあればユーモア小説,青春小説など多彩で難しい課題に挑戦した著者の腕が冴えていると感心したがやはり各作品とももう少しページが欲しかったなあというのも正直なところだ。

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おもしろい!
有名どころからマイナーな武将まで、「個人」や「人間性」に迫って描かれた内容にひきこまれました。
誰もが必死で生きているという点では、勝者も敗者も天下人も同じ。みんな人間なんだなと感じました。
よく知られたエピソードでも、著者ならではの解釈やひねりがきいていて、そこがまた読み物としてたいへんおもしろいです。今村先生、このままの勢いであと何十年間か突っ走ってください!

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面白い企画だ。47都道府県にひとりずつの武将。今村氏ではなければ考えつかないと思う。戦国時代、この激動の時代にそれぞれの事情や立場があり、どちら側からでもなく、当事者から描かれていて、「生きるとは」をみることができた。できれば、それぞれの武将について長編をよみたくなる。

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今村将吾による戦国武将伝の東日本編。こちらには、家康、信長、信玄、謙信、等、有名所が名を連ねる一方、東北や北海道を舞台したものでは、この本で初めて知った武将も多い。信長、秀吉、家康が時代を作っていく中で、地方の武将たちも様々な影響を受けていく。どう生きていくかが問われ、戦場を駆け抜けていく。描かれるのは戦場だけでなく、親子の宴の場での機知に富んだ会話があったりもする。様々な場所、様々な場面で描かれた戦国武将伝は、今まで見ていたのと違った角度で戦国時代を見せてくれた。

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西から先に読みましたが東も面白かった!
47都道府県全て制覇した達成感とやはりこの企画の面白さ、そして何より内容も良かった。
謙信と信玄のエピソードがなんだかんだで一番感動した。
今村さんならではの解釈にやはり良い作家さんだと改めて感じた。

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戦国武将伝 東日本編/今村翔吾 PHP研究所

ー たった15ページ程で、47都道府県の武将の魅力が見事に惹き出された短編集 -

各都道府県ごとに戦国武将を紹介。
たった一つのエピソードで、その武将の魅力の虜になってしまう短編集
東日本編と西日本編に分かれていて、本作は東日本の23名の物語

伊達政宗「頂戴致す」
政宗が秀吉に処断されかけた2つのエピソードは知っていましたが、
そこにもう1つの危機を描いた物語。なんともコミカルで2人の個性が観える傑作

武田信玄「暮天の正将」上杉謙信「蒼天の代将」
信玄と謙信の隠された物語。謙信が信玄に塩を贈ったエピソードも有名ですが、
この物語もすごく熱い!本当に良き好敵手だったのが伝わってくる

北信愛「松斎の空鉄砲」津軽為信「津軽という家」矢島満安「由利の豪傑」
有名な武将の物語も良かったですが、これまで知らなかった東北の武将たちの
物語に触れることが出来たのが良かった。

竹中半兵衛「完璧なり」黒田官兵衛「未完なり」
秀吉の両兵衛と言われた半兵衛、官兵衛の対になる物語。
完璧と未完、求めるものが違う二人の天才、そのどちらにも痺れてしまいます。
(黒田官兵衛は西日本編にあります)

などなど、熱い物語や面白い物語など豊富で飽きさせない一冊。

特に今村翔吾先生の、周りの武将のエピソードから、ある武将像を浮き上がらせる
ところが天才的だと思います。短編と短編で対になっているような話もあり、
短編が繋がっている連作的なところも凄いと思いました。

長編お願いしますよ。とか思いましたが…参りました、この一冊も最高でした。

素敵な物語をありがとうございます。

#フタバ図書 #読了 #NetGalleyJP

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都道府県毎にゆかりの武将を取り上げたショートショート集。
こちらは東日本の23人。

都道府県別の武将、面白い企画だなあと。
地元の竹中半兵衛の話と佐竹義重の話が好き。
他の今村作品のスピンオフとしても楽しめますね。

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今村翔吾さんの作品は大好きです。
知らない武将が沢山いましたけど、それぞれに魅力があり、長編で読みたい人が沢山出てきました。

短くて「もうおわっちゃうのか」と思いながらも、次の話を読むのも楽しみで、なんとも贅沢な読書時間でした。

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これはあれだ。時々BSで流れる「昭和のベストヒット歌謡」だ。とにかく多くの曲をワンコーラスだけでも見せとこうみたいな、それの戦国武将版。ま、知らないエピソードもあったりしてそれなりに楽しんだ。けど一人当たり10ページは短いな。だから熱くてホロリの演歌・今村節もAメロだけで終わってしまった感じ。これは作者の観測気球なのか。この上下巻の中から手応えのあったものが次の長編になると読んだ。

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直木賞作家で歴史小説の名手・今村翔吾が描く、各都道府県ごとに縁の武将を取り上げた掌編小説、東日本編23人の胸打つ物語。

家族と過ごす優しい時、友と交わす固い誓い、戦国武将たちの戦の合間のなんでもないひとときを、独自の視点でユーモラスに演出した作品。
各10ページ程度に潔く纏められているのも武将たちにピッタリで、取っ付きやすくて幅広い層にオススメ。お堅い歴史小説とは違い人間性がわかるエピソードが多く、時代背景の違いから歴史に苦手意識がある方には特にオススメしたい。

誰もが知る有名な武将だけでなく、歴史好きしか知らないような武将にもフォーカスされていて、著者が何故その人物を選んだのかを作品を通して知っていく。その過程がとても楽しかった。

「富田長繁/高くとんだ」今で言うサイコパス思考。
「金上盛備/雅なる執権」「宇都宮国綱/春に向けて耐えよ」受け継がれた直向きな信念。
「竹中半兵衛/完璧なり」完璧主義者の究極の戦。
「里見義弘/青に恋して」ノリの良い水軍衆と、ドラマチックな展開が印象的な、武将の恋愛模様。
「津軽為信/津軽という家」武将を陰で支える女たちが戦況を左右する頼もしさ。
「伊達政宗/頂戴致す」茶目っ気たっぷりな独眼竜。
他、多彩な物語に最後まで飽きる事なく、何度も読み返したくなる一冊。

武将たちの絆も勿論だが、戦ではあまり出てくる事のない女たちの姿が描かれた物語が特にお気に入り。彼らの人となりや日常を覗けて、遠い時代の人たちを少し身近に感じられたような気がした。

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今もっとも輝いている時代小説の語り手である著者の引き出しの数の多さをまざまざと感じさせてくれる一冊でした。これだけ資料を読み込むだけでも骨の折れる仕事ですね。きっと今村さんはこの東西2冊の本を纏めるだけでなく、頭の中に幾つかアイデアが貯金されているのでしょう。それらの作品を読むのが楽しみですね。

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歴史物のショートショート。これは珍しい。各都道府県からそれぞれ1人の有名無名の武将の物語で、こちらは東日本編。繋がりがあるものもあったりして、読み進むうちにどんどん面白くなっていった。今村先生、流石です!

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このような短編集を読むのは初めてで、いつものような長編を恋しく思う…と思いきや、さすがの今村氏。長編ではきっと一つの章になるのであろうエピソードが面白い。ある者は粋で、ある者は豪胆で。主人公だけではなく周りの人がきらりと光るところがまたいい。

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これだけの武将を取り上げ、それぞれにドラマティックな展開を仕掛けられる作家は、今村翔吾さんしかいないでしょう。自分の故郷の武将が斬新に、鮮やかに、凛として描かれた様は、何とも言えぬ爽快感がありました。ただ一つ、無理やり欠点を挙げるのなら「水戸黄門」的な、よく言えば安定感、悪く言えばマンネリの展開にどうしても陥ってしまうこと。それも、各武将を爽快に描くためには致し方ない部分ではあります。
よって、「一気読み」というより、手元に置いておき時間をかけて、ゆっくり、じっくり味わいたい作品です。

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一県ずつ、1人の戦国武将を主人公に描いた読み切り短編小説である。この時代、常に背後に織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗などが睨みを利かせている中で、地方の一武将達が命を賭して、戦っている。勝利する者もいれば、花と散る者もいる。若い内に辛苦を舐めて、後年思いがけず家督を継ぐ者もいる。戦国時代とは、何と残酷で、そして一つの判断から敗北する者もいれば、知恵を駆使してうまく勝利する者もいる。戦いに明け暮れ、煮湯を飲まされることも多々あり、騙されたり騙したり、常に死と向かい合わせの中、生きた武将達一人一人が短編の中で輝いていた。武将達を支える臣下や女性達の機微も、時に非常に見事で、本書で初めて目にする武将達が多いのに、最後まで夢中で一気に読み終えた。

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今村将吾が描く47都道府県の戦国武将伝、こちらは東日本編。
歴史に詳しくない自分でも知っている戦国武将から、不勉強ながら知らなかった武将まで10ページ前後の話が続いていくので一人分があっという間に終わってしまう。でも一気読みというより、手元に置いて時々ページをめくりたくなるような感じ。
歴史小説が苦手な方でも読みやすいのではないでしょうか。
名前すら知らなかった戦国武将の生き様も興味深く、それぞれの長編も読みたくなるワクワク感。
西日本編も読みたくなります。

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47都道府県の武将達を主人公にした短編集。メジャーではない武将達にもスポットを当て今村さんの時代小説への愛を感じる。東北地方は特に馴染みがないから、当時の状況も合わせふむふむと読む。田舎侍ならではの悩みや葛藤も垣間見え時代を越えた歴史の面白さを堪能。

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西編に負けず劣らず、こちらも名だたる武将が勢揃い。
西編もそうだが、天下人を軸に関わりのあるエピソードが連作短編になっていた気がする。
そんな中、有名所も地方の武将たちも、それぞれの立場で自分たちの領土やそこに住まう民たちを守ろうとする漢やそうでない輩。そして女性は強い。
いつの時代も変わらないのだな~。

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西日本編に続き東日本編。徳川家康、織田信長、武田信玄、上杉謙信、伊達政宗などなど超メジャー級の武将が沢山登場で自然とこちらのテンションも上がる。戦国時代だからこそ起きた出来事や、人との繋がりが本作の様に少ないページ数であってもしっかりと伝わってくるのが凄い。一つ一つの短い物語の中で、笑ったり、涙したり、感動させられたりで改めて今村翔吾という作家の素晴らしさを実感した。西日本編でも書いたが、是非長編で読みたい物語が沢山あった。これからの作品も楽しみ。

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全体的な感想は西日本編でも述べた通りだが、各章末の参考文献からの着想でここまで上手く物語として表現する技法はお見事としかいうほかない。戦(いくさ)だけではない武将たちや武家の漢たちの群像劇としても面白く読めた。星4つ

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1話10分で読める短編集。
ちょっとした合間時間に読めて、「もうちょっと読みたい!」と思わせるさじ加減が絶妙。

都道府県ごとに1人ずつ歴史上の人物を取り上げる、ならともかく、
「戦国武将」に限定するあたりがすごい。
超有名武将でも、超有名エピソードの裏側を独自の解釈で描くなど、
筆者のリサーチ力とイマジネーションが冴え渡っている。

ほぼ同時代の人物たちなので、
互いに影響を及ぼし合っていることもしばしば。
武田信玄「暮天の正将」上杉謙信「蒼天の代将」
竹中半兵衛「完璧なり」黒田官兵衛「未完なり」(※黒田は西日本編)
など、タイトルも内容も響き合っていてしびれる。

かと思えば、「風の中のレラ」のような冒険小説風の作品もあって、
しかもどうやらこのレラは、別シリーズの登場人物らしい。
同じような仕掛けがまだ隠されているのかも。

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日本の武将の逸話の短編集。
今村さんのことはずっと気になっていましたが読むのは初めて。
歴史は苦手で昔からアレルギーなのか名前を見ただけですぐ眠くなってしまうのですが、こちらは数ページでまとまっているのでとても読みやすかったです。自分の生まれた地域や居住地の箇所を読んだり好きな武将の箇所を読んだり好きなように読むことが出来ます。また新たな出会い(推し武将が出来る)や知識だけでは無い再確認(推しはやはり推しだった)も出来たり、気になった史実を調べたり自分の知識も深めることが出来ました。
信長の尾行、竹中半兵衛の戰愛、最上資正の父の犬のエピソードが印象に残りました。
西編もこれから読むので楽しみです。

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各都道府県別23人の武将のを取り上げて、掌編小説にまとめる。すごいひつりょくだと思います。知らない武将たちが多かったです。れきは好きだけど時代小説はあまり読まない私が、面白い読んで見たいと思う作家さんです。僅かな資料を元に、これだけワクワクする物語を紡ぐことができるとは。西日本編も楽しみです。

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『戦国武将小説のベスト盤のような完成度』

47都道府県、それぞれゆかりのある戦国武将のエピソードを物語化した歴史小説短編集。誰もが知っている有名武将から、初めて名を聞く地方武将まで幅広く扱った著者の歴史愛あふれる作品。

東日本編の本作は北海道・東北・関東・東海・北陸の23都道府県が掲載されている。東京都の徳川家康、愛知県の織田信長、山梨県の武田信玄、新潟県の上杉謙信など、西日本編と比べて有名武将が多く登場するのが特徴である。私のように歴史にそれほど詳しくない方は、東日本編から読むほうがとっつきやすいかもしれない。

おすすめは長野県の真田信幸。「幸村を討て」を彷彿とさせる真田家のエピソードは、今村作品ファンとして嬉しくなる。また岐阜県の竹中半兵衛の"完璧な戦"を目指した軍師のエピソードは、西日本編に収録されている兵庫県の黒田官兵衛のエピソードにつながるものであるため、 ぜひ西日本編も手に取ってほしい。

本書はコンセプトが面白い。自分の地縁のある地域の武将の逸話は特に興味深く読ませてもらった。一話一話は短いが物足りなさはなく、見どころだけを寄せ集めてクローズアップした戦国武将小説のベスト盤のような完成度である。この作品に登場した武将が、また今村先生の長編小説へとつながることを期待したい。

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短編集ではあるが、それぞれの武将たちについて興味を掻き立てられる濃密な作品群であった。
勉強不足で名前も知らない武将も多かったが、知識はなくても物語の魅力で引き込まれた。
個人的には、特に信玄と謙信の話がそれぞれ呼応するような内容で面白かった。

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西日本編とあわせて、真田に始まり真田に終わる。そんな印象がありました。各話には直接関係はないですけど。
自分が東日本在住なので、西日本編よりは馴染みのある武将が多くとっつきやすかったです。どれも歴史書に書かれた一行くらいの文から話を広げてるようなので、作家ってスゴイなと感心しました。読み応えありです。

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