動物哲学物語 確かなリスの不確かさ

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刊行日 2023/10/26 | 掲載終了日 2023/11/30

ハッシュタグ:#動物哲学物語 #NetGalleyJP


内容紹介

動物の生態に哲学のひとさじを加えた、21篇の物語。
世界的ベストセラー『あん』のドリアン助川、構想50年の渾身作!

どんぐりの落下と発芽から「ここに在る」ことを自問するリスの青年。
衰弱した弟の「間柄」のためにニワトリを襲うキツネのお姉さん。
洞窟から光の世界へ飛び出し、「存在の本質」を探すコウモリの男の子。

日本・南米の生き物が見た「世界」とは──
動物たちのつぶやき、ため息、嘆き、叫びに出遭ったとき、私たち人間の心は揺れ動き、明日を「生きる」意味や理由が見えてくる!

青少年から大人まで、笑って、泣いて、学べる珠玉の短編集。

★巻頭スペシャル口絵★
多和田葉子の小説の装画・挿画で知られる溝上幾久子による、動物たちの銅版画作品をカラー掲載。

[著者プロフィール]
ドリアン助川(どりあん・すけがわ)
作家、歌手。明治学院大学国際学部教授。1962年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科を卒業後、1990年にバンド「叫ぶ詩人の会」を結成。解散後、執筆活動を開始。小説『あん』(ポプラ文庫)は映画化に加え、22言語に翻訳され、フランスでは「DOMITYS文学賞」「読者による文庫本大賞」など4冠に輝く。『線量計と奥の細道』(幻戯書房・集英社文庫、日本エッセイスト・クラブ賞受賞)、『新宿の猫』(ポプラ文庫)、『水辺のブッダ』(小学館)など著書多数。

動物の生態に哲学のひとさじを加えた、21篇の物語。
世界的ベストセラー『あん』のドリアン助川、構想50年の渾身作!

どんぐりの落下と発芽から「ここに在る」ことを自問するリスの青年。
衰弱した弟の「間柄」のためにニワトリを襲うキツネのお姉さん。
洞窟から光の世界へ飛び出し、「存在の本質」を探すコウモリの男の子。

日本・南米の生き物が見た「世界」とは──
動物たちのつぶやき、ため息、嘆き、叫びに出遭ったとき、私た...


出版社からの備考・コメント

★集英社のPR誌『青春と読書』連載「動物哲学童話」の書籍化です。
★校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
★本作品のサムネイル画像はNetgalley用に作成したもので、実際の表紙画像とは異なる場合があります。
★発行元は集英社インターナショナル、発売元は集英社です。

★集英社のPR誌『青春と読書』連載「動物哲学童話」の書籍化です。
★校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
★本作品のサムネイル画像はNetgalley用に作成したもので、実際の表紙画像とは異なる場合があります。
★発行元は集英社インターナショナル、発売元は集英社です。


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784797674378
本体価格 ¥1,818 (JPY)
ページ数 304

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

動物と哲学を絡めた短編集で、1つ1つが短いストーリーでしたが、考えさせられたり、切ない気持ちになったりしました。動物たちの緻密な描写や、自然の美しさが伝わってくる、どこかおとぎ話のような優しい語り口ですが、自然の厳しさや残酷さ、人間の愚かさなどがはっきりと書かれていて、今回1冊を通して読みましたが、手元に置いて1話1話丁寧に読みたい本だなと思いました。挿絵もとても魅力的でした。

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これは哲学書だ。
思考や行動を言語化することで、かれら(動物たち)の存在が私たち人間との共通部分、いやむしろ彼らのほうが
粗削りではあるけれども賢く、自分の特性を生かすことからの深い思考を可能としているのではないか、人間はどうなのか、と短編1篇を読むたびに、鈍器で軽く殴られたような状態に陥りながら読んだ。

命のありかたを、突き詰めていくそれぞれの動物たち。時にそれは厳しく、はかなく、非力である。
どうしようもなさを理不尽ととらえず、争わないことを無敵とする。これはまさしく今の自分にとって必要な言葉。

おそらく何度も繰り返してよむうちに、好きな短編、向き合うことに逃げたくなる短編がでてくると思う。
その時に、自分が本当に目を向けなければならないのは何か、それはきっと目をそむけたくなる短編なのだろう。
一度読んだだけでも、自分の弱さにその話が入ってくる。たとえばジャガー。それからリクガメ。命がつながっていくこと、途絶えること、その関係について、人生がある程度やりつくしつつある自分にとって、最近の命題でもある。皇帝ペンギンもそうだ。弟のために奔走する姉の狐も。最期はナマケモノのように微笑んで俯瞰することができるだろうか。

やはりこれは何度も読んで、そして自分とともにある存在としたい一冊だ。
たとえ鈍器で毎回殴られても、それでも。

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序盤は、ちょっと馴染めないかもなぁ…と思いながら読んでいたけど、だんだん(読み手としての)チューニングが合ってきたのか、面白くなってくるこの不思議。一話一話の長さが絶妙で、深みを覗いた瞬間に終わる感じも良かった。コウモリの倒置君、アリクイのペロリン君に乗っかってるネズミのおじいさんが印象深い。

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とても面白かったです。書籍も発売後すぐに購入して再度読みました。

生きていることへの気づきが、動物の目線で語られハッとさせられます。
哲学の難しい考え方も、優しくユーモアのある語り口で理解しやすかったです。

今年は日本各地で熊の出没が話題になっていたので、『害獣駆除』の問題も、改めて考えさせられました。

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きっと、動物たちも哲学している。
滋味深いイラストもあいまってそう考えずにはいられなくなる。

ここにいること、在ること。
なぜいま、この場に、この形で。

答えは見つからなくても考えることは無駄にならない。
そんなふうに思わせてくれる。

私はコウモリの話が一番印象に残りました。

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動物の視点で「生」を見つめる。動物だからこそ「生きてる」瞬間が鮮やかに切りとられる。そもそも哲学ってなんだろう。「モグラの限界状況」の中では、「考えることの試行錯誤と繰り返しというだけや」とある。生きるということは愚かさも美しさも併せ持っている。そうすると、この物語は私たちが生きていくための道しるべとなるものなのかな。動物たちの生きざまやことばは、人間社会で生きづらさを抱える人に響く宝物のような作品だ。

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