まだ終わらないで、文化祭

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刊行日 2023/11/20 | 掲載終了日 2024/03/03

ハッシュタグ:#まだ終わらないで文化祭 #NetGalleyJP


内容紹介

今年の文化祭では何かが起こる。

祭りの裏では生徒の思惑が交錯していて……

自分らしくってなんだろう。


すべての世代に「刺さる」青春ミステリー!

2020年に小説推理新人賞を受賞しデビューした著者による注目の第二作。


(あらすじ)

生徒の誰かによる「サプライズ」が慣例となっている八津丘高校の文化祭。しかし二年前、生徒による企画で人が殺到し教師がケガを負ってしまった。その様子はSNSにアップされて炎上、テレビにも取り上げられて大問題に……。


その後は自粛ムードが続いていたが、文化祭当日の朝、まるで宣戦布告をするかのように二年前の文化祭ポスターが学内掲示板に貼られていた。文化祭実行委員の市ヶ谷のぞみたちは生徒達に話を聞きにまわるが……。

「自分らしく」がなんだか息苦しい――あの頃を描いた日常の謎×青春群像劇。


(著者プロフィール)

藤つかさ(ふじ・つかさ)

兵庫県出身、大阪府在住。2020年に「見えない意図」で第42回小説推理新人賞を受賞。改題した同作を含む『その意図は見えなくて』で単行本デビュー。

今年の文化祭では何かが起こる。

祭りの裏では生徒の思惑が交錯していて……

自分らしくってなんだろう。


すべての世代に「刺さる」青春ミステリー!

2020年に小説推理新人賞を受賞しデビューした著者による注目の第二作。


(あらすじ)

生徒の誰かによる「サプライズ」が慣例となっている八津丘高校の文化祭。しかし二年前、生徒による企画で人が殺到し教師がケガを負ってしまった。その様子はSNSにアップされて...


出版社からの備考・コメント

※発売前作品のため、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。
※書影は仮のものです。
※ゲラは校了の前のデータにつき、修正が入る可能性がございます。

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784575246964
本体価格 ¥1,600 (JPY)
ページ数 208

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NetGalley会員レビュー

読み始めて、あれ?と思う。そして、この作品ってそうなんだ!と思う。作品紹介には取り立てて書いてなかった気がして、思わぬサプライズになりました。作品の舞台は高校の文化祭。そのキーワードだけで、「青春」って感じがします。事故がおきて、世間を騒がせた2年前の文化祭の詳細が、少しづつわかってきたり、登場人物それぞれが、文化祭というイベントの中で、何を思い、どう行動するのかが気になったりして、一気に読んでしまいました。本当に高校生らしいラストでしたが、一つだけ気がかりもあったりして。自分が彼の気持ちを読み違えていたのか、次の作品に繋がる何かなのか、せっかくなので、もう少し読みたい。読者も思ってしまうかも。まだ終わらないで、って。

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機材が圧倒的に安くなり、しかもプロのクオリティがアマチュアでも実現可能。地下アイドルもいるから役者にも事欠かない。そして何より出口がいくつもある。
これが深夜ドラマや若者向けの映画が大量生産されている背景だ。
どの作品がどれかの区別がつかないようなティーン向けの甘々ラブコメが量産されるのも、映画館がシネコン化し、たった1週間でも小さな映画館で上映することが可能になったこと、その実績があれば堂々と「映画」と名乗ることができる。その「映画」という看板を掲げて配信に売り込めば、確実に一定数がいる役者のファンが見てくれるので制作費がリクープできる。実によくできたビジネスモデルだ。
そんな作品がオリジナルで作られることはあまりない。原作があった方が安心して出資できるからだ。みんなでリスク分散投資をして「製作委員会」方式を採用する。そこで今、空前の「原作」探しブームが起きている。その大きな鉱脈がマンガだ。雑誌連載のマンガ、電子書籍で配信されるマンガ、そして産業として作られるウェブトゥーン、そしてさらには若者同世代が主人公のラノベ、ジュブナイルも原作として注目されている。
残念ながら、原作になる作品にはしっかりとしたストーリーの骨組みさえないものがある。フニャフニャのストーリーを強引のキャラクタ造形だけで運んでいく。
そんな時代だから、魅力的な主人公と魅力的なストーリーを兼ね備えたこの作品は貴重。誰もが「あったかも」と思えるような身近さがあって、しかしその真相を知りたくなるように出来事。
「文化祭」というハレのイベントもまたいい題材だ。「ハレ」の場だから、「ケ」の人々がいる。だから事件は起きる。
しっかりとしたストーリと人物像系で楽しく読めた。

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高校の文化祭の二日間を描く群像劇。
生徒の誰かによる「サプライズ」が慣例だったけれど、二年前におきた事故でSNSが炎上し大問題となり、
学校側の引き締めが厳しい中、誰かにより二年前の文化祭ポスターが掲示板に貼られ、犯人探しが始まる・・・
という謎解きを芯に置きつつ
それぞれの場面における登場人物の目線で、出来事や思いが描かれていきます。
それが、懐かしいというか、ひりつくようなというか、甘酸っぱいというか
高校生のころって、そうゆうところあるよな…とか
そういう子、いたよね、とか
それぞれの気持ちが理解できて
ついでに、引き締めようとする大人の立場も理解できて
多分、大学生よりももっと高校時代から離れた、社会人以上の世代に刺さる作品だと思います。
ところどころで伏線はあって、
なるほど、こうゆうことだったのか…と思っていたら、最後にまた一ひねり。
楽しめました。

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文化祭は本当に祭りだった。数少ない男子校に在籍していた私なら、なおさらだった。淡き夢ということに敢えて目をつぶり、繋がりを期待して。それだけに、登場人物たちの秘めた心情、動機に共感して読んでいき、見事に絡め取られていた。
ここ八津丘高校は共学。だからこそ、文化祭はより絶好のチャンスであり、青春を爆破させる場だったはず。でも2年前の「事件」は余波が大き過ぎた。それが今年の文化祭にまで及んでいるからこそ、過剰なまでの秩序だった文化の発信が、この文化祭で求められたのだろう。
だからこそ、2年前のポスター「BE YOURSELF」が与えた衝撃は大きかったのだろう。皆が「自分らしくあれ」を抑えるしかなかったのに。
そして、この「秩序だった文化祭」の象徴たる文化祭実行委員の、のぞみの犯人探しが始まる。言葉の端々に「予想外のトラブル=自分らしくあれ」への憧れを滲ませながら。
でも、何事もなく2日間の文化祭は終了する。何か起きるはず、何か起きて欲しい、というのぞみの願いこそが、このタイトル『まだ終わらないで、文化祭』なのだろう。
それだけに、後夜祭が始まるまでのわずがな間での、初日の聞き込みからののぞみの推理は見事であり、意外な犯人と2年前の「トラブル」との関係に唖然とした。そして、それで終わればよかった。
そして後夜祭。「文化祭実行委員」がその役を解かれた瞬間、「トラブル」が起きるとは。その全ては、のぞみの聞き込みから推理できたものであることに気づいて唖然とした。同じ情報から真逆の真実が現れるとは。
でも、驚きはまだ続く。「トラブル」の裏でのどんでん返しが続く。のぞみの願いに潜んだ本音の発露。更にその先に待つものに、唖然とした。
時間としてはわすが10分ほどか。しかし、この10分がこれだけの密度になるとは。「終わらないで、文化祭」。そう、文化祭が終わらなければよかったのに。

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さまざな自分らしさを
肯定してくれる一冊ですね。

人死にがなく血も流れない学園モノなのに
ハラハラ感は最後までありました!

いきなり雲行きがあやしくなり、
何かを予感させながら疾走する序盤。

まったく想像しない展開を見せる中盤。

思わぬ伏線が花火のように
パ、パ、パァンと炸裂する終盤。

特にラストが圧巻だったな~。

うわあっ、騙された!とは感じたものの
確かに、布石はちゃんとありました。

鮮やかな手口なので、いっそ清々しい。

これぞミステリの醍醐味!

印象的だったのはパンチのきいたキャラの
「声は道具じゃなくて、武器だ」
という気づきですね。

学習指導要領が話題になるシーンには
知らなかったトピックもあって
ハッとさせられましたよ。

ネタバレ回避のために
フワッとしたレビューになってしまいましたが
ラストは誰しも惹きこまれると思います。

強調したいので何度でも言いますよ。

ラストに注目!と。

(対象年齢は12歳以上かな?)

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前作「その意図は見えなくて」に続き八津丘高校を舞台とした青春ミステリー。
学内でも人気者の市ヶ谷のぞみと前作でも登場した佐竹優希の文化祭実行委員二人を中心とした群像劇により、高校生の瑞々しさ、痛々しさが描かれます。
もちろんミステリ要素もありますが、謎解きよりも謎をきっかけにした青春小説として楽しみました。

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青春に触れると、思いのほかざらりとする。
気づかないふりをしたその違和感には、誰かの思惑が潜んでいたのかもしれない。
なにげなく過ぎる日は、自分ひとりの世界でなく、多くの人々の世界と重なっているのだと、あらためて認識させられた。

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まだ終わらないで、文化祭/藤つかさ 双葉社

- 思わぬサプライズに衝撃と感動が押し寄せる青春ミステリー

生徒がサプライズを仕掛けることが伝統になっている八津丘高校の文化祭。
しかし、2年前のある事件で昨年は自粛ムードになっていた。

今年も自粛を求める頑固な教頭を前に、くすぶっている想いが爆発するのか…?
その中で出てくる、サプライズ予告とも言うべき1枚のポスター。
 
優等生の市ヶ谷のぞみ、陽気で楽天的な佐竹優希、陰の薄い清瀬諒の文化祭実行委員たち
何かを起こしそうな、軽音楽部、放送部、自然科学部たち
今年は何かが起こるのか・・・!?

個性あり一癖ありの登場人物が次々入れ替わって、物語が進んでいく。
そして最高のクライマックスに突入、最後はドキドキしました。

自分自身の学生生活も思い出ししつつ、一人一人青春してるなぁ~と
しみじみ、じんわり、ほっこりしながら読みました。
ミステリー要素も楽しめる群像劇、とっても満足の青春ストーリーでした。

素敵な物語をありがとうございます。

#フタバ図書 #読了 #NetGalleyJP

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「その意図は見えなくて」のスピンオフ?というか時系列的には続きなのかな。みんな最終学年になっているから1年後?ですかね。
恥ずかしながら途中まで気付かずに読んでいました。気付いたときの思わぬ再会が嬉しかったです。変わらずまたユウくんのミステリアスな感じがまた癖になります。
今回は文化祭の2日間の出来事。何かが起こるかも怒らないかもしれない、誰が問題や行動を起こすのか。ソワソワしながら読みました。
2年前の事件の伏線、それぞれの意図するところや会話の行間や裏。ゾワッとなりました。この年頃の生徒さんは出来上がっている子もいれば先の先まで予想が出来ない子もいる未完成な世代。軽薄な行動が大きな事件や学校生活の存続の危機に繋がることもしばしば。
伏線の隅々まで気になったので再読しました。そして前作ももう一度読みたくなりました。

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この高校の文化祭では毎年生徒による予定外な事が起きる。だが2年前に起きた事故のせいが昨年は何も起きず今年も…。
そんなある日、何者かによって2年前の文化祭のポスターが貼り出される。その意図は??

という中で繰り広げられる色々な人の思惑。ラストでのぞみの問いをどう解釈すべきか悩ましいです。

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高校文化祭での一コマをミステリー仕立てで仕上げる。
描かれる期待込みでのやや緊張感のある姿がなんともむず痒い気持ちを思い出させてくれます。
また未熟ながらもエネルギー溢れる姿とは裏腹にそれぞれが抱える悩み・違和感は、微笑ましくも表向き成熟していっている社会ではどこを見てもレールばかり敷かれている窮屈さを感じているようにも見えせつなくなる感情さえ沸き上がります。
青春期真っただ中で大きく同意する者、青春期を少し離れ赤面する者、遠く離れ懐かしく思える者と読む年代層でさまざまな感情を呼び起こすミステリ仕立ての青春譚。

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ある高校の文化祭が舞台の物語。その高校はゲリラ的なサプライズが伝統になっているようなアツい文化祭が特徴の学校だったが、2年前に怪我人がでてしまったことから学校側の締めつけが厳しくなっていた。今年は何かしらサプライズがあるのではないか、と一日目の朝、期待を隠しきれずわくわくする市ヶ谷のぞみ。…が、登校して待っていたのは、2年前のあの文化祭のポスターが掲示板に貼られていたという報告と教頭をはじめとする警戒する教師たち。文化祭はどうなってしまうの?我々の青春は?ある意味“正しい”文化祭を守るため、市ヶ谷と佐竹は見回りという名の謎解きに乗り出す。
あたかも市ヶ谷がシャーロックのように行動しているけど、いつか佐竹がシャーロックの一面を見せるんじゃ…、と期待して読みすすめたらまさかの影のフィクサーだった!
前作の『その意図は見えなくて』よりもぐっと青春の甘酸っぱさと苦さが凝縮されて、日常のなかの非日常を楽しめました。

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清瀬がユウの為に暗躍するこのシリーズ!とても好きです!今回も面白かったー!!
青春の青さ、甘さ、切なさ、苦さ、承認欲求がそれぞれの生徒を通して浮かび上がる。
二つの恋が花火に一番近い場所で叶うラストの美しさと同時に、探偵役となったのぞみは、何も知らされず踊らされ、片思いが叶わぬことに絶望し、文化祭が後夜祭を残して全て終わってしまったことを知る。
全ての謎が明らかにされたのにザラりと残る後味の悪さがクセになる!
前作からの佐竹の思いが清瀬に届いて本当に良かった!

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毎年イレギュラーな事件が起こる伝統の文化祭で、生徒が教師を怪我させその様子がSNSで拡散されるという大問題が起きた。2年後の文化祭当日の朝、そのときの文化祭のポスターが校内に貼ってあるのが目撃され……? 文化祭とは自分らしさを表出する場。そう素直に言い切ることができる市ヶ谷のぞみが眩しくて、最初は少し苦手だった。だからこそ後半の展開が刺さる。前半は、市ヶ谷のぞみと佐竹優希、高校生活最後の文化祭に臨む2人が問題を起こしそうな部を巡り、そのことで部内に波風が立って部員たちが隠したかった秘密が暴かれてしまう、という展開の連続が連作短編を読んでいるようで楽しかった。青春の影やほろ苦さを感じる大好きな話ばかり。けれどクライマックスがあまりに素晴らしくて、感情をすべて持っていかれてしまった。文化祭ミステリとして白眉の出来。シリーズ1作目を未読だったことが悔やまれる。

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ふいに、高校時代の文化祭を思い出した。文化部に所属していたこともあり、クラスでの催しの記憶はほとんどない。自分たちのことに精一杯で、他のことが目に入らなかった。

だがこの作品を読み、きっとあの場所にいた誰もに、それぞれのドラマがあったのかもしれないと浮かんだ。

二日間の文化祭を舞台にした、どこか懐かしくほろ苦い青春ミステリ。

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