100年のレシピ
友井 羊
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刊行日 2023/10/16 | 掲載終了日 2023/12/25
ハッシュタグ:#100年のレシピ #NetGalleyJP
内容紹介
みんなの幸せのため、
おいしい料理をつくって100年!
1920年に生まれ、2020年に亡くなった有名な料理研究家の人生を、その時々を時代をとおして描く連作ミステリー。
(あらすじ)
終戦後、荒廃から立ち直る日本において、「食」から家庭を応援する女性がいた。料理研究家である彼女は、様々なレシピを発表し、日本中の女性から支持を集める。
そんな「伝説の料理研究家」が現代まで歩んできた道を、それぞれの時代の社会背景とつくられてきた料理を絡めて描く連作ミステリー。
「2020年のポテトサラダ」
「2004年の料理教室」
「1985年のフランス家庭料理」
「1965年の朝の食卓」
「1947年のじゃがいもサラダ」の5編からなる。
●著者プロフィール
友井羊(ともいひつじ)
一九八一年、群馬県生まれ。國學院大學文学部卒業。
二〇一一年、『僕はお父さんを訴えます』で第十回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞し、二〇一二年に同書でデビュー。
著書に「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズ、「さえこ照ラス」シリーズのほか、『無実の君が裁かれる理由』『放課後レシピで謎解きを』などがある。
一九八一年、群馬県生まれ。國學院大學文学部卒業。
二〇一一年、『僕はお父さんを訴えます』で第十回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞し、二〇一二年に同書でデビュー。
著書に「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズ、「さえこ照ラス」シリーズのほか、『無実の君が裁かれる理由』『放課後レシピで謎解きを』などがある。
出版社からの備考・コメント
※書影は仮のものです。
※ゲラは校了の前のデータにつき、修正が入る可能性がございます。
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784575246841 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
ページ数 | 304 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
戦前の1920年うまれの料理研究家、大河弘子の人生を辿るのはその曾孫の翔吾と大学生の理央。
戦後の食糧難のさなか、いつか誰も飢えることなく、お腹いっぱいに食べられる時代を願った。
そして不器用な親友のため単純で簡単なレシピを書き続けた。
100年の人生を食という切り口で綴った心温まる一冊。
友井羊先生と言えば、「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズ。だからこれも、食べ物を絡めた日常の謎の連作短編集と思って読み始めた。でも本作は、単なる連作短編ではおさまらない作品だった。
『2020年のポテトサラダ』
コロナウイルスの症状と緊急事態宣言による混乱をうまく使った料理ミステリ。それだけでも見事なのに、料理研究家大河弘子はオンライン通話で謎を解き明かした後、翌週に百歳となり穏やかに亡くなった。最終話が第1話とは。そして、時系列を逆にしていることがこれ程効果的とは思わなかった。ここにたどり着いた彼女の来し方が気になり、次へと読み進めた。
『2004年の料理教室』
時を遡るなら第1話の理央と翔吾はもう出てこないのかと思ったら、それは杞憂だった。2人の調査により、料理研究家大河弘子の過去が明らかになっていく。
BSE(牛海綿状脳症)が問題になっていた頃。乳製品を食べていないのに牛乳アレルギーの症状を起こした子供の謎。それに、当時の世相がこうに絡んでいたとは。
『1985年のフランス家庭料理』
バブル黎明期で、ジェネレーションギャップから若者が「新人類」と呼ばれていた頃。雑誌「コッペ」編集部に異動した聡美は、料理研究家の大御所大河弘子の担当となる。そして彼女は、葡萄ジュースにワインが混ぜられた深い訳に、大河弘子と共に直面する。
『1965年の朝の食卓』
東京オリンピックの2年後、有名料理研究家大河弘子と娘の温子の会話から始まる。油に入れたコロッケが破裂した理由と、それを仕組んだ人とは。そして、どんでん返しに唖然。でも、こうやって、大河弘子の過去が明らかになってきた。
でも、戦前から戦後、彼女の根底を成している部分はまだ謎のまま。理央と翔吾の調査はここで頓挫する。
『1947年のじゃがいもサラダ』
これは、百歳の誕生会から始まる、大河弘子の一人語り。戦後の混乱期、必死に生きる中で、料理の腕を認められていく弘子。彼女は幼なじみの花央の行方を追う。「じゃかいもサラダ」が得意だった花央を。そして危うく弘子は……
こうして、大河弘子の料理へのこだわり、人の道から外れそうになった者への憤りの由来が明らかになる。
そして、大きな大きな円を描いて1947年の「じゃがいもサラダ」と2020年の「ポテトサラダ」が繋がる。なんと言う奇縁。そして、大河弘子はこの成り行きを後世に残し、目を閉じる。
文の端々や日常会話に当時の世相、流行、事件などが自然にでてくる。それが、まるでタイムスリップしているかのような気分にさせた。
そして2020年の最終話(第1話)での登場人物達が、一人一人と集っていく様子が、過去に向かって描かれる。それは、人の縁の不思議さ。それが、大河弘子を大河弘子たらしめている根源、1947年の第1話(最終話)に辿りついた時、円環は完成して終末へと還る。なんと言うめくるめく構造。
おいしい料理を作って100年。
料理研究家「大河弘子」が歩んできた100年を2020年から遡りながら、それぞれの時代背景と料理を絡めて描かれる連作ミステリー。
食べてくれる人の喜ぶ顔を思い浮かべながら作る料理。その思いは100年を経ても変わることはありません。
2020年から時代を遡りながら、その鋭い観察力と洞察力で大河弘子は料理を絡めて謎を解いていきます。
大河弘子が考案したレシピが結ぶ縁が彼女の料理人生の原点と繋がり、あたたかい気持ちになりました。
美味しそうな料理が登場しますが、一番気になったのはやはり千切りのポテトサラダです。どんな食感でしょう。家族が美味しいと言って喜んでくれる姿を思い浮かべながら作ってみたいと思います。
読み終わったあと、きっとポテトサラダが食べたくなるはずです。
戦時中から令和にかけての時代の移り変わりを、料理を通して、人間関係や時代背景がはっきりと読み手にも伝わってきました。
全体的に優しさにあふれる作品ですが、やはり戦時中、後の日本が混乱期のシーンは胸が痛くなりながらも、同時に今自分がおかれている状況を幸せに感じられる、そんな作品でした。
2020年のコロナ禍から、偉大な料理研究家の「大河弘子」の過去が少しずつ紐解かれていく時代逆行ミステリー。戦時中、戦後、高度経済成長、バブル期、不況に災害、その時代時代でのエピソードにまつわる料理のヒントが必ず出てきます。昭和のお料理教室のカラーが強いせいか、読んでいるうちに「暮しの手帖」が頭に浮かんできました。ステーキの強火で肉汁を、、の部分では発想の転換、思い込みからの脱出に膝を打ち、次回はぜひ挑戦してみようと思いました。現代のSNSに溢れる映え料理ではなく、日本の古き良き時代からの家族皆で顔を合わせて頂く家庭料理の大切さを今一度思い出させてくれる1冊でした。
とても読みやすくて、物語にどんどん入っていける作品。身近な料理が題材なので読んでいて楽しい。1話1話がとてもしっかりしていてページ数はそんなにないはずなのになんだかたくさん読んだ気になる。本という形で手に取ってゆっくり味わいたい作品だと思った。最後の最後でこんなに泣いてしまうとは思わなかった。レシピもとっても気になります。発売が楽しみです。
家庭料理研究家の大河弘子をめぐる、料理とそれを取り巻く人たちの物語。メニューと西暦が短編のそれぞれのタイトルになっていて、章を追うごとに年代は古くなっていく。各短編は主人公も異なるけれど、大河弘子がキーパーソンになっていて、謎を解き明かしていく。でもその大河弘子自身の料理の原点である過去は謎に包まれているのだ。そして、最後の最後に、いよいよ謎が解き明かされていく。
ミステリーの面白さに加え、家庭料理という、ごく当たり前のように日々誰かが家族のために作っている料理についても、色々と考えさせられるものがあった。読み終えて、また最初から読み直してみたいと思わせるストーリーだった。
一人の料理家の過去を追うことで、係わった人たちとの思い出を紐といていく、こころ温まる物語。
凝った料理が愛情?自分が作ったものが愛情?
料理はお腹を満たすだけのものだけではなく、心結も満たすものであると再認識させられる。
戦前〜戦後の日本を生き抜いた大御所料理研究家の一生を、謎を持ち込む人たちとのエピソードを絡めながら追っていくお話。
本書は、現在2020年から過去に遡っていく構成だが、大河先生に関わる人たちが2020年のお話に総登場しているのが、読了後に判明する。
次は最後の章(1947年)から遡って読み返したくなる。構成の妙に感動しました!
図らずも料理に関連するいくつもの謎を解いてきた料理研究家の百歳の大河先生。
料理とミステリーが同時に味わえる贅沢な作品でした。
悲しい事件もありましたが、いろんな縁が繋がっていき、心穏やかに読めるミステリーでした。
日本中の女性から支持を集め、理央の実家の味の起源にもなっている料理研究家について、彼女の曾孫の翔吾とともに彼の父の過去や弘子が出した本の編集者、忙しい母に代わって彼女が料理を作っていた隣家の女の子たちを取材してゆくことで、改めて浮き彫りになる弘子の料理に生きた人生。一方で彼女がずっと気にかけていた戦後間もなくに起きた出来事のその後も、これまで真摯に積み重ねてきたことが全て繋がって、ひとつの事実を明らかにしてゆくとても幸せな結末になっていました。
有名な料理研究家である「大河弘子」が料理と共に歩んできた100年の人生を、彼女の曾孫とその友人が弘子の知人へのインタビューを通して解き明かしていく。戦中戦後の苦しい時代からバブル期を経てコロナ禍まで、常に料理を通して人と関わってきた弘子の人生はとても興味深くて面白かった。作品中に出てくる料理もどれも美味しそうで、簡単にできそうなものもあり、私も大河弘子の料理本が欲しくなりました。『大河弘子のかんたん料理』の発売を楽しみにしています(^^)
料理研究家・大河弘子の味で育った理央。あることをきっかけにその大河弘子のひ孫・翔吾と彼女を過去へとたどっていく。2020年のコロナ禍の渦中、理央が出会った実家での不思議な出来事を始めとして、2004年ではアレルギー、1985年では葡萄ジュース、1965年は破裂したコロッケ…と実は小さな謎解きの連作短編になっている。弘子が過ごした時代の流れ、友人との日々、愛にあふれたレシピの数々…それぞれの時代でニュースを賑わせたたくさんの事件も蘇る。最終話1947年、見えたものに心が震えた。優しさでいっぱいの一冊だった。
これはすごい。最後まで読むとまた始めから読み返してみたくなる。
100歳で生涯を閉じた家庭料理研究家の大河弘子。
その生涯の謎を辿るのは曾孫の翔吾と大学生の理央。
理央の不思議な体験から始まり、年代を遡り不思議な出来事を大河弘子が謎解きしていく連作短編集。
日本の時代背景も相まって胸が痛くなるような出来事もありながらも最終章で全てが繋がり、読み終わる時にはとても温かい気持ちになれます。
そしてポテトサラダが食べたくなりました。
お気に入りの一冊になりそう。
家庭料理研究家の大河弘子を軸に物語が進みます。
終戦後の食糧難やバブル、食品偽装など、食品にかかわる歴史のつづられ方が興味深かった。
曾孫の翔吾と卒論を書く大学生・理央が謎解きをしていくのも、スープ屋しずくシリーズを描く友井さんらしく、読みやすく楽しませていただきました。
2020年に100歳丁度で亡くなった人気料理研究家・大河弘子の人生の節目のエピソードを曾孫の翔吾と大学生の理央が辿る全5編の料理ミステリ連作短編集。2020年のコロナ禍から遡って1947年の戦後の混乱期に辿り着く5つのエピソードには料理と人間心理の謎が描かれ、料理に関する名探偵のようなヒロイン・大河弘子の鋭い洞察力が日常の不思議な謎を見事に解き明かしま解決へと導きます。読者はその当時の世相を学び料理の知識も深まると同時に人の情けと思い遣りの心が通う物語に心も癒されることでしょう。
戦前・戦後・平成・令和と料理を通して時代を生きた料理研究家。
その料理研究家の孫が、彼女の人生を振り返り時代をたどっていくミステリ。
お料理ミステリーは世の中にもたくさんありますが、探偵役と思われる人物が第一話で大往生する展開には正直かなり面喰いました。
そこから彼女を知るために友人知人を訪ねていく過程で、エピソードとしてちょっとした謎が提示されていくストーリー展開は面白く、読むのが楽しかったです。
もちろんお料理の表現もよく、おなかが空きました笑
コロナでの社会状況もしっかり書き込んであるのは、個人的にとても良かったです。
自分のこども時代を思い出して、とても懐かしい気持ちになりました。