ハジケテマザレ
金原ひとみ
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刊行日 2023/10/03 | 掲載終了日 2023/10/16
ハッシュタグ:#ハジケテマザレ #NetGalleyJP
内容紹介
ウルトラノーマルな人生を祝福する、最高のバイト小説!
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「普通は尊いし、普通は貴重だし、普通はむしろ普通じゃありません」
バイト仲間のYouTuber彼氏を襲撃、先輩に誘われて初めてのクラブで爆踊り、激辛フェスで後輩のプロポーズをプロデュース……
ウルトラノーマルな人生を祝福する、最高のバイト小説!
「ハジケテマザレ」「モンキードーン」「フェスティヴィタDEATHAシ」「ウルトラノーマル」の四篇を収録
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著者/金原ひとみ(かねはら・ひとみ)
1983年東京生まれ。2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞。04年、同作で第130回芥川賞を受賞。10年『TRIP TRAP』で第27回織田作之助賞を受賞。12年、パリへ移住。同年『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。18年、帰国。22年、『ミーツ・ザ・ワールド』で第35回柴田錬三郎賞を受賞。
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【 編集担当者より】
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著者・担当編集ともに楽しみにお待ちしております!
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販促プラン
★
発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなどNetGalley以外の外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。
ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。
★★★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 出版営業局>まで直接お問合せをお願いいたします。
★★
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出版情報
ISBN | 9784065333389 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
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閉店後のイタリアンレストランで繰り広げられる狂宴?から様々な出来事が発生していくけど、それぞれのキャラ立ちがしっかりしていて、また内容がすごく今(youtuberとかUberで出前とるとか)に即しているので現実感が強い。何か事が起こってからの疾走感がすごく、あっという間に読んでしまった。
会話文が若く、鬨に鋭い?キラーワードが出てきてそこもグッと来た。特に「でも猿って舐めたらぜったいしょっぱいよね」
登場人物が繰り広げる一種モラトリアム的な世界が居心地がよく、唐突に訪れたエンディングにすこし寂しい思いがした、もっとこの世界に触れていたかったかも。
ピリッとスパイスがきいた、人生へのエッセンスのような、心身共に元気があふれる物語。
ちょっと違った普通が、とても楽しく心がはじけます!
そして、バイタリティあふれるみなさんが、
パワフルでカッコイイ!
のびやかな、子どもの心を秘めている大人の青春小説!
毎日が愛おしくなるような物語に、パワーをいただきました。
「ウルトラノーマル」な主人公とあるが、ノーマル上等。コロナ禍、普通に生きていくことがいかに難しかったか、苦しかったか。「普通」であることって、意外に難しい。
そして歳をとればとるほど、「普通」でいられなくなる。「普通」であることの「異常」さを知ってしまうからだ。
若くして芥川賞を受賞した作家だが、歳を重ねても若い感性で時代を鋭く捉えている。そのパワーとしなやかさに嫉妬する。
無性に金原さんの文章に触れたくなる時がある。
この作品も鋭くキレッキレな文章と、魅力的な登場人物たちに出会え元気が出た。
「ウルトラノーマル」なわたし。
バイト仲間は特別可愛いし、陽キャでコミュ力高くて、そんな人たちに囲まれている普通のわたし。
特別がなくても、普通は尊い。多くの人が特別に憧れても普通なはずで、わたしに共感するだろう。
そしていつしかこのバイト仲間と過ごす時間がかけがえのない時間になっていく。
「普通は尊い」のだ。だからこそ仲間たちに「ハジケテマザル」愛おしくて最高の時間がここにある。
読み終わりたくないと思いながら読んでいた。もっとみんなと一緒にいたかった。でも「普通」の私を肯定され、とても元気をもらった。
「普通」でいいじゃない!
自分も平凡な人生を送ってきて、周りにいる才能溢れる人、バリバリ仕事できる人と
自分を比べて卑屈な感情を覚えることもあるけれど、「普通」だっていいんです。
主人公のバイト仲間たち、みんな一見特殊なように見えるけれど、
別の一面はいたって「普通」だったりするかもしれないし。
まあ、それにしても個性溢れる仲間たちですが、なかなかいい環境で居心地良く
バイトできるなんて羨ましいくらい。その理由が最終章で明らかになって
そんな人たちがいる職場で働いてみたいと強く思いました!
最高!4つともタイトルまでジワる。
メイちゃんのスーパーポジティブなところも、普通の私たちには羨ましい。
現代では、精神的時間の余裕がある人だけしか思考しないのかも。普通の人は考えて考えて、誰かと比べて落ち込む。
普通であることは尊い。そんなことも普通の人には気づけない。
激辛フェスのハチャメチャぶりなど、ノンストップでおもしろかった。
タイトルの「ハジケテマザレ」とはなんぞや? ネットで検索すると大阪で毎年開かれている音楽フェスがひっかかるが、本作とは関係なさそうだ(多分)。登場人物の中にDJとかシンガーはいるけれど。読み進めるとその謎はあっさりと解決する。ヒントは漢字変換。かな漢字混じりの表記にすれば簡単に理解できた。
4篇の短篇で構成された連作短篇集で、イタリアンレストラン「フェスティヴィタ」池尻大橋店に勤務するちょっとおかしな面々が、コロナ禍で危機的な店をなんとかする……というお話ではなかった。おかしな面々が巻き起こすさらにおかしな騒動を読むうちに、この狂った現実世界を笑ってやり過ごせるような気になってくるから不思議だ。
金原さんの最近刊行された本はほとんど読んでいるが、ちょっと作風が違っていて楽しかった。20代後半の女性が主人公のためか、おっさんにはちょっと理解し難い表記も多かったが。
登場人物みんなが平凡でどこにでもいそうな一方、ちょっとどこかネジが外れてておかしいような気がする。
その中に混じっている主人公こそ普通な気もするし、普通じゃない気がする。
そんな「ふつう」という基準が揺らいでしまうような感覚でした。
「普通って何?」「みんな個性」みたいは作品が最近多いですが、どストレートに諭してくるのではなく、思考の渦に気づいたら飲み込まれるような不思議な魅力のある作品でした。
初金原ひとみ。
コロナ禍、イタリアンレストラン閉店後の厨房で、従業員らが飲んだくれて与太話をしてるだけなのに、なんでこんなに面白いんだろう。
おばさんも交じってるはずなのに、なんか青春の匂いが漂ってた。
一風変わった青春物語? と思って読んでたけど、途中で、家族物語? とか思ったり。
ただ、偶然に、同じ時、同じ場所で、働くことになっただけの関係が、なんだか心地よくて家族のように感じられたりして、こういう人たちのいる職場で働けたらいいよね。
主人公の真野は、他の人たちと比べて普通ってことに引け目を感じてるんだけど、それをちゃんと見てくれている人たちに会えよかったねって思った。
読後は、「わたしも普通だけどなんかできるかも」と謎の高揚感、肯定感が沸き上がり、とてもよかった。
タイトルも一秀。
バイト先の、いや、むしろバイト後が本番か…?止まらないドタバタ劇!
めちゃくちゃおもしろかったです。
バイトって、あんまり今まで自分の周りにはいなかった、全然違うタイプの人と出会えるのがおもしろいとこなんだった。
何かが得意な人、苦手な人、そこそこな人。いろんな人がいて、そういう他人がいるからこそ自分もいて、ちょっとずつ助け合ってて、それでいいんだなって元気が出る。
ずっとずっと読んでいたいけど、
この居心地のいい場所にいたいけど、
でも!前に進むのだ!
二十歳代のころは、お酒を飲んで気持ちが緩むと、あぁ、何とか世界中のすべての人が一緒に幸せになれないものかと願っていました。もちろん普段はそれほどのお人よしでも善人でもない私が、なぜか「万物の幸福を祈る」おおらかな気持ちになれたのです。
金原ひとみさんの『ハジケテマザレ』には、この「万物の幸福を祈る」という、ほんわかとした雰囲気が全編に漂っているように感じました。
文章には常に全力で走っているような疾走感とスピードがあるのに、読んでいるあいだ中、私の周りに寄り添う心地よい酩酊感は、いったいどこから来るのだろう。
そう思いながら読み終えた不思議な作品でした。
イタリアンレストラン「フェスティヴィタ」は、コロナ禍で職をなくして入ったバイト先。
普通オブ普通な性格で、本当は面倒に巻き込まれたくないし、でも断れないし、逃げ腰だけれど、陽キャなメンバーと過ごすうちに、それはかけがえのない日々に―。
そして、カレーを食べたくなること請け合い!な小説です。
「普通」を自負している主人公が、普通ではない仲間と過ごしている時の妙に自分を客観視してしまうところとか、気づいたら周りの影響を受けていてそこも自覚するところとか、読みながらわかる〜!っと声をあげてしまいそうになる心理描写がたくさんありました。金原先生の描く予想もしないところから刺さってくる言葉たちが癖になる疾走感のある一冊でした。
バイト先のイタリアンレストランで起こるドタバタ劇。個性的な人たちに囲まれて、普通な無個性の主人公は、自分の普通さに打ちのめされることしばしば。それでも楽しいメンバーとのひと時を大事にしていて、ずっとこのままがいいと思っている。
身内でしか分からない話題に盛り上がるような高揚感が、すごくリアルに描かれていて、若者言葉の会話の羅列に飲み込まれるように一気読み。
勢いだけで生きているようで、自分の生き方考え方をしっかり持っている人たちの中で、確かに主人公の普通さは読者の共感を得るし、特殊な人たちに巻き込まれるドタバタ展開は笑えて、元気をもらえる。
結論、おもしろかった!
コロナで派遣切りにあい、食い繋ぐためにイタリアン•レストランのバイトに辿り着いた主人公が周囲の先輩等の一風変わった価値観にながされ、たぶん思いもしない方向に流されるストーリー。オジサンの常識では辿りつかない日常も、実は現在の若者の多くには共感されるものなのかも知れない。「こんな世界もあるのか」と新しい発見でした。
コロナで派遣切りに遭い、食い繋ぐためにイタリアンレストランで恒例となってゆくベテランのマナルイコンビとの閉店後の深夜飲みから始まる、バイト仲間のYouTuber彼氏襲撃、先輩に誘われて初めてのクラブで爆踊り、カレーとDJに目覚めたフランス人、激辛フェスで後輩のプロポーズをプロデュース。一見好き放題やっているように見えるマナルイ先輩たちが牽引して引き起こす様々なエピソードを見ていると、さりげなく上手く行かないことを抱えているバイトたちのかけがえのない居場所となっていて、彼女たちを支えて立ち直らせてゆく、弾けて楽しい日々がとても印象に残る物語でした。
なんて楽しい職場だ!マナルイさんたちと飲み明かしたいし、ヤクモとしゃべりたいし踊りたいし、ブリュノのカレー食べたいし、岡本くん応援したいし、普通オブ普通の真野っちと一緒に働きたい!楽しい、だけで生きられたらいいのになー。
バイト先のイタリアンレストランで、謎な背景がある個性的な同僚との交わり。
自分は「普通」と思ってるいるけれど、いったい「普通」ってなんだろう?
いろんな価値観というか感性の人がいて、そして自分が居る。
みんなが「ハジケテマザレ」ば、世界はもっとおもしろい!
そんな思いを抱き、「普通」の自分がもっと好きになる話でした!
ありがとうございました。
コロナ禍のイタリアンレストランが舞台になった連作短編集。
派遣切りに遭い、フリーターになった主人公の状況を考えると決して楽観視はできないはずなのに、悲観的になる要素はほとんどなく、むしろそんな苦しい状況でさえも明るく笑い飛ばしてしまえるような物語でした。
ラストのウルトラノーマルを読み、思いがけずほろっときてしまいました。マナルイさん最高!
コロナ禍で派遣切りになり、現在イタリアンのお店でバイト中の主人公。主人公は普通中の普通の人で、本人は』何者か』になりたい願望があり、将来にも不安があるよう。一方で同僚達は良い意味で弾けた人ばかり。同僚の元カレに夜襲をかけたり、クラブで踊りまくったり…。そんな状況を自分の居場所として大切にしている主人公。どのエピソードも笑ってしまうし、クセ者だけど楽しい同僚に囲まれているのが羨ましくなる。普通はつまらない?そんな事は無い。普通を維持する方が難しいのではないか。主人公のこの先にエールを送りたくなる。
コロナで派遣切りに合い、池尻大橋にあるフェスティヴィタという飲食店でアルバイトする真野を描いた群像掲載の連作短編集。
何かになりたい真野は「何にもなれないんだから、何にもならないを極めるんだよ」と発想の転換を求められる。
ぬるま湯のように居心地の良いバイト生活から真野が見つけるものとは。
コロナで派遣切りに遭った「私」は食い繋ぐためにイタリアンレストラン「フェスティヴィタ」で働くことに。
めちゃくちゃ個性的なみんなと「ウルトラノーマル」なわたしが「ハジケテマザル」最高のバイト小説。
うん。とーっても最高だった。
圧倒的に働いてるよりバイト後のわちゃわちゃドタバタが描かれているほうが多かったけどそれがまた良かったな〜。
それにしてもテンポ良すぎたな〜。すぐ読み終わってしまった。
読みながらもアドレナリン出まくった。なんかわたしも一緒になってハジケテマザッタ感じ。
コロナ禍のイタリアンレストランに入った普通の陰キャのヒロインが周囲の陽キャの方々とハジケテマザッテ毎日とことん楽しく働いてゆくコミカルで躁状態がどこまでもエンドレスで続くドタバタ喜劇のバイト小説です。まあ今時の都会の若者達のハチャメチャさに年寄りの私はついていけないと感じた面もありますが、でも若さの持つ無限のパワーが羨ましくもありますね。とにかく今の自分を信じて突っ走れば全てオーライで心配なく何をやってもうまく行きそうな元気と自信をもらえるハイテンションな一冊で爽快な読後感でした
コロナ禍、閉店後のイタリアンレストランで繰り広げられる、個性的なバイト仲間たちの宴に混ざり、劣等感を抱く「普通」の主人公。陽を見て羨み、陰を見て安堵し、やはりどちらにもなれない「普通」の歯痒さを、ハジケテ乗り切るドタバタコメディ。
一見するとだらしなく肯定し合っているぬるま湯コミュニティにも見えるが、必要な時に「ノー」が言える。価値観の違いを尊重し合い、蟠りを残さない方向へと円滑に話がシフトされていく様が圧巻。
一人だと絶対やらない突拍子もない事も、人とやると意外と「普通」な事で、至って平凡な自分でも何かになれるかも、と思わせてくれる。多角的な視点ですべてを巻き込むパワフルな作品。
池尻大橋のイタリアンレストランで働く真野ちゃんは、コロナ禍で派遣切りにあって移ってきました。愉快で濃い仲間たちとのバイトのほどよくぶっ飛んでいて、ほどよく居心地のいい日々の連作短編集。
金原ひとみさんってこんなラップのような文章も書くのですね。1ページ目から視覚的にも「おっと!」と思いましたが、ヘッドバンギングしながら(脳内)グイグイ読み進められました。
一所懸命生きているわけでもなく、でもサボっているわけでもない。圧はないけれどパワーはある若者たち。レストラン「フェスティヴィタ」のバックヤードで夜な夜な飲み会。
「変なこと言いますけど、私ここにいる三人と混ざりたいです」
このセリフからベジータの「はじけてまざれっ」に繋がっていきます。
無個性で陰キャ、普通の主人公が題名の通りにはじけて、まじってどうなるのか。読後感、良かったです。
金原さん初めて読みました。
思っていた金原さんのイメージとは違いました。
すごく読みやすかった。
何者にもなれない自分に気付き、周りの人たちのポテンシャルに羨ましくなる時代は誰にでもあると思う。
その場に馴染む普通っていいですよね。
主人公は悩んでいるようですが、空気を乱さず居れば安心する存在は本当に貴重です。
バイト先のダウンの後終電に間に合うようにみんなで走ったことや今ではダメだと思いますが、飲みながら働いていたこと、店主がいない時に勝手に厨房スタッフがだし巻き玉子とかを作って飲み明かしたこと、スタッフたちの泥々恋愛事情など色々思い出しました。
飲食業界は学生バイトさんを雇っている所もあり、通過地点の人が多いです。だからこそ経験出来ないこともあるし考えることも沢山ある。
大人になった今に読んでもグッと響くものがありました。
ルッキズム撲滅死ね、年齢性別に囚われている自分まじで嫌。このイタリアンレストランは現代社会を映す鏡だ。時は、コロナ禍。苦境に立たされている飲食業の裏方で起きていること、こんな感じなんだろうなとリアルに感じる。こっそり揚げたラビオリフリット、美味しそう!
ハジケテマザレの由来を文中で知った時、思わず声が出てしまった。読者の私たちに一番近い感覚の存在「私」=真野さんの視点でノーマルな人々のノーマルじゃないはじけた日々を体感するのは楽しい。なかなかに悪いことしているんだよなぁ、この人たち。ラストの展開には驚いたけれど、このレストランいいなぁ、心地よい。私もマザリたい!
イタリアンレストラン「フェスティヴィタ」で働くバイト仲間たちの群像劇。
派遣切りになったバイト仲間たち、敢えてポップで突き抜けた感じがコロナ禍であるのに。敢えての感じが金原さんらしいと感じました。
個人的には、今までの金原さんから大きく抜け出したと感じられた前作「腹を空かせた勇者ども」が良かったので、やや物足りなさも感じましたが、疾走する感じは金原さんらしさが感じられ良かったです。
新型コロナウイルから派遣切りにあった真野。自分はいたって「普通」の「陰キャ」なのだけれど、イタリアンレストランでバイトを始めたら…。パリピのヤクモ、陽キャのマナとルイ、DJブルノ、ゆとりと言われる岡本たちに出会った!夜は呑み明かし、プロポーズ作戦、激辛フェスへの出店(元店長を発見!)と疾走感な日々。人生に確かな保険があれば人は安心できるのか?誰であれ差別化できる「何かになりたい」気持ちはある。彼、彼女達と過ごした真野は「普通」の中に「何か」を見出せたと信じるよ!ブリュノのカレーが食べてみたい。
金原ひとみさんの文章は久しぶりに読みました。
すごくパワフルで言葉が若く、今こんな風に言うの!!なんて思うところもたくさん。
登場人物のキャラがとても濃くて、私はヤクモの話がとても興味深く面白かったです。
タイトルの「ハジケテマザレ」がまさかベジータから来たものだったとは!
ていうかこの濃いメンバーの中でやっていける真野が一番すごいなと思いました。
『群像』の初出時からとても楽しく拝読しておりました!書籍化とても嬉しいです!
彼女たちの言う「ウルトラノーマル」は、バイト仲間間でも少しズレがあるものかもしれません。
とっても仲が良く、溶けて混ざりたいほど打ち解けているバイト仲間。
それは多くの読者をいいなあと思わせる要素となるでしょう。
けれどもよく読み込んでいけば、バイトメンバー間でも知らないお互いのことは多く、いっていないお互いのことも多いです。
序章が「お金持ちで才能溢れるいいこの末っ子的キャラクターの失恋」ではない章であったとしたら、このフェアを探る難しさはそこまで重要視されなかったのかもしれないと思います。そう考えるほどに、作者である金原ひとみさんの腕前の素晴らしさが際立つのではないでしょうか。