どうしようもなく辛かったよ
朝霧 咲
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刊行日 2023/09/20 | 掲載終了日 2023/09/19
ハッシュタグ:#どうしようもなく辛かったよ #NetGalleyJP
内容紹介
第17回小説現代長編新人賞受賞作
受賞時高校三年生。現在大学一回生。
選考委員絶賛!
現役京大生が受験を控えた17歳の春に書ききった青春の瞬きと痛み、そして後悔。
Z世代の等身大の物語。
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〈あらすじ〉
「特別になりたい」と願う中学生の若菜は、日々、バレー部での練習に明け暮れていた。しかし三年生になると、顧問の異動によってチームは大きく動揺してしまう。若菜の「ある提案」によって落ち着きを取り戻したチームは、最後の大会へ向かうのだが――。
夏から、少女たちは「それぞれの最終学年」に直面することになった。学業優秀な真希、学校を休み続ける愛美、裏と表をうまく使い分ける桜、ルールから逸脱することができないくるみ。部活というつながりを失った少女たちが隠してきた本心、我慢してきた関係性。少女たちの卒業までの日々が、始まった。
〈目次〉
序章
一章 若 菜 私たちは私たちに夢中
二章 真 希 妥協の果てに見栄を張る
三章 愛 美 元気でな、明日まで
四章 桜 一人になるわけにはいかない
五章 くるみ どうしようもなく辛かったよ
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著者/朝霧 咲(あさぎり・さく)
2004年愛知県生まれ。本作で第17回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。受賞時高校3年生。その後受験を経て現在京都大学に通う。
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◆ 編集担当者より ◆
朝霧さんとの出会いは、2021年の冬。
秋に選考が行われた第16回小説現代長編新人賞の最終候補に残りながら僅差で受賞とはならず、けれど絶対にいつか世に出てほしいと思って連絡をしたのでした。
当時朝霧さんは高校二年生でしたから、受験が終わって落ち着いてから満を持してまた応募してもらおう、くらいに思っていました。しかし、年が明けた2022年の正月に、「冬休みに書けちゃったので今年も応募してもいいですか?」と送られてきたのが本作です。私は恐るべき才能だと震えながらも、この人は本当に書きたい方なんだ、と心強く思ったのでした。
そして選考会では絶賛を得て大賞を受賞されたのです。
ここまででも十二分に驚きなのですが、朝霧さんはその後の受験でも京都大学に現役合格をされて、三度、私を驚かせました。きっと並々ならぬ努力をされたのだと思います。
さて、本作について。青春といえば、テンプレ的に輝かしい記憶とともに語られがちな気がします。でも、高校三年間をまるまるコロナ禍で過ごした朝霧さんだからこそ、いや朝霧さんにしか書けない、輝かしいはずの青春から伸びた影の濃さと、そこから生じる苦みがこの作品には封じ込められています。
受験が終わって、すぐに次回作の執筆を始めた全身作家の、瑞々しくも毒々しいデビュー作をご堪能ください。
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出版情報
ISBN | 9784065328224 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
5人の女子中学生を各章の主人公にして、卒業までの1年間を描いた小説。中高生なら身に覚えのありそうな、様々な事柄を、登場人物の性格にうまく絡ませてあったり、主人公の他の登場人物もしっかり書き込まれていたりして、読み応えがありました。学校という社会の閉塞感や、焦燥感も伝わってきて、きっと、同年代の読者が共感するだろうと思います。内容がとてもいいので、多くの中高生に読んでほしいと思いますが、普段、改行や空白の多い小説を読んでいる中学生には少しハードルが高い気がしました。
青春のきらめきも醜さも全て凝縮した思春期は、あけすけで落ち着かない。愚かで、強かで、自分本位だ。それが、この作品は自然に「らしく」表現されている。
現役学生である朝霧さんの描く登場人物には、圧倒的説得力がある。あまりにもリアルで、こちらが気恥ずかしくなるくらいだ。
青春は清涼感ある光の部分だけじゃなく、ドロっとした暗い影の部分もあるのだということを的確に描いた作品に、とても驚かされた。次回作が今から楽しみだ。
高校三年生が書いた小説。
その年齢ならでは苛立ち、心配、愛と憎しみ、妬みと嫉妬、そんな「正」と「負」の感情のぶつかり合いが生々しく描かれている。
クラブの指導教員が突然転出する。合格スレスレの上位の学校か絶対安全な下位の学校か選ばなければならない。長い不登校の後に学校に行ってみる。いじめてられていた子が突然アイドルとしてデビューする。友情がある日突然、愛情に変わる。
若い世代ならではの人生の一大事をナイーブに描いた連作短編集。
特にいいなと思ったエピソード。友達を紙に書き出す課題で、主人公は一人の友達の名前しか書けなかったが、その友達は主人公の名前を書いていなかった。
切なさがあり、優しさがあり、心強さがある。そんな素敵な作品だ。
現役高校生ならではのリアルで残酷で脆い心情が遠慮なくぶつかってくる、そんな小説。何人もの高校生の視点で章分けされていて、誰かに偏ることなく、嘘や嫉妬、憎悪や序列にまみれたそれぞれの青春がたしかにそこに感じられた。
部活が充実していて、推しがいて、気が合う同士つるんでいるようで、それぞれ考えていることが違って。大人の偽善と建前に不快感を抱く。いじめがあっても当然のように淡々と過ごす。ああ、十代の頃は私もそうだった。自分が中心の世界、特別な誰かになりたかった。表面だけの美辞麗句と打算的なふるまいで、世の中をうまく渡っているつもりになって。
五人の中学生女子の視点で語られる日常。眩しくて残酷で鮮やかだ。