恋愛相談

「好き」だけじゃやっていけません

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刊行日 2023/09/07 | 掲載終了日 2023/09/07

ハッシュタグ:#恋愛相談 #NetGalleyJP


内容紹介

高校1年の美鳩はある事件をきっかけに、クラスメイト2人と「恋愛相談室」を立ちあげた。子供以上大人未満の恋はけっこう複雑で…。

高校1年の美鳩はある事件をきっかけに、クラスメイト2人と「恋愛相談室」を立ちあげた。子供以上大人未満の恋はけっこう複雑で…。


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784863897687
本体価格 ¥1,400 (JPY)
ページ数 224

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NetGalley会員レビュー

鳥子高校一年の美鳩のクラスでは文化祭の催しで「人生相談」を行った。
そこで、一緒の登板になった帰国子女のアイと、心は女、体は男のゆきと相談を受けることになったのだが、そこに相談に訪れた三年生の女子が、後日事件を起こした。
あの時、もっと親身に相談にのっていれば、あんな事件は起きなかったのではないか、と三人はボランティアで恋愛相談室を開こうと思いつく。

美鳩目線で話が進んでいく。
美鳩は、お母さんがセールで買ってくる服を着ているし、恋愛感情もよくわからないし、ましてや付き合ったこともない、奥手というか、高校生にしてはお子様な印象。
トランスジェンダーのゆきとも、どう接していいのかよくわからないし、アメリカ育ちのポンポンと物を言うアイには少し気後れしているのだが、恋愛相談を受けていくうちに、少しずつ打ち解けていく。

恋愛相談の内容や、ストーカーをどう振り切るかなど面白く読んだ。
一般的なサラリーマン家庭の美鳩、お父さんがアメリカ人のアイ、鳥子市では名の知れた建設会社の跡取り息子(娘)のゆき、とそれぞれの家庭の方針の違いが丁寧に書かれていた。
同じ事件に巻き込まれても、美鳩の親とアイの親が全く反対の反応を見せたのがとても興味深かった。

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アメリカ人の父と日本人の母をもち、言いたいことははっきり言う性格のアイ、見かけは(男子だったら)どきっとするくらいかっこいい心が女子のゆき、そして「自分がやりたい」ことがはっきりせず、いつも後手に回ってしまう美鳩。この個性豊かな3人の高校生が、ある出来事をきっかけに「恋愛相談室」を立ち上げる。で、このあとに、様々な恋愛のお悩みを抱えた男女が訪ねてくるのだが、最初は「聞いてあげるだけ」の予定だった3人が、徐々に相談者の悩みに絡まっていき、ストーカー退治に力を合わせて刑事ばりに活躍していく様子は、タイトルの「恋愛相談」を忘れてしまうくらい読者ものめり込んでしまうに違いない。人の心は不思議。だからこそ「恋愛相談」からスタートして自分の心を振り返ってみるのもいいかも。

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恋愛経験もない主人公が、たまたま仲良くなったクラスメイトと恋愛相談を開く。
全くタイプの違う三人だからこその意見がそれぞれの相談者にフィットして…。
「恋愛は無理して相手の好きな自分になることではない。」「恋愛は怖いところもある」など、恋に恋する世代にはいい本かも知れない。
ゆきを通してのジェンダー、アイを通してのアメリカの考え。うまくバランスがとれていた。

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高校生が恋愛相談室を運営する話。というと、軽いイメージがわくけれど、全体のトーンは真面目だ。かといって重いわけではなく読みやすい。自分の意志を持つことや、他者の価値観を尊重することの大切さを考えさせられると思った。

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高校生といえども大人のようでまだまだ大人になりきれない部分がある。そして、情報が氾濫していて指1本で検索すると答えが得られるこの時代、人のこころが見えなくて、人生に迷うこともある。家族との関係、恋人との関係に悩む高校生たちの人間模様が瑞々しく描かれている。ジェンダー理解、DVの問題、男女平等の問題。話してすっきりすることもある。結果的に答えを出すのは自分自身。AYUMI恋愛相談所みたいな場所あったらいいな、世界が広がるから。

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子供じゃないけど大人でもないもどかしい青春時代。必死に自分とひとを愛するために葛藤し成長する様子は、大人になっても忘れてはいけないものだと思い出させてくれました。表現の仕方は違えど、流されるだけではなく、自分の意思をしっかり持つ。『自分を捨てちゃだめ』という言葉に自分も気持ちが引き締まりました。

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恋愛ってなんか楽しそう、そんなイメージが先行してありましたが、こちらの物語を読んで「そういえば恋愛にもゴタゴタあるよな」と思い直しました。人の心が関わるといつも面倒なものです。
中高生に読んでほしいおはなしです。恋愛にも何でもですが、「恋愛には人の心が関わっているということ」「一番大事にするのは自分であるということ」「キチンと話し合いをすること」……何かを感じ取ってもらいたいです。
中高生だけでなくいろんな人に読んでもらいたいです。恋愛だけでなく、例えば推しなど、何かに熱を上げると周りが見えなくなりがちです。一度その熱を冷ましてふり返ることがいちばん大事なのだと思いました。

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高1の美鳩、アイ、ゆき(幸也)は文化祭の出し物で「恋愛相談」をする事になったー。その後、ボランティアを兼ねて相談室も開設。相談料は500円!さてさて、AYUMI恋愛相談にお悩みはやってくるのだろうか。高校生なので子供以上、でも大人未満。持ち込まれる相談は時にあっさり、ときに複雑。勘違いの恋、正直に話す必要のある気持ち、二股の恋がもたらした結果、ストーカーとの…。彼らがその後に出した答えは!「恋も親にも自分の気持ちを」だった。LGBTも一部。副題のように、好きだけじゃやっていけないんだな〜。

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設定がユニークで、ついつい一気読み。どうなる?どうする?が読者をストーリーに引き込んでいく。恋愛相談の解決方法も、自然と登場人物たちで解決していて、若者たちの逞しさがまぶしく思う。こんなにうまくいく?と思わないではないけど、おわりよければすべてよし。これもいい。

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「なんかさ、恋って、超めんどくさいよね。自分の考えもしない方向へ、どんどん進んじゃってさ。けんかしても泥沼でさ。引っ込みがつかなくなる」(P83より)

POPな装丁に惹かれて読んでみました。3人の高校生が開いた「恋愛相談室」を舞台にした物語です。上記のセリフに頷いた、恋愛真っ只中の中高生にオススメしたいです!

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趣味が似ているとか好きなものが同じとかで仲良くなることが多い中高生に、
同世代でも違う視点を持った子の意見を聞き、それを自分なりに受け止め、
ぶつかることがありながらも関係を深めていく姿に物語を通して出会うことは、
新しい考え方と出合い、受け容れるよいきっかけになるのではと思いました。

「自分のふつう=普遍」ではない、「我が家の当たり前=他家の非常識」もありうる、
ということといろんな形で出合わせてくれるのが物語の力。
だからこそ「そのままでは仲良くならなそうな取り合わせの3人組」というのは、
学校を舞台にした物語で定番の型の1つになっているのかなと思いました。
(花里真希さんの『ハーベスト』とか。1人が帰国子女、という構成も重なっていますね)

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