エヴァーグリーン・ゲーム
石井仁蔵
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刊行日 2023/10/30 | 掲載終了日 2023/10/16
ハッシュタグ:#エヴァーグリーンゲーム #NetGalleyJP
内容紹介
【選考委員、絶賛の嵐! 第12回ポプラ社小説新人賞受賞作!】
世界有数の頭脳スポーツ・チェスと出会い、その面白さに魅入られた4人の若者たち。
8×8マスの盤上で、命を懸けた闘いが繰り広げられる――!
「勝つために治せよ、絶対に」
小学生の透は、難病で入院生活を送っており、行きたかった遠足はもちろん、学校にも行けず癇癪を起してしまう。そんなとき、小児病棟でチェスに没頭する輝と出会う――。
<年齢より才能より、大事なものがある。もうわかってるだろ?>
チェス部の実力者である高校生の晴紀だが、マイナー競技ゆえにプロを目指すかどうか悩んでいた。ある日、部長のルイに誘われた合コンで、昔好きだった女の子と再会し……?
人生を賭けて、ママに復讐してやろう。
全盲の少女・冴理は、母からピアノのレッスンを強要される日々。しかし盲学校の保健室の先生に偶然すすめられたチェスにハマってしまい――。
俺はただ、チェスを指すこの一瞬のために、生きている。
天涯孤独の釣崎は、少年院を出たのち単身アメリカへわたる。マフィアのドンとチェスの勝負することになり……!?
そして、彼らは己の全てをかけて、チェスプレイヤー日本一を決めるチェスワングランプリに挑むことに。
チェスと人生がドラマティックに交錯する、熱い感動のエンターテイメント作!
おすすめコメント
【選考委員満場一致‼ 極上のエンターテイメント作!】
「とにかく面白い!!こういうエンタメが読みたかった!」
「登場人物たちの熱い意地が、作品の血肉になって、物語に血を通わせている。」
「清々しい高揚感と、身震いする爽快感」
「いやあ、面白かった!純度の高いエンタメを書ける、とても稀有な才能」
「チェスのテーマに忍ばせた"人生における大切なもの”を気づかせてくれる」
「駆け抜ける疾走感、最高のクライマックス!!」
「チェスのルールをまったく知らなくても充分に楽しめる作品」
(――選考委員コメントより)
【担当編集よりおすすめコメント】
チェスについてはあまり詳しくは知らなかったのですが、応募作を読んだとき、とにかく面白くてぐいぐい引き込まれました!
青春、友情、熱血、死闘、感動……私の胸を熱く燃やすものがたくさん詰まっていました。
人生をかけるほど好きなものに出会えること、そして、人生をかけて好きなものに打ち込むこと。なんて尊くて、苦しくて、幸せなんだろうと思いました。
この作品の清々しい高揚と、好きなものに本気で挑む熱、そしてラストの爽快感をぜひ味わっていただけたら、とても嬉しいです。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784591179437 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
ページ数 | 368 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
難病を抱え入院生活を余儀なくされた少年が出会った、一生涯の友情とチェス。全てを捧げられるほどの生き甲斐を見出だした者たちの、起死回生の一手を欲して高揚感が止まらない作品。
チェスが巧く人生とシンクロしてる所がとても良かった。病気の少年たちだけで話を纏めても良かっただろう所に、思いのほか新キャラが深く絡んできて、展開が壮大になりすぎた時はちょっと戸惑った。でも、盤上の駒同様に見えない糸に搦め取られて、予測不能に交わっていく様が、まさに人生!と充実の読後感。
ルール以前にチェス自体を知らなかったとしても楽しめる至高のエンターテインメント。
人生全てを賭けるに値するものに出会えた幸せな人達の物語。生まれも育ちもチェスとの出会いも違う4人がそれぞれの理由で日本一のチェスプレイヤーを目指す真剣な姿に胸がただただ熱くなりました。チェスが人を生かす。引き分けがあるチェスの奥深さに惹かれました。それにしても日本のチェス人口がこんなに少ない事にはビックリです。実際の試合を観てみたくなったし自分でもプレーしてみたくなりました。
読了
終わってしまった
読み終わりたくない、ずっと彼らを見ていたかった。
何に向かって挑んでるのか、自分自身との戦い
生きるため 復讐 とにかく熱い青春群像劇
チェスは全く知らないのですが、手に汗を握る攻防戦に引き込まれてしまった
釣崎の破天荒な生き方、投げやりな人生、全てに絶望をチェスで埋めていた
決勝で命をかけ対戦している透の姿に釣崎は
生きたい、まだチェスをしたいと初めて願いを持った時、釣崎の叫びが聞こえました。
生き方がそれぞれ違うが
楽しい、負けたくない、諦めるな、生きたい!がとても伝わる話だった
先日「ナチスに仕掛けたチェスゲーム」という映画を見た。公証人をしていた男性は、管理していたオーストリア貴族の預金番号を教えるように強要されるが拒否。そのために幽閉される。その間にたまたま本で目にしたチェスを覚えるのだが、そのブロセスが凄まじい一作だった。軟禁状態で精神を保ってくれるのがチェスというところがキモ。
どうやらチェスには将棋や囲碁と違った魅力があるようだ。
その一つは取ったコマを再び使わないことであり、もう一つがドローに関するさまざまな駆け引き。
全くチェスのことは知らないが、この小説を読むとワクワクしてくる。将棋よりも人間性が現れやすい競技なのかもとも思える。
映画「ナチスに仕掛けたチェスゲーム」はしばらくするときっと配信されていくことになるだろう。そんな時にこの小説の宣伝が流れるような新しい形のメディアミックス型のパブリシティがあると楽しかも。
1章ごとに、主人公が変わる。チェスに情熱を傾ける主人公たちの連絡短編集かと思いきや、最後の2章で全てがつながり、息もつかせぬ展開となる。
チェスの大会。誰が優勝してもおかしくない。
それを運営するのは、第1章で主人公がチェスを始めるのを見守っていたあの少年。
そう、章を追うごとに、物語の中の時間も進んでいく。
こんなに夢中になって読むことになるとは。
作品紹介の内容に惹かれて、読んでみたいなと思い、そうかリクエストすれば読めるのだったと思い出し、少しずつ楽しみながら読み始め、その後一気に読了した作品。
個人的には、2章で出会う晴紀と釣崎の出会い(釣崎のチェスとの出会いのきっかけでもある)で交わされる会話が、この話のテーマにもなっているのではと思いました。
※チェスは子どもの頃に、将棋と一緒にルールを覚えた。チェス盤も将棋盤も家になぜかあった。でも、私にとってはチェスも将棋も苦手な遊びで、そこまで熱中することなく(逆に兄弟はハマっていたけれど)いつの間にか忘れていた遊び。その遊びがこんなに豊かな作品となって読ませてくれたことに感謝。
チェスとの出会いから、時には命さえ懸けられるというどこか異常な情熱が、それぞれのエピソードから伝わってきます。日本での競技人口が少ないチェス。だからこそ冒頭から終盤にかけて少しずつ主要メンバーが集まってゆく様子が楽しめました。釣崎がチェスに出会うきっかけが興味深いです。決して真っ当とは言えないけれど、チェスに出会ったことで、出会わないときより人生が豊かになったはず。夢中になれるものを見つけることは幸せなこと。この物語の中のプレイヤーたちの熱中の仕方は、本当にこちらか苦しくなるほどでしたが、本人たちはきっと、それでも幸せなんだと思いました。