図書館がくれた宝物

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刊行日 2023/07/31 | 掲載終了日 2024/06/20

ハッシュタグ:#図書館がくれた宝物 #NetGalleyJP


内容紹介

第70回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 小学校高学年の部

1940年、第二次世界大戦下のロンドン。

12歳のウィリアム、11歳のエドマンド、9歳のアンナのきょうだいは、

親がわりだったおばあちゃんが亡くなり、

家族は3人きりになってしまった。

3人に必要なのは、保護者となる「後見人」。

後見人がいなければ、遺産に手をつけることもできない。

そこでおばあちゃんの弁護士が提案したのは、

3人で学童疎開に参加すること。

ロンドンにいるより安全だし、

ひょっとしたら、3人をずっと家に置いてくれる家族が

見つかるかもしれない……。

疎開先の厳しい日々、3人にとって、

村の図書館だけが救いだった……。

ロンドンから疎開した本の好きな3人きょうだいの、

心あたたまる物語。

2021年ニューヨーク公共図書館ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤー

第70回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 小学校高学年の部

1940年、第二次世界大戦下のロンドン。

12歳のウィリアム、11歳のエドマンド、9歳のアンナのきょうだいは、

親がわりだったおばあちゃんが亡くなり、

家族は3人きりになってしまった。

3人に必要なのは、保護者となる「後見人」。

後見人がいなければ、遺産に手をつけることもできない。

そこでおばあちゃんの弁護士が提案したのは、

3人で学童疎開に参加す...


おすすめコメント

英米で絶賛!

ロンドンから疎開した、本の好きな3人きょうだいの、心あたたまる物語!

英米で絶賛!

ロンドンから疎開した、本の好きな3人きょうだいの、心あたたまる物語!


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784198656652
本体価格 ¥1,900 (JPY)
ページ数 384

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

第2次世界大戦中、ロンドンに住んでいた兄妹3人は、疎開することになる。
3人に割り当てられた家族は、別に悪い人たちではない。多分、みんな生きていくのに必死なだけ。そういう時代でもある。
そんな中、図書館を見つけた3人。ロンドンからもそれぞれ迷いながら本を持ってきたくらい、本好きな兄妹。彼らにとって、そこはちょっとした安らぎの場所になっていく。そして、場所だけではなく、そこで働く司書のノラも、3人の良い理解者に。

物語のラストで戦争はまだ終わっていないけど、この先どうなるかなんてわからないけど、それでも子どもたち3人の未来が少しでも明るくなって良かったと思う。

兄妹と関わる大人の描かれ方が、ストーリーが進むにつれ、微妙に変化していくのも面白い。
特に、カー先生。本当はユーモアのある人なんじゃないだろうか?

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戦争は、大人にも子どもにも、同じように悲しみをもたらす。それは戦勝国でも、敗戦国でも関係なく。疎開した3人の兄妹が、そこで見つけた幸せが続くことを願わずにはいられない。
文中に出てくる、沢山の文学作品がまた、物語を豊かにしてくれる。知っていても知らなくても、その作品を読みたくなる。

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表紙の図書館の窓から覗くカラフルな背表紙に誘われて、この本を読んでみたくなりました。
第二次大戦下のロンドン。裕福だけど身寄りをなくした3人の兄弟が、疎開先で後見人を探すことに。
私もホームステイをした経験がありますが、知らない土地で知らない人たちと暮らすのは緊張の連続です。そんな時、図書館で読んだことのある本を見つけると、知り合いに再会したような気持ちになります。ましてや本のことを話せる司書さんがいれば、入り浸ってしまうこと間違いありません。
戦争は大人が決めたことなのに、犠牲を強いられるのは子供です。図書館で、巻末リストにある本を子供達が安心して読める世界にするのは、私たち大人の手に委ねられていることを改めて実感しました。

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とても読みやすい物語でした。図書館に、主人公達の希望があるところもよかったです。
全体的に悲しい出来事が続きますが、主人公達はそれに負けずに何とか兄妹力を合わせて前を向いて進みます。
読書好きな児童であれば、主人公達と同じくらいの年齢から、読みながら主人公達と一緒にドキドキハラハラし、時には怒り、悲しみ、喜べると思います。
日本の子ども達は、自国の第二次大戦時のようすについて授業で学んでいますが、外国の国でも日本と同様に、このようにして学童疎開が行われ、日本とのやり方の違いや、その時の子ども達の様子がどうであったかを思うきっかけになるという意味でも、良い本だと思いました。

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両親亡き後ウィリアム、エドマンド、アンナの3人兄妹は唯一の肉親の祖母まで亡くした。ここまででも十分に気の毒な境遇なのに、更に後見人がいない。戦時下において、子どもだけで田舎に疎開。里親とその子どもたちとうまくいかず、救いのない状況の中、希望の光は、図書館だった。今でも名作として読まれる作品がこのころによく読まれていた作品として次々と登場する。辛いとき、本の中のエピソードを心の拠り所として読み過ごす場面には胸が震えた。全体に戦況の厳しさや生活の貧しさが描かれ暗い陰を落としているが、兄妹の団結やけなげさに心救われる。図書館で得た宝物とは本のことと思っていた。しかし兄妹はそれ以上のものを手に入れたのだ。

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第二次世界大戦下における、イギリスの子どもたちの物語。学校図書館において、児童に手渡す戦争文学は日本の話が多くなるが、あの当時、同じような状況下にいた子どもが世界中にいたことを知るきっかけにもなりそうだ。
個人的には、子ども時代の読書を思い出すような、懐かしい気持ちで読み進めていった。食事、衣服、生活の描写にイギリス(欧米)の文化を感じ、憧れていた気持ちが蘇ってきた。
図書館が、本が、戦時下の3人の兄妹達の心の支えとなった。本には力がある。今もきっと。そう思わせてくれる一冊だった。

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やさしい表紙イラストに惹かれましたが、
イラストの通りやさしく温かい気持ちになれるお話しでした。
そしてどんなにつらいことがあっても本が力になってくれること、
本の力を信じさせてくれる本でした。

でもそのためには身近な場所に図書館があって、
そこを自由に使えることを知っていて(もしくは知る機会があって)、
必要な時には必要な本を手渡してくれる人がいること、
というのが大事なのだということも伝えてくれていると思いました。

効率、とか、コスパ/タイパという言葉の陰にかき消されかねない、
図書館と司書の存在意義を静かに訴える作品でもあると思いました。

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第二次世界大戦時のイギリスを舞台に、疎開先での困難を助け合って乗り越え生活していく3人の兄弟の姿が健気で、ラストまで一気読みでした。子どもの幸せを願わずにはいられません。話の中で読まれていた本も、知らなかった本があるのでぜひ読んでみようと思います。

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きょうだいが途中も離れ離れにならなくて良かったけど。良かったけども!
ウィリアムが大した年の差じゃないのに、健気に弟妹の世話をしていて、ずっと気になっていた。ミュラーさんがそこに最初から気づいてくれていて、あなたが背負うべきものじゃないと伝えてくれて本当に良かった。つらい時代にも読書は心を支えてくれる。グリフィスさん一家が本を破ることに一切抵抗がないのが象徴的だった。

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ある意味イギリス児童文学の定番、疎開物の一冊。兄、弟、末妹の3人が主人公。唯一の肉親である祖母のお葬式から物語が始まります。「今そばにいてほしいのは……見知らぬおばあさんではなくてメアリー・ポピンズなのだった」というような一文があって、ものすごく「その気持ちわかる!」と思いました。本好きの、本好きによる、本好きのための物語。ありがとうございました。

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第二次世界大戦中の読書好きの兄弟たちに起こった疎開先でのこと。兄二人と末っ子の妹。3人きょうだいに降りかかった難題は、戦争だけではなかった。疎開さきでのいじめ、やっかみ、食事、暮らしいろんなことが一堂に重々しく子ども達にのしかかってくる。懸命に切り抜けようとする長男、ストレートにものを言ってしまう次男、いつもめそめそする末っ子の女の子。我慢に我慢を重ね生き延びようとする。助けになるのが本であった。児童文学の好きな方にはたまらない子ども達の読書体験。一気に読んでしまった。

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戦争の話か、と思いながら読み始めたけれど、読み進めていくうちに、それがメインではないんだな、と気づきました。
これは図書館を中心にした家族探しの物語です。ピンチに立たされた三兄妹が、本と物語の世界を知っている子どもたちでよかった。本はいつでも誰かの逃げ場所となれる。
終盤は思わずほろりと泣いてしまいました。

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とても読みやすく、すぐに夢中になってしまう本でした。改めて戦争が子どもという弱者に犠牲をしいるものかと思い憤りを感じました。子どもたちは大人の始めた戦争のために当然受ける権利のあった教育や遊びやゆっくりと成長する時間を奪われるのです。この3人の兄弟もなんとはやく成長してしまうことか、もっとわがままで甘えん坊でいいはずなのに。そして戦時下において大人たちは自分たちのことに必死で子どものことに気づく余裕がないことが悲しい。
課題図書、子どもたちにとって戦争は遠い昔のことであり、外国とはいえ現在進行形の出来事でもあります。踏み付けにされながら健気に逞しく生きていく3人をきっと読者である子どもたちはがんばれ!と心の中で応援することでしょう。アンナの寂しさやエドマンドのくやしさ、ウィリアムの義務感を本を通して共感することができます。世の中が不条理な状況に陥った時にどんなものが犠牲になるのか想像できる思考力をつけていく、それが読書の力であると信じています。

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今の私を忘れ、ウィリアム エドマンド アンナと一緒に疎開したようだった。どんな家族のところにいくのかしら エドマンドは上手くやるかしら とドキドキしながら読み進めた。悔しかったり悲しかったり怖かったり寒かったり。そして図書館でのホッとする時間では 身体も心もほどけるようだった。
この3人の事情は少し違うところもあるけれど 戦争という状況下で家族の元を離れなければいけなかった子どもたちは世界中に多くいたし 今現在もそうだろう。
自分とは違う世界のことをじんわりと知ることにつながる一冊と思う。

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日本でもあった戦時中の「学童疎開」。空襲による被害を少なくするために、都市部に住む子ども達が周辺の農村部へ疎開した。イギリスでも太平洋戦争中、ロンドン市民はドイツ軍からの空襲におびえる日々が続き、田舎へ疎開した子ども達が25万人もいたという。この物語の主人公は両親を早くに亡くし、「やさしさや思いやりにかけた」祖母に育てられたピアース家の三人ー長男のウィリアム12才、次男のエドマンド11才、そして9才の末っ子(妹)アンナだ。祖母亡き後、三人は弁護士のエンガーソルさんのある計画によって、田舎へ疎開することになるのだが、到着した場所で集まっていた大人達に「品定め」をされ、三人一緒、という条件で引き取られた家ではそこに住む双子の同い年の男の子に「きたない疎開野郎」と言われいじめを受け続け、次の家では「ヤングケアラー」なみの労働を強いられる。このような過酷な日々や屈辱を受け続ける毎日の中で、三人はギリギリのところまで追い込まれていく。長男ウィリアムがわずか12才でありながら二人の弟、妹の親代わりとして泣き言をひとつ言わず頑張っている姿には涙が出る。我慢ができず思ったことをすぐに口にしてしまい兄に迷惑ばかりかけてしまうエドマンドにも同情してしまう。長男のウィリアムが大好きで親のように思っている9才のアンナが、兄の大変さを知り気を遣って我慢する姿には胸が痛む。どんなに苦しくても虐げられても引き取り先の家を飛び出したら、子ども達だけでは生きていけない。戦争が与える子どもたちへの苦しみが想像以上で、こんなことはもう二度とあってはならない、と思わせる。しかし、三人に希望の光を与えてくれたのは疎開先にあった「図書館」と図書館司書のミュラー夫人。どんな過酷な状況においても希望があってほしいー児童文学の真髄をみた気がした。

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第2次世界大戦時中、ロンドンに住んでいた3人の兄弟のお話です。
物語の始まりは、3人の保護者であったおばあさんが亡くなったところから。いきなり最大のピン〜チを向かえます。弁護士から提案された作戦を実行しつつ、保護者がいないという最大のピンチ回避を目指します。
戦時下という大変な状況の中で、数々のピンチを兄弟支え合いながら乗り越えていきます。

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第二次世界大戦中のイギリス。血縁がない幼い3人兄弟は、理解ない疎開先で暮らし始める。
でも、図書館の司書ミュラーと本達が変えていく。決して楽な道ではないが、少しずつ少しずつ3人が求め続けた存在に向けて。

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学童疎開の生々しい様子を読んで、ドイツ軍の空爆が始まらないころでさえ、それへの対応がいかに大変なのがよくわかった。全く知らない土地、そこの人達の態度、初めての家での生活。更に3人は当てにできる家族もいない。不安でたまらず気を使い、更に戸惑うことばかりだったろう。
だから、最初にアンナが覗いた石造りの図書館の存在は、本が大好きな3人にどれほどの安心感を与えてくれたろうか。

フランスがドイツに占領さられ、とうとうロンドンにも爆弾が。また、疎開先では様々なトラブルも。

でも、図書館のミュラーが3人の聡明さを認めてくれた。『小公女』、アガサ・クリスティのミステリ、『魔法の森』など、3人それぞれに合った本の話のやりとりをする様をよむのがなんとか。

やっとミュラー家に落ち着いた時、クリスマスプレゼントと共にあった3冊の本。宛名が書いてなくても誰に送られたのがひと目でわかる3冊の本。そのシーンを読んで、ミュラーこそ3人が望み探し続けてきた『母』と、確信した。
ただ、まだ慎重なウィリアムとエドマンド。でもミュラーとの会話がより日常的に、更に生き方について交わされていく様に、疑う余地はなかった。

彼らにはまだ乗り越えなければならない壁があった。まず、マーティン死亡の知らせ。そして、ミュラーと疎開先の人々とのギクシャクした関係。これはどうにしようもないのでは?

でも何と、ウィリアムのアイデアがきっかけに、議会が動くことになるとは。それが全てを変えていく。
そしてミュラーの言葉。「わたしにはあの子たちが、暗闇をてらしてくれるお月さまみたいに思えるのよ」

そして始まる、「4人家族」の「新しい物語」。それを読んでみたい、本当に。

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第二次世界大戦下のイギリスでのお話。両親がいない12歳、11歳、9歳のきょうだいのおばあちゃんが亡くなったところから話が始まります。
 3人が住むロンドンでも日本と同じように「学童疎開」がありました。きょうだいは決して離れないこととある秘密を胸に列車に乗り込みます…

 戦争は勝利国だとしても、みんな辛い思いをしたのだということがわかります。
この3人のきょうだいたちの共通の好きなことが読書であって良かったです。このような辛い環境では現実逃避はとても大切なことです。

 嫌な人だと思っていた大人たちにも理由がある、というところまで理解できたなら良いのにと思いながら読み終えました。

一日も早くこの地球からこのような辛い思いをしている子どもたちがいなくなることを願わずにはいられません。

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心温まるすてきな物語でした。
助け合って、困難な状況を乗り越える3人の兄弟、妹。彼らの支えになる本とお話の数々。図書館がくれた宝物は、本だけではなく、彼らが一番に欲していたもので、最高のハッピーエンドであり、課題図書として子どもに読ませたい最高の作品です。

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