霜月記
砂原浩太朗
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刊行日 2023/07/24 | 掲載終了日 2023/07/23
ハッシュタグ:#霜月記 #NetGalleyJP
内容紹介
『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』に続く、
令和の時代小説「神山藩シリーズ」、待望の3作目!
父と子の物語としては、ほぼ完成の域に達している。
――北方謙三
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18歳の草壁総次郎は、何の前触れもなく致仕して失踪した父・藤右衛門に代わり、町奉行となる。名判官と謳われた祖父・左太夫は、毎日暇を持て余す隠居後の屈託を抱えつつ、若さにあふれた総次郎を眩しく思って過ごしている。ある日、遊里・柳町で殺人が起こる。総次郎は遺体のそばに、父のものと似た根付が落ちているのを見つけ、また、遺体の傷跡の太刀筋が草壁家が代々通う道場の流派のものではないかと疑いを持つ。
さまざまな曲折を経て、総次郎と左太夫はともにこの殺人を追うことになるが、果たして事件の真相と藤右衛門失踪の理由とは。
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著者/砂原浩太朗(すなはら・こうたろう)
1969年生まれ、兵庫県神戸市出身。早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務を経て、フリーのライター・編集・校正者に。2016年「いのちがけ」で第2回「決戦!小説大賞」を受賞。2021年『高瀬庄左衛門御留書』で第34回山本周五郎賞・第165回直木賞候補。また同作にて第9回野村胡堂文学賞・第15回舟橋聖一文学賞・第11回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞、「本の雑誌」2021年上半期ベスト10第1位に選出。2022年『黛家の兄弟』で第35回山本周五郎賞を受賞。他の著書に『いのちがけ 加賀百万石の礎』、共著に『決戦!桶狭間』『決戦!設楽原』『Story for you』(いずれも講談社)、また歴史コラム集『逆転の戦国史』(小学館)がある。
~「神山藩シリーズ」とは~
架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された世界観で物語が紡がれる。
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おすすめコメント
◆◆編集担当者より◆◆
いつも砂原浩太朗さんを応援してくださり、ありがとうございます!
下級武士、三兄弟、ときた「神山藩シリーズ」。今回は、家族だからこそのぎこちない距離感を、砂原さんならではの深いまなざしで描いています。同時に、ひとりのひととしての祖父・父・孫のそれぞれの生き方に共感します。
また、今作で神山藩のクロニクルが見渡せるようになります!
◆◆◆ 著者サイン本プレゼント企画 ◆◆◆
『霜月記』を読んでレビューを投稿してくださった方の中から抽選で3名様に、
著者・砂原浩太朗 先生のサインを入れた本書をプレゼントいたします!!
沢山のリクエスト、レビュー投稿をお待ちしております!!
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出版情報
ISBN | 9784065321270 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
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祖父と孫、またそれぞれの友の4人。
それぞれが分をわきまえていて、屈託も抱えているものの卑屈にはならず、
おのれのその時に見合った判断で過ごしていく様がなんとも言えずかっこよい。
派手さはなくともそうした誠実さがじわじわと心に沁み、
また4人のその後をぜひと願います。
町奉行の父、草壁藤右衛門の突然の失踪のために役職を引き継がざるを得ない18歳の総次郎。それを見守る、先代の名町奉行で隠居した祖父の左太夫。
「すべての子育てはしくじる」
そんな言葉が表すように、血の繋がりがあっても相手の心根は読めないもの。思うような関係は築けないもの。仕事一筋だった左太夫が、そのために倅の藤右衛門と疎遠になって行く様を思い出す場面などは、いつの時代でも同じだと切なさが込み上げるばかりだった。
そこに、身元不明の町人が切り殺される事件がおきる。若き町奉行総次郎はもとより、思うところあって人知れず下手人を探す総次郎。祖父と孫の交互語りで進む中、姿を隠した父の謎を含め先には暗雲が立ち込めていく。
時代背景は異なれど、人の思うことは変わらない。だからこそ、心に訴えてくるものがある。それぞれが望むものを共感できる。そして、結末に胸が熱くなる。そんな時代劇。
草花の色、香り、鳥や蝉の鳴き声、居酒屋の肴。季節の移ろいを感じながら物語に入ってゆく。また神山藩を訪れることができて嬉しい。今回は若くして町奉行のお役目についた総次郎、突然姿を消してしまった父、名奉行と言われた祖父、草壁家三代の物語。事件は絡み合い、思わぬ方向に繋がってゆく。親を殺された少女、さよの幼い覚悟が痛々しく、その描写が忘れられない。反対に幼なじみの武四郎の飄々とした言動に救われた。他にも筆頭与力の喜兵衛、母の満寿と砂原作品は脇役もそれぞれ素晴らしい。抑えた表現に味わい深い文章。時代は違えど神山藩に生きた人びとの息づかいを確かに感じることができる。
「神山藩シリーズ」第三作目。
私はこの神山藩シリーズの大ファンです。新作を楽しみにしているので「小説現代6月号」で読みました。
小説現代では砂原先生のインタビュー記事が掲載されていたので、神山藩シリーズの理解が深まりました。神山藩データと年表も掲載されていたのもとても嬉しかったです。
神山藩シリーズファンとして、今作をリクエストし改めてゆっくり読みました。
今作「霜月記」は町奉行である草壁家三代を描いた作品です。
突然失踪した父・藤右衛門に代わり、18歳の総二郎が町奉行となる。その総二郎を見守る祖父・左太夫。
なぜ藤右衛門は失踪したのか、その真相に迫るところは他の神山藩シリーズと同様にミステリー要素もある。
神山藩シリーズは、描かれる時代も人物も異なるのでシリーズどの作品から読んでも楽しめます。そのなかで他のシリーズで登場したものを見つけるという楽しみもあります。
砂原先生の作品から私が感じるのは凛とした静謐さです。その圧倒的な静のなかで、登場人物たちの心情がとても丁寧に描かれています。
今作では、若い総二郎が苦い思いをしながらも成長していく姿に、自分を重ねる人もいるでしょう。総二郎の友の武四郎がとてもいいキャラで魅力的です。
私は年齢を重ねたせいか、左太夫のように若い世代にどう自分の経験や思いを伝えていくのかという思いに共感しました。私が一番好きな場面は「転変」の最後の総二郎と左太夫のやりとりです。
親子や夫婦の関係は一筋縄ではいかず、仕事では苦い思いをし、年を重ね若い世代にどう自分の経験を伝えるのか。時代は違っても変わらない悩みに共感し、時代小説をあまり読まない人にもぜひ読んでほしいと思います。
そしてこのシリーズの次はいったいどんな作品になるのか。
今からそれがとても楽しみです。
神山藩の代々の町奉行を務める草壁家。その父子3代に渡る父と息子の、尊敬と嫉妬と嫌悪と愛情。複雑な心情は血が繋がっているからこそであろう。職が同じであり、家というものが今よりも重要であった時代には私たちが考える以上に複雑だったのだろう。時代ものだけれどとても読みやすく、人情味あふれる登場人物たちにまたお会いしたいと思いました。神谷藩シリーズではなく、草壁家シリーズをお願いします!
「じき霜が下りてくる」
北陸にある架空の潘、神山潘を舞台としたシリーズ三作目。
名判官とうたわれた町奉行、左太夫の倅である藤右衛門が行き先知れずとなった。
代わりに奉行となったのはその息子である18歳の総次郎。
武士としてままならぬ生を生きる者たちの静謐な物語。
#NetGalleyJP まさに池上藤沢両御大、そして葉室麟さんの衣鉢を継ぐというに相応しい砂原浩太朗さんの神山藩シリーズ、しっかり堪能させていただきました。三代にわたる父と子の物語、父のあとを子供が継ぐことがメジャーではなくなった現代でさえ(いや働く父の後ろ姿を見ることがなくなったからこそ)いろいろな想いを想像してしまう、今回は普遍性の高いもの、絶品なのでした。いつも砂原さんに「チャンバラ小説は着物を着た現代小説」と不平がましく言ってしまう爺さまだけどそれもファン精神のなせるワザなのでした。
親子三代町奉行の家系。
この三人がいい。
祖父は優秀な町奉行、その後を継いだ父は凡庸、それでも10年務めたが、突然隠居届を出し家出、主人公である息子18歳に奉行を譲る。
町奉行悪戦苦闘日記と思いきや、父の失踪の謎、その背景にあるものの謎を解き明かすミステリーでもあった。
祖父の相棒は筆頭与力、主人公の孫の相棒は親友。
この四人でもって謎に迫る。
悪役も個性的、女性陣のキャラも良くできていた。
アクションシーンもあり楽しめる。
かなり読み応えあり。楽しかった。
神山藩シリーズ第二作,大いに楽しませてもらいました。今作は剣劇シーンあり、アクションシーンありでサスペンスドラマか映画を見ているような気持ちであっという間に読んでしまいました。左太夫を三屋清左衛門残日録を演じる北大路欣也に重ねて思い浮かべてしまうところもありました。もちろん作品の柱は親子三代の男同士の心情。私は年齢的には左太夫世代なのですが、心情的には総次郎の心持に強く惹かれるというか気になるところがあります。大きな父親を継いだ藤右衛門の苦悩にも共感するところがあります。ただ、藤右衛門が左太夫に切りつけた場面の心情はちょっと分かりませんでした。
何より砂原さんお得意の生き物と植物を中心に天気や自然の描写とストーリーと登場人物の心情がシンクロしていくところが今作でも見事です。私は小説の自然描写が苦手でそうした描写はつい軽く読んでしまうのですが砂原さんの小説を読むと自然描写を注意深く読む習慣ができて小説の読み方が深くなったという気がします。
食べ物の季節との絡みもあり、名酒「天乃川」を飲んでみたくなりました。前作関りの宇津木頼母家への婿入りを通じて総次郎の友人武四郎の今後、総次郎と奈美の今後など次作以降への楽しみも膨らんでおります。今後も神山藩シリーズに大いに期待しています。
突然、奉行を辞し下野した父藤右衛門。時を同じくして祖父左太夫の目前で起きた人斬り。下手人は父なのか、行方を追う総次郎と左太夫。藩の中枢をも巻き込む事態を解く鍵は北の湊にあった。父子三代の心象を祖父、子の視点から描く滋味溢れる物語
本書は神山藩という架空の藩を舞台とした一連のシリーズのうちの一つだ。主人公は18歳の草壁総次郎という青年。失踪した父・藤右衛門に代わり、町奉行となる。町奉行と言えば、今でいえば県警本部長のようなものだろう。そして、遊里・柳町で起こった殺人事件。遺体のそばに落ちていた、父のものと似た根付。切り口も太刀筋が草壁家が代々通う流派の者に似ている。果たして犯人は父・藤右衛門なのか。総次郎は先の先の奉行で祖父に当たる左太夫と事件を調べ始めるのだが、そこには藩の重役に関する大きな汚職事件があった。
この話から読み取れるのは、親子の絆、夫婦の絆、下級武士の悲哀といったものか。ただ藤右衛門はなんとも回りくどい方法でヒントを残しているような気がする。親の左太夫か子の宗次郎に話しておけばいいと思うのだが、まあ性格的なものかもしれない。
神山藩シリーズ第3弾。
奉行職に就いた祖父と父と息子の物語。
偉大な父と祖父を持つ息子の揺れる心情がお見事。
父と子の多くを語らずともお互いを気にかけている関係がシブい。
ミステリー要素もあり読みごたえあった。
初読みの作家さんだったがとても面白かった。突然家出した父親の代わりに18歳で町奉行を継ぐ事になる。これだけで先が気になる。権力抗争や殺人事件、複雑な人間関係なの読みどころ満載だ。主人公の素人探偵ぶりがとても良い。親子の葛藤や、主人公の成長、またアクションシーンも魅力的だった。3部作という事なので前2作も読みたい。
シリーズものだと知らずに読みましたが前作読んでなくても大丈夫でした。
しっとりと落ち着いた文体の時代小説。
人情ものの時代小説が好きなの、この小説の世界感を堪能できました。
父と子の深い溝を描きながら大筋には謎解きがあり、友情や恋愛と盛りだくさん。
でも詰め込みすぎの感じはなく、ゆったりとした時間の流れの中で物語を楽しむ事ができました。シリーズ初めから追いかけたいと思います。
名判官だった祖父、職を辞し失踪した父、重責に戸惑う息子。町奉行を家職とする三代それぞれの葛藤を描いた神山藩シリーズ第3弾。父と子は言葉交わさずギクシャクしているのに、祖父と孫だとスムーズに言葉交わせる。まるで我が家の男性陣を見ているような心持ちでの読書。祖父や周りに助けられながら政務に励むうちある事件をきっかけに、事件の裏に潜む疑惑に気付き、真相解明へと突き進む。ミステリー的要素も楽しめるが、メインは三代それぞれの思いや生き様のように思えた。暮らしぶりや他の登場人物たちの思いも丁寧に描かれ読み応えがあった。
砂原浩太郎さんの作品の評判を良く耳にしていたので楽しみにしていました。
時代物はあまり読まないのですが、なるほど読みやすい。
町奉行をしていた父が忽然と姿を消し、総二郎は名判官として名を馳せていた祖父のもとへ相談しにいくところから始まります。
季節や料理の描写も五感をくすぐる故、熱燗が飲みたくなります。孫を通じて自分が仕事人間だった頃の子どもとの関係を省みたり、血が繋がってるからといって全てが理解できる訳ではないこと、仕事から離れた今だからこそ理解できることもあったりと心情描写にも深みがあります。
登場人物すべてキャラクターがしっかりして読みやすかったのですが、個人的に総二郎の友人である武四郎のキャラクターが個人的にお気に入りでした。
他の神山藩シリーズも読みたくなりました。
名奉行とよばれた祖父,突然隠居し行方不明になった父。
わからないまま奉行を継ぐことになった息子。
父はなぜ姿を消しどこにいるのか。
事件も起こり,最後まで展開が予測できなくてハラハラドキドキした。
初読み作家・砂原浩太朗さんのミステリー時代劇の秀作です。町奉行を家職とする草壁家の引退した名判官の祖父・左太夫、突然謎の失踪を遂げた父・藤右衛門、18歳で父に代わって初めて大役を任された息子・総次郎が、父の失踪の理由と複雑怪奇な殺人事件の謎を追う。優秀な父と平凡な子との教育問題・人間関係の難しさという中々に厄介なテーマが本書の根底にあります。事件の影に姿を見せる父・藤右衛門の真意は?ベテランの祖父・左太夫が未経験の孫・総次郎を助けながら意外な真相に迫ります。時代劇特有の濃厚な人情味に見事に騙されましたね。単純に見えて複雑な裏切りの構図の筋立てに完全にしてやられまして新鮮な驚きがありました。刀による戦いの場面も大迫力でしたね。そして口数は少なくとも父と子の心の通い合いにジーンときましたね。本書は実力派の著者によって巧みに練り上げられた時代劇の面白さ・良さが読者に伝わる素晴らしい読み物だと思いますね。