ノウイットオール
あなただけが知っている
森バジル
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刊行日 2023/07/05 | 掲載終了日 2023/08/24
ハッシュタグ:#ノウイットオール #NetGalleyJP
内容紹介
一つの街を舞台に異なる5つの世界線を生きる人々の切なさ。「人間の輝きが描かれている」と絶賛された、泣ける松本清張賞受賞作。
一つの街を舞台に異なる5つの世界線を生きる人々の切なさ。「人間の輝きが描かれている」と絶賛された、泣ける松本清張賞受賞作。
おすすめコメント
【選考委員 選評より】
阿部智里
5つの同じで異なる世界!その構成に気が付いた時、「正気か」 と目を疑った。
辻村深月
抜群のきらめきに満ちていた「青春小説」パートは見事だった。
米沢穂信
小説というものに必死に手を伸ばした作者の叫びが聞こえた。
森絵都
チャレンジ精神と熱量の高さがすばらしい。
森見登美彦
「読者だけが知っている」そんな構造を楽しんでほしい。
【選考委員 選評より】
阿部智里
5つの同じで異なる世界!その構成に気が付いた時、「正気か」 と目を疑った。
辻村深月
抜群のきらめきに満ちていた「青春小説」パートは見事だった。
米沢穂信
小説というものに必死に手を伸ばした作者の叫びが聞こえた。
森絵都
チャレンジ精神と熱量の高さがすばらしい。
森見登美彦
「読者だけが知っている」そんな構造を楽しんでほしい。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784163917207 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
「探偵青影の現金出納帳」
クリスマスイブの夜の探偵劇。若き女性探偵青影の豪胆さに関心しつつ読み進めると、どう見ても穴がある推理。なのに事件は即決円満解決。依頼者との絶妙なアドリブでの「クライアント・ファースト」の解決。最初からそこまで見切きれた理由は、ずっと後まで分からなかった。これが最初の罠だとは。
「イチウケ!」
鬼気迫るまでの「M1制覇を目指す高校生コンビ」の青春物語。そのめり込み、プレッシャー、挫折、恋愛より再起の選択。それぞれの心情に押しつぶされそうに読み進めた。
そして、クリスマスイブの夜の野外漫才。燃え尽きた後の更なる「ラストライブ」に言葉もなかった。更にそれを見る存在がいたとは、後まで気づくことはなかった。これも、罠。
「FUTURE BASS」
M1を目指した千尋の彼女、桜花を巡るSF。優位に立つため、自分の〈スキル〉を使った3人の頭脳戦に唸る。そしてラスト。千尋も前へと進んでいくだろう。だからきっと、桜花も同様に。
そしてまた「冬の花火」が。これもまた、大きな罠。
「ラクア=ブレズノと死者の記憶」
「闇界」=この世界に追放された魔法使いの物語。と読み始めたら「FUTURE BASS」と繋がって唸る間もなく、「探偵青影の現金出納帳」とも繋がるとは。そして緊迫の魔法戦の末、始まっていたラクアの生死感の変化が決定的になる。それが「FUTURE BASS」のあの瞬間と、さらに「イチウケ!」のラストと繋がる。二人の命を救い、母と子の願いをかなえるとは。
彼の存在の意味とはいったい? と、首を捻ることも許さぬように終劇。罠が罠でなくなっていく。
「恋と病」
ラクアの生死感を変える一助となった乙黒の物語。短歌が深めていく愛と、それを妨げる「病」。その合間に現れる他の物語のキャラクター達。それはもう不思議ではなかった。この町、この時間を共有する者達にとり当たり前のこと。特に青影のアクセサリーとセリフがあまりにも意味深で、その才能の由来に気づいてニヤリ。鬼木の男気にも言葉もなく。そして、クリスマスイブの夜、全てを繋げる「冬の花火」。
「エピローグ」
そのクリスマスイブから数年後。青影(?)から話される意外な関係性。そして最後に語られるのにふさわしい「名前」。
人は皆、自分が主人公の物語を紡いでいる。それと同時に、他の人の物語の名バイプレイヤー。皆が繋がり、皆が支え合い、皆の物語を作り上げていく。でも、それに気づいてはいない。「焦点」である青影でさえ全てを知っているのではない。彼ら全てで織り成す物語を知るのは、「Know It All」は読者のみ。そう、「あなただけが知っている」。
第30回松本清張賞受賞作
推理小説、青春小説、科学小説、幻想小説、恋愛小説と、章ごとに全く違うジャンルで構成されている。
章ごとに脳みそを使う場所が移動するような不思議な感覚になる。それが楽しくてたまらない。物語が重なりあう場面を見つけると高揚感が高まる。私は青春小説と科学小説の章がとても好きだ。こんな読書体験をしたことがないので、読むことが出来てとても幸せだ。
全く違うジャンルで構成されているからこそ、いつもは特定のジャンルしか読まない人、特定のジャンルを苦手とする人にこそおすすめしたい。きっといつもと違う読書体験が出来るはずだ。
読んだ人だけが気付き、知ることが出来る物語なのであえて内容の詳細には触れない。だってこれは私だけが知っている物語だからだ。ぜひ読んで「あなただけが知っている」物語を体験してほしい。
読了して、帯にあるキャッチフレーズ「この小説は、選考委員への挑戦状だ」という言葉に深く納得。
章ごとに異なる小説ジャンルを、一見バラバラの世界観で描きながらも、次々と物語が連鎖していく。
途中で感じた印象的なセリフや、ちょっとした違和感が伏線となり、クライマックスに至る爽快感は見事の一言。新人賞ならではの意欲作で、特定ジャンルを超え、エンタメ小説の新しい形に触れた気がしています。
文体も非常に読みやすいので、長編小説ながらあっという間に読了してしまいました。また、全五章の中で、選考委員の辻村深月さんが絶賛していた「青春パート」が、個人的に凄く好みでした。
森バジルにしか書けない作品を堪能しました。特に青春小説や短歌の要素が新鮮だと思いました。各小説に登場するモチーフは、既存の要素を組み合わせたようなところもあり、探偵小説、青春小説、科学小説、幻想小説、恋愛小説のすべてを読むと、オリジナリティの高い作品だと思えました。本作のノウイットオールとは、読者だけが知る事実という意味で、全編を読むと各小説の謎が明らかになる構造になっています。全編を読み、知ることができるのは、小説の読者だけです。お楽しみに!
やられました。
あなたはどれが好きですか? わたしは全部好きです。
読了した者同士で、そんなやりとりをしたくなること請け合い。あそこのあれがこうで、そうそう、あれもそうでしょ? みたいに答え合わせをしたくなる。
一つ一つの物語もとても面白いのだが、驚きなのがそれぞれの読み味がちゃんと異なること。推理小説には推理小説の、青春小説には青春小説の語り口があり、きちんと全てそれらを踏襲している。しかも高いレベルで。
作者から「あなたはどれが好きですか?」と問いかけられているように感じた。不安げに見えるようでいて、実は全てに自信があるから全部を差し出しているのではないだろうか。であるならば確信を持ってこちらも答えよう。わたしは全部好きです、と。
五つの物語
一つの短編がしっかりと完結している
どこで繋がってるか…
なるほど、
物語に出てくる登場人物よりも
読者の私達が全てを理解する
彼らは気が付かない
何か言いたいがネタバレになってしまう
どの短編もとても面白く
引き込まれてしまった
皆、主人公であって生き生きとしていた
同じ町の同じ時期に起こっている出来事が、章が変わるごとに様々なジャンルの小説として表現されていて、とても楽しかったです。一つ一つの物語をそれだけで読むのもおもしろいけれど、読み進めるごとに、あの時のあれはこういうこと、とか、あの時のあの人が、という発見があって、ワクワクしました。
ショーケースのような作品である。
ヤクザの内部抗争の犯人を探偵が調査する「推理小説」、M-1優勝を目指す高校生漫才師を描いた「青春小説」、科学小説、幻想小説、恋愛小説と異なったテイストの章仕立ての連作短編。
一つの街に起こった五つの物語は心にじんわりと温かさをもたらすこと請け負いだ。
おもしろそうだなと本を開いたら、仕掛けてあった爆弾にドカンとやられてしまった。そんなセンス炸裂の一作でした。これまでいろんな小説を読んできたつもりですが、ジャンル別の小説を連作にして一冊に紡いだという作品は記憶にありません。それだけでアイディア勝ちなのに、一章一章がすごくおもしろく、しかもハイクオリティときているから脱帽です。
松本清張賞(自分のなかではヘビー級のエンターテイメントの賞というイメージ)受賞作ということで、どんな作品かなと若干の先入観をもって読み始めたところ、第一章の推理小説で驚かされました。「いままでの松本清張賞とは違う……」と(一瞬、東京創元社さんあたりの作品かと思ってしまいました)。
第二章の青春小説は、もう素直にどっぷり浸かりました。M-1に挑戦する二人、最高の青春です。浅黄さんのキャラも最高です。
第三章では浅黄さんのお友達の夏目さんが主人公。第二章じゃそれほど色を感じさせなかった夏目さんだけれど、常人を遥かに超えたその好奇心とロマンを希求する魂に羨望を感じました。
第四章の幻想小説は、「うわ、ここまでやっちゃうわけ? いいの?」というのが読み始めの感想。しかし、もはや驚きを超えてその世界観を当たり前に楽しんでいる自分がいました。
第五章の恋愛小説。最終章にふさわしいお話でした。どう考えても、これ以外に物語の幕を閉じる章はなかったと思います。
五つの章の重なり合う時間軸、それぞれの登場人物の目に映る同一の事象、張り巡らされた伏線。どれもこれも読者を満足させてくれるものばかりでした。
あんまりおもしろい作品に出会うと、興奮し過ぎて感想がうまく言えません。この言い訳をもって感想とさせてください。森バジル先生、次の作品もお待ちしています。
推理小説、青春小説、科学小説、幻想小説、恋愛小説。異なる5つのジャンルの話が同じ世界で進行し、その中での出来事が積み重なり、折り重なっていく。
話をひとつ読み終える度に、それまで読んできた話がよりドラマチックになり、最後は感動で鳥肌がたった。
こんなに感動した読書体験は久しぶり。これぞ小説!読書の醍醐味!
ぜひこの感動を、多くの人に体験してもらいたい。早くも今年一推しの一冊になる予感。
これはミステリーなのか、SFなのか、青春ものなのか、恋愛ものなのか?
いろんなジャンルを混ぜ合わせて複雑な味に仕上げたパターンなのかと思いつつ読んでみると
意外な後味に。
いい意味でどの章も明るい未来へ向かっていて苦い味は残らず。
ネタバレにならないようにと思うあまりに詳細に触れることができないのがもどかしい。
暴露してしまいたいという願望に蓋を閉めて。
これは今までに読んだことのない世界観を作り出しているので、とにかく自分で読んで見るべし!
ある街のある年のクリスマス
その前後1、2年
ある人は探偵、ある人はM-1の決勝を目指して、ある人は魔法使いで
ある人は恋をして。
それぞれが見上げる先には何が見えていたのか?
それを知っているのは私達。
なかなか意味深なタイトル
「あなただけがしっている」
あぁ私はあなた達を知っている
色んなタイプの人達が紡ぐ世界
その先にあったものはパラレルかと思うほど、重なりあう。
あなただけが知っている
そんな秘密を味わいましょう。
「推理小説」「青春小説」「科学小説」「幻想小説」「恋愛小説」、あの日あの時あの場所で、こんなにも多彩なジャンルが繰り広げられていたなんて!
人々の営みはミステリで青春でSFでファンタジーで愛に満ちていた。
全てを知っているのは読者だけ。
でも全ての始まりで終わりでもある彼の物語もわたしは知りたい!
高校生ならではの漫才アイディアも満載で、友情、恋愛、すべてひっくるめてテンションが上がりました!
思いっきり打ちこんで、ぶち当たるけれど、すぐ次に向かっていく2人。
正にエネルギーに満ち溢れていて、これぞ青春小説と感じさせます。
忘れかけていたトキメキの青春を思い出させていただきましたー
1冊の本で、推理小説→青春小説→科学小説→幻想小説→恋愛小説と、こんなに多岐に亘ったジャンルの作品が読めるなんて、金額的に考えてもとてもお得です(笑)。しかも、まるでジェットコースターに乗っているかのような体験ができます。ぜひ読んでください!
もちろん、読者側にも好みがあるので「推理小説は好きだけど幻想小説は読んだことがない」とか「青春小説と恋愛小説にしか興味がない」などとおっしゃる方も多いと思いますが、この作品は異なるジャンルを全部読んでこそ完成するので、どれとどれしか読まないという選択肢はありません。全部読んでください!
オオタガキフミさんのイラストはパッと目に入るので探しやすいです。書店員さんはぜひ面陳してください!
面白かったです!
ネタバレになってしまいそうなので、あまり内容には触れられませんが、本当に面白かったです!
5つの物語が入っていますが、それぞれ探偵小説、青春小説などジャンルが異なっています。初めは福袋みたいな少し変わった趣向の本だなーって思ってたのですが、読み進めていくと、それぞれ異なるパズルをしてると思ったら大きな1つのパズルだった!みたいな驚きがありました。ですが、そういった仕掛け的な部分だけでなく、ちゃんと悲しかったり、嬉しかったり、登場人物たちの気持ちにも入り込める物語でした。近い距離からも、俯瞰的な視点からも楽しめるお話だと思います。
エピローグまで読んだら、このタイトルの意味にも鳥肌が立ちました。
早くこの物語を読んだ人と語り合いたい!そんな気持ちになる本でした。
様々なジャンルの小説がつまっているので、普段手を出さないものも読むことになるんですが、読後はひたすら読んでよかったという満足感でいっぱいです。そしてそのままもう一周したくなります。
読み進めていくうちに「あ〜ここね」という気持ちよさもあり、思いがけなく嬉しい補足
もあり、大変楽しかったです。
Twitterで発売情報を見つけ、5編すべてが異なるジャンルの連作短編集という触れ込みが気になりリクエストしました。
ミステリ、青春、SF、ファンタジー、恋愛。どのジャンルにも造詣が深くないと書けない作品ばかりが並び、しかも漫才や短歌などの作中作もあって、なんて達者な作家なのだろうと舌を巻きました。新人賞投稿作でこういったことにチャレンジした度胸にも驚きます。
個人的には第二章「イチウケ!」が大好きでした。高2の春に突然話したことのないクラスメイトの女子から漫才で天下をとろうと誘われ、本気でM-1優勝を目指す話。最初は好きな子との仲を取り持ってもらうためにコンビを組んだ主人公が、徐々に漫才にのめり込んでいく過程が丁寧に描かれていて惹き込まれました。読んでいる間、ニケトロフィーが優勝できるのかどうかドキドキして、手に汗握りました。
5編すべてがかっちり繋がっている連作短編集なのも大変おもしろく、読み進めるたびに発見があり前の話を読み返したくなりました。
実はシンクロしていて、「この時のことか!」とつながりのある短編集はあるけれど、
ジャンルの違う5編を合わせていることがすごい。
推理・青春・科学・幻想・恋愛の5つの小説。
表紙のイラストも読む前からわくわくさせてくれましたが、期待以上のおもしろさでした。
探偵ミステリ、青春小説、SF小説、ファンタジー、そして不可思議な力を持った女性と運命の出会い。一見共通点もなさそうなまったくジャンルが違う短編が、それぞれが繋がってゆくことで全貌が明らかになってゆくその結末には驚かされました。
何とも不思議な作品ですね。今の時代受け入れられる作品ってこういう時空をいったりきたり、人間関係が複雑に絡み合い、文体は同じなのに色んなジャンルの作風に同じキャラクターが登場したりして、こんな作品ってあったっけという感じがした。でも読後感が爽やかなのは、根は青春小説だからなのかな。
人の繋がりが明らかになっていく連作短編集というだけでも心躍るのに、一章ごとに表情が全く異なる。推理モノ、SFモノ、恋愛モノなど、それぞれ魅力的で設定が丁寧に作り込まれていた。思わず、本当に一人の人が書いているの?と思ってしまうほどに。
全体の繋がりが非常に上手く、これがあのシーンの!と分かると、またそのページまで戻って読むということを繰り返した。
一番のお気に入りは青春小説「イチウケ!」高校生の男女コンビ、二人の信頼関係がとても良い。間違っても、付き合ってるの?と聞いてはならない。
ページを開いて、目次のデザイン(書体)がすごくよくて一気に興味を惹かれました。
面白かったです!
とくに好きなのは青春小説パート。お笑いにかける青春かと思ったら、お笑いを軸にした少年少女の物語で感動。恋にはならない関係がステキな短編でした。
他作品も、それぞれの面白さが詰まっていてよかったです。
SFパートは説明が多かったんですが興味深い未来予想で面白く読みました。ただ、この章のメインである二人(と父)の人間模様がもっと読みたかった。スピンオフとかやってくれないでしょうか?
物語全てがリンクしあっていて読み進めるほど驚きが増えていきます。
ラストまで驚きの連続で一気読みでした!
5話の話は登場人物で繋がっているが、それぞれの世界観は全く異なっている。
これがこの物語のウリであると同時に読者がついて来れなくなる(その世界観が苦手てある等で)という意味ではリスクかなと。
個人的にはM-1優勝を目指す高校生2人の物語が一番好みかな。成瀬は天下を取りにいくと同じような導入かな?とも感じたがこれはまた違うジャンル。
『自分の感覚がこの作品を世に広めたいと言っている』
本書のジャンルはミステリ青春SFファンタジー恋愛小説である。要するに「ジャンルを問わない広義のエンタテインメント小説」。松本清張賞の募集要項を具現化したような変幻自在の作品だ。
本作は5つの物語で構成される。
1話目は推理小説。まあよくある内容。デビュー作の初々しさすら感じる。
2話目は青春小説。このパートだけで一冊の本にできそうな完成度。いっきに引き込まれる。
3話目は科学小説。ギャップに唖然。ここで初めて連作短編であることを悟る。
4話目は幻想小説。さらにブッ飛ぶ。え、え、なんなの。この作品泣かせるの?
5話目は恋愛小説。散らかった伏線をまとめ上げ一つの世界になる。おしゃれ。
そしてエピローグ。最後の一行まで楽しませる構成力には圧巻のひとこと。
ここまでジャンルの違う短編を詰め合わせ、1つの作品に仕上げた小説には初めて出会った。和食も洋食も中華も混じっているから、デザートまで食べ終えたときコース料理としての満足感は段違いだ。最後の一行を読んだ瞬間に、読了の余韻もままならないまま前菜に戻りたくなる。2周目は登場人物を相関図に書き出しながら、しっかり咀嚼して読み込もうと思う考察しがいのある作品である。
また、本書はとにかく読者を楽しませる要素が多い。バラエティに富んだ世界観だけでなく、時空のトリックしかり、漫才・短歌・ラップといったユーモラスな言葉遊び。お笑いで言うと、とにかくボケの数が多いのに、最後のオチでしっかり前半のフリを回収して落とす。あれも伏線だったの?とつい唸ってしまう。初々しさすら伏線。
読みながら沸々と湧き上がるワクワク感は、自分の読書バロメーターである。目が、手が、脳が、この作品を世に広めてたくさんの人に新感覚の読書体験を味わってもらいたいと訴えかけてくる。森バジル。これからも追いかけたい作家である。
1人の作家さんが書いたとは思えないほど、どれもこれもカラーの違う話だった。
少しずつ繋がっているのも楽しめるし、文体そのもの自体も楽しめて一冊で2度美味しい!
この手の小説は初めて読んだけど、章扉のデザイン含め全てが面白かった!
もっと読みたい!
ここまで贅沢な読書体験は初めてでした!
ミステリーやSF、ファンタジー、そして恋愛小説まで!
それぞれの短編自体が面白いのは勿論のこと、読み進めていく毎にどんどん5つの物語が繋がりを持ち始めていくので驚きの連続でした。
そしてエピローグの最後の一文…!衝撃を受け止めきれず思わず「えーー!」と声が出てしまいました!
色んなジャンルの本を読みたいけど時間がない!
あれも読みたい、これも読みたい!
そんな欲張りな読書家の皆さんにおすすめです。
松本清張賞受賞、選考委員激賞のコメントでかなりハードルが上がっていたのですが、偽りなしの面白さでした。なんと言ってもテンポの良さ、キャラクター、ストーリーの多彩さでページをめくる手が止まりません。物語の重なる場面が絶妙で、最後の物語を読み終えた時、あの場面はあの物語のあそこに繋がってる!と、最初の物語に戻って読んでしまうこと確定です。読んだ「私だけ」が楽しめる仕掛けに感動しました。
めちゃくちゃ面白かった!一気読みです!
・推理、青春、科学、幻想、恋愛
5つのジャンルが短編となって一冊に!
各々の物語の登場人物たちが関連性をもつ群像劇となっています。
各話におけるちょっとした"?"が別のお話で補完されるところ、良いですね!
こういったパズルのピースがカチっとハマる瞬間が大好きなので、そのたびに嬉しくなりました。
複数要素を持ち合わせる作品としての完成度がとても高いです。
文章も読みやすいので、ほんとにスイスイ読めました。
ラストは王道かもしれませんが、やっぱりこうでなくちゃ!とも思う納得感。
彼ら彼女らのこれからの物語に幸せが降り注ぎますように!
あれやこれや温度も質感も違うお話が、けっこうな力技で連関している連作小説。
荒唐無稽ともいえるけれど、それでも破綻させずにつなげきっている馬力がすごいと思う。
何だか多国籍料理のコースを食べたような感じ。
ところで高校生がM-1目指すのって流行ってるんでしょうか。
名前しか聞いたことのない人間からすると短期間で2度M-1目指す高校生の出てくる小説読むの、不思議です。
そうか。世の人にとってお笑いやM-1ってけっこう大きな存在なんですね。私が見たことないだけで。
うーーんと唸りながら読んでしまった。面白い。
各短編ごとに作風が違うと知ったうえで読み始めていたものの、第三章からのあまりに挑戦的な変化に面食らいました。それでいて各話が絶妙に絡み合い、かつ、その作風の違いによって愉快に優しく痛快に導かれる結末に、作者の手腕が存分に発揮され文字通り息を呑みました。
最後の一文までの満足感。それでいてもう一度各話を読み返したくなる細部のカラクリ。大満足です!
章ごとにジャンルが異なる小説なんて、はじめてです。世界線が同じで、登場人物も重なるのに、ジャンル違い。思い付かなかった設定が、悔しいけど面白い。この設定だけでも面白いのに、当然ながら一つ一つが読ませる物語。今後の作品も気になる作家さんです。
「若い!」
これは数ページ読んだ時の感想。もちろん良い意味で。
『成瀬は天下を取りに行く』と同じように、文字すら踊り出しそうな勢いを感じました。
1つの街で繰り広げられる、推理•青春•科学•幻想•恋愛小説。主人公も変わっていきますが、繋がっていて…
私が好きだったのは青春小説の「イチウケ」です。お笑いをあまり観ないのに、あさのあつこさんの『The MANZAI 』も好きだったし、若者が一生懸命何かに向かう姿に心を打たれるのかもしれません。
この作品がデビュー作とのこと。驚きです。今後も多ジャンルでいくのでしょうか。個人的には推理と青春小説をもっと読みたいのですが、また驚かされるのかもしれませんね。
今後が楽しみな作家さんです。
連作短編方式なのにジャンルが全然違ってとても新しい試みの本。
ミステリーあり、SFあり、青春小説あり、ファンタジーあり、そして恋愛小説あり。
世界観は同じというか、同一直線上なんだけれど、こんなに違ったお話になるのはとても面白いと思った。
そして一つ一つの物語もとても良かった。
青春小説編では最後なんだか涙が出たし、恋愛小説はめっちゃ良かった。
好きなジャンルもそうではないジャンルも入っていて一冊で五度美味しい本です。