進化が同性愛を用意した

ジェンダーの生物学

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刊行日 2023/06/23 | 掲載終了日 2023/08/03

ハッシュタグ:#進化が同性愛を用意した #NetGalleyJP


内容紹介

性の多様性の本当の意味とは?

いまだに「普通ではない」という目を向けられがちな同性愛だが、実は、地球上の生物の間では、同性愛はまったく珍しくない。

実に1,500種を超える動物で、同性間の性行動が観察されているからだ。

しかし、なぜ、子どもを残さないはずの同性間性行動がこれほど盛んなのだろうか? 

どうして、ヒトの社会では同性愛が抑圧されてきたのだろうか?

ジェンダーかセックスかという既存の枠組みを超え、性の多様性の本当の意味を明らかにする。

性の多様性の本当の意味とは?

いまだに「普通ではない」という目を向けられがちな同性愛だが、実は、地球上の生物の間では、同性愛はまったく珍しくない。

実に1,500種を超える動物で、同性間の性行動が観察されているからだ。

しかし、なぜ、子どもを残さないはずの同性間性行動がこれほど盛んなのだろうか? 

どうして、ヒトの社会では同性愛が抑圧されてきたのだろうか?

ジェンダーかセックスかという既...


出版社からの備考・コメント

判型:四六判 188mm × 128mm
造本:並製

判型:四六判 188mm × 128mm
造本:並製


出版情報

ISBN 9784422430461
本体価格 ¥1,600 (JPY)
ページ数 224

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NetGalley会員レビュー

『ギフテッドクラスの学生たちを調べると、興味の方向性や性役割感は中性的な傾向があること、および性的マイノリティの出現率が高いことが報告されている。P185』

 数学者のアラン・チューリング、特筆すべき記憶力で知られる ダニエル・タメット、台湾デジタル担当大臣のオードリー・タン、小説家の三島由紀夫、粘菌の研究で知られる南方熊楠。デザイナーの高田健三、イブ・サンローラン、ジャン・ポール・ゴルチエなど、彼らはギフテッドであり、性的マイノリティであることが知られています。

 彼らが、すばらしい才能を持ち、それを世間に発表してきたことによって、社会は新しい技術を得ることができたり、面白い小説を読んだり、美しいファッションを楽しんだりすることができてきました。その才能と性的マイノリティに関連性があるというのは実に興味深いことだと思うのです。

『世界は「定型発達者」が再現性を持って追認できる現象を超えて広がっている。それは、自閉スペクトラム症や総合失調症、共感覚といった近くの特性がある人の放言する数式や、フラクタル図形や芸術作品の中に、垣間見ることができるのかもしれない。そういったものは、「常識的」な社会の秩序を脅かすかもしれない。しかい、そうした豊かな世界の広がりをも記述し、活用していく途もまた、拓かれている。わたしたちは多様であり、多様性が溢れる星に生きているのだから。P205』

 生物の世界ではオスとメスだけではないのです。成長するにしたがって性が変わるものもいれば、どちらかと判別できないものもいます。人間だって生物なのだから、人間だけ特別なわけではないのです。

 性的マイノリティを恐れる人達というのは、いったい何を恐れているのでしょう?自分には理解できないことだから?自分の身近で見たことがないものだから?宗教的な問題?

 そもそも生物学的に同性愛というのは特別なことではないし、同性で子どもを育てるということもあるという事例を読んでいくと、「同性婚=少子化が進む」という理屈が間違っていることがよくわかります。

 多様性には「寛容」と「受容」の両面があるのです。あなたが誰かを受け入れるのと同じように、誰かにあなたが受け入れてもらう場合もあります。そう考えるのは、そんなに難しいことなのでしょうか?

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本書を読んで、リチャード・ドーキンスが生物の利他的行動を、その逆と思える遺伝子の利己的な性質によって見事に説明したことを思い出した。
適応進化とは「子孫を残す(生殖)」ことを大前提としている。しかし、生殖には結びつかない「性の多様性」もまた適応進化の重要な一戦術である事を、本書では様々な事例から例証してあった。一見相反するものが深い関係性を持つ、という驚き。
その事例とは生物の生態等から人間の歴史/文化/宗教/科学史などまでと、非常に意欲的な多様な分野横断によるものであり、これらを縦横無尽に結びつける中で浮かび上がってくるのは、「性の多様性」は人を含めて普遍性を持ち、種/社会としての安定性を向上させ、適応進化を進めるための淘汰として生まれたと言うことだった。
この様に、適応進化に一見逆行するかのような現象が、実は戦略として重要な位置を占めると言うことに、読んでいて非常に知的興奮を感じた。
本書が例証を中心としたものと成らざるを得なかったのは、今までにない知見に充分な根拠を持たせるためであるのだろう。それだけに、本書に続くものとして、著者の考察を全面に押し出し、それを支える明確な論拠を持った更なる大著を期待したい。

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個人的にはジェンダーの再定義がおもしろかった。
私は社会学の方からジェンダーを見ていたのでそのまま受け止めていたけれど、
生物学の視点から見ると変数の外に置かれていたというのが興味深く感じた。
扱う動物界の種の幅広さのみならず年代的にも幅広いデータを提示しているので、
同性愛に異議を唱えたい人は理論武装が大変そう(感情論になりそう)。
また、データがたくさんでありながら語り口が硬くないので読み進めやすかったです。

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同性同士で恋愛をする動物たちがこれほどの種類いるとは、普段全く触れないジャンルの事なのでとても新鮮に読ませて頂きました。同性愛が変だとか、ジェンダーレスじゃなきゃダメだとか、騒いでいちいち問題化しているのは人類だけなんだなぁと改めて思った。動物たちってすごい。

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