サクラサク、サクラチル

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刊行日 2023/07/24 | 掲載終了日 2023/12/05

ハッシュタグ:#サクラサクサクラチル #NetGalleyJP


内容紹介

「絶対に東大合格しなきゃ許さない」

両親の熱烈な期待に応えるため、高校三年生の高志は勉強漬けの日々を送っていた。

そんなある日、クラスメートの星という少女から、自身をとりまく異常な教育環境を「虐待」だと指摘される。そんな星もまた、自身が親からネグレクトを受けていることを打ち明ける。

心を共鳴させあう二人はやがて、自分達を追い詰めた親への〈復讐計画〉を始動させることに――。

教室で浮いていた彼女と、埋もれていた僕の運命が、大学受験を前に交差する。

驚愕の結末と切なさが待ち受ける極上の青春ミステリー。


著者プロフィール

辻堂ゆめ (つじどう・ゆめ)

1992年、神奈川県生まれ。東京大学卒。2015年『いなくなった私へ』で第13回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞し、デビュー。22年『トリカゴ』で第24回大藪春彦賞受賞。著書に『僕と彼女の左手』』『卒業タイムリミット』『あの日の交換日記』『十の輪をくぐる』『君といた日の続き』『答えは市役所3階に 2020心の相談室』などがある。

「絶対に東大合格しなきゃ許さない」

両親の熱烈な期待に応えるため、高校三年生の高志は勉強漬けの日々を送っていた。

そんなある日、クラスメートの星という少女から、自身をとりまく異常な教育環境を「虐待」だと指摘される。そんな星もまた、自身が親からネグレクトを受けていることを打ち明ける。

心を共鳴させあう二人はやがて、自分達を追い詰めた親への〈復讐計画〉を始動させることに――。

教室で浮いていた彼女と、埋もれて...


出版社からの備考・コメント

※発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。
※書影は仮のものです。
※ゲラは校了の前のデータにつき、修正が入る可能性がございます。

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784575246513
本体価格 ¥1,700 (JPY)
ページ数 360

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NetGalley会員レビュー

あらすじは読んでいましたが、まさかここまで深刻とは思っておらず、早くどうにか落ちついてほしいという祈るような気持ちで一気に読んでしまいました。
二人の思い描いた結末がさわやかなもので本当によかったです。周りからみたら、二人が今までたどってきた道筋はシンプルなものではなかったかもしれませんが、それを歪だとはいえません。若くきらめいていると感じました。それはクラスメイトにもいえて、たどたどしくも精一杯生きていく彼らに本当に胸が熱くなります。
文字に囲まれる牢獄のように張り詰めた勉強、試験のシーンとやわらかい日差しと風がそよいるかのような二人の集会シーンの対比が印象的で、ラストへ繋がっていくのがとても素敵でした!

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作者が東大出身なだけあって、主人公の感情も先生も周りのクラスメイトも何もかもがリアル。
これ、フィクションですよね???って確認をしたくなるくらい。
最後は自分のやりたいことをできたから良かったけど、このまま事件になったらどうしよと思いながら読み進めた。

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読み終えて泣きながらガッツポーズ
ホッとしたというのが感想でした

2人の高校生の男女の家庭環境
悲惨だ
毒親もきっと毒親に育てられたのだろう

2人の復讐は親からの脱却
親を殺さず大人になるまで良くぞ生きていてくれた
頑張った…
2人の明るい未来のある終わりで本当によかった

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主人公と同世代の子どもがいるので他人事ではなかった。
親のエゴで勉強させられて、目標も持てずに苦しんでいる子どもたち。
同じく親のわがままで成り立ってる生活で自分の場所を作らされている星さん。
二人のあまりにも先の見えない未来に絶望を感じてすごく辛かった。
しかし、二人の選んだ選択は思いもよらぬ方法だった。最後まで読んでよかった。
二人が未来に希望を感じ前に進んでいけることがとても大切だと思った。

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衝撃的な冒頭に目が離せず、夢中でページをめくりました。
途中中断できない面白さに一気読み必至です!
親が子に対する、偏った暴力的な愛情に、思わず背筋が凍りました。
常軌を逸した教育と躾の、いびつな鎖に捕らわれた、
少年少女の行く末が、どうか救われてほしいと祈るように読みました。
そして、最後に見た、彼と彼女の結末に胸に燃えるような熱い気持ちが込み上げました。
本当の自分を取り戻し、未来を切り開く、強い意志と勇気にあふれた物語。
読後、優しい光ような光景が、ずっと胸に残っています。

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東大卒作家が描く、学歴に取り憑かれ、幸せを勘違いした教育熱心家庭で、洗脳され続けた高三男子の「復讐」青春ミステリ。

躾と虐待、放任と放置(ネグレクト)、曖昧な境界線を利己的に利用した狂った親たち。他者と比較出来ない幼少期から「間違った価値観」を植え付けられた子供たちの連鎖が窺える恐ろしい作品。
紙一重のプライドとコンプレックスが綯い交ぜになり、自ら作り出している矛盾(落とし穴)に気付かず、より深くへ墜ちていく。
子供たち目線と親たち目線で二度気付きがある社会派ミステリ。

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小説『サクラサク、サクラチル』を読み始めるべく、書籍を開いた読者はまず驚くこと間違いないでしょう。

衝撃的なそのプロローグの始まり方に。

本編を読み進めながらも、プロローグのことが頭を離れません。
そして本編第1章を読み終える頃になると、読者はプロローグの内容を掴めたような気がしてきます。

けれどもそこは青春ミステリー。
最後まで読み進めないと、この物語はパーツが繋がりません。

会社勤めのあり方も変わっている今でも、一貫の幼稚園、小学校を目指し。
中小企業の活躍が大きくなる今でも、日本一の大学のブランドを目指す。
「これが現代の受験心理なのかも?」とつい考え、「早いうちから人生の安泰を手に入れる」術を得ることとはいったい何なのかを考えさせられました。

受験に繋がる社会構造の繋がる話に、学生や大学受験を卒業した読者も頭を抱えることでしょう。

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両親の苛烈な期待に応えるために、勉強漬けの日々を送る高校三年生の高志。自らも親からネグレクトを受けていることを打ち明ける星。二人が出会ったことで、自らの親の異常ぶりを認識して、このままの未来に絶望し、自分の人生を取り戻すために〈復讐計画〉を周到に用意する展開は、主人公たちが高校生ならではの難しさもありましたが、悲劇的な結末ではなく確かな未来を感じさせてくれる結末には救われる思いでした。

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ほんとうに、本当につらくて、読みながら何度も息を整えなければならなかった。
2人が成功させた“復讐”は諸悪の根元の排除というよりは、己れにかけられた呪いをとく感じで、2人だったから、理解してくれる人がいたからやり遂げることが出来た、というレベルではなく、物語のなかのことだけど、身近な距離で繰り広げられていた事件のようで、自分が親という立場だから余計に苦しくて夢中にさせられました。
ずっとずっと心がしぼられるような展開が続いてヘロヘロになる寸前だったので、未来への鮮やかな希望が期待できるラストが印象的でとても良かったです。

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東大合格だけを強いる毒親の虐待描写が酷すぎる・・ネグレクトを受ける星によって互いの境遇から抜け出そうと「復讐計画」を企てる。親の言いなりから自分の意思で人生を進もうとする2人。学歴だけではないと誰もが思いつつも、消えない格差が偏った思考を生む。歪んだ親は実存する。子供に執着し、所有物として接する結果は、同じような親を生みださないだろうか。私の子育ての最終目標は自立。自分の足で力で生きていってくれればいい。

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受験戦争は、幼稚園から始まる昨今、
この物語の主人公の一人である、高校三年生の高志も、幼いころから、両親の期待をうけ、
勉強漬けの日々を余儀なくされていた。
それだけなら、教育熱心な両親の家庭に生まれた、やや不憫な少年という印象だったかもしれないが、
そこに、虐待という事実が浮かび上がる。
する側、でなく、される側としての、感情の移り変わりが、リアルに伝わってくる。
子どもは、成長するまでは、いつも受け身でいなければいけないのか。
親の、「あなたのために」という殺し文句に、それが虐待ということにも気づけず、
体の不調も心の弱さだと、自分を責める子どもたち。
前半は読んでいて、実際にこんな事があるのだと思うと、やりきれない気持ちで一杯だった。

その中でも、手を取り合える友達を得て、
受験戦争を乗り越え、自分の未来を自分で選択する。

サクラサク、
そして、サクラチル。。散った桜は落ちるとは限らない。

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散るも桜、咲くも桜。
どんな家庭でも、自分の子供という大きな括りは同じなのに、色んな家庭があるんだなと、痛感しました。
教育虐待という、重たい題材で、読み進めるのが辛い場面もたくさんありましたが、読後感はすっきりでした。
2人の後日談を読んでみたくなりました。

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