ヨシ
3万7千キロをおよいだウミガメのはなし
リン・コックス文 リチャード・ジョーンズ絵 いわじょうよしひと訳
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刊行日 2023/06/30 | 掲載終了日 2023/07/06
ハッシュタグ:#ヨシウミガメアカウミガメ実話 #NetGalleyJP
内容紹介
故郷の浜辺に向かって、3万7千キロを泳いだウミガメの実話!
漁の網にからまり、日本の漁師に助けられたウミガメの「ヨシ」。水族館で20年間暮らした後、海に帰すことになった。
1年半のトレーニングを経て海に戻ったヨシは、誰も予想していなかった方向に泳ぎだした。
誰に教えられたわけでもなく、自然の力に導かれ、南アフリカからオーストラリアの生まれ故郷まで2年2か月をかけて3万7千キロを泳いだのだ。
この驚くべき生命の神秘を美しい絵で展開した絵本!
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784751531242 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
ページ数 | 40 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
「ヨシ」は、たくさんの兄弟たちと一緒に生まれた。アカウミガメ。そのヨシの壮大な旅の物語です。
たぶん、兄弟の中で、生きているのはヨシだけなんでしょうね・・・だって、親ガメになるのは1000匹のうち、たった 1 匹か 2 匹。でも、成長すると 100 年生きると言われているそう!なんだかすごいです。カメも、すごいけど、それを、知ろうとしたヒトもすごいと思いました!
たった一匹のヨシというカメのお話ですが、このヨシの生きてる姿をちょっとだけ覗くだけで、生き物が思いの外、壮大に世界を駆け巡る事がわかってしまいます。2 年 2 ヶ月かけて、37000キロ泳いだヨシ。そこまでして、たどり着いた旅の終点は、ふるさとの砂浜。20年ぶりに帰ってきたのは、命をうむためでした・・・
ヒトは、仕事と言って一箇所にとどまり、渡り鳥や、カメほどにこの星の実際を知らないですよね。「いいな」「すごいな」そう、素直に感じます。わたしは、知識で「アフリカ」や「オーストラリア」は知ってても、実際には、その匂いを知らないし、風を知らない、太陽を知らないのですもの・・・でも、絵本の絵が、ちょっとだけわたしを旅させて、ヨシのふるさと、オーストラリアの砂浜の月と潮風のなかにつれていってくれました。これは、ヒト独特の特権ですね。
考えてみれば、ヨシの兄弟たちも短かったけれど、ちゃんと生きていました。砂しか知らないままの子もいたけれど。数多くの兄弟たちは、一匹のヨシを生かすために、ヨシに命を未来へつなぐという希望の使命をはたしてもらうために、ラグビー選手のように外的に身を捧げていくみたい。カニや、キツネや、おっきな魚や・・・見た目はタックルじゃないけれど・・・これは、生存競争って言葉じゃない気がします。淘汰って言葉じゃない気がします。命をつなぐチームのこころ。「あとは任したよ」って、潔いこころ。わたしには、そう思えました。
生きている自分の命。いっしょの時代に生きているヒト、動物、風景、全てにこのつながりのなか。縦に繋がり、横に繋がり、時空を一つのおっきな命の一部に感じる、そんな、きっかけをくれる絵本でした。ありがとうございました。
リチャード・ジョーンズ氏のさまざまな青がえも言われず美しい。
アカウミガメのヨシの実録であり、生き物の不思議極まる生態と生命力に打たれます。
命の危機を人の手によって救われたヨシ。それもまたヨシの持った運の強さと言えましょう。
生き長らえれば100年も生きるアカウミガメ。水族館で世話されて暮らすこと20年の後の、生まれ故郷への帰還。我が身に持った遺伝子レベルの記憶がそうさせるのか?命が見せる奇跡とも言えましょう。
生き抜くこと、新たな命をつなぐこと、生き物の揺るぎない生への希求に大いなる感動をいただきました。
綺麗な色合いで爽やかな青が印象的です。
ヨシを通して環境問題についてしっかりと触れられています。
内容は、濃ゆいですが、わかりやすく描かれているので未就学児のお子様でも理解できるのではないかとおもいました。
著者のあとがきでは、大人の私でも知らなかった内容で勉強になりました。
ウミガメの性別が温度に関係しているのは驚きでした。
何と壮大なお話なんでしょう。
読み終えた後は、まるで長い長い1冊のノンフィクションを読み終えたような気持になりました。
20年間水族館で暮らしたヨシが、37000キロという距離を泳ぎ切って、アフリカから生まれ故郷のオーストラリアの浜辺へ帰ったという奇跡。
私たちが今生きているこの地球には、まだまだ沢山の素晴らしい奇跡があるのだと信じさせてくれる絵本です。
壮大な世界を想像させるだけではなく、SDGsを意識するきっかけにもな素晴らしい絵本。
自らの力で何万キロ先の生まれ育った故郷に戻るヨシもすごいですし、その旅路を追った
人々の思いもまたすごいです。そこから、海を守る意識が芽生えると良いですね。
海の色使いも見事で、早く紙媒体でも読んでみたいです。
私は何のために生まれてきたのだろう
私はこれから何をすることができるだろう
ウミガメのヨシは苦難とともに有難いことも経験し、
ほかの人や動物とは違う経験をたくさんできたのだろう
だけれども、彼は自分の宿命を遂げるように37万キロ泳ぎ
じぶんのすべき使命をこなした
何も考えなくても自然になすことができる
ちょっと自分の気持ちがわからなくなったときに
流れに任せて本能を研ぎ澄ませるかなということを学ばせてもらえる本です