わたしたちの怪獣
久永実木彦
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刊行日 2023/05/31 | 掲載終了日 2023/05/31
ハッシュタグ:#わたしたちの怪獣 #NetGalleyJP
内容紹介
妹が父を殺した日、東京湾に怪獣が現れた。姉は妹を守るため、怪獣が暴れる東京に父の死体を棄てにいく──短編として初めて日本SF大賞候補となった表題作を含む全4編。
妹が父を殺した日、東京湾に怪獣が現れた。姉は妹を守るため、怪獣が暴れる東京に父の死体を棄てにいく──短編として初めて日本SF大賞候補となった表題作を含む全4編。
出版社からの備考・コメント
・多くのレビューをお待ちしておりますが、物語の核心をつくような、所謂「ネタバレ」はお控えください。
・ネタバレ行為はネットギャリーのみならず、読書メーター、ブクログ、Twitter 等の多くの方が目にする場でも同様にお控えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
・本作は校了前の大切なゲラデータを著訳者よりご提供いただいた上で公開をしています。本作の刊行を楽しみにお待ちいただいている、多くの読者のためにも、ご理解、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
・多くのリクエストをお待ちしておりますが、過去のフィードバック状況やレビュー内容からリクエストをお断りする場合がございます。予めご了承ください。
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784488018504 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
ページ数 | 304 |
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閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
SFであり、マニアであり、オタクであり、カルトであり。そんな作家の趣味が存分に生かされた短編集。知識と趣味のごった煮が気持ちいい。
表題作は特に傑作。家に帰ると妹が父親を殺しており、その一方で東京湾には「白腸」と呼ばれる巨大怪獣が現れ街を破壊する。ゾクゾクする物語の始まりだ。この二つの異常を巧みに結んでストーリーは進行していく。
ほかにもタイムトラベル、吸血鬼、ゾンビなど、心がザワッとする題材を巧みに料理する短編が並ぶ。
中に怪作映画「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」をテーマとした短編がある。私が大学生の時に話題になった映画で、文字通りトマトが人を襲うトンデモカルトムービーだ。秋葉原にこの手のマニア映画を違法にレンタルしているアングラショップがあって、当時は高価すぎて買えなかったVHSを借りて鑑賞した記憶がある。なぜか今でも主題歌のサビが歌えてしまう。ああ、のどかな時代だった。さらにこの短編の中で作家はオタクな映画知識を連発する。このあたりも実にいい感じだ。
私よりもひとまわりほど若い作家だが、何か話が合いそうな気がする。
久永実木彦さん、デビュー作の「七十四秒の旋律と孤独」が鮮烈で、個人的に今一番期待している新人SF作家。
今回の「わたしたちの怪獣」には表題作を含む4つの短編が収録されています。
表題作は怪獣パニックものかと思いきや、ピリピリとした空気がせつなくしんどい家族小説。
いや、確かに怪獣が出現して暴れるんですけど。怪獣って何だろう。怪獣よりも恐ろしいものって何だろう。
深淵をのぞきこむような物語。
時間テーマの「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」も怖い。見ちゃいけないものを見たくなる、絶望に手を触れたくなる、そんなタブーに幻惑されて背筋がゾッとしました。
吸血鬼愛に満ちた「夜の安らぎ」は絶妙なユーモアが散りばめられていて、すてきなアクセントになっています。
そして「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」は、ゾンビ映画ヲタにはたまらないガジェットだらけの作品。これも愛が詰まってます。Z級映画への偏愛がてんこ盛りに。
どれもいいネタ揃っていて美味しすぎる。読んでない人に熱烈にお勧めしたくなる短編集。
読後感をなかなか言葉にしにくい作品でした。メリーバッドエンドという印象を受けましたが、SF小説はそういうものなのかな?
フィクションのような出来事が少しずつ現実に侵食してくる様子にドキドキさせられます。
どの話も「現実から逃げたい」と思っている人たちが主人公でした。「現実逃避」と「SF」という組み合わせが、フィクションの世界を楽しむというよりは、アングラな世界観を生きる人たちを読む……そんな読後感でした。
表題作を含む4編を収録した短編集。
・怪獣の襲来を利用して父親の死体隠蔽を遂行しようとするヒロイン。
・未来予測により死亡事故が社会から根絶された社会からの脱却をはかる主人公。
・息詰まるような自分の環境を破壊したい少女が出会った吸血鬼との交流。
・映画が好きな人にはニヤリとするネタが詰まったZ級なストーリー。
どれも味があって面白かったです。
しかも一つ一つ読み終わったあとに、すとんと落ちてくるような読了感。
なんだかとてつもなく贅沢な時間を過ごしたかのような気持ちになれます。
そして溢れるSFマインド!
あとがきまで物語にしてしまう久永先生、次回作も楽しみです。