ナマケモノは、なぜ怠けるのか?
生き物の個性と進化のふしぎ
稲垣栄洋
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刊行日 2023/05/09 | 掲載終了日 2023/06/13
ハッシュタグ:#ナマケモノはなぜ怠けるのか #NetGalleyJP
内容紹介
生き物と読む人自身への思い込みを覆し肯定する、人気農学博士 書下ろし最新刊
生き物はそれぞれに進化の最先端を走っている
ナメクジ、ダンゴムシ、モヤシ、イモムシ、雑草……。
一見「つまらない」と思われる生き物たち。
そんな生き物界の脇役の生存戦略がすごかった!
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【目次】
はじめに
第1章 「みっともない」生き物
ナメクジ/ヘビ/アホウドリ/ブタ/ミミズ/イモムシ
第2章 「にぶい」生き物
ダンゴムシ/ナマケモノ/スローロリス/カメ/キーウィ/モヤシ/サツマイモ
第3章 「ぱっとしない」生き物
カモノハシ/ペンギン/カバ/タヌキ/ケラ/アリ/クズ
第4章 「こまった」生き物
コウモリ/ハゲワシ/ブチハイエナ/オオカミ/ミイデラゴミムシ/糞虫/イエバエ/ゴキブリ/雑草
第5章 やっぱり、そのままでいいんだよ
イルカは早く走れない/イルカの生き方に学ぶこと/足の遅いチーターはいない/個性というやっかいなもの/オナモミの個性/自然界に答えはない/タンポポの花は黄色い/いらない個性はない/さらにヒトは助け合う
第6章 あなたもそのままでいいんだよ
サルとヒトの境目/人間の大好物/そして、人はそろえたがる/遺伝子には逆らえない/それでも努力は無駄ではない/自分の遺伝子との付き合い方/あなただけの遺伝子/あなたがあなたである確率/この世に一つしかないもの
おわりに
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【著者プロフィール】
稲垣栄洋(いながき・ひでひろ)
1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する著述や講演を行っている。著書に、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』(ちくまプリマー新書)、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』『身近な生きものの子育て奮闘記』(ちくま文庫)、『たたかう植物 仁義なき生存戦略』(ちくま新書)など。
おすすめコメント
『生き物の死にざま』(草思社)『はずれ者が進化をつくる』(ちくまプリマー新書)など話題書多数の農学博士、稲垣英洋さんによる最新刊を刊行します。
ナメクジ、ダンゴムシ、モヤシ、イモムシ、雑草...... いつも脇役で嫌われたりあなどられたりしがちな生き物たち。その一見ネガティブな生態は、実は生き残るための巧みな生存戦略だったという数々のエピソードを、生き物の進化の過程を丁寧に解説しながら語りかける一冊です。
他と異なること、特徴的であることが生き物にとって最も重要で、その上で本書の後半では、一番つまらない生き物であると著者が言う「ヒト」の強みを考察。ヒトが個性を持つ理由、「多様性」という生物の戦略についてわかりやすく説いていきます。
生物の生態を冷静に紐解きながら、生き物への思い込みを覆し、読む人が自分のコンプレックスをも肯定したくなるような、優しい眼差しにあふれた一冊です。どうぞご注目ください。
出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784480684509 |
本体価格 | ¥780 (JPY) |
ページ数 | 176 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
面白かった。
著者の全生物に対する愛を感じる本だった。
「競争排除の原則」であるとか、「収斂進化」であるとか、普段あまり聞きなれないような言葉も多々出てくるのだが、生物の特性をあげて、どうしてこういう風に進化したのか(あるいは進化しなかったのか)ということを、その生物の名前を用いた慣用句であったり、英語ではこういう名で呼ばれているという例を用いて解説してあり、とてもわかりやすかた。
第1章から第4章までは、こういう動物がいますよ、こういうわけで、こんな風な形態になってるんですよ、ということが、一つの生物につき4~5ページくらいで書かれてある。
挿絵もあって、どんな生き物か想像しやすい。
そして、どの生き物についても、「だからね、○○(へんな特性)を持つ△△(生物名)も、そのままでいいんだよ。」という言葉で締められている。
どんなへんてこな生き物でも、そうなるにはわけがあって、それをへんてこだと思うのは人間の都合であると。
第5章と第6章は、生き物全般、そらからヒトについて。
生き物の基本戦略である「苦手なところで勝負しない」「得意なところで勝負する」ということを人間社会に当てはめて、現代社会で、自信を失っている人に向けて書かれたのだと思う。
最後は、「あなたは、あなたのままでいいんだよ。」という言葉で締めくくられている。
これは新書という部類の本だと思うのだが、まさか新書を読んで泣くとは思わなかった。
中学生くらいから読めると思うので、ぜひ、悩み多きティーンエイジャーに読んでもらいたい。
もちろん、児童書というわけではないので、大人にもおおいに読んでいただきたい。
ナメクジから始まって、なんとなくさえない感じの生き物、植物、色々。
いったいなぜ?という問いから始まる。
神さまはどうして、こんなxxxな生き物をお創りになったんだろう?
という問いかけを軸にそれぞれの生き物の在り方を数ページで短く描く。
これがとても平易で面白く描かれていて、ちょっとずつ読むのにもいい。
いろんな動植物の、なぜ?を、考えながら、書籍全体のもっと大きな流れに段々と気づく。無駄なものはないのだ。どんなふうに見えようとも、何らかの意義があって今にまで生き残っているのだもの。ひいては、私たち一人ひとりの個性についても。自然界に正解、なんてない。正しい答えのない世界を生き抜くために、生き残るために生物が自然に用意したのが多様性という選択だったんだ。
自然界には明確な区切りはないのに(猿と人間の境界なんてない)人間の脳は、区切りたがる、比較したがるという指摘も面白かった。
中学生くらいから読める、知識に加えて、物の見方に光を当ててくれる。若い人に読んで欲しいなと思った。
ナマケモノに親和性を感じリクエスト。
しかもあの稲垣栄洋先生。
中学校の国語の教科書にも違う作品で掲載されている。
今回はつまらないと思われがちな生き物に焦点をあててている。
「神さまはどうして、こんな〇〇な生き物をお創りになったのだろう。」から始まり、
「そのままでいいんだよ。」で締めくくるリズムの良さに読む手が止まらない。
ざんねんないきもの事典から読書レベルを上げられる学校図書館の味方。
生物多様性をわかりやすく噛み砕き、最後の章で自分自身まで肯定してくれる聖書のような本。
この本は手元にもほしい。