のっぺらぼうと天宿りの牙卵
影の王と祟りの子
里見透
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刊行日 2023/06/20 | 掲載終了日 2023/06/21
ハッシュタグ:#のっぺらぼうと天宿りの牙卵 #NetGalleyJP
内容紹介
「おまえは、おまえ以外のものにはなれない。
だったらせめて、自分が自分であることを、怖がるな」
半神半人の祟りの子、顔を失くした影の王。
人外バディの貴種流離譚!!
※貴種流離譚とは?
物語の類型の一種であり、折口学の用語の一つ。
若い神や英雄が他郷をさまよいながら試練を克服した結果、尊い存在となるとする説話の一類型。
☆ ☆ ☆
【ゲラを読まれる方へ大切なお願い】
・校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が異なる場合があります。
・レビューなどでのネタバレ行為はネットギャリーのみならず、外部サイトやSNS等の多くの方が目にする場でもお控えください。
・自分には合わない作品だった場合、今後のためにも建設的なご意見をよろしくお願いします。
※今作は作者のご厚意によって提供いただいた校了前の大切なゲラを公開をしています。
※今作にこれから出会うであろう多くの読者のためにも、ご理解の上、素敵なレビューによる応援とご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
☆ ☆ ☆
【内容紹介】
牙獣と呼ばれるあやかしを操り、
人々に害をなす幽鬼を祓う白牙法師を目指して
修行の旅をする刻雨。
ある晩、踏み入れた山中で巨大な幽鬼に喰われかけた彼は、
ひとりの青年に命を救われる。
自らを萬景王であると名乗るこの青年は、しかし、
顔を持たぬ異形の鬼と化していた──。
国を案ずる名もなき王。
神に祟られた禁忌の子。
ふたりの邂逅の先にあるものとは。
絆によって導かれたふたりが、新たな運命を切り開く!
陰謀渦巻く小国を舞台に綴られる、予測不能の和風ファンタジー!
【目次】
序 どくり
壱 すってんころり
弐 ぴっしゃん
参 どんがらしゃ
肆 ぽろり、ぽろ
伍 がらん
終 のらりくらり
◆著者について
里見透(さとみ・とおる)
東京都出身・下町生まれの横浜在住。旅行好き物書き。
陰謀に巻き込まれがちな少年少女の成長物語を書くことが多い。
自ら足を運んで学んだ異国の文化や、土地の匂いを作品のエッセンスにするのを得意とする。
同人活動の傍ら本作で、商業デビューに至る。
◆イラストレーターについて
睦月ムンク(むつき・むんく)
イラストレーター・漫画家。京都精華大学専任教員。
在学中の2003年「ファイアーエムブレムTCG ユグドラルアンソロジー」(NTT出版)で商業デビュー。コミック連載、装画・挿絵・イラスト、ゲーム・各メディアキャラクターデザイン等、フリーランス作家として活動中。日本の古代~中世の風土・歴史に関する題材が得意。
◆キャラクター原案
匙於ナゲル(さじお・なげる)
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おすすめコメント
・ワケありの主人公たちが不遇な境遇に負けることなく絆や愛情によって前向きに成長する物語。
・歴史から地名、文化まで非常に綿密に構成された世界観の巧みさ。
・随所に入る剣戟や呪文などアクション・シーンの爽快感。
・ワケありの主人公たちが不遇な境遇に負けることなく絆や愛情によって前向きに成長する物語。
・歴史から地名、文化まで非常に綿密に構成された世界観の巧みさ。
・随所に入る剣戟や呪文などアクション・シーンの爽快感。
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《拡材用の応援レビュー募集期間》
~2023年5月10日(火)午前10時
出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784867164341 |
本体価格 | ¥720 (JPY) |
ページ数 | 288 |
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NetGalley会員レビュー
独特の世界観で構成された和風ファンタジーでした。牙卵、のっぺらぼう、幽鬼……
ワクワクするような言葉がたくさん。のっぺらぼうになったのはそんな理由があったからなんですね………。神鹿と邂逅する場面が静謐で美しくて温かくて好きなところです。そのままのお互いの姿を認めあって関係を深めていくところに感動しました。内容に抵触するのでぼやかしますが、え、そうなの!というところが最後の方にありました。気づかなかったです。
幽鬼を祓うため赴いた山中で巨大な幽鬼と相対する白牙法師見習いの青年・刻雨。
しかし、牙獣を持たない彼は為す術なく深手を負い絶体絶命の危機に瀕していまう。
そんな彼の前に現れたのは、新玉と名乗る烏面を被った青年だった──。
圧巻の一言に尽きる。
物語を構成する全ての要素に無駄がなく、一気に引き込まれた。
数奇な運命の巡り合わせで旅を供するのは、人間の理から外れた「影の王」と「祟りの子」。
彼らの背景にあるものがあまりにも重たく胸を抉られる思いがしたが、
己を見失う事なく前に進み続ける姿勢に涙が零れ落ちた。
一世一代の大勝負に出た彼らが傷つきながらも掴み取ったもの。
その先の未来にどんな世界が広がっているのか期待に胸が膨らみ、
早くも物語の続きが気になり心が躍り出す。
まずは各章のタイトルを見て首を傾げた。この軽い調子は何を意味するのか、と。そして読み始めたら、全く予想外の展開だった。
刻雨と稜賀新玉、それぞれが今ここに在る、その驚くべき理由。それが物語開始早々に明らかになると、逆に不安になった。こんな不安定な2人組でやっていけるのか、と。
しかし物語半ばで一気に流れが変わり、不安は拭い去られた。真実を知ってさえ、逆境に立ち向かう2人の意思、さらに結びつきは遥かに予想を超えていた。
そう、これは「運命に立ち向かった」のではなく「胸を張って運命を生き抜いた」2人の物語。そして読み終わって改めて見た各章のタイトルの軽さが、その生き様への救いに思えてきた。
中華の雰囲気をも漂わせた和風のファンタジー。独特の世界観が魅力的。冒頭からなにやらわけありの主人公が危機一髪のバトルに巻き込まれ、一気に物語に引き込まれる。過酷な運命を背負った二人のバディものとしても楽しめる。二人の前途が希望あるものでありますようにと祈りながら読み進めた。多くの読者がこの作品に惚れるだろう。
年号日付が分かりづらくて、どうかな…と思っていたけど、もうそれは無くてもいいや!と感じるほど、物語に入り込めた。
刻雨と荒魂の凸凹コンビが魅力的。どちらにも哀しい過去や断ち切れない想いがあるのに、目の前の事に真摯に向き合う清々しさよ。天狗をおっさん呼ばわりする豪胆さと、政に対する勘の良さを発揮しながらも弱さも自覚する荒魂。出自に対する負い目や見習いとしての不甲斐なさを抱えながらも、ここぞの時にはへこたれないハルサメ君。神鹿や牙卵の謎もこれから明かされていくのかと思うと、続編を必ず追いたい。
修行の旅をする「刻雨」と彼が出会った青年。
二人の個性が魅力的で、独特な世界観にあっという間に引き込まれました。自分のなかで二人の姿を思い浮かべてみましたが、どんなキャラクターデザインになるのかとても楽しみです。
この世界独特な言葉もありますが、語り口が短文でテンポが良いので、この世界を共に旅をしているような気持ちでした。だからこそ二人が負う過去や抱える思いに胸が締め付けられました。
これは始まりの物語なのでしょう。これからも共に旅が出来ることを楽しみにしています。
難しそうな世界感や時代設定に入り込めるか不安でしたが、読み始めたらあまりの面白さに一気読みでした。
ファンタジー作品が好きなこともあり、アニメや映画を観ているように楽しめました!映像でもぜひ観てみたいです!
刻雨と荒魂が悲惨な過去や境遇を抱えつつも、腐る事なく己の道を進んでいく姿がとてもかっこよかったです。
そしてこんなにも人情味溢れるのっぺらぼうは見た事ないです!大好きになってしまいました!
法師とのっぺらぼうの2人は、まさに運命のバディ!
これは続編も期待してよいのでしょうか?
とても面白い作品をありがとうございました!
「人はだれも死に方は選べない、選べるのは生き方だけだ。俺の最後までおれの選んだ生き方をする。」なんて真っ直ぐ何だろう。
もう生者でないのに。
うらみつらみなく、死してなお、そこに生きる人達がただただ幸せに生きていけるようにと行動する荒魂。
刻雨と荒魂の縁があんなところにあったなんて。
読みながら泣きそうになった。
(電車の中だから耐えた)
荒魂の一言一言が、刻雨か生きることを、自分が自分であることを、刻雨をつくる原点になっているのではと思う。
心から相手を思う言葉はなにものにも変えがたい、得難いものだと思う。
生きていれは、生きようとすれば人は誰もが自由で、誰にもそれを脅かすことはできない。そして、約束が刻雨を強くする。
真っ直ぐ、どこまでも真っ直ぐ、心に残る一冊だ。
おもしろかったです。
気弱な法師と生きのいい(?)のっぺらぼう
ふたりの不思議な因縁
良いコンビですね
気になるのが、城主とどんな話をして気持ちを変えさせたのか
声聞法師がほんとうにあきらめたのか
続編希望です
人は誰でも自分自身でしかいられないけれど、一切の誤魔化しのない自分自身のままでいることは勇気のいることなのかもしれない。
自分を押し込めて生きようとしていた刻雨と、顔を失ってしまった「あらたま」、巡り巡った出会いの中に彼らが偽りない自分自身に立ち返るための勇気の芽が潜んでいた。
東アジア風のファンタジックな世界の中で展開する、冒険と葛藤と育っていく友愛を楽しみました。
独自の世界観で描かれた和風ファンタジー。二人が背負う過酷な背景。その土地の風の匂いも土の温度も感じられる筆致豊かで色鮮やかなロードムービー。一世一代の大勝負。どっぷり浸かってたっぷり堪能、酔いしれました。
目次の各章タイトルの本邦ならではの擬音・擬態語。読み始める前にもその不思議さと小気味の良さに目を惹かれましたが、ワンフレーズにぎゅっと凝縮されている各章の色々は、読み終えた後、より一層味わい深く感じられました。
文体の語り口もまた小気味よいリズムなので手に汗握る緊迫したバトル、二人が背負う過酷で重い運命も陰謀渦巻くシーンも読み進めるのがとても楽しく、早く先の展開を知りたい読者にはそれがまた心地よい追い風となり、一気に駆け抜ける爽快感がたまらなかったです。二人の旅路を一刻も早く見届けたい、けれども、読み進めたら物語が終わってしまうという葛藤もあり、二律背反する楽しさもジレンマも辛抱たまらなかったです……。
祟りの子と影の王。異色の凸凹バディの魅力が満載でこの二人の旅路をずっと見ていたい、これからももっと刮目したいとわくわくしていました。
互いの荷物の重みの本質理解はできないかもしれない。けれども、手を貸すことで・手を組むことで、その背負う重さを分け合ってほんの少しだけ軽くすることはできるのかもしれない。
旅は道連れ、背に荷物(運命)。出自に訳ありの二人が一世一代の大勝負で生まれ直す物語。
発売日を心から楽しみにしています。
誰にでも辛い過去、忘れられない過去がある。
でも、時間は一人あたり一日24時間と決まっている。この時間を無駄にすることなく、前へ前へ進んでいく2人の姿に勇気づけられました。
過去にとらわれすぎないこと、仲間を大事にすることを再確認ができました。
おどろおどろしい出だしから始まるこの物語。いつの時代やらどこの国やらと思いながら読み進むうちに、その世界にすっかりはまりこんでいく不思議。のっぺらぼうーの影の王と祟りの子、刻雨。どちらの身の上も稀有で、相当に辛い過去を抱えている。その2人が運命に引き寄せられるかのように出会ってしまったのは一体偶然なのか、はたまた何かの因縁か。恐ろしいはずの、のっぺらぼうが、何故かとても人間味があったりして、そこもこの物語の魅力の一つ。一気に読み終えた。またこの続編があるならば、是非読んでみたい。
幽鬼を祓う白牙法師見習いの命の危機を救ったのは、顔を持たぬ鬼。「祟りの子」と「のっぺら王」のワケありバディの和風冒険ファンタジー。
馴染みのない言葉や世界観に、物語に入るまで少し時間が掛かった。巧妙に練られた設定をスルーするのは申し訳ないけど、薄い理解のまま読み進めていると、すぐにキャラの思考の深さに魅せられた。二人に共通する「思い遣り」と「先見の明」が、孤独が与えた強みであるという皮肉な感じも凄く面白かった。
なんとなく推測出来るものから予想外のものまで、ちょうど良いタイミングで謎が生まれて解き明かされる、痒い所に手が届く感覚。
息を飲むアクションシーンの裏に覗く、大切なものを護る為の切ない自己犠牲に心打たれ、苦しくなった。
重い内容の中にも笑いが沢山ある所も魅力。人が好いキャラたちと和気藹々と食事を囲むシーンが微笑ましく、一番印象的でした。
静と動、二人のイメージに合ったカバーイラストがとても良かった。天狗面でもモテる設定通り、口元だけでもイケメンとわかる素晴らしいイラスト。個人的に少し苦手な「過剰な(美男美女)容姿描写」がないのも好ましかった。それを的確に補うイラストになっていて、表紙買いしても大当たりの作品。
人々に害をなす幽鬼を祓う白牙法師を目指して 修行の旅をする刻雨。顔を持たぬ異形の鬼と化した国を案ずる名もなき王…との作品紹介からの本編!
2人の冒険談が読み応えたっぷりでもう少し先まで読みたい!と思いました。
刻雨がちょっと後ろ向きで…もっと自信を持って!と心の中で応援してました。
新玉がカッコいいです!
映像や音楽で楽しみたい作品です!
独特の言い回しや普段見たことがない漢字もあり
初めは読みづらかったのですが、物語が進むにつれ先が気になって一気に読みました。
各章のタイトルも面白い。
問題を解決することによる別れが来ることが切なくもあり
でも見届けなくては、という謎の義務感もあり。
2人の抱えている事情や生きてきた道のりも苦しく(ネタバレになってしまうのであれやこれや言えませんが伏線が沢山あります)、出会うべきして出会ったのだなとギュッとなりました。
静と動、ネガポジ。全く正反対の2人だけれど補足し合い相手を思いやる気持ちが素敵だった。
信条を持ち、全てを自分の手柄にしない荒魂の性格も魅力的で好きになりました。
バディものの第一作としてとてもおもしろかったです。もっとこれからのふたりの道行きを読みたくなります。
独特の世界観で造語もいくつかありますが響きがいいのか覚えやすく、途中でつまることはなかったです。
『 自分が自分である事を怖がるな』
『 行くも帰るも自由なのです』
など心に残る言葉が沢山あふれていました。
ドキドキ疾走感ある物語の進み方や、正反対のふたりが絆を強くしていく様子がとてもおもしろく、作品のファンになりした!
また、読み終わったあとに各章?についている表題の音(どくり、すってんころりん等)と内容を思い返すのが楽しく、ピッタリハマった言葉に確かに!と感心しました。
この先の新天地でどんなことが起こるのか、、、
まだまだこのふたりの物語を読んでみたいです!
主人公が呪われていると言っても、結局よく分からず、あまり呪い、祓いの辺りがよく分からなかったものの、人間関係、心理描写などが興味深く、ぐいぐい引き込まれました。きっとシリーズものだと思うので、早く続編が読みたいです。天狗もインパクトのある良いキャラなので、レギュラーとして登場していただきたいです。
それでも寄せる想いに・・・。
異質な出自で特異な立場にいる異形ともいえる2人が出会い始まる旅路は、派手なアクション、市井の賑やかさとは裏腹に、もの悲しさ、悲壮感が漂う。表情の読みづらさは妖異さよりも、抱え込む葛藤を指し示すかのよう。
自身の過去の悲惨さを振り払い懸命に立ちあらがう幽異のバディアクション。
のっぺらぼう界の最イケメンに出会ってしまった……!飄々とした荒魂と、振り回される刻雨。
キャラクターが魅力的で、読み進めていけばいくほど、大好きになっていきました。国のため、他人のため、自分のため、それぞれの想いを胸に立ち向かう彼らからはひとときも目が離せません!
顔を隠す目的で仮面を被るのはあるが顔が無いから仮面を被るは珍しい。
東洋ファンタジーのバディもので、国の一大事に刻雨と彼の物語は、軽快さとシリアスさのバランスが素晴らしかった。
序盤はまだ世界観に慣れず、且つ、東洋ファンタジーによく見られる漢字の多さや羅列に面食らうけれど、慣れてくれば問題なく読める。
彼の信念や熱い想い、台詞ににじみ出る作品のテーマに泣けた。
何より二人の最後に待ち受ける大勝負は情景を思い浮かべながら読むことができ、想起しやすい文章がとても良かった。
ラノベとは違う分類のように昨今、本屋でよく見かけるようになったこういった表紙のファンタジーものの中に置かれると、どうしても埋もれてしまうけれど、とても話としてまとまりが良く、続編も期待できる内容だったので、多くの人に読まれてほしい作品だ。
中高生もハマれる作品だと思った。
この物語世界では、この世に未練を残した死者は、幽鬼となって、生者を襲っている。幽鬼というのは、異世界ものラノベのアンデッドモンスターとしておなじみのレイスのようなものだと思えば良い。白牙法師を目指す御晴野刻雨は、山護の役目を果たすため、萬景国にやってくる。白牙法師というのは、牙獣と呼ばれるあやかしを操り幽鬼を払う者たちである。刻雨は巨大な幽鬼と出会って、危ないところを一人の男に助けられる、その男は口元以外は、目も鼻もないのっぺらぼうだった。ここから物語は大きく転がっていく。そして明らかになるのっぺらぼうや刻雨の正体。手に汗握る声明法師たちとの戦い。
この物語から思うことは、世襲はいけないということ。実力のある者が後を継げばいいが、そうでない者が後を継いだ場合、自分の実力のないことを自覚せず、妬みからの暴走につながったりする。
東洋系の小国を舞台に白牙法師を目指す旅の修行僧、刻雨(ときさめ)と顔を持たない異形の、のっぺらぼう男、新玉(あらたま)の活躍を描く和風あやかしファンタジー小説です。まあ小説世界を理解するのに多少とも時間はかかりますが、世界観に慣れればノリが良くテンポよくリズムに乗って活劇場面も心地よく楽しめますよ。二人の心の交流と互いを思い遣る友情の描写も素晴らしく、先の見えない二人の未来が今後どうなって行くのかが非常に気になりますのでぜひとも早い機会に続編を読めますようにと待望しておりますね。