大地をうるおし平和につくした医師　中村哲物語

中村さんの人生に触れていると、好奇心や考えて行動することの大切さを実感します。読めば読むほど「なぜこんな人が亡くならなければならなかったのか」と思います。
自分の利がどうとか、そういうのが一切なく、ただ目の前の状況がよくなるために行動する……その力がただただ凄い。言葉にすると簡単ですが、実行するには難しすぎます。それでもそれに人生を費やした……そんな人が日本にいた事、子どもたちに知ってほしいです。

アフガニスタンに用水路をひいた医師、中村哲さんについてやさしい言葉で語った伝記物語。アフガニスタンについて、中村哲さんについて、何の予備知識もなくても読める本。医師であることと、命を守る為に灌漑用水を確保することが地続きであることがよくわかる。

この方を忘れてはいけない、絶対に。

なぜ医師でありながら、アフガニスタンという、日本から遠く離れた地で、灌漑用水路のためにその人生をすべて捧げたのか。そもそも、なぜ医師になったのか。テレビやニュースを通しての中村医師しか知らなかった私は、何回もこの本を読み返した。私たちが忘れてしまった何か、とても大切なことを、中村医師は気づかせてくれる。ひとりでも多くの子供たち、そして大人、全世界の人たちが読むべき本だ。

中村哲先生の幼少期から読みやすく書かれていました。課題図書では高学年に入っていましたが、文字数も多い印象がなく、文字を沢山読む事が苦手な児童でも読み切る事ができるのではないかと思いました。
虫が好きだった少年時代から医師になってからも、中村先生の感じた事や教訓となった事には、納得するものばかりでした。先生が日々懸命に生きてきたからこそ、響くものがあるのだと思います。