焼け野の雉
梶よう子
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刊行日 2023/05/08 | 掲載終了日 2023/05/16
ハッシュタグ:#焼け野の雉 #NetGalleyJP
内容紹介
あたしは、何度でも焼野から立ち上がる雉になろう――
文鳥、オウムど様々な鳥を商う「ことり屋」女主人のおけい。ある日、江戸の大半を焼き尽くす大火に見舞われて……。端正で清々しい、傑作時代小説
行方知れずとなった夫・羽吉と離縁し、女ひとりで飼(かい)鳥(どり)屋(や)を営む女主人のおけい。相棒である九官鳥・月丸との二人暮らしでお店も軌道に乗るある日、おけいの暮らす小松町一帯が大火に見舞われる。鳥たちを連れて必死で逃げのび、「お救い小屋」で暮らし始めたおけいだったが……。
江戸の暮らしをしっとりと鮮やかに活写しながら、女性の幸せとは人の幸せとは何かを問う、傑作長編小説。
おすすめコメント
○2017年『ヨイ豊』で直木賞候補&歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞、近刊『広重ぶるう』も「本屋が選ぶ時代小説大賞」候補や、朝日、産経、日経新聞など各紙の書評で激賞された著者の最新刊。
○端正で読みやすい文章で、市井の人の暮らしを生き生きと描きます。主人公のおけい、離縁した元夫の羽吉、八丁掘の定町廻りの永瀬八重蔵、永瀬の娘の結衣、お隣の籠屋の女房、古手屋の八五郎と長助ちゃん……生き生きと江戸の暮らしが描かれます。おけいをつい応援したくなる清々しい小説です。
○「飼い鳥屋」のお話で、様々な鳥が魅力的に登場します。おけいの相棒、九官鳥の月丸も活躍します。愛らしさについ目を細めてしまう場面も……!
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出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784022518835 |
本体価格 | ¥1,900 (JPY) |
ページ数 | 320 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
『ことり屋おけい探鳥双紙』続編。一人で飼鳥屋を営む女主人に次々と降りかかる災難。大火に見舞われ、大切なものを失った主人公の、心の葛藤と生命の息吹を描いた目映い時代ミステリ。
繊細な小鳥の描写がとても可愛くて癒され、鳥の習性や扱い方なども勉強になり、命を飼う事の責任を考えさせられた。
被災者が集まる「お救い小屋」で、標的を作り攻撃し、フラストレーションを解消しようとする弱さ。時代に関係なく、人の脆さとエゴに嫌気がさした。立場が同じなら自分も流される可能性があると怖くもなる様なリアリティがあった。
醜い諍いの他にも事件など憤るシーンが多いけれど、それ以上に「心の成長」が力強く描かれていて、躓きそうな心に寄り添う温かさを感じた。
淡い恋模様や、築かれた人の縁など、まだまだ先を見たいと思う人情溢れる作品。
九官鳥の「月丸」と、子供ながらに正しさを追求する「長助」が、特にお気に入りのキャラクター。